ここでは、イーサネット サブインターフェイスへのClass-Based Weighted Fair Queuing(CBWFQ; クラスベース均等化キューイング)および他のCisco IOS® ソフトウェア ベースQuality of Service(QoS; サービス品質)機能の適用方法について説明します。イーサネット サブインターフェイスは、Cisco IOSの論理インターフェイスです。Modular QoS CLI(MQC; モジュラQoSコマンドライン インターフェイス)を使用して、サービス ポリシーを作成し、イーサネット サブインターフェイスに適用することができます。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Cisco IOS ソフトウェア 12.2(2)T
ファスト イーサネット ネットワーク モジュールを搭載したCisco 2620 ルータ
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
ドキュメントの表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
一般的に、ポリシーをどこに適用するかは、ポリシーによってアクティブ化するQoS機能に応じて異なります。イーサネット サブインターフェイスは、次の機能をサポートしています。
クラスベース ポリシング ― police コマンドを使用してインターフェイスとサブインターフェイスの両方にポリシーを適用した場合、クラスと一致するトラフィックに対して、サブインターフェイスのポリサーだけがアクティブになります。詳細については、『トラフィック ポリシング』を参照してください。
クラスベースのマーキング:詳細については、「分類の概要」を参照してください。
クラスベースシェーピング:詳細は、『クラスベースシェーピングの設定』を参照してください。
クラスベースキューイング:キューイングは、イーサネットサブインターフェイスの特殊なケースです。詳細については、次の記述を参照してください。
インターフェイスから送出する必要があるパケットの数がそのインターフェイスの出力レートを超えると、ルータではパケットのキューイングが開始されます。超過パケットはキューに保管されます。送信待機パケットには、キューイング方式を適用できます。
Cisco IOS の論理インターフェイスでは、本質的な理由で輻輳状態をサポートせず、キューイング方法を適用するサービス ポリシーの直接的な適用もサポートしていません。その代わりに、Generic Traffic Shaping(GTS; ジェネリック トラフィック シェーピング)またはクラスベース シェーピングのいずれかを使用して、サブインターフェイスにシェーピングを最初に適用する必要があります。詳細については、『ポリシングとシェーピング』を参照してください。
キューイングを適用するサービス ポリシーをシェーピングを適用せずにイーサネット サブインターフェイスに設定すると、次のログメッセージがルータに表示されます。
router(config)# interface ethernet0/0.1 router(config-subif)# service-policy output test CBWFQ : Not supported on subinterfaces
ギガビット イーサネット サブインターフェイスの場合も同じです。
c7400(config)# interface gig0/0.1 c7400(config-subif)# service-policy ou c7400(config-subif)# service-policy output outFE CBWFQ : Not supported on subinterfaces
すなわち、親レベルでshape コマンドを使用し、階層化ポリシーを設定する必要があります。下位レベルでは、CBWFQの場合は bandwidth コマンド、Low Latency Queueing (LLQ; 低遅延キューイング)の場合は priority コマンドを使用します。クラスベース シェイピングは出力レートを制限するので、(想定では)論理サブインターフェイス上で輻輳ステートが発生しやすくなります。次に、サブインターフェイスで「バックプレッシャ」が適用され、シェイパで保留されている過剰パケットのキューイングが Cisco IOS により開始されます。
階層化ポリシーを適用する手順は、次のとおりです。
子レベルまたは下位レベルのポリシーを作成し、キューイング方式を設定します。次の例では、priority コマンドを使用してLLQを設定し、bandwidth コマンドを使用してCBWFQを設定しています。詳細については、『輻輳管理の概要』を参照してください。
policy-map child class voice priority 512
親レベルまたは上位レベルのポリシーを作成し、クラスベース シェイピングを適用します。子クラスのアドミッション制御は親クラスのシェイピング レートに基づいて実行されるので、親ポリシーの下のコマンドとして子ポリシーを適用します。
policy-map parent class class-default shape average 2000000 service-policy child
サブインターフェイスに親ポリシーを適用します。
interface ethernet0/0.1 service-policy parent
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
ルータ 2620A |
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hostname 2620A ! ip cef ! class-map match-any dscp46 match ip dscp 46 class-map match-all telnet_ping_snmp match access-group 150 class-map match-all http match access-group 154 class-map match-all pop3_smtp match access-group 153 ! ! policy-map voice_traffic class dscp46 shape average 30000 10000 class telnet_ping_snmp shape average 20000 15440 class pop3_smtp shape average 20000 15440 class http shape average 20000 15440 ! interface FastEthernet0/0 ip address 10.10.247.2 255.255.255.0 duplex auto speed auto ! interface FastEthernet0/0.1 encapsulation dot1Q 1 native ip address 10.1.1.1 255.255.255.0 service-policy output voice_traffic |
ここでは、設定が正しく機能していることを確認するために使用する情報を示します。
特定の show コマンドは、アウトプット インタープリタでサポートされています。このツールを使用すると、show コマンド出力を分析できます。
show policy-map {policy name}:指定されたサービス ポリシー マップのすべてのクラスの設定を表示します。
2620A# show policy-map voice_traffic Policy Map voice_traffic Class dscp46 Traffic Shaping Average Rate Traffic Shaping CIR 30000 (bps) Max. Buffers Limit 1000 (Packets) Bc 10000 Class telnet_ping_snmp Traffic Shaping Average Rate Traffic Shaping CIR 20000 (bps) Max. Buffers Limit 1000 (Packets) Bc 15440 Class pop3_smtp Traffic Shaping Average Rate Traffic Shaping CIR 20000 (bps) Max. Buffers Limit 1000 (Packets) Bc 15440 Class http Traffic Shaping Average Rate Traffic Shaping CIR 20000 (bps) Max. Buffers Limit 1000 (Packets) Bc 15440 2620A# show policy-map voice_traffic class dscp46 Class dscp46 Traffic Shaping Average Rate Traffic Shaping CIR 30000 (bps) Max. Buffers Limit 1000 (Packets) Bc 10000
show policy-map interface fast ― 指定したサービス ポリシー マップについて、全クラスのマッチ カウンタを表示します。
2620A# show policy-map interface fa0/0.1 FastEthernet0/0.1 Service-policy output: voice_traffic Class-map: dscp46 (match-any) 0 packets, 0 bytes 5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps Match: ip dscp 46 0 packets, 0 bytes 5 minute rate 0 bps Traffic Shaping Target Byte Sustain Excess Interval Increment Adapt Rate Limit bits/int bits/int (ms) (bytes) Active 30000 2500 10000 10000 333 1250 - Queue Packets Bytes Packets Bytes Shaping Depth Delayed Delayed Active 0 0 0 0 0 no Class-map: telnet_ping_snmp (match-all) 0 packets, 0 bytes 5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps Match: access-group 150 Traffic Shaping Target Byte Sustain Excess Interval Increment Adapt Rate Limit bits/int bits/int (ms) (bytes) Active 20000 3860 15440 15440 772 1930 - Queue Packets Bytes Packets Bytes Shaping Depth Delayed Delayed Active 0 0 0 0 0 no Class-map: pop3_smtp (match-all) 0 packets, 0 bytes 5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps Match: access-group 153 Traffic Shaping Target Byte Sustain Excess Interval Increment Adapt Rate Limit bits/int bits/int (ms) (bytes) Active 20000 3860 15440 15440 772 1930 - Queue Packets Bytes Packets Bytes Shaping Depth Delayed Delayed Active 0 0 0 0 0 no Class-map: http (match-all) 0 packets, 0 bytes 5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps Match: access-group 154 Traffic Shaping Target Byte Sustain Excess Interval Increment Adapt Rate Limit bits/int bits/int (ms) (bytes) Active 20000 3860 15440 15440 772 1930 - Queue Packets Bytes Packets Bytes Shaping Depth Delayed Delayed Active 0 0 0 0 0 no Class-map: class-default (match-any) 926 packets, 88695 bytes 5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps Match: any
注:クラスベースシェーピングは、インターフェイスおよびサブインターフェイスレベルで動作します。IOS 12.2(2.5) には、メイン インターフェイスおよびサブインターフェイスのIPアドレスにシェイピングを設定できる機能があります。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
10-Aug-2005 |
初版 |