Voice over IP(VoIP)サービスを提供していて、ときどき、音質上の問題が発生する場合は、Quality Of Service(QoS)を表示する適切なソフトウェア ツールが必要です。 シスコでは、VoIP ソリューションを使用しているネットワークの QoS をモニタリングするためのオプションをいくつか提供しています。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
次に示すシスコのソリューションでは、音質を測定する際に、Perceptual Speech Quality Measurement(PSQM)や、音質測定のために新しく提案されたアルゴリズムは使用しません。Agilent TechnologiesとNetIQのツール は、この目的で使用できます。シスコでは、遅延、ジッタ、パケット損失を測定することにより音質を評価するツールを提供しています。
モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用してサービス ポリシーを実装するには、まず、SCisco Class-Based QoS Configuration and Statistics Management Information Base (MIB) を参照してください。 この MIB では、モジュラ QoS CLI をサポートするシスコの各プラットフォームの QoS 設定と統計情報へリード アクセスできます。MIB から入手できる統計情報には、QoS ポリシー設定前および設定後の、トラフィック クラスごとのカウントやレートの要約があります。また、PolicyMap の機能を選択する際に有用な、機能ごとの詳細な統計情報もあります。Cisco MIB でオブジェクト ID を検索してください。
さらに、シスコでは QoS をモニタリングするために、次のソフトウェア ツールを提供しています。
Quality of Service Device Manager (QDM) – このツールは、www.cisco.comから無料でダウンロードできます。ご使用のシスコ デバイスにロードしてブラウザでアクセスします。QDM のすべてのバージョンでは、グラフや表を使用して、ルータやスイッチの QoS 機能をリアルタイムでモニタリングできます。QDM のグラフでは、クラスごと、ポリシーごと、およびインターフェイスごとの QoS データをモニタリングできます。QDM では、1 つのフレームに 4 つのグラフを表示でき、複数のフレームを同時に開くこともできます。各グラフでは、パケット レート、ビット レート、バイト カウント、パケット カウント、およびプロトコル検出など、さまざまな統計情報をモニタリングできます。QDM のモニタリング テーブル機能では、QoS 機能の統計情報をリアルタイムでモニタリングできます。
Cisco Service Assurance Agent(CSSA)を使用したネットワーク監視:Cisco IOS®リリース11.2で導入されたResponse Time Reporter(RTR)機能の新しい名称と拡張機能。RTRの応答時間と可用性の監視機能が拡張されましたRTRはCSSAに進化しましたCSSA は、アプリケーション対応の総合的な運用エージェントで、応答時間、アベイラビリティ、ジッタ(パケット間遅延のバリアンス)、接続時間、スループット、パケット損失など、主要なメトリックを測定してネットワークのパフォーマンスをモニタリングします。これらのメトリックは、トラブルシューティング、問題発生前の分析、および将来のネットワークトポロジの設計に使用できます。 このツールは、リアルタイムのモニタリングよりも、傾向を把握するための設計になっています。詳細については、『シスコ サービス保証エージェントとインターネットワーク パフォーマンス モニタを使用した Voice over IP ネットワークの QOS 管理』を参照してください。
CiscoWorks Voice Health Monitor - 管理アプリケーションのバンドル スイートで、CiscoWorks ファミリ全般で使用されます。VoIP-HM では、Cisco CallManager のアプリケーションとプラットフォーム、ルータのゲートウェイ、インライン電源スイッチのモニタリングと詳細な障害分析がリアルタイムで提供されます。サポートされる各デバイスでは、VoIP-HM が、デバイスやネットワークレベルで事前に定義した問題の範囲を自動で監視します。ユーザは、規則を書いたり、ポーリング値やしきい値を設定する必要はありません。
Cisco Catalyst 6500および6000シリーズ用のデータシートネットワーク解析モジュール(NAM):Cisco Catalyst 6000シリーズシャーシ上の1つのフルスロットを占有します。NAM は、稼動している専用 RMON/RMON2 の高性能エンジンを基に動作します。このモジュールでは、Differentiated Serve Monitoring(DSMON)MIB を使用して、Catalyst 6000 のトラフィックを測定します。Differentiated Serve Monitoring(DSMON)MIB は、Differentiated Services Code Point(DSCP)を基準にしてネットワーク トラフィックを測定し、Application Response Time MIB(ART MIB)で TCP のカンバセーション時間、応答などをトラックします。CSAA が総合的なトラフィックを生成し、傾向を把握する設計になっているのに対して、このモジュールは、実際のトラフィックを測定し、リアルタイム モニタリングを行う設計になっています。NAM は、H.323 ファミリすべてや Skinny Gateway Protocol などを含む、アプリケーション層へのすべてのデータや音声のフローのマルチレイヤ情報を収集します。
Cisco Gateway Management Agent(CGMA)- Cisco IOS ソフトウェアで唯一の、VoIP 向けリアルタイム管理エージェント、およびプロトコルです。CGMA は、新しいゲートウェイ Cisco IOS エージェントで、VoIP のすべてのコールの状態情報をリアルタイムで提供します。CGMA はプッシュ プロトコルをサポートしています。このプロトコルでは、特定のコール状態の変更が、メッセージとしてゲートウェイで CGMA から送信されます。CGMA からのインターフェイスは、Real Time Management Protocol(RTMP)です。RTMP は、XML ベースの軽量なプロトコルで、転送プロトコルとして TCP を使用します。このソリューションでは、サービス プロバイダーはリアルタイムで、Call Detail Records(CDR; 呼詳細レコード)とトランクの使用率を確認して、コールをモニタリングできます(セッション開始プロトコル(SIP)と H.323 ネットワーク)。CGMA が使用できると確認されているゲートウェイには、Cisco 2600 シリーズ、3600 シリーズ、および 5000 シリーズがあります。すべてのゲートウェイで使用できると確認されている Cisco IOS は、12.2(2)Xb のメインライン リリースです。
注:Cisco QoS Policy Managerバージョン3.0では、VoIPモニタリング機能が導入されます。