このドキュメントでは、スーパーバイザ エンジン II+、III、IV、および V モジュールを搭載した Cisco Catalyst 4500/4000 スイッチのハードウェア問題と、これに関連して発生する一般的な問題のトラブルシューティング方法について説明します。 Supervisor Engine I および II のトラブルシューティング方法についての詳細は、『Catalyst 4000/4912G/2980G/2948G シリーズ スイッチのハードウェアに関するトラブルシューティング』を参照してください。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco Catalyst 4500/4000
Cisco IOS® ソフトウェア
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。 ネットワークが稼働中の場合は、コマンドが及ぼす潜在的な影響を十分に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
スーパーバイザ エンジン モジュール II+、III、IV、および V で稼働するのは Cisco IOS ソフトウェアだけです。 次の表に、これらのスーパーバイザ エンジン モジュールの各種シャーシのサポート状況を示します。
スーパーバイザ エンジン モジュール | シャーシ サポート |
---|---|
Supervisor Engine II+(WS-X4013+) | 4006、4503、4506、4507R |
Supervisor Engine II+ 10GE(WS-X4013+10GE) | 4503、4506、4507R |
スーパーバイザ エンジン III(WS-X4014) | 4006、4503、4506 |
スーパーバイザ エンジン IV(WS-X4515) | 4006、4503、4506、4507R |
スーパーバイザ エンジン V(WS-X4516) | 4006、4503、4506、4507R、4510R |
スーパーバイザ エンジン V 10GE(WS-X4516-10GE) | 4503、4506、4507R、4510R |
スーパーバイザ モジュールとサポートされているシャーシの最新の詳細リストについては、『Cisco Catalyst 4500 スーパーバイザの比較』を参照してください。
次の表に、冗長性がサポートされているスーパーバイザ エンジンとシャーシを示します。
冗長スーパバイザ エンジン | シャーシ サポート |
---|---|
Supervisor Engine II+(WS-X4013+) | 4507R |
Supervisor Engine II+ 10GE(WS-X4013+10GE) | 4507R |
スーパーバイザ エンジン IV(WS-X4515) | 4507R |
スーパーバイザ エンジン V(WS-X4516) | 4507R、4510R |
スーパーバイザ エンジン V 10GE(WS-X4516-10GE) | 4507R、4510R |
このセクションでは、スイッチで発生する一般的なエラーとそのソリューションを示します。
%C4K_EBM-4-HOSTFLAPPING:Host [mac-addr] in vlan [dec] is flapping between port [char] and port [char] というエラー メッセージが表示されます。
このエラー メッセージは、指定されたホスト アドレスが送信元アドレスとして複数のポート上で検出された場合に表示されます。
この問題は、ネットワーク内の Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)のループが原因で発生します。これにより、特定のホストからパケットが廃棄されます。 パケット廃棄のほか、STP ループにより次のような症状が現れます。
ループの影響を受けるネットワーク領域との両方向の接続、およびそのネットワークを介した接続が失われる。
リンク使用率が高くなる(多くの場合 100 %)。
スイッチ バックプレーンの使用率が高くなる(ベースライン使用率と比較して)。
ネットワーク内でパケットがループしていることを示す Syslog メッセージが表示される(HSRP 重複 IP アドレスを示すメッセージなど)。
アドレスの再学習が常に行われていることを示す Syslog メッセージや、MAC アドレスのフラッピング メッセージが表示される。
多くのインターフェイス上で廃棄される出力数が増加する。
注: これらの症状の 1 つまたは複数が、それぞれ別の問題を示唆している場合もあります(またはまったく問題ないこともあります)。 しかし、上記の症状の多くが同時に見られる場合は、ネットワーク内でフォワーディング ループが発生していないかどうかを確認する必要があります。
スパニング ツリー ループを防ぐため、スパニング ツリーを有効にしてください。 スパニング ツリーを無効にしている場合は、『スパニング ツリー プロトコルの問題点と設計上の考慮事項』を参照して、スパニング ツリー ループのないネットワーク設計を行ってください。
スイッチは、 %C4K_L3HWFORWARDING-3-FTECONSISTENCYCHECKFAILED: FwdTableEntry Consistency Check Failed: index [number] エラー メッセージを報告します。
このメッセージは、転送テーブル メモリ(SRAM)が破損している場合に表示されます。 このエラーはパケット廃棄を招く可能性があります。 また、間違ってルーティングされたパケットが間違ったインターフェイスで受信される可能性もあります。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
次のコマンドの出力を 収集します。
show logging
show module
show version
電源を再投入し、問題が解決したかどうかを確認します。 この方法で問題が解決しない場合は、Cisco テクニカルサポート(登録ユーザ専用)に連絡してサービスリクエストをオープンし、手順 1 で取得したすべての情報を添付してください。
スイッチで %C4K_L2MAN-5-ROUTERMACADDRESSRXASSOURCE:Packet received with my own MAC address ( [mac-addr] ) as source on port [char] in vlan [dec] というエラー メッセージが表示されます。
そのスイッチの MAC アドレスが送信元アドレスとして指定されているパケットが受信されました。 この MAC は有効な送信元アドレスとして学習されておらず、設定に問題があることが考えられます。 このメッセージはレート制限の対象で、インターフェイスや VLAN でこのようなパケットが初めて受信された際にだけ表示されます。 それ以降のメッセージでは、VLAN 内のすべてのインターフェイスで一定の期間に受信された当該パケットの累計数が表示されます。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
MAC アドレス テーブルをクリアし、スイッチに正しい MAC アドレスを再学習させます。
Switch#clear mac-address-table dynamic
スイッチのコンフィギュレーション ファイルを確認し、特定のポートのこれらのパケットの送信元を確認し、送信元で適切な修正措置を実施します。 これは多くの場合、ネットワーク構成にループがあることを意味しています。
このエラー メッセージが %C4K_EBM-4-HOSTFLAPPING エラー メッセージを伴う場合は、このドキュメントの「ホスト アドレスが複数のポートでの送信元アドレスであるときに発生するエラー メッセージ」のセクションの「回避策」を参照して問題を解決してください。
この方法で問題が解決しない場合は、Cisco テクニカルサポート(登録ユーザ専用)に連絡してサービス リクエストをオープンし、show logging および show tech コマンドの出力を添付してください。一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。