この文書では、show controller fia コマンドの出力の解釈の仕方について説明します。
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Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータの分散アーキテクチャ
このアーキテクチャの詳細は、「Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータのアーキテクチャ」、特に「スイッチ ファブリック」に関する章を参照してください。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
show controller fia コマンドは、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータの Fabric Interface Asic(FIA)コントローラに関する情報を表示するために使用します。FIA は、Gigabit Route Processor(GRP; ギガビット ルート プロセッサ)と Line Card(LC; ラインカード)の両方に存在し、 GRP/LC とスイッチ ファブリック カード(CSC/SFC)間のインターフェイスを提供します。
show controller fia コマンドは、Cisco 12000 シリーズのルータで発生するスイッチ ファブリックに関する問題のトラブルシューティングに非常に重要な役割を果たします。たとえば、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータにおけるファブリック Ping のタイムアウトおよび障害のトラブルシューティングに使用します。スイッチ ファブリックのトラブルシューティングに関するガイドラインについては、「スイッチ ファブリック(CSC および SFC)のトラブルシューティング」を参照してください。
show controller fia コマンドでは、From Fabric と To Fabric の FIA エラーが区別されています。From Fabric エラーは、スイッチ ファブリックからラインカードまたは GRP に向かうパケット用であり、To Fabric エラーは、ラインカードまたは GRP からスイッチ ファブリック経由で別のカードに向かうパケット用です。
次に、show controller fia コマンドの出力例を示します。
Line 1 12016#show controller fia Line 2 Fabric configuration: Full bandwidth redundant Line 3 Master Scheduler: Slot 17 Line 4 Line 5 From Fabric FIA Errors Line 6 ----------------------- Line 7 redund fifo parity 0 redund overflow 0 cell drops 0 Line 8 crc32 lkup parity 0 cell parity 0 crc32 0 Line 9 Switch cards present: 0x001F Slots 16 17 18 19 20 Line 10 Switch cards monitored: 0x001F Slots 16 17 18 19 20 Line 11 Slot: 16 17 18 19 20 Line 12 Name: csc0 csc1 sfc0 sfc1 sfc2 -------- -------- -------- -------- -------- Line 13 los 0 0 0 0 0 Line 14 state Off Off Off Off Off Line 15 crc16 0 0 0 0 0 Line 16 Line 17 To Fabric FIA Errors Line 18 ----------------------- Line 19 sca not pres 0 req error 0 uni FIFO overflow 0 Line 20 grant parity 0 multi req 0 uni FIFO undrflow 0 Line 21 cntrl parity 0 uni req 0 crc32 lkup parity 0 Line 22 multi FIFO 0 empty dst req 0 handshake error 0 Line 23 cell parity 0
Line 2 は、ボックスがフルまたは 4 分の 1 のどちらの帯域幅モードであるか、および現在冗長であるかどうかを示します。
Line 3 は、どの Clock and Scheduler Card(CSC; クロック スケジューラ カード)が現在マスターであるかを示します。17 はデフォルトのマスターです。
Lines 7 ~ 15 は、From Fabric FIA のさまざまなエラー カウンタを示します。一部のエラー カウンタの説明は、「スイッチ ファブリック(CSC および SFC)のトラブルシューティング」に記載されています。
Lines 9 と 10 は、現在存在し(電源が投入されている)監視されている(使用中である)ファブリック カードを示す逆ビット マスクです。 ビットは、次のように分類されます。
7 6 5 4 3 2 1 0 unused unused unused SFC2 SFC1 SFC0 CSC1 CSC0
この場合、0x1F は 00011111 で、すべてのカードが存在することを示します。0x1D は 00011101 で、CSC1 のビットがオフになっていることを示します。
Line 11 は、次のスロットのヘッダー行です。
0= スロット 16=CSC0
1= スロット 17=CSC1
2= スロット 18=SFC0
3= スロット 19=SFC1
4= スロット 20=SFC2
Line 13 は、ファブリック カードでクロックの同期を喪失した回数を示します。
Line 14 は、同期ステータスを示します。「オン」とは、現在同期が取れていないことを意味します。「Off」は同期していることを示します。
Line 15 は、このファブリック カードと通信しているときに発生した、ファブリックの Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長検査)エラーの回数を示します。この値が高い場合は、通常、ハードウェアが正しく装着されていないことを示します。エラー回数が増加するかどうかを調べることが重要です。増加する場合は、すべてのファブリック カードで増加するのか、1 つのファブリック カードでのみ増加するのかを調べる必要があります。
Lines 19 ~ 23 は、To Fabric FIA のさまざまなエラー カウンタを示します。一部のエラー カウンタの説明は、「スイッチ ファブリック(CSC および SFC)のトラブルシューティング」に記載されています。
12410 のファブリックの物理構成は多少異なるので、出力も若干異なります。
Line 1 12410#show controller fia Line 2 Fabric configuration: Full bandwidth, redundant fabric Line 3 Master Scheduler: Slot 17 Backup Scheduler: Slot 16 Line 4 Line 5 From Fabric FIA Errors Line 6 ----------------------- Line 7 redund fifo parity 0 redund overflow 0 cell drops 0 Line 8 crc32 lkup parity 0 cell parity 0 crc32 0 Line 9 Switch cards present 0x007C Slots 18 19 20 21 22 Line 10 Switch cards monitored 0x007C Slots 18 19 20 21 22 Line 11 Slot: 18 19 20 21 22 Line 12 Name: sfc0 sfc1 sfc2 sfc3 sfc4 -------- -------- -------- -------- -------- Line 13 los 0 0 0 0 0 Line 14 state Off Off Off Off Off Line 15 crc16 0 0 0 0 0 Line 16 Line 17 To Fabric FIA Errors Line 18 ----------------------- Line 19 sca not pres 0 req error 0 uni fifo overflow 0 Line 20 grant parity 0 multi req 0 uni fifo undrflow 0 Line 21 cntrl parity 0 uni req 0 crc32 lkup parity 0 Line 22 multi fifo 0 empty dst req 0 handshake error 0 Line 23 cell parity 0
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
23-Jan-2008 |
初版 |