概要
このドキュメントでは、同じIOS-XEソフトウェアを実行していても、サブインターフェイスがencapulation dot1qで設定されている場合の入出力パケットを考慮して、アグリゲーションサービスルータ(ASR1K)とサービス統合型ルータ(ISR4K)の動作の違いについて説明します。
著者:Cisco TACエンジニア、Venkat Ramasamy Kannan
前提条件
要件
ASR1KおよびISR4Kルータに関する知識と、基本的なvlanおよびサブインターフェイスのタギングの概念に関する知識があることが推奨されます。
使用するコンポーネント
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ただし、このドキュメントの情報は、次のハードウェアを使用して作成されます。
- IOS-XE 3.13.3Sを実行するASR 1006
- IOS-XE 3.16.0Cを実行するISR 4321
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
設定
デフォルト動作:ASR 1006
config
!
interface GigabitEthernet0/0/1
no ip address
load-interval 30
negotiation auto
!
interface GigabitEthernet0/0/1.1115
encapsulation dot1Q 1115 native
ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
!
入出力カウンタ
R-ASR1006-2#show vlans dot1q 1115
Total statistics for 802.1Q VLAN 1115:
4021 packets, 241260 bytes input <-- counter is very low (and frozen)
10 packets, 420 bytes output <-- counter is very low (and frozen)
0 oversubscription packet drops
ただし、これらのカウンタは、物理インターフェイスの下で唯一のサブインターフェイスであり、値に大きな不一致があるため、誤っているように見えます。
NR-ASR1002-2#sh int gigabitEthernet 0/0/1
GigabitEthernet0/0/1 is up, line protocol is up
<trunc>
2429325386 packets input, 1438158021764 bytes, 0 no buffer
2429263775 packets output, 1438124149520 bytes, 0 underruns
<trunc>
デフォルト動作:ISR4321
config
!
interface GigabitEthernet0/0/1
no ip address
load-interval 30
negotiation auto
!
interface GigabitEthernet0/0/1.3503
encapsulation dot1Q 1115 native
ip address 57.211.249.6 255.255.255.252
!
入出力カウンタ
ISR4321-1#show vlans dot1q 3503
Total statistics for 802.1Q VLAN 3503:
141584463 packets, 101578951916 bytes input
142482559 packets, 45106997466 bytes output
ISR4321-1#show int gig 0/1
<trunc>
141584583 packets input, 2794771512 bytes, 0 no buffer
142609327 packets output, 2166121790 bytes, 0 underruns
<trunc>
ISR4321-1#
物理インターフェイスgig0/1とサブインターフェイスgig0/1.3503の間の値は一致します。
行動差異の理由
ASR1KとISR4Kの動作上の違いは、同じIOS-XEを実行していても、その理由は、encap dot1q 10ネイティブが設定されている場合、データプレーンから統計情報が取得されることです。ただし、ASR1Kでは、共有ポートアダプタ(SPA)ハードウェアから統計情報が取得され、SPAはデータプレーンプロセッサほどインテリジェントではないため、タグなしパケットを特定のVLANに対してカウントする方法は分かりません。
設定/回避策
ASR1KをISR4Kと同様に動作させるには、ISR4kのようなデータプレーンレベルでパケットをカウントする必要があります。その方法は、ASRでこれを設定することです。
Router(config)# hw-module subslot x/y ethernet vlan unlimited
警告:このコマンドは注意して使用する必要があります。これが有効になると、SPAはパケット分類の実行を停止します。そのため、ルータがすでに加入過多のシナリオにある場合は、パケット(パケットが分類されなくなったため、高い優先度または低い優先度)がドロップされる可能性があります
確認
設定追加後のASR上のカウンタ
R-ASR1006-2#show int giga 0/1
<trunc>
2429657821 packets input, 1438159132874 bytes, 0 no buffer
2429643228 packets output, 1438125250620 bytes, 0 underruns
<trunc>
R-ASR1006-2# R-ASR1006-2#show vlans dot1q 1115
Total statistics for 802.1Q VLAN 1115:
2429657834 packets, 1438159133962 bytes input
2429643241 packets, 1438125251511 bytes output