機器障害、無効 MAC アドレス(INVMACADR)は、Cisco ONS 15454 の MAC アドレスが無効なときに発生する Major (MJ; メジャー)、Non-Service Affecting(NSA)アラームです。このドキュメントでは、この問題の発生原因と適切なソリューションについて説明します。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Cisco ONS 15454 に基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
表記法の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
MAC アドレスは 48 ビットの Layer 2(L2; レイヤ 2)アドレスで、ネットワーク上のすべてのデバイスに固有不変に割り当てられるアドレスです。ネットワーク アドレスとは異なり、MAC アドレスはデバイスの物理的な(ハードウェア)アドレスです。すべての Cisco ONS 15454 には、製造時に割り当てられたデバイス固有の MAC アドレスがあり、Alarm Interface Panel(AIP; アラーム インターフェイス パネル)カードに格納されています。Timing Communication and Control(TCC)、TCC+、および TCC2 カード(アクティブおよびスタンバイの両方)は、ブート時に AIP メモリ チップから MAC アドレスを読み取り、その値を SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)に格納します。 読み取り専用の MAC アドレスを Cisco Transport Controller(CTC; シスコトランスポートコントローラ)の Provisioning/Network タブで確認できます。
Cisco ONS 15454 は回線ルーティングに IP アドレスと MAC アドレスの両方を使用します。ノードに無効な MAC アドレスのアラームがあると、CTC の回線状態のカラムに不完全な回線が表示されます。回線は正常に機能し、問題なくトラフィックを搬送しますが、CTC では、その回線のエンドツーエンド情報を論理的に表示できなくなります。
無効な MAC アドレスの原因としては、次のものが考えられます。
TCC カードがブート時に AIP カードからシャーシの MAC アドレスを読み取っている。読み取りエラーが発生すると、デフォルトの MAC アドレス(00-10-cf-ff-ff-ff)が使用されます。
Cisco ONS 15454 内の 2 枚の TCC カードが、MAC アドレスを別々に読み取っている。読み取りエラーにより、それぞれのカードで異なる値のアドレスが読み取られる可能性があります。
AIP カードがシャーシの MAC アドレスを保持している。AIP カードのコンポーネント障害により、読み取りエラーが発生する可能性があります。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
アクティブまたはスタンバイ TCC+/TCC2 で発生した未処理のアラームを解決します。
ファン トレイの LCD 表示を目視で確認します。
LCD が空白または文字が不明瞭な場合は手順 7 に進みます。
最初のメンテナンス ウィンドウで、スタンバイ TCC+/TCC2 のソフトウェア リセットを実行します。
CTC にログインして、スタンバイ TCC+ を右クリックし、Reset Card を選択します。確認を促すプロンプトが表示されます。[Yes] を選択します。カードのリセット中、CTC 内のカード上にロード中(Ldg)の表示が現れます。
注:リセットには約5分かかります。リセットが完了するまでは、他の手順を実行しないでください。
このカードがスタンバイ側でブートに失敗し、リロードが続く場合は、AIP に問題がある可能性があります。スタンバイ側の TCC+/TCC2 は、AIP の Erasable Programmable Read-Only Memory(EEPROM; 消去可能プログラム可能 ROM)の読み取りを試み、成功するまでリロードを続行します。手順 7 に進みます。
TCC+/TCC2 の切り替えを行います。この方法については、『Cisco ONS 15454 トラブルシューティング ガイド リリース 4.1.x および 4.5』の第 2 章の「アクティブ TCC+/TCC2 カードのリセットおよびスタンバイ カードのアクティブ化」のセクションを参照してください。
INVMACADR アラームが存続しているかどうかを確認します。
アクティブ TCC+/TCC2 をリセットすると、スタンバイ TCC+/TCC2 がアクティブになります。スタンバイ TCC+/TCC2 はシャーシの MAC アドレスのコピーを保持しています。格納されている MAC アドレスが有効であれば、アラームはクリアされます。
TCC+/TCC2 を再度切り替え、元の TCC をアクティブにします。この方法については、『Cisco ONS 15454 トラブルシューティング ガイド リリース 4.1.x および 4.5』の第 2 章の「アクティブ TCC+/TCC2 カードのリセットおよびスタンバイ カードのアクティブ化」のセクションを参照してください。
INVMACADR アラームが存続しているかどうかを確認します。
手順 4 および 5 の両方を実行しても INVMACADR が存続する場合は、AIP に問題がある可能性があります。手順 7 に進みます。
手順 4 または 5 のいずれか一方の手順で INVMACADR が存続する場合は、そのときにアクティブになっていた TCC+/TCC2 を交換します。現在カードがスタンバイ状態の場合は、そのままカードを取り外して交換できます。カードがアクティブになっている場合は、「アクティブ TCC+/TCC2 カードのリセットおよびスタンバイ カードのアクティブ化」の手順でカードをスタンバイ状態にしてから、カードを取り外して交換してください。
注:交換用のTCC+/TCC2にアクティブなTCC+/TCC2とは異なるソフトウェアバージョンがロードされている場合、カードのロードに最大で30分かかることがあります。TCC+/TCC2 からソフトウェアがコピーされる間、LED は障害状態とアクティブ/スタンバイ状態間の点滅を繰り返します。
ノードの以前の MAC アドレスを判別する方法について支援が必要な場合は、TAC サービスリクエストをオープンしてください。AIP を交換します。この方法については、『Cisco ONS 15454 トラブルシューティング ガイド リリース 4.1.x および 4.5』の第 3 章の「アラーム インターフェイス パネルの交換」のセクションを参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
25-Oct-2003 |
初版 |