概要
このドキュメントでは、SAP High Performance Analytic Appliance(HANA)を Electromagnetic Compatability(EMC)VNX ストレージと併用してソリューションをスケールアウトし、Cisco SAP HANA アプライアンスおよび SAP HANA Tailored Datacenter Integration(TDI)の実装に適用する方法を説明します。また、環境が想定外に停止しないようにするため、マルチパスの設定を変更する方法について説明します。
前提条件
要件
このドキュメントに特有の要件はありません。
使用するコンポーネント
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
問題:SAP HANA スケールアウト環境の想定外の停止
SAP HANA の場合、必要なデータおよびログ ファイル システムは、EMC VNX ストレージからファイバ チャネルを経由してマウントされます。デバイスの取り付けと取り外しは、SAP HANA ストレージ API によって制御され、Linux Device Mapper Multipath(DM-MP)モジュールに基づいて行われます。各ストレージ デバイスにつき 8 個のパス(アクティブ/パッシブ)で構成されます。
SUSE Linux Enterprise System 11.3では、Linuxカーネル3.0.101-0.40で、medium access timeoutカウンタがリセットされない場合に、マルチパスロジックのバグが検出されました。このバグにより、カウンタの値が2に達すると、ストレージデバイスはオフラインになります。
この結果、SAP HANA スケールアウト環境が想定外に停止する可能性があります。
このバグは、ハードウェアとケーブル配線にエラーがない限り発生しません。
解決方法
SUSE Linux Enterprise System 11.3 のカーネルを 3.0.101-0.47.52.1 以上にアップデートし、/etc/multipath.conf ファイルに含まれる次のパラメータを調整します。
rr_min_io
flush_on_last_del
fast_io_fail_tmo
dev_loss_tmp
[an error occurred while processing this directive]
調整後の設定ファイルは次のようになります。
defaults {
user_friendly_names no
}
devices {
device {
vendor "DGC"
product ".*"
product_blacklist "LUNZ"
features "0"
hardware_handler "1 emc"
path_selector "round-robin 0"
path_grouping_policy group_by_prio
failback immediate
rr_weight uniform
no_path_retry 5
rr_min_io 1000
path_checker emc_clariion
prio emc
flush_on_last_del yes
fast_io_fail_tmo off
dev_loss_tmo 120
}
}
[an error occurred while processing this directive]
注:このカーネル バグが発見される前に作成された EMC ホワイト ペーパー『VNX Configuration Recommendations for SAP HANA TDI』(20 ページ)では、これらの変更について言及されていません。
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