このドキュメントでは、ルータからの show srp topology コマンドの出力データと例を使用して、スペース再利用プロトコル(SRP)トポロジを簡潔に説明します。
SRP は、リング構成で使用されるシスコが開発した MAC レイヤ プロトコルです。SRP リングは、外側リングと内側リングという反対方向に回転する 2 つのファイバから構成されます。この 2 つのリングは、データ パケットおよび制御パケットを伝送するために同時に使用されます。制御パケット(キープアライブ、保護スイッチング、および帯域制御の伝播)は、対応するデータ パケットとは反対方向に伝播されます。これにより、宛先まで最短のパスでデータが伝送されます。二重光ファイバ リングを使用することで、高いパケット持続性を実現できます。ノードの障害またはファイバの切断が生じた場合、データは代替リングに送信されます。(リング上の特定のノードがラップ状態である場合を除き)トポロジ パケットは外側リングで送信されます。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
SRP リング トポロジを理解するにはさまざまな方法があります。最もよく使用される方法は、SRP インターフェイスに対する show controllers コマンドの出力を利用する方法です。リングあたりのノード数が最大で 3 つの場合、この方法でトポロジを検出できます。4 つ以上のノードがある SRP リングの場合、この方法では時間がかかり、確認するデータが大量であるため、エラーが起こる確率が高くなります。
Node2#show controller srp 4/0 SRP4/0 - Side A (Outer RX, Inner TX) SECTION LOF = 0 LOS = 0 BIP(B1) = 3 LINE AIS = 0 RDI = 0 FEBE = 36599 BIP(B2) = 46 PATH AIS = 0 RDI = 0 FEBE = 4440 BIP(B3) = 26 LOP = 0 NEWPTR = 0 PSE = 0 NSE = 0 Active Defects: None Active Alarms: None Alarm reporting enabled for: SLOS SLOF PLOP Framing : SONET Rx SONET/SDH bytes: (K1/K2) = 0/0 S1S0 = 0 C2 = 0x16 Tx SONET/SDH bytes: (K1/K2) = 0/0 S1S0 = 0 C2 = 0x16 J0 = 0x1 Clock source : Internal Framer loopback : None Path trace buffer : Stable Remote hostname : Node1 Remote interface: SRP4/0 Remote IP addr : 9.64.1.34 Remote side id : B BER thresholds: SF = 10e-3 SD = 10e-6 IPS BER thresholds(B3): SF = 10e-3 SD = 10e-6 TCA thresholds: B1 = 10e-6 B2 = 10e-6 B3 = 10e-6 SRP4/0 - Side B (Inner RX, Outer TX) SECTION LOF = 0 LOS = 0 BIP(B1) = 65535 LINE AIS = 0 RDI = 0 FEBE = 65535 BIP(B2) = 65535 PATH AIS = 0 RDI = 0 FEBE = 65535 BIP(B3) = 65535 LOP = 0 NEWPTR = 3 PSE = 0 NSE = 0 Active Defects: None Active Alarms: None Alarm reporting enabled for: SLOS SLOF PLOP Framing : SONET Rx SONET/SDH bytes: (K1/K2) = 0/0 S1S0 = 0 C2 = 0x16 Tx SONET/SDH bytes: (K1/K2) = 0/0 S1S0 = 0 C2 = 0x16 J0 = 0x1 Clock source : Internal Framer loopback : None Path trace buffer : Stable Remote hostname : Node3 Remote interface: SRP4/0 Remote IP addr : 9.64.1.36 Remote side id : A BER thresholds: SF = 10e-3 SD = 10e-6 IPS BER thresholds(B3): SF = 10e-3 SD = 10e-6 TCA thresholds: B1 = 10e-6 B2 = 10e-6 B3 = 10e-6
トポロジをより短期間で確認する必要がある場合は、SRP リングに属するいずれかのノードから show srp topology コマンドの出力を収集します。次に、このドキュメントで説明するルールを出力に適用します。
Node2#show srp topology Topology Map for Interface SRP4/0 Topology pkt. sent every 5 sec. (next pkt. after 1 sec.) Last received topology pkt. 00:00:03 Last topology change was 05:59:02 ago. Nodes on the ring: 3 Hops (outer ring) MAC IP Address Wrapped SRR Name 0 0000.4142.8799 9.64.1.35 No - Node2 1 0007.0dec.a300 9.64.1.36 No - Node3 2 0010.f60d.7a00 9.64.1.34 No - Node1
show srp topology コマンドの出力から、リングに属するノードの名前と、ノード(SRP インターフェイスなど)ごとの関連 IP アドレスおよび MAC アドレスを確認できます。 この出力から、B 側または A 側に接続されている内容をどのように確認できるでしょうか。トポロジ アップデートは外部リング上を移動し、SRP インターフェイスの B 側から伝送されるため、show srp topology コマンドの出力の読み取り方に関するルールは次のようになります。
最初にリストされるノードは show srp topology コマンドの発行元ノードであり、このノードに関連付けられているホップの数は 0 です(ノード自体)。 次にリストされるノードは、元のノードの B 側から見て最初のノードから 1 ホップ先のノードです。つまり、リストされる各ノードは上位ノードの B 側に接続されます。次の例では、Node3 は 1 ホップです。つまり Node3 は Node2 の B 側に接続し、Node1 は Node3 の B 側に接続します。show srp topology コマンドの出力で最後にリストされるノードの B 側が最初のノード(コマンドを発行したノード)の A 側に接続されます。
B は常に A に接続されるため、これはトポロジを記述できる十分なデータです。
次の図にリング トポロジを示します。
リング上の一部のノードがラップ状態である場合でも、同じルールが適用されます。トポロジを記述し、ラップしている隣接ノードと、そのノードが属する SRP インターフェイス サイド間のスパンを確認します。そのスパンに問題があります。このため、ノードの反対側もラップする必要があります。このような場合の show srp topology コマンドの出力の例を次に示します。
Node2#show srp topology Topology Map for Interface SRP4/0 Topology pkt. sent every 5 sec. (next pkt. after 0 sec.) Last received topology pkt. 00:00:04 Last topology change was 00:00:09 ago. Nodes on the ring: 3 Hops (outer ring) MAC IP Address Wrapped SRR Name 0 0000.4142.8799 9.64.1.35 Yes - Node2 1 0007.0dec.a300 9.64.1.36 No - Node3 2 0010.f60d.7a00 9.64.1.34 Yes - Node1
次の図は、2 つのノードがラップ状態であるリング トポロジを示します。
SRP トポロジを迅速に記述する場合に必要となるのは、リングに属しているノードの 1 つからの show srp topology コマンド出力だけです。リストされている上位ノードの B 側が下位ノードに面しているというルールに留意すると、A 側だけでリングを完全に記述できます。これは、小規模ネットワーク、特に多数のノードを持つネットワークで SRP トポロジを記述するのに非常に便利な方法です。
注:show srp topologyコマンドの出力には、リングに属するSRPインターフェイスのスロット番号が表示されません。この情報は、スパンのトラブルシューティングでのみ必要とされ、show ip interface brief コマンドや show interface コマンドなどさまざまな方法で取得できます。