このドキュメントでは、外部ネットワークから、End-point Network Element(ENE; エンドポイント ネットワーク要素)または ENE 上の Multi-Layer(ML; マルチレイヤ)シリーズ カードに、Gateway Network Element(GNE; ゲートウェイ ネットワーク エレメント)経由で Telnet 接続する方法を説明します。これを実現するには、SOCKS バージョン 5 をサポートする PuTTY というアプリケーションを使用します。
GNE は ENE に接続するための中継要素として機能します。GNE はプロキシ ファイアウォールおよび IP アドレス マルチプレクサとして機能し、内部ネットワークの外側からの ENE への接続を可能にします。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
Cisco ONS 15454
Cisco ONS 15454 ML シリーズ イーサネット カード
SOCKS
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Cisco ONS 15454 バージョン 4.6.x
Cisco ONS 15454 バージョン 5.x
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
SOCKS は Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)で承認された規格(RFC 1928)で、TCP/IP ベースのネットワーク アプリケーションのためのプロキシ プロトコルです。SOCKS プロトコルは、他のセキュリティ テクノロジーとの容易な統合により、安全な通信を構築するための柔軟なフレームワークを提供します。SOCKS プロトコルを使用することでクライアントは、直接アクセスすることのできないアプリケーション サーバに接続できます。
デフォルトのSOCKSポートは1080です。SOCKSは、次の4つの基本操作を実行します。
接続要求
プロキシ回線のセットアップ
アプリケーション データのリレー
[Authentication]
認証がサポートされているのは SOCKS バージョン 5 だけです。
SOCKS には次の 2 つのコンポーネントが含まれます。
SOCKS サーバ
SOCKS クライアント
アプリケーション レイヤに SOCKS サーバを実装し、アプリケーション レイヤとトランスポート レイヤの間に SOCKS クライアントを実装します。このプロトコルの基本的な目的は、SOCKS サーバと同じサイドにあるホストが、SOCKS サーバの逆サイドにある、IP で直接到達できないホストにアクセスできるようにすることです。
アプリケーション クライアントがアプリケーション サーバに接続する必要がある場合、クライアントは SOCKS プロキシ サーバに接続します。クライアントに代わってプロキシ サーバがアプリケーション サーバに接続し、クライアントとアプリケーション サーバ間でデータをリレーします。アプリケーション サーバから見ると、プロキシ サーバがクライアントになります。
図1のネットワーク図を考えてみてください。ネットワークには4つのNEがあります。1 つの NE は LAN 接続されており、GNE として機能しています。他の 3 つの NE には Data Communication Channel(DCC; データ通信チャネル)接続だけがあります。DCC 接続しかない NE は、管理ステーションが存在する Data Communications Network(DCN; データ通信ネットワーク)に到達するために、LAN 接続されている NE を使用する必要があります。
図 1 では、10.89.238.81 が GNE、10.89.238.82、10.89.238.83、および 10.89.238.84 が ENE です。
図 1:トポロジ
ENE または特定のスロット(たとえば、ML IOS)にアクセスするには、SOCKS 対応の Telnet アプリケーションを使用する必要があります。「Socks 対応」とは、Telnet などのアプリケーションを設定して、SOCKS ゲートウェイにアクセスできるという意味です。
例のトポロジ内では、10.89.238.81 が GNE として機能しています。次に必要な設定を示します(図 2 を参照)。
[プロビジョン] > [ネットワーク]タブをクリックします。
Enable proxy server on port チェックボックスにチェックマークを付けます。
Gateway Network Element(GNE)オプションを選択します。
この手順により、ファイアウォールと SOCKS プロキシが有効になります。
ファイアウォールの機能により NE は、LAN インターフェイスと DCC インターフェイス間の IP パケット フィルタとして機能するようになります。パケットの宛先がその NE の IP アドレスでない場合、ネットワークは LAN インターフェイスからそのパケットをドロップします。このルールの例外としては、ブロードキャスト、マルチキャスト、および SNMP リレーのためにポート 391 宛てに送信される UDP パケットがあります。GNE では、DCC インターフェイスからのトラフィックが LAN インターフェイスに転送されることはありません。この結果、GNE でファイアウォール オプションを有効にすると、DCN から ENE へは IP 到達範囲外になります。
CTC が ENE を認識できるように、GNE で GNE プロキシを有効にします。
図2 - GNEプロキシファイアウォールの設定
プロキシ ファイアウォールが有効になっていると、ENE の IP アドレスへの Telnet 接続が失敗します(図 3 を参照)。
図3 - Telnet障害
この手順では、PuTTY というフリーウェアの SOCKS 対応 Telnet アプリケーションを使用します。PuTTY は PuTTY ダウンロード ページからダウンロードできます。
ENE との Telnet セッションを確立するには、次の手順を実行します。
Putty.exe を実行して、このアプリケーションを起動します(図 4 を参照)。 次の例は、このアプリケーションの zip 形式のファイルをダウンロードしたところです。
図4 - Putty.exe
Host Name(または IP address)フィールドに ENE の IP アドレスを入力します(図 5 の矢印 A を参照)。
図5 - ENE IPアドレス
Telnet オプション(図 5 の矢印 B を参照)を選択します。
Telnetのデフォルトのポートは23です。この値は[ポート]フィールドに表示されます(図5の矢印Cを参照してください)。
[Open] をクリックします。
Proxy Hostname フィールドにホスト名を入力します(図 6 の矢印 A を参照)。
図6:プロキシホスト名
SOCKS 5 オプションを選択します(図 6 の矢印 B を参照)。
デフォルトのポート番号は 1080 です。Port フィールドにその値が表示されています(図 6 の矢印 C を参照)。
Open をクリックします(図 6 の矢印 D を参照)。
ENE への Telnet セッションが開始されます(図 7 を参照)。
図7:ENEへのTelnetセッション
次の手順を実行して、ENE の ML シリーズ カードとの Telnet セッションを確立します。
Putty.exe を実行して、このアプリケーションを起動します(図 4 を参照)。
Host Name(または IP address)フィールドに ENE の IP アドレスを入力します(図 8 の矢印 A を参照)。
図8 - MLカードのIPアドレス
Telnet オプション ボタン(図 8 の矢印 B を参照)を選択します。
MLカードはスロット5にあります。したがって、ポート番号は2005(2000とスロット番号)です(図8の矢印Cを参照してください)。
[Open] をクリックします。
Proxy Hostname フィールドにホスト名を入力します(図 6 の矢印 A を参照)。
SOCKS 5 オプション ボタンをクリックします(図 6 の矢印 B を参照)。
Open をクリックします(図 6 の矢印 D を参照)。
ML カードへの Telnet セッションが開始されます(図 9 を参照)。
図9 - MLカードへのTelnetセッション