このドキュメントでは、Cisco 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ(ASR)上の Linux と IOSd 間のメモリ割り当てについて説明します。
Cisco IOS® は、ASR1000 プラットフォームの Linux カーネル上のプロセスである Cisco IOS デーモン(IOSd)として稼働します。Linux はメモリ マネージャで、使用する IOSd のメモリの固定部分を割り当てます。メモリの量は、Linux カーネルと IOSd の間でほぼ半分に分割されます。
インストールされている物理メモリの量を確認するには、show version コマンドの出力を調べます。この出力では、4GB(4194304K)の DRAM がインストールされており、1.7GB(1732016K)が IOSd に割り当てられています。
cisco ASR1002 (2RU) processor with 1732016K/6147K bytes of memory.
4 Gigabit Ethernet interfaces
32768K bytes of non-volatile configuration memory.
4194304K bytes of physical memory.
IOSd の合計プロセッサ メモリを確認するには、show process memory コマンドでプロセッサ プールを調べます。これは、IOSd にある関連する唯一のプールです。
------------------ show process memory ------------------
Processor Pool Total: 1773498940 Used: 1069637628 Free: 703861312
予測どおり、1.77GB が使用可能です。ただし、圧縮解除された大きい IOS XE イメージを格納するためにかなりの部分が使用されるため、この量は半分より少し少なくなっています。
シングルルートプロセッサ(SRP):ASR1001、ASR1002、ASR1004などのシャーシのみが、ソフトウェアのステートフルスイッチオーバー(SSO)を仮想的に実行し、ソフトウェアの冗長性を提供できます。これらのプラットフォームにハードウェアのルート プロセッサ(RP)冗長性はありません。
この例では、4GB の DRAM および RP1 プロセッサがインストールされています。
cisco ASR1004 (RP1) processor with 680124K/6147K bytes of memory.
Processor board ID FOX1537G88Y
5 Gigabit Ethernet interfaces
32768K bytes of non-volatile configuration memory.
4194304K bytes of physical memory.
ただし、ルータは SSO 用に設定されています。
redundancy
mode sso
show platform コマンドの出力によって、単一の RP(R0)が 2 つのソフトウェア RP(R0/0 と R0/1)に分割されていることを確認できます。
------------------ show platform ------------------
Chassis type: ASR1004
Slot Type State Insert time (ago)
--------- ------------------- --------------------- -----------------
0 ASR1000-SIP10 ok 18w0d
0/0 SPA-5X1GE-V2 ok 18w0d
R0 ASR1000-RP1 ok 18w0d
R0/0 ok, active 18w0d
R0/1 ok, standby 18w0d
プロセッサ プールを調べる、メモリが再度半分に分割されて、RP ごとに 1GB になっていることを確認できます。圧縮解除された IOS XE イメージを差し引くと、IOSd の 1 個のインスタンスに残されている合計メモリは約 696MB にすぎません。
------------------ show process memory ------------------
Processor Pool Total: 696361580 Used: 676707244 Free: 19654336
ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)テーブル全体を安定して実行するには、696MB を超えるメモリが必要になる可能性があります。SSO を実行するためには、最低で合計 8 GB の DRAM が推奨されます。
ASR1001 などのプラットフォームでは、RP と Embedded Services Processor(ESP)の両方が統合されており、予想より少ない初期合計プロセッサ メモリで開始されます。
他の例と同様に、この出力は 4GB の DRAM がインストールされていることを示します。
cisco ASR1001 (1RU) processor with 1207128K/6147K bytes of memory.
4 Gigabit Ethernet interfaces
32768K bytes of non-volatile configuration memory.
4194304K bytes of physical memory.
ルータで使用可能なプロセッサ プール メモリは 1.23GB のみである一方で、ASR1002 には約 1.77GB のメモリがあることに注意してください。
------------------ show process memory ------------------
Processor Pool Total: 1235972656 Used: 983365712 Free: 252606944
通常、ESP は独自の物理メモリを持つ別のモジュールです。ただし、ASR1001 では、RP と ESP の両方が統合されており、DRAM を共有する必要があります。したがって、ルータは少ないメモリ容量で開始されます。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
27-May-2013 |
初版 |