このドキュメントでは、Cisco Catalyst OS(CatOS)ソフトウェアを実行する Cisco Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチに関して表示される一般的なシステム ログ(syslog)とエラー メッセージについて簡単に説明します。
特定のエラー メッセージに関する詳細がこのドキュメントで見つからない場合は、エラーメッセージデコーダ (登録ユーザ専用)ツールを使用してください。 このツールを使用すると、Cisco IOS® ソフトウェアや CatOS ソフトウェアで発生したエラー メッセージの意味を調べることができます。
注:このドキュメントで説明するsyslogおよびエラーメッセージの正確な形式は、異なる場合があります。この違いは、スイッチのスーパーバイザ エンジンで稼働しているソフトウェア リリースの違いによって生じるものです。
注:Catalyst 4500/4000シリーズスイッチでは、次の最低限のロギング設定が推奨されています。
スイッチで日付と時刻を設定する、または Network Time Protocol(NTP; ネットワーク タイム プロトコル)を使用して、NTP サーバから日付と時刻を取得するようにスイッチを設定します。
注:スイッチの日付と時刻を設定するには、set timeコマンドを発行します。
ロギングまたはロギングのタイム スタンプが有効であることを確認します。デフォルトでは両方とも有効になっています。
可能であれば、syslog サーバにログを記録するようにスイッチを設定します。
このドキュメントのエラー メッセージは、Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチに加え、Catalyst 2948G、2980G、4912G スイッチなどの同系のスイッチでも表示される場合があります。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
スイッチで %C4K_HWPORTMAN-4-BLOCKEDTXQUEUE:Blocked transmit queue HwTxQId[dec]on[char], count=[dec] エラーが生成されます。
このレート制限メッセージは、ポートの送信キューが「一時停止」以外の理由によりブロックされていることを示しています。つまり、そのポートのトラフィックは制限され、ブロックされています。ライン カードからビジー ビットを受信したために、スーパーバイザ エンジンがライン カードへパケットを送信できない場合、送信キューのメッセージがブロックされます。この問題は、ハードウェアの故障や速度とデュプレックスのミスマッチにより引き起こされる可能性があります。回避策としては、リンクの両側で速度とデュプレックスの自動ネゴシエーションを行うように設定します。ポートを復旧するには、shut/no shut コマンドを発行します。それでも問題が解決しない場合は、接続されたデバイスを別のポートに移動して、そこでも同じ問題が発生するかどうかを確認します。送信(Tx)キューのブロックを解除する最終的な手段としては、hw-module reset コマンドを発行して、スイッチのリブートまたはラインカードのリセットを行います。
スイッチで %CDP-4-NVLANMISMATCH syslog メッセージが頻繁に生成されます。
このエラー メッセージがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%CDP-4-NVLANMISMATCH:Native vlan mismatch detected on port 4/1
このメッセージは、スイッチのポートが他のスイッチまたはルータに物理的に接続されているときには必ず表示されます。このメッセージがスイッチで生成されるのは、ポートに設定されたネイティブ VLAN が、接続先のスイッチまたはルータのポートに設定されているネイティブ VLAN とは異なるからです。
IEEE 802.1Q のタギングで設定されているトランク ポートは、タグ付きおよびタグなしの両方のトラフィックを受信できます。デフォルトの設定では、このスイッチはこのポートに設定されているネイティブ VLAN を使用して、タグなしのトラフィックを転送します。発信ポートのネイティブ VLAN ID と同じ VLAN ID を持つパケットの場合は、タグなしで送信されます。VLAN ID が同じでないパケットはタグ付きで送信されます。
802.1Q トランクのネイティブ VLAN が、トランク リンクの両端で必ず同じになるようにしてください。トランクの一方の端のネイティブ VLAN が、もう一方の端のネイティブ VLAN とは異なる場合、両側のネイティブ VLAN のトラフィックはトランク上を正しく転送されません。この問題は、ネットワークに接続性に関する問題があることを示している可能性があります。
スイッチに設定されているネイティブ VLAN を確認するには、show trunk mod/port コマンドを発行します。このコマンドで、mod/port はトランク ポートを指します。このコマンドの出力例を次に示します。
Console> (enable) show trunk 5/24 Port Mode Encapsulation Status Native vlan -------- ----------- ------------- ------------ ----------- 5/24 desirable dot1q not-trunking 1 Port Vlans allowed on trunk -------- --------------------------------------------------------------------- 5/24 1-1005 Port Vlans allowed and active in management domain -------- --------------------------------------------------------------------- 5/24 1 Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned -------- --------------------------------------------------------------------- 5/24 Console> (enable)
トランクポートに設定されているネイティブVLANを変更するには、set vlan vlan-id mod/portコマンドを発行します。このコマンドで、mod/port はトランク ポートを指します。
スイッチで DTP-1-ILGLCFG:Illegal config (on, isl--on,dot1q) on Port [mod/port] エラーが生成されます。
このメッセージは、トランクの両端が on に設定されているものの、カプセル化のタイプ(isl、dot1q)が一致していない場合に発生します。トランク モードが desirable に設定されていると、この誤設定が原因でトランクが起動しなくなります。トラブルシューティングを行うには、両端での show trunk コマンドの出力を確認します。カプセル化のタイプが一致していることを確認してください。
スイッチで %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket overflow syslog メッセージが定期的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
注:表示されるUser Datagram Protocol(UDP;ユーザデータグラムプロトコル)ソケット番号は、異なる場合もあれば、一貫して同じ場合もあります。
%IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow
スイッチでこの syslog メッセージが生成されるのは、指定したソケット(UDP 宛先ポート)宛てのパケット用に割り当てられたバッファがいっぱいになった場合です。このバッファがいっぱいになる原因は、ソケット宛てのトラフィックのレートが高すぎることです。このような状況はネットワーク管理ステーションから大量の Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)クエリーが送信された場合などに発生します。UDP のオーバーフローが発生した場合は、SNMP クエリーの数を減らしてみてください。次のいずれかのアクションを実行します。
ネットワーク管理ステーションで、ポーリング間隔を増やします。
ポーリングの対象とする MIB オブジェクトの数を減らします。
このセクションの例では、宛先 UDP ソケット 2353 を持つスイッチの IP アドレス(またはブロードキャスト アドレス)に宛てられたパケットが過剰に受信されています。スイッチ上にある、このソケットの入力バッファがいっぱいになったために、スイッチから syslog メッセージが生成されました。スイッチがオーバーフロー状態になった回数を調べるには、show netstat udp コマンドを発行します。
これらの syslog メッセージは、特定の宛先 UDP ポートを使用する大量の UDP トラフィックが、1 つ以上のステーションからスイッチに送信されていることを示しています。スイッチからこのメッセージが大量に生成される場合は、ネットワーク アナライザを使用してトラフィックの送信元を特定し、トラフィックのレートを下げます。詳細は、『Catalyst スイッチド ポート アナライザ(SPAN)の設定例』を参照してください。
注意:no such portカウンタを心配しないでください。このカウンタは、存在しないポートに宛てられた UDP パケットをスイッチが受信した数を示しています。
スイッチで %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket overflow syslog メッセージが定期的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
注:表示されるUDPソケット番号は異なる場合もあれば、常に同じ場合もあります。
%IP-3-UDP_BADCKSUM:UDP bad checksum
スイッチからこの syslog メッセージが出されるのは、SNMP パケットなどの UDP データグラムで不正なチェックサムが検出された場合です。UDP データグラムのヘッダーにはチェックサムが含まれます。受信したネットワーク デバイスは、転送時にデータグラムが破損したかどうかを判断するのに、この値を使用して確認します。受信したチェックサムがヘッダーのチェックサム値と一致しない場合、そのデータグラムは廃棄され、エラー メッセージが記録されます。チェックサムにエラーがあるデータグラムがスイッチで検出された回数を調べるには、show netstat udp コマンドを発行します。
6500-b (enable) show netstat udp udp: 0 incomplete headers 0 bad data length fields 0 bad checksums 0 socket overflows 110483 no such ports
このメッセージは情報としての意味しかありません。このエラー メッセージは、ネットワーク デバイスがスイッチに不正なパケットを送信したことが原因で発生します。トラフィックの送信元を調べるには、ネットワーク アナライザを使用します。詳細は、『Catalyst スイッチド ポート アナライザ(SPAN)の設定例』を参照してください。
注意:no such portカウンタを心配しないでください。このカウンタは、存在しないポートに宛てられた UDP パケットをスイッチが受信した数を示しています。
スイッチで %KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made syslog メッセージが散発的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made at 0x80056B3C reading 0x81B82F36
これらの syslog メッセージは、スイッチが DRAM 内のデータにアクセスしようとしたときに、スイッチの CPU がアライメント エラーを検出し、訂正したことを示しています。これらのメッセージは情報としての意味しかありません。これらのメッセージはスイッチに問題があることを示すものではなく、またシステムのパフォーマンスに影響を与えるものでもありません。
しかし、これらのメッセージが過剰に発生する場合もあります。たとえば、syslog サーバのログ ファイルやスイッチのコンソールがこれらのメッセージでいっぱいになることがあります。このように大量のメッセージを受信した場合は、スイッチのソフトウェアを、使用しているソフトウェア リリース トレインの最新のメンテナンス リリースにアップグレードすることを検討してください。または、set logging level kernel 4 default コマンドを発行して、Kernel ファシリティのログ レベルを 4 以下に変更してください。
最新のメンテナンス リリースにアップグレードしても、これらの syslog メッセージが発生し続ける場合は、Cisco テクニカルサポートでサービス リクエスト(登録ユーザ専用)を作成してください。
インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)スヌーピングが有効なスイッチで、%MCAST-4-RX_JNRANGE:IGMP:Rcvd Report in the range 01-00-5e-00-00-xx エラー メッセージが表示されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%MCAST-4-RX_JNRANGE:IGMP: Rcvd Report in the range 01-00-5e-00-00-xx
Rcvd Report in the range syslog メッセージは情報としての意味しかありません。このメッセージがスイッチで発生するのは、01-00-5e-00-00-xx で始まるマルチキャスト MAC アドレスを持つ IGMP レポートのパケットがスイッチで受信されたときです。このレイヤ2(L2)アドレス範囲は、224.0.0.0から224.0.0.255までのレイヤ3(L3)マルチキャストアドレス範囲と同じです。これらのアドレスは、ルーティングプロトコルやその他の低レベルのトポロジ検出またはメンテナンスプロトコルの使用のために予約されています。これらのプロトコルの例としては、ゲートウェイ ディスカバリ、グループのメンバシップのレポーティングなどがあります。
この問題のトラブルシューティングを行うには、IGMP メッセージのフィルタや、スニファなどのパケット キャプチャ ツールを使用します。さらに、Catalyst の SPAN 機能を使用して、ネットワーク デバイスからこれらのメッセージを受信していると思われるポートからパケットをコピーすることもできます。これらのメッセージを抑制するには、set logging level mcast 2 default コマンドを発行します。このコマンドは、マルチキャスト メッセージのログ レベルを 2 に変更します。
show multicast router コマンドで表示されるポート、および SPAN 送信元ポートのようなネットワークのコア部分に繋がるアップリンクを使用してください。これらのポートがトランク ポートの場合は、SPAN の宛先ポートもトランク ポートとして設定します。ポートがトランク ポートであるかどうかを確認するには、show trunk コマンドを発行します。
スイッチで MGMT-5-LOGIN_FAIL:User failed to log in from Console エラーが生成されます。
このメッセージは、このスイッチのコンソール ポートに接続されているターミナル サーバに問題がある可能性を示しています。スイッチのコンソールがターミナル サーバの非同期回線に接続されているときに、スイッチ上でソフト リセットを実行すると、意味のないストリーム(ランダムなテキスト)が数分間画面に流れます。スイッチで TACACS が有効にされている場合、この意味のないストリームが TACACS によってバッファされ、さらに断片ごとに処理されるため、数分間が数日に及んでしまうことがあります。この問題の回避策は、スイッチが接続されている非同期回線上で、no exec コマンドを発行することです。
注:no execコマンドを発行した後でも、バッファがクリアされるまでメッセージが続きます。
注:エラーメッセージ%MGMT-5-LOGIN_FAIL:User failed to log via Telnet - max attempt reachedが表示された場合は、スイッチへのTelnetを許可するユーザ数を制限してみてください。
スイッチで %PAGP-5-PORTFROMSTP syslog メッセージと %PAGP-5-PORTTOSTP syslog メッセージが頻繁に発生します。
この syslog メッセージが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/3 left bridge port 3/3 %PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/3 joined bridge port 3/3
Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)ロギング ファシリティによって、PAgP に関連したイベントが報告されます。スイッチ間での EtherChannel リンクをネゴシエートするには、PAgP を使用します。スイッチでは、スイッチ ポートでリンクが失われたときに、%PAGP-5-PORTFROMSTP syslog メッセージが生成されます。また、スイッチ ポートでリンクが検出されたときには、%PAGP-5-PORTTOSTP syslog メッセージが生成されます。これらの syslog メッセージは通常のもので、スパニングツリーでのポートの追加や削除を示す情報としてのメッセージです。
注:チャネリングの有効化は、これらのメッセージを表示するために必要ではありません。
このセクションの例では、スイッチで最初にポート 3/3 でのリンクが失われ、これによってスパニングツリーからポートが削除されました。その後、このスイッチのこのポートでリンクが再度検出され、スパニング ツリーにポートが追加されています。
特定のポートに対してこれらのメッセージが頻繁に生成される場合は、そのリンクでフラッピングが生じています。これはリンクの喪失と再確立が始終発生していることを意味しており、原因を調べる必要があります。スイッチ ポートのリンク フラッピングには、一般に次のような原因が考えられます。
速度とデュプレックスの不整合
ケーブル不良
ネットワーク インターフェイス カード(NIC)の不良または他の端末の問題
スイッチのポートの障害
その他の設定ミス
これらの syslog メッセージの発生を抑制するには、set logging level pagp 4 default コマンドを発行して、PAgP ファシリティのログレベルを 4 以下に変更してください。PAgP のデフォルトのログレベルは 5 です。
スイッチで %SPANTREE-3-PORTDEL_FAILNOTFOUND syslog メッセージが定期的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%SPANTREE-3-PORTDEL_FAILNOTFOUND:9/5 in vlan 10 not found (PAgP_Group_Rx)
これらの syslog メッセージは、指定された VLAN のスパニング ツリーから PAgP によってポートの削除が試みられたものの、その VLAN のスパニング ツリーのデータ構造にこのポートがなかったことを意味しています。通常は他のプロセス、たとえば、Dynamic Trunking Protocol(DTP; ダイナミック トランキング プロトコル)などによって、すでにそのポートがスパニングツリーから削除されています。
これらのメッセージは、通常は %PAgP-5-PORTFROMSTP メッセージと一緒に表示されます。このメッセージはデバッグ用です。これらのメッセージはスイッチに問題があることを示すものではなく、またスイッチのパフォーマンスに影響を与えるものでもありません。さらに、これらのメッセージについては、デフォルトの SPANTREE ファシリティ ロギング設定を変更しない限り、ログが記録されることもありません。SPANTREE のデフォルトのログ レベルは 2 です。
しかし、これらのメッセージが過剰に発生する場合もあります。たとえば、これらのメッセージがスイッチのコンソールでフラッドする場合があります。このように大量のメッセージを受信した場合は、スイッチのソフトウェアを、使用しているソフトウェア リリース トレインの最新のメンテナンス リリースにアップグレードすることを検討してください。新しいソフトウェア リリースでは、ほとんどの場合、これらのメッセージが抑制されます。
%SYS-3-P2_ERROR:1/Unknown module エラー メッセージは、Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチに新しいスイッチング モジュールがインストールされると表示されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-3-P2_ERROR: 1/Unknown module (fru minor type 304) in slot 3
%SYS-3-P2_ERROR:1/Unknown module エラーは、スーパーバイザ エンジンで現在稼働しているソフトウェア イメージのバージョンで、挿入されたハードウェア コンポーネントがサポートされていない場合に発生します。
この例では、18 ポートの 1000BASE-X サーバ スイッチング モジュール(WS-X4418)が、CatOS ソフトウェア リリース 4.4(1) が稼働する Catalyst 4500/4000 スイッチに挿入されています。 WS-X4418 モジュールに必要な最低限のソフトウェア リリースは 4.5(1) です。
この問題を回避するには、スーパーバイザ エンジンのソフトウェア バージョンをこのハードウェアがサポートされているソフトウェア リリースにアップグレードします。各モジュールに最低限必要なソフトウェア バージョンのリストについては、『Catalyst 4500 シリーズ スイッチのリリース ノート』を参照してください。
スイッチで、%SYS-3-P2_ERROR:1/Have run out of vbufs メッセージが、複数のホストに電源が同時に、またはほとんど同時に投入されたときに生成されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-3-P2_ERROR: 1/Have run out of vbufs(internal buffers)
%SYS-3-P2_ERROR:1/Have run out of vbufs(internal buffers) エラーは、複数のホストに電源が同時に投入されたときに、発生する場合があります。ホストの電源投入が完了すると、このエラーは表示されなくなります。
これらのエラーは、スイッチ トラフィックに対する Catalyst 機能に影響を及ぼしません。これらのメッセージは情報としての意味しかありません。
スイッチで、%SYS-3-P2_ERROR:Host xx:xx:xx:xx:xx:xx is flapping between ports...メッセージが表示されます。ここでxx:xx:xx:xx:xx:xxはMACアドレスです。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Host 00:50:0f:20:08:00 is flapping between port 1/2 and port 4/39
このエラー メッセージの原因を理解してトラブルシューティングを行うには、このセクションのステップとガイドラインに従います。
このメッセージは、元のポート以外のポートの Content-Addressable Memory(CAM)テーブルにすでに存在する MAC アドレスが、Catalyst 4500 または 4000 スイッチで学習されたことを示しています。このような動作が短期間に繰り返し発生する場合は、ポート間のアドレス フラッピングが発生していることを意味します。
このメッセージが複数の MAC アドレスに対して表示される場合は、正常な動作ではありません。MAC アドレスはデフォルトのエージング時間に達する前に 1 つのポートから別のポートへすばやく移動するので、この動作はネットワークに問題が発生している可能性があることを示します。この問題が発生すると、ネットワーク上でトラフィックがループする可能性があります。通常は次の症状が生じます。
CPU 使用率が高い。
ネットワーク全体のトラフィック速度が低下する
スイッチのバックプレーン使用率が高い
スパニング ツリーに関連した問題を識別してトラブルシューティングを行うには、『スパニングツリー プロトコルのトラブルシューティングと設計上の考慮事項』を参照してください。
1 つか 2 つの MAC アドレスに対してこのエラー メッセージが表示されている場合は、これらの MAC アドレスの場所を突き止めて、原因を調べます。これらの MAC アドレスが学習された場所を特定するには、show cam mac_addr コマンドを発行します。このコマンドの mac_addr の部分には、エラー メッセージでフラッピングとして報告されている MAC アドレスを入力します。
どのポートの間で MAC アドレスのフラッピングが発生しているかを特定したら、その MAC アドレスを追跡します。Catalyst 4500/4000 と問題の MAC アドレスを持つデバイスの間に、中間デバイスに接続してください。送信元およびこのデバイスとネットワークがどのように接続されているかを特定できるまで、この作業を繰り返します。
注:MACアドレスが2つのポート間でフラッピングしているため、両方のパスを追跡してください。
この例は、この MAC アドレスが学習された場所から両方のパスを追跡する方法を示しています。
注:このメッセージを受信し、調査を開始したと仮定します。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Host 00:50:0f:20:08:00 is flapping between port 1/2 and port 4/39
この MAC アドレスが両方のポートからどのように学習されたかを追跡するには、次の手順を実行します。
まずポート 1/2 を対象として、show cam dynamic 1/2 コマンドを発行します。
このポートで学習された MAC アドレスのリストに、00:50:0f:20:08:00 という MAC アドレスが表示される場合は、単一のホストがこのアドレスに接続されているのか、複数のホストがそのポートに登録されているのかを判別します。
ホストが 1 つか複数かに基づいて、デバイスを調査してください。
接続されているのが単一のホスト(00:50:0f:20:08:00)である場合は、登録されている他方のポートを調べて、ホストがスイッチに二重に接続されているかどうかを確認します。
この例では、他方のポートは 4/39 です。
最終的にこのスイッチに戻ってくる可能性がある他のデバイスに接続されている場合は、中間デバイスの追跡を試みます。
Cisco デバイスで、show cdp neighbors mod/port detail コマンドを発行します。このコマンドの出力は、中間デバイスに関する情報を提供します。
出力例を次に示します。
Cat4K> (enable) show cdp neighbors 1/2 detail Port (Our Port): 1/2 Device-ID: brigitte Device Addresses: IP Address: 172.16.1.1 Novell address: aa.0 Holdtime: 171 sec Capabilities: ROUTER Version: Cisco Internetwork Operating System Software IOS (tm) 2500 Software (C2500-JS-L), Version 12.0(7)T, RELEASE SOFTWARE (fc2) Copyright (c) 1986-1999 by cisco Systems, Inc. Compiled Mon 06-DEC-99 17:10 by phanguye Platform: cisco 2500 Port-ID (Port on Neighbors's Device): Ethernet0 VTP Management Domain: unknown Native VLAN: unknown Duplex: half System Name: unknown System Object ID: unknown Management Addresses: unknown Physical Location: unknown Cat4K> (enable)
デバイスを使用して Telnet セッションを確立し、MAC アドレスのパスを追跡します。
この例では、IP アドレスは 172.16.1.1 です。
エラー メッセージでフラッピングが報告されたすべての MAC アドレスに対して、上記の手順を繰り返します。
その MAC アドレスを持つ送信元デバイスと、この MAC アドレスのフラッピング元およびフラッピング先との物理接続(Catalyst 4500/4000 のポート)についての簡単な図を作成します。
この図を使用して、これがネットワーク レイアウトで有効なポートおよびパスであるかどうかを判別できます。
MAC アドレスのフラッピングが発生している両方のポートで、ネットワーク ノードに対するパスが提供されていることが確認された場合は、スパニング ツリーに障害が発生している可能性があります。このループの切り分けとトラブルシューティングを行うには、『スパニング ツリー プロトコルの問題点と設計上の考慮事項』を参照してください。
複数ベンダー製の複数のホストが相互接続されている大規模なネットワークでは、MAC アドレスだけでホストを追跡するのは難しい場合があります。これらの MAC アドレスを追跡するには、『IEEE OUI and Company_id Assignments』の検索ユーティリティを使用します。 このリストは、IEEE により、すべてのベンダーに割り当てられているすべての MAC アドレスが登録されたデータベースのフロントエンドです。このデバイスに関連付けられているベンダーを検索するには、このページの[Search for:] フィールドに MAC アドレスの最初の 3 つのオクテットを入力します。この例では、最初の 3 つのオクテットは 00:50:0f です。
このメッセージは、次のような問題が発生した場合にも表示されることがあります。
サーバ NIC の冗長性の問題:二重化して取り付けられている NIC が誤動作しており、標準に従っていない。サーバは、同じスイッチに接続されている両方のポートに同じ MAC アドレスを使用しています。
Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタンバイ ルータ プロトコル)のフラッピング:HSRP でフラッピングが発生している場合も、スーパーバイザ エンジンのコンソールにこのメッセージが表示される可能性がある。ネットワークの HSRP の実装が不安定な場合は、『Catalyst スイッチ ネットワークにおける HSRP 問題の理解とトラブルシューティング』を参照して、問題を解決してください。
EtherChannel の設定ミス:EtherChannel の接続に設定ミスがある場合にも、これらの症状が発生する可能性がある。フラッピング メッセージで報告されている複数のポートが同じチャネル グループのメンバである場合は、EtherChannel の設定を調べ、『Catalyst スイッチでの EtherChannel のロード バランシングと冗長性について』を参照して、設定のトラブルシューティングを行ってください。
ホストがパケットをネットワークに再リフレクトしている:ホストがネットワークにパケットを再リフレクトしている場合にも、フラッピングが発生する場合がある。通常、パケットが再リフレクトされる根本原因は、NIC の損傷またはポートに接続されているホストの物理インターフェイスの障害です。
ホストがパケットをリフレクトしていることが根本原因である場合は、スニファ トレースを取得して、メッセージが表示されたポートから送受信されるトラフィックを調べます。通常、ホストがパケットをリフレクトしている場合は、トレースに重複するパケットが表示されます。この重複パケットが、MAC アドレスのフラッピングの症状である可能性があります。
スニファで使用するポートの設定方法の詳細については、『SPAN および RSPAN の設定』を参照してください。
ソフトウェアまたはハードウェアの不具合:このセクションの指示に従ってフラッピング メッセージのトラブルシューティングを試みても、引き続き問題が発生する場合は、Cisco テクニカルサポートに連絡してください。上記のステップに従って収集した情報を明記し、これを提供してください。これにより、トラブルシューティングをより迅速かつ効果的に行うことができます。
スイッチで Blocked queue (tx) on port [char] メッセージが表示されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue (tx) on port 3/3 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 3, ( 8671 : 0)
これらのエラーは、ハードウェアの問題または次のいずれかの問題を示しています。
二重モードの不一致
ケーブル不良
タイプ 1 ケーブル配線
ポート不良
外部付けデバイスのハードウェアの問題
これらのエラーで最も一般的な原因は、物理層の問題です。この問題が起きると、内部の K1 ギガポート上でバック アップを行うために大量のトラフィックが発生します。K1 Application-Specific Integrated Circuits(ASIC; 特定用途向け集積回路)は、スイッチを制御するメイン チップです。通常、設定の問題または損傷を受けたケーブル配線により、ブロックされた Tx キューのカウントは増加します。
通常の環境では、Tx キューは、およそ 20 秒間だけブロック可能です。これ以上の時間に渡ってブロックされ続けている場合は、重大な問題が発生していることを示しています。その結果、Tx キューの内容が 35 秒間ギガポートに排出されなかった場合は、ブロックされた Tx キューのカウントが増加します。
必要な場合は、Cisco テクニカル サポートに連絡して、モジュールの交換が必要かどうかを判断してください。ただし、その前に、モジュールを再挿入して、エラー メッセージが再び表示されるかどうかを確認してください。
以下に、再配置する必要があるギガポート <gigaport_number> の Catalyst 4000/2948G/2980G のブロックされたキューを、前面パネルのスイッチ ポートにマップする手順を示します。
エラー メッセージの例
2000 Aug 25 12:22:48 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 29, (331 : 0 ) 2000 Aug 25 12:23:41 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 29, (332 : 0 ) 2000 Aug 25 12:25:42 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 29, (333 : 0 ) 2000 Aug 25 12:46:42 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 29, (334 : 0 ) 2000 Aug 25 12:48:41 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 29, (335 : 0 ) 2000 Aug 25 12:57:42 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 29, (336 : 0 )
このエラーメッセージは、Gigaport 29に関連する物理層の問題またはデュプレックスのミスマッチにより発生する可能性が最も高い設定エラーがあることを示しています。どのポートがGigaport 29に関連しているかを確認するには、次の表を参照してください。この表は、スーパーバイザ エンジンによって異なります。
WS-X4013 ギガビット Kirky ポート マッピング
K1-A(ギガポート 0-11)
ギガポート 0 | アップリンク 0(ポート 1/1)または内部相互接続 K1-C |
ギガポート 1 | スロット 6 - ギガビット相互接続 5 |
ギガポート 2 | スロット 5 - ギガビット相互接続 5 |
ギガポート 3 | スロット 2 - ギガビット相互接続 5 |
ギガポート 4 | スロット 3 - ギガビット相互接続 5 |
ギガポート 5 | スロット 4 - ギガビット相互接続 5 |
ギガポート 6 | スロット 4 - ギガビット相互接続 4 |
ギガポート 7 | スロット 3 - ギガビット相互接続 4 |
ギガポート 8 | スロット 2 - ギガビット相互接続 4 |
ギガポート 9 | スロット 5 - ギガビット相互接続 4 |
ギガポート 10 | スロット 6 - ギガビット相互接続 4 |
ギガポート 11 | 内部相互接続 K1-B |
K1-B (ギガポート 12-23)
ギガポート 12 | 内部相互接続 K1-A |
ギガポート 13 | スロット 6 - ギガビット相互接続 3 |
ギガポート 14 | スロット 5 - ギガビット相互接続 3 |
ギガポート 15 | スロット 2 - ギガビット相互接続 3 |
ギガポート 16 | スロット 3 - ギガビット相互接続 3 |
ギガポート 17 | スロット 4 - ギガビット相互接続 3 |
ギガポート 18 | スロット 4 - ギガビット相互接続 2 |
ギガポート 19 | スロット 3 - ギガビット相互接続 2 |
ギガポート 20 | スロット 2 - ギガビット相互接続 2 |
ギガポート 21 | スロット 5 - ギガビット相互接続 2 |
ギガポート 22 | スロット 6 - ギガビット相互接続 2 |
ギガポート 23 | 内部相互接続 K1-C |
K1-C(ギガポート 24-35)
ギガポート 24 | K1-B への内部相互接続 |
ギガポート 25 | スロット 6 - ギガビット相互接続 1 |
ギガポート 26 | スロット 5 - ギガビット相互接続 1 |
ギガポート 27 | スロット 2 - ギガビット相互接続 1 |
ギガポート 28 | スロット 3 - ギガビット相互接続 1 |
ギガポート 29 | スロット 4 - ギガビット相互接続 1 |
ギガポート 30 | スロット 4 - ギガビット相互接続 0 |
ギガポート 31 | スロット 3 - ギガビット相互接続 0 |
ギガポート 32 | スロット 2 - ギガビット相互接続 0 |
ギガポート 33 | スロット 5 - ギガビット相互接続 0 |
ギガポート 34 | スロット 6 - ギガビット相互接続 0 |
ギガポート 35 | アップリンク 1(ポート 1/2)または K1-A への内部相互接続 |
各 K1 ASIC は、12 ギガビットが相互接続されています。これらのギガビット相互接続は、シリアル ポイントツーポイント リンクとしてライン カードとスーパーバイザ エンジンの間で使用されます。Catalyst 4000 の各ライン カードは、12 のギガビット相互接続のうち、6 つと接続されています。ギガビット相互接続は 0 から 5 まで参照され、逆順で接続されます。たとえば、4148 ライン カードでは、ギガビット相互接続 5 はポート 1-8 に、ギガビット相互接続 4 はポート 9-16 に接続されます。
ライン モジュールの相互接続のポート マッピング
WS-X4148-RJ、WS-X4148-RJ45V、WS-X4148-RJ21
ポート | ギガビット相互接続 |
1-8 | 5 |
9-16 | 4 |
17-24 | 3 |
25-32 | 0 |
33-40 | 1 |
41-48 | 0 |
WS-X4232-RJ-32、WS-X4232-L3
ポート | ギガビット相互接続 |
1 | 5 |
0 | 4 |
3-10 | 3 |
11-18 | 0 |
19-26 | 1 |
27-34 | 0 |
WS-X4418-GB
ポート | ギガビット相互接続 |
1 | 5 |
0 | 4 |
3-6 | 3 |
7-10 | 0 |
11-14 | 1 |
15-18 | 0 |
WS-X4124-FX-MT
ポート | ギガビット相互接続 |
1-4 | 5 |
5-8 | 4 |
9-12 | 3 |
13-16 | 0 |
17-20 | 1 |
21-24 | 0 |
WS-X4306-GB
ポート | ギガビット相互接続 |
1 | 5 |
0 | 4 |
3 | 3 |
4 | 0 |
5 | 1 |
6 | 0 |
WS--X4412-2GB-TX
ポート | ギガビット相互接続 |
1 ~ 2 | 5 |
3-4 | 4 |
5-6 | 3 |
7-8 | 0 |
9-10 | 1 |
11-12 | 0 |
問題のあるポートの検出例
4006-2b1> en Enter password: 4006-2b1> (enable) sh mod Mod Slot Ports Module-Type Model Sub Status --- ---- ----- ------------------------- ------------------- --- -------- 1 1 2 1000BaseX Supervisor WS-X4013 no ok 2 2 48 10/100BaseTx Ethernet WS-X4148 no ok 3 3 34 Router Switch Card WS-X4232-L3 no ok 6 6 24 100BaseFX Ethernet WS-X4124-FX-MT no ok Mod Module-Name Serial-Num --- ------------------- -------------------- 1 JAB0438020C 2 JAB0234036Q 3 JAB041705GE 6 JAB0410096R Mod MAC-Address(es) Hw Fw Sw --- -------------------------------------- ------ ---------- ----------------- 1 00-01-96-62-cc-00 to 00-01-96-62-cf-ff 2.0 5.4(1) 5.5(6) 2 00-50-73-0a-30-e0 to 00-50-73-0a-31-0f 1.0 3 00-01-42-06-72-98 to 00-01-42-06-72-b9 1.0 12.0(7)W5( 12.0(7)W5(15d) 6 00-d0-06-01-68-30 to 00-d0-06-01-68-47 1.0 4006-2b1> (enable) 2000 Aug 25 12:48:41 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 16, (335 : 0 ) 2000 Aug 25 12:57:42 cet +02:00 %SYS-4-P2_WARN: 1/Blocked queue on gigaport 16, (336 : 0 )
Gigaport 16はスロット3、ギガビット相互接続3を指します。スロット3はWS-X4232-L3であるため、ギガビット相互接続3はポート3-10を指します。これらのポートのトラブルシューティングを行う際は、show port、show mac、およびshow countersをコマンドをををを使用使用します。また、dump 1 を取得して、ポートに関連したハードウェア エラーがあるかどうか調べることも役立つ可能性があります。dump 1 の出力で注目するべきなのは、対応する相互接続のライン モジュール ASIC に関連した cscTimeout です。cscTimeout の値は 0 でなければなりません。
スイッチで Filtering Ethernet MAC address of value zero メッセージが表示されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Filtering Ethernet MAC address of value zero from agent host table interface %SYS-4-P2_WARN: 1/Filtering Ethernet MAC address of value zero from agent host table interface
Filtering Ethernet MAC address of value zero という syslog メッセージは、00-00-00-00-00-00 という送信元 MAC アドレスが設定されたパケットがスイッチで受信された場合に生成されます。この MAC アドレスは、無効な送信元 MAC です。
この syslog メッセージは、無効なアドレスの学習がスイッチで拒否されたことを示しています。ただし、すべてゼロの MAC アドレスを送信元とするトラフィックの転送は行われます。
この問題を回避するためには、すべてゼロの送信元 MAC アドレスが設定されたフレームを生成している端末を特定します。通常は、次のデバイスのいずれかがこのようなフレームを送信しています。
トラフィック ジェネレータ(Spirent SmartBits など)
特定のタイプのサーバ(ロードバランシング IBM WebSphere サーバなど)
設定ミスのあるルータや端末(すべてゼロのブロードキャストを送信しているデバイスなど)
不良 NIC
スーパーバイザ エンジン II(WS-X4013=)が搭載されているスイッチで、このセクションに示すメッセージが生成されており、ネットワークの接続の一部または全部が失われています。スイッチ ポートの一部だけに接続できない場合やアップリンクにも接続できない場合かあります。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Invalid crc, dropped packet, count = xx
このエラーが発生したときに表示される syslog またはコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Invalid crc, dropped packet, count = 590073 %SYS-4-P2_WARN: 1/Invalid crc, dropped packet, count = 594688
次のメッセージが表示される場合もあります。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Astro(3/4) - management request timed out
注:%SYS-4-P2_WARN:1/Astro(3/4) - management request timed out というメッセージだけが表示された場合は、本書の「%SYS-4-P2_WARN:1/Astro(mod/port) 」の項を参照してください。
注:これらのメッセージが表示されると、ネットワーク接続の問題が発生する場合があります。
トラブルシューティングのステップに従って、各ステップでのコマンドの出力を保存します。
注:トラブルシューティングのサポートについては、シスコテクニカルサポートにお問い合わせください。
次のコマンドを発行します。
show logging buffer -1023
show tech-support
show health 1
dump 1
ランダムな間隔で、これらの命令のうちの 1 つを 5 回発行して、InvalidPacketBufferCrcs カウンタを観察します。
show nvramenv 1:CatOS ソフトウェア リリース 6.1(1) 以降
Cat4k> (enable) show nvramenv 1 PS1="rommon ! >" ?="0" DiagBootMode="post" MemorySize="64" ResetCause="20" AutobootStatus="success" InvalidPacketBufferCrcs="82325"
show env 1:CatOS ソフトウェア リリース 5.5(19) 以前
コマンドを繰り返し発行するにつれて、InvalidPacketBufferCrcs カウンタが急速に高い値に増加するかどうかを観察します。
cat4k> (enable) show nvramenv 1 PS1="rommon ! >" ?="0" DiagBootMode="post" MemorySize="64" ResetCause="20" AutobootStatus="success" InvalidPacketBufferCrcs="82763"
注:出力に少数のInvalidPacketBufferCrcsが表示され、5.5.10、6.2.3、または6.3.1より前のCatOSソフトウェアバージョンが稼働している場合は、以降のリリースにアップグレードしてください。Cisco Bug ID CSCdu48749 (登録ユーザ専用)および CSCdt80707(登録ユーザ専用)が発生している可能性があります。 詳細については、Field Notice:Catalyst 4000 のポートでアクティブな VLAN 状態が失われることによるパケット損失』を参照してください。
InvalidPacketBufferCrcs カウンタが急速に増加している場合は、reset コマンドを発行してスイッチをソフト リセットします。
注:このステップでの出力のキャプチャは重要です。
cat4k> (enable) reset This command will reset the system. Do you want to continue (y/n) [n]? y nodcsw0nm1> (enable) WS-X4013 bootrom version 5.4(1), built on 2000.02.17 18:28:09 H/W Revisions: Crumb: 5 Rancor: 8 Board: 2 Supervisor MAC addresses: 00:0a:8a:6d:92:00 through 00:0a:8a:6d:95:ff (1024 addresses) Installed memory: 64 MB Testing LEDs.... done! The system will autoboot in 5 seconds. Type control-C to prevent autobooting. rommon 1 > The system will now begin autobooting. Autobooting image: "bootflash:cat4000-k9.6-3-9.bin" CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC################################ Starting Off-line Diagnostics Mapping in TempFs Board type is WS-X4013 DiagBootMode value is "post" Loading diagnostics... Power-on-self-test for Module 1: WS-X4013 Status: (. = Pass, F = Fail) uplink port 1: . uplink port 2: F eobc port: . processor: . cpu sdram: . eprom: . nvram: . flash: . enet console port: . switch 0 port 0: . switch 0 port 1: . switch 0 port 2: . switch 0 port 3: . switch 0 port 4: . switch 0 port 5: . switch 0 port 6: . switch 0 port 7: . switch 0 port 8: . switch 0 port 9: . switch 0 port 10: . switch 0 port 11: . switch 0 registers: . switch 0 sram: . switch 1 port 0: . switch 1 port 1: . switch 1 port 2: . switch 1 port 3: . switch 1 port 4: . switch 1 port 5: . switch 1 port 6: . switch 1 port 7: . switch 1 port 8: . switch 1 port 9: . switch 1 port 10: . switch 1 port 11: . switch 1 registers: . switch 1 sram: . switch 2 port 0: F switch 2 port 1: F switch 2 port 2: F switch 2 port 3: F switch 2 port 4: F switch 2 port 5: F switch 2 port 6: F switch 2 port 7: F switch 2 port 8: F switch 2 port 9: F switch 2 port 10: F switch 2 port 11: F switch 2 registers: . switch 2 sram: F Module 1 Failed Exiting Off-line Diagnostics Failed Module Bringup Process Use 'show test 1' to see results of tests. !--- Output suppressed.
スイッチが再びオンラインになったら、show test 1 コマンドを発行します。
診断に失敗したことがコマンド出力に示されている場合は、スイッチの電源の再投入(ハード リセット)を行います。
スイッチが再びオンラインになったら、show test 1 コマンドを再度発行し、スイッチが診断テストに失敗したかどうかを観察します。
観察に基づいて、Cisco テクニカル サポートに連絡してください。
スイッチの診断テストに再び失敗したら、スーパーバイザ エンジンに障害がある可能性が高いと考えられます。Cisco テクニカル サポートに連絡して、さらに指示を求めてください。
そのスイッチでハード リセット後の診断テストに失敗しない場合は、Cisco テクニカル サポートに連絡して、この手順の他のステップで収集した情報を提供してください。
注:トラブルシューティング中にシスコテクニカルサポートが関与しなかった場合は、ドキュメント化された順序で情報を提供する必要があります。
ハード リセットを実行すると、ネットワーク接続は回復します。
スイッチで Invalid traffic from multicast source address メッセージが生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
SYS-4-P2_WARN: 1/Invalid traffic from multicast source address 81:00:01:00:00:00 on port 2/1 %SYS-4-P2_WARN: 1/Invalid traffic from multicast source address 81:00:01:01:00:00 on port 2/1
Invalid traffic from multicast source address という syslog メッセージは、送信元 MAC にマルチキャスト MAC アドレスが設定されたパケットをスイッチが受信したときに生成されます。ブロードキャストまたはマルチキャストの MAC アドレスを、フレームの発信元 MAC アドレスとして使用することは、標準準拠の動作ではありません。しかし、スイッチでは、マルチキャスト MAC アドレスからのトラフィックの転送が行われます。
この syslog メッセージには、フレームの送信元の MAC フィールドにあるマルチキャスト MAC アドレスと、トラフィックが受信されたポートが表示されます。
この問題の回避策は、マルチキャスト送信元 MAC アドレスを持つフレームを生成している端末を探し出すことです。通常は、次のデバイスのいずれかがこのようなフレームを送信しています。
トラフィック ジェネレータ(SmartBits など)
マルチキャスト MAC アドレスを共有しているサードパーティのデバイス(ロードバランシング ファイアウォールまたはサーバ製品など)
スイッチで、%SYS-4-P2_WARN:1/Astro(6/6)… というメッセージが生成されます。
このエラー メッセージは、スーパーバイザ エンジンとライン カード上のコンポーネントの通信が失われたことを示しています。スーパーバイザ エンジンでは、この通信のタイムアウトが追跡されています。この状態を発生させる原因は数多く考えられます。このエラー メッセージの詳細および考えられる原因については、『Catalyst 4000/4500 シリーズ スイッチ上の Astro/Lemans/NiceR タイムアウトの説明とトラブルシューティング』を参照してください。
スイッチで、%SYS-4-P2_WARN: 1/Tag 0… というメッセージが生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%SYS-4-P2_WARN: 1/Tag [dec] on packet from [ether] port [chars], but port's native vlan is [dec]
このメッセージは、802.1Q タグ付きパケットがトランク ポートではないポートで受信されたことを示しています。パケットのタグで識別される VLAN が、ポートのネイティブ VLAN とは異なっています。エラー メッセージの内容は次のとおりです。
Tag [dec] は、パケットの VLAN ID です。
[ether] は、ホストの MAC アドレスです。
port [chars] は、ポート ID です。
2 番目の [dec] はネイティブ VLAN の番号です。
ローカル ポートが、トランク ポートではなく、誤ってアクセス ポートとして設定されている可能性があります。あるいは、リモート側が、アクセス ポートではなく、トランク ポートとして設定されている可能性もあります。
ローカル ポートが、トランク ポートではなく、誤ってアクセス ポートとして設定されていないことを確認します。また、リモート側が、アクセス ポートではなく、トランク ポートとして設定されていないことを確認します。
スイッチで convert_post_SAC_CiscoMIB:syslog メッセージが散発的に生成されます。
このメッセージが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
convert_post_SAC_CiscoMIB:Nvram block 0 unconvertible: ) convert_post_SAC_CiscoMIB:Nvram block 1 unconvertible: ) convert_post_SAC_CiscoMIB:Nvram block 2 unconvertible: )
これらのコンソール メッセージは、CatOS のコード バージョンをアップグレードまたはダウングレードした場合に、しばしば生成されます。また、このエラーは、他のスイッチで作成されたスイッチ コンフィギュレーションを取り込んだり、他のコード バージョンのスイッチ コンフィギュレーションを使用したりした場合にも発生することがあります。スタンバイ スーパバイザ エンジンへのフェールオーバーが発生した場合にも、これらのメッセージが表示される可能性があります。
バージョンが異なるコードには、NVRAM に格納される変数が含まれます。スイッチが、現在より新しい、あるいは古いバージョンの CatOS で初めてブートする際には、以前のコンフィギュレーションがそのブート イメージで使用できるバージョンに変換されます。この処理の際に、現在の形式では必要のない、あるいは使用できない一部のメモリ ブロックは、変換ではなく割り当て解除されます。この内部機能により、エラー メッセージが生成されます。
このメッセージは通常は情報としての意味しかありません。以前のコンフィギュレーションと現在のコンフィギュレーションを比較して、すべてのコンフィギュレーション情報が正しく変換されたことを確認してください。
コードのアップグレード、コンフィギュレーションの変更、あるいはスーパーバイザのフェールオーバーのいずれも行われていないときにこのメッセージが表示される場合は、Cisco テクニカル サポートでサービス リクエスト(登録ユーザ専用)を作成してください。
このエラー メッセージは、Catalyst OS システム ソフトウェアが稼働する Catalyst 4000/4500 および 6000/6500 シリーズで表示される場合があります。
エラー メッセージ Global checksum failed は、show version コマンドの出力で表示される場合があります。
4000-Switch> (enable) show version WS-C4006 Software, Version NmpSW: 7.6(2) Copyright (c) 1995-2003 by Cisco Systems, Inc. NMP S/W compiled on Jun 25 2003, 23:00:25 GSP S/W compiled on Jun 25 2003, 17:11:56 System Bootstrap Version: 5.4(1) Hardware Version: 3.2 Model: WS-C4006 Serial #: FOX053701JY Mod Port Model Serial # Versions --- ---- ------------------ -------------------- ------------------------------- -- 1 2 WS-X4013 JAB054207A0 Hw : 3.2 Gsp: 7.6(2.0) Nmp: 7.6(2) 2 48 WS-X4148-RJ45V JAB05410EQF Hw : 1.6 3 48 WS-X4148-RJ45V JAB05410ES5 Hw : 1.6 4 48 WS-X4148-RJ45V JAB0541070L Hw : 1.6 5 48 WS-X4148-RJ45V JAB05410ESC Hw : 1.6 DRAM FLASH NVRAM Module Total Used Free Total Used Free Total Used Free ------ ------- ------- ------- ------- ------- ------- ----- ----- ----- 1 65536K 40935K 24601K 16384K 10543K 5841K 480K 198K 282K Global checksum failed. Uptime is 306 days, 8 hours, 0 minute
関連するメッセージ、NVRAM:F が、show test コマンドの出力で表示される場合があります。
6000-Switch> show test 1 Diagnostic mode: complete (mode at next reset: complete) Module 1 : 2-port 1000BaseX Supervisor Network Management Processor (NMP) Status: (. = Pass, F = Fail, U = Unknown) ROM: . Flash-EEPROM: . Ser-EEPROM: . NVRAM: F EOBC Comm: . Line Card Status for Module 1 : PASS Port Status : Ports 1 2 ----------- . . !--- Output is suppressed.
グローバル チェックサム エラーは、次にボックスがリロードされるとき、設定を読み込む際の CRC チェックサムの障害により、NVRAM の内容が失われる可能性が高いことを意味しています。これは通常、ハードウェア エラーではなく、スイッチ自体で修正が行われます。スイッチがこの状態にある間に設定が変更されない限り、使用可能なスイッチへの影響はありません。ただし、ほとんどの場合は、リセットを行うと再計算によってチェックサムの失敗が解決されます。この問題は、Cisco Bug ID CSCdx87646(登録ユーザ専用)に記述されています。
スイッチをこのエラー状態から回復するには、次の手順を実行します。
スイッチの設定をバックアップします。設定はバックアップする方法については、『TFTP サーバへの設定ファイルのアップロード』を参照してください。
スーパーバイザ モジュールをリセットするには、reset supervisor_module_# コマンドを発行します。
スイッチがブートした後に、出力が正常かどうかを確認するには、show version と show test コマンドを発行します。
スイッチに存在しているコンフィギュレーションを確認し、必要な場合はバックアップから復元してください。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
05-Feb-2007 |
初版 |