ネットワーク上で QoS ポリシングを実行することで、ネットワーク トラフィックが所定のプロファイル(契約)の範囲内にあるかどうかが判断されます。 これにより、プロファイルの範囲外のトラフィックを廃棄したり、別の DiffServ コード ポイント(DSCP)値まで下げて、契約したサービス レベルを適用したりすることができます。(DSCP はフレームの QoS レベルの基準となります)。
トラフィック ポリシングとトラフィック シェーピングを混同しないようにしてください。どちらもトラフィックがプロファイル(契約)の範囲内に留まることを保証します。 トラフィックのポリシングを行っている場合には、プロファイル外のパケットはバッファリングされません。そのため、伝送の遅延への影響はありません。トラフィックは、廃棄されるか、またはより低い QoS レベルでマーキングされます(DSCP マークダウン)。 これに対し、トラフィック シェーピングによる契約の場合は、プロファイル外トラフィックはバッファリングされて、トラフィックのバーストが平滑化されます。これにより、遅延と遅延変動への影響があります。トラフィック シェーピングを適用できるのは、発信インターフェイスだけです。ポリシングは、着信と発信の両方のインターフェイスに適用できます。
Catalyst 6500/6000 Policy Feature Card(PFC; ポリシー フィーチャ カード)および PFC2 でサポートされるのは、入力方向ポリシングだけです。PFC3 では、入力方向と出力方向の両方のポリシングがサポートされます。トラフィック シェービングがサポートされているのは、Catalyst 6500/7600 シリーズの Optical Services Module(OSM; オプティカル サービス モジュール)や FlexWAN モジュールなどの特定の WAN モジュールのみです。詳細は、『Cisco 7600 シリーズ ルータ モジュール コンフィギュレーション ノート』を参照してください。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ポリシングをセットアップするには、ポリサーを定義した後、それをポート(ポートベースの QoS)または VLAN(VLAN ベースの QoS)に適用します。 それぞれのポリサーは名前、タイプ、レート、バースト、およびプロファイル内外のトラフィックに対する動作を定義します。Supervisor Engine II のポリシング機能は超過レート パラメータもサポートします。ポリサーには2つのタイプがあります:microflow と aggregateです。
microflow :適用されたポート/VLAN においてフローごとにトラフィックをポリシングします。
aggregate:適用されたポート/VLAN のすべてのトラフィックをポリシングします。
各ポリサーは、複数のポートまたは VLAN に適用できます。フローは、次のパラメータを使用して定義します。
送信元 IP アドレス
宛先 IP アドレス
レイヤ 4 プロトコル(User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)など)
送信元ポート番号
宛先ポート番号
定義されている特定の一連のパラメータと一致するパケットは同じフローに属すると見なすことができます。これは、NetFlow スイッチングで使用されるのと基本的に同じフロー概念です。
一例として、VLAN 1 および VLAN 3 で TFTP トラフィックを 1 Mbps に制限するようにマイクロフロー ポリサーを設定すると、VLAN 1 の各フローに 1 Mbps が、VLAN 3 の各フローに 1 Mbps がそれぞれ許可されます。 VLAN 1 に 3 つのフローが含まれ、VLAN 3 に 4 つのフローが含まれる場合は、マイクロフロー ポリサーはこの各フローにそれぞれ 1 Mbps を許可します。一方、集約ポリサーを設定すると、VLAN 1 と VLAN 3 をまとめた全フローの TFTP トラフィックが 1 Mbps に制限されます。
集約ポリサーとマイクロフロー ポリサーを両方とも適用すると、QoS では常に、両方のポリサーで指定されている最も厳しいアクションが使用されます。たとえば、あるポリサーではパケットの廃棄が指定されていて、別のポリサーではパケットのマークダウンが指定されている場合、パケットは廃棄されます。
デフォルトでは、マイクロフロー ポリサーはルーティングされる(レイヤ 3(L3))トラフィックに対してのみ有効です。ブリッジングされる(レイヤ 2(L2))トラフィックにもポリシングを行うには、ブリッジ マイクロフロー ポリシングを有効にする必要があります。スーパーバイザ エンジン II では、L3 マイクロフロー ポリシングに対してもブリッジ マイクロフロー ポリシングを有効にする必要があります。
ポリシングはプロトコルが認識されます。すべてのトラフィックは次の 3 つのタイプに分類されます。
IP
Internetwork Packet Exchange(IPX)
その他
Catalyst 6500/6000 では、ポリシングが「リーキー バケット」の概念に従って実装されています。着信トラフィック パケットに対応するトークンが、バケットに格納されます。各トークンはビットを表すので、パケットが大きいほど、それを表すために使用されるトークンが多くなります。 通常のインターバルでは定義されたトークンの多くはバケットから取り除かれその宛先に送られます。着信パケットを収納する場所がバケットにない場合、そのパケットはプロファイル外と見なされます。プロファイル外と見なされたパケットは、設定されているポリシング アクションに従って廃棄またはマークダウンされます。
注:上の図に示すように、トラフィックはバケットにバッファリングされません。実際のトラフィックがバケットを経由することはありません。バケットは、パケットがプロファイル内にあるかプロファイル外にあるかを判断する際に使用されるだけです。
トークン バケットの動作は、次に示す複数のパラメータによって制御されています。
レート:各インターバルで取り出すトークンの数を定義します。ポリシング レートを効果的に設定します。このレートより低いトラフィックはすべて、プロファイル内と見なされます。
インターバル:バケットからトークンを取り出す頻度を定義します。間隔は 0.00025 秒に固定されているので、トークンはバケットから毎秒 4,000 回削除されます。この間隔を変更することはできません。
Burst:バケットが一度に保持できるトークンの最大数を定義します。指定されたトラフィック レートを維持するためには、レートと間隔の積以上の値をバーストに指定する必要があります。また、最大サイズのパケットがバケットに収まらなければならないことに注意しなければなりません。
バースト パラメータを決定するには、次の式を使用します。
Burst = (Rate [bps]) * 0.00025 [sec/interval]) または(最大パケット サイズ(ビット))のどちらか大きい方。
たとえば、イーサネット ネットワークで 1 Mbps のレートを維持するために必要な最小バースト値を計算する場合は、レートを 1 Mbps、イーサネットの最大パケット サイズを 1518 バイトに指定します。式は次のようになります。
Burst = (1,000,000 bps * 0.00025) または (1518 bytes * 8 bits/byte) = 250 または 12144。
値が大きい方の結果は 12144 なので、切り上げて 13 kbps にします。
注:Cisco IOS®ソフトウェアでは、ポリシングレートはCatalyst OS(CatOS)のkbpsではなくbps(ビット/秒)で定義されます。 また、Cisco IOS ソフトウェアではバースト レートがバイト単位で指定されていますが、CatOS ではキロビット単位で指定されています。
注:ハードウェアポリシングの粒度により、正確なレートとバーストはサポートされる最も近い値に丸められます。バースト値が最大パケット サイズ未満の値にならないように注意してください。そうしないと、バースト サイズより大きなパケットがすべて廃棄されます。
たとえば、Cisco IOS ソフトウェアでバーストを 1518 に設定しようとすると、切り下げられて 1000 になります。そのため、1000 バイトより大きなすべてのフレームが廃棄されることになります。これを解決するためには、バーストを 2000 に設定します。
バースト レートを設定する際には、一部のプロトコル(TCP など)には、パケットの損失に反応するフロー制御メカニズムが実装されていることを考慮に入れる必要があります。たとえば、TCP では、パケットの損失があるたびにウィンドウが半分にされます。その結果、特定のレートにポリシングしている場合は、リンクの実効使用率が設定した値よりも低くなります。バーストを増やせば、使用率を向上させることかできます。そのようなトラフィックの場合は、バースト サイズを 2 倍にすることから始めます。(この例では、バースト サイズが 13 kbps から 26 kbps に増やされています)。 次に、パフォーマンスを監視して、必要に応じてさらに調整します。
同じ理由により、コネクション型のトラフィックを使用して動作するポリサーのベンチマークを行うことは推奨されません。通常、そのようなベンチマークでは、ポリサーが許可するよりも低いパフォーマンスが表示されます。
「概要」で述べたように、ポリサーはアウトオブプロファイル パケットに対して 、以下の 2 つのうち 1 つのことを行うことができます。
パケットを廃棄する(設定の drop パラメータ)
パケットをより低い DSCP にマーキングする(設定の policed-dscp パラメータ)
パケットをマークダウンするには、ポリシングされる DSCP マップを変更する必要があります。ポリシングされたDSCPは、パケットを同じDSCPに再マーキングするようにデフォルトで設定されます(マークダウンは行われません)。
注:「プロファイル外」のパケットが、元のDSCPとは異なる出力キューにマッピングされたDSCPにマークダウンされる場合、一部のパケットが順序を誤って送信されることがあります。このため、パケットの順序が重要な場合は、プロファイル内パケットと同じ出力キューにマップされる DSCP にプロファイル外パケットをマークダウンすることが推奨されます。
超過レートをサポートするSupervisor Engine II では、2 個のトリガーが考えられます。
トラフィックが標準のレートを超える場合
トラフィックが余分なレートを超える場合
超過レートには、通常レートを超えたパケットはマークダウンし、超過レートを超えたパケットは廃棄するといった使用方法があります。
「概要」で説明したように、スーパーバイザ エンジン 1a の PFC1 とスーパーバイザ エンジン 2 の PFC2 でサポートされるのは、入力方向(着信インターフェイス)のポリシングだけです。スーパーバイザ エンジン 720 の PFC3 は、入力方向と出力方向(発信インターフェイス)の両方のポリシングがサポートされます。
Catalyst 6500/6000 では、最大 63 個のマイクロフロー ポリサーと最大 1023 個の集約ポリサーがサポートされています。
スーパーバイザ エンジン 1a では、CatOS バージョン 5.3(1) 以降および Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(7)XE 以降で、入力ポリシングがサポートされます。
注:Supervisor Engine 1aでのポリシングには、PFCまたはPFC2ドーターカードが必要です。
スーパーバイザ エンジン 2 では、CatOS バージョン 6.1(1) 以降および Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1(5c)EX 以降で、入力ポリシングがサポートされます。スーパーバイザ エンジン II では、超過レート ポリシング パラメータがサポートされています。
Distributed Forwarding Card(DFC)の設定でサポートされるのは、ポートベースのポリシングだけです。また、集約ポリサーでは、システム単位ではなく、フォワーディング エンジン単位でのみトラフィックがカウントされます。DFC と PFC はどちらもフォワーディング エンジンです。モジュール(ライン カード)に DFC がない場合、そのモジュールはフォワーディング エンジンとして PFC を使用します。
注:Catalyst 6500/6000 QoSポリシングに慣れていない場合は、このドキュメントの「QoSポリシングパラメータとCatalyst 6500/6000でサポートされるポリシング機能」を参照してください。
スーパーバイザ エンジン 720 には、次の新しい QoS ポリシング機能が導入されています。
出力ポリシング。スーパーバイザ 720 では、ポートまたは VLAN インターフェイスでの入力ポリシングがサポートされています。出力ポリシングは、ポートまたは L3 ルーテッド インターフェイス(Cisco IOS システム ソフトウェアの場合)でサポートされます。 VLAN のすべてのポートでは、ポートの QoS モード(ポートベースの QoS または VLAN ベースの QoS)に関係なく、出力にポリシングが適用されます。 出力では、マイクロフロー ポリシングはサポートされません。設定例は、このドキュメントの「CatOS ソフトウェアでのポリシングの設定と監視」セクションおよび「Cisco IOS ソフトウェアでのポリシングの設定と監視」セクションを参照してください。
ユーザ別マイクロフロー ポリシング。スーパーバイザ 720 では、ユーザ別マイクロフロー ポリシングと呼ばれるマイクロフロー ポリシングの拡張機能がサポートされています。この機能がサポートされているのは Cisco IOS システム ソフトウェアだけです。これにより、特定のインターフェイスの背後にある各ユーザ(IPアドレスごと)に特定の帯域幅を提供できます。これは、サービスポリシー内でフローマスクを指定することによって実現されます。フロー マスクにより、フローの区別に使用する情報が定義されます。たとえば、送信元専用のフロー マスクを指定すると、1 つの IP アドレスから送信されるすべてのトラフィックが、1 つのフローと見なされます。この方法を使用して、(対応するサービス ポリシーを設定済みの)インターフェイス上で ユーザごとにトラフィックをポリシングできます。他のインターフェイスでは、引き続きデフォルトのフロー マスクを使用します。1 つのシステムで同時に 2 つの異なる QoS フロー マスクまでアクティブにできます。1 つのフロー マスクと関連付けることができるのは、1 つのクラスだけです。1 つのポリシーには、最高で 2 つの異なるフロー マスクを指定できます。
スーパーバイザ エンジン 720 でのポリシングのもう 1 つの重要な変更点は、フレームの L2 の長さでトラフィックをカウントできるようになったことです。これは、IP フレームと IPX フレームを L3 の長さでカウントするスーパーバイザ エンジン 2 およびスーパーバイザ エンジン 1 とは異なります。一部のアプリケーションでは、L2 と L3 で長さが異なる場合があります。一例として、大きな L2 フレームの中に小さな L3 パケットがある場合があります。この場合、スーパーバイザ エンジン 720 では、ポリシングされたトラフィック レートが、スーパーバイザ エンジン 1 およびスーパーバイザ エンジン 2 の場合とはわずかに異なって表示される場合があります。
CatOS に対するポリシングの設定は、次の 3 つの主要手順で構成されます。
ポリサー(通常のトラフィック レート、超過レート(該当する場合)、バースト、およびポリシング アクション)を定義します。
ポリシング対象のトラフィックを選択する QoS ACL を作成して、ポリサーをこの ACL と関連付けます。
この QoS ACL を、必要なポートや VLAN に適用します。
次の例では、ポート 2/8 上の UDP ポート 111 に対して、すべてのトラフィックにポリシングを適用する方法を示しています。
Catalyst 6500/6000 |
---|
set qos enable !--- This enables QoS. set qos policer aggregate udp_1mbps rate 1000 burst 13 drop !--- This defines a policer. For the calculation of rate and burst, !--- refer to Calculate Parameters. set qos acl ip udp_qos_port dscp 0 aggregate udp_1mbps udp any any eq 111 !--- This creates QoS ACL to select traffic and attaches !--- the policer to the QoS ACL. commit qos acl all !--- This compiles the QoS ACL. set qos acl map udp_qos_port 2/8 !--- This maps the QoS ACL to the switch port. |
次の例も同じです。ただし、この例では、ポリサーを VLAN に関連付けます。ポート 2/8 は VLAN 20 に属しています。
注:ポートのQoSをVLANベースのモードに変更する必要があります。そのためには、set port qos コマンドを使用します。
このポリサーにより、VLAN ベースの QoS に設定されているその VLAN でのすべてのポートからのトラフィックが評価されます。
Catalyst 6500/6000 |
---|
set qos enable !--- This enables QoS. set qos policer aggregate udp_1mbps rate 1000 burst 13 drop !--- This defines a policer. For the calculation of rate and burst, !--- refer to Calculate Parameters. set qos acl ip udp_qos_vlan dscp 0 aggregate udp_1mbps udp any any eq 111 !--- This creates the QoS ACL to select traffic and attaches !--- the policer to QoS ACL. commit qos acl all !--- This compiles the QoS ACL. set port qos 2/8 vlan-based !--- This configures the port for VLAN-based QoS. set qos acl map udp_qos_vlan 20 !--- This maps QoS ACL to VLAN 20. |
次では、DSCP 32 のプロファイル外パケットを廃棄するのではなく、DSCP 0(ベスト エフォート)にマークダウンしています。
Catalyst 6500/6000 |
---|
set qos enable !--- This enables QoS. set qos policer aggregate udp_1mbps rate 1000 burst 13 policed-dscp !--- This defines a policer. For the calculation of rate and burst, !--- refer to Calculate Parameters. set qos acl ip udp_qos_md trust-ipprec aggregate udp_1mbps udp any any eq 111 dscp-field 32 !--- Note: The above command should be on one line. !--- This creates the QoS ACL to select traffic and attaches !--- the policer to the QoS ACL. commit qos acl all !--- This compiles the QoS ACL. set qos policed-dscp-map 32:0 !--- This modifies the policed DSCP map to mark down DSCP 32 to DSCP 0. set port qos 2/8 vlan-based !--- This configures the port for VLAN-based QoS. set qos acl map udp_qos_md 20 !--- This maps the QoS ACL to VLAN 20. |
次の例では、スーパーバイザ エンジン 720 のみに対する出力ポリシングの設定が示されています。VLAN 3 のすべての発信 IP トラフィックを全体で 10 Mbps にポリシングする方法が示されています。
Catalyst 6500/6000 |
---|
set qos enable !--- This enables QoS. set qos policer aggregate egress_10mbps rate 10000 burst 20 drop !--- This defines a policer. For the calculation of rate and burst, !--- refer to Calculate Parameters. set qos acl ip egress_pol trust-ipprec aggregate egress_10mbps ip any any !--- This creates the QoS ACL to select traffic and attaches !--- the policer to the QoS ACL. commit qos acl all !--- This compiles the QoS ACL. set qos acl map egress_pol 3 output !--- This maps the QoS ACL to VLAN 3 in the output direction. |
現在のポリシング対象の DSCP マップを表示するには、show qos maps runtime policed-dscp-map を使用します。
show qos policer runtime {policer_name | all}をクリックして、ポリサーのパラメータを確認します。ポリサーが関連付けられている QoS ACL を確認することもできます。
注:Supervisor Engine 1および1aでは、個々の集約ポリサーに対するポリシングの統計情報を持つことはできません。システムごとのポリシングの統計情報を表示するには、次のコマンドを使用します。
Cat6k> (enable) show qos statistics l3stats Packets dropped due to policing: 1222086 IP packets with ToS changed: 27424 IP packets with CoS changed: 3220 Non-IP packets with CoS changed: 0
マイクロフローのポリシングの統計情報を確認するには、次のコマンドを使用します。
Cat6k> (enable) show mls entry qos short Destination-IP Source-IP Port DstPrt SrcPrt Uptime Age --------------- --------------- ----- ------ ------ -------- -------- IP bridged entries: 239.77.77.77 192.168.10.200 UDP 63 63 00:22:02 00:00:00 Stat-Pkts : 165360 Stat-Bytes : 7606560 Excd-Pkts : 492240 Stat-Bkts : 1660 239.3.3.3 192.168.11.200 UDP 888 777 00:05:38 00:00:00 Stat-Pkts : 42372 Stat-Bytes : 1949112 Excd-Pkts : 126128 Stat-Bkts : 1628 Only out of the profile MLS entries are displayed Cat6k> (enable)
スーパーバイザ エンジン II では、ポリサーごとの集約ポリシングの統計情報を show qos statistics aggregate-policer コマンドで表示できます。
この例では、トラフィックジェネレータがポート2/8に接続されています。宛先ポート111で17 MbpsのUDPトラフィックを送信します。ポリサーがトラフィックの16/17をドロップすると、1 Mbpsが通過します。
Cat6k> (enable) show qos statistics aggregate-policer udp_1mbps QoS aggregate-policer statistics: Aggregate policer Allowed packet Packets exceed Packets exceed count normal rate excess rate ------------------------------- -------------- -------------- -------------- udp_1mbps 582439 9732108 9732108 Cat6k> (enable) show qos statistics aggregate-policer udp_1mbps QoS aggregate-policer statistics: Aggregate policer Allowed packet Packets exceed Packets exceed count normal rate excess rate ------------------------------- -------------- -------------- -------------- udp_1mbps 582504 9733198 9733198
注:許可されるパケットは65増加し、超過パケットは1090増加していることに注意してください。これは 1090 パケットがポリサーによってドロップされたことと、65 パケットが許可されて通過したことを意味します。65 / (1090 + 65) = 0.056、または約1/17を計算できます。したがって、ポリサーは正しく動作します。
Cisco IOS ソフトウェアでのポリシングの設定は、次の手順で行います。
ポリサーを定義します。
ポリシング対象のトラフィックを選択するための ACL を作成します。
ACL と DSCP/IP 優先順位の一方または両方でトラフィックを選択するためのクラス マップを定義します。
クラスを使用するサービス ポリシーを定義し、ポリサーを指定したクラスに適用します。
ポートまたは VLAN にサービス ポリシーを適用します。
「CatOS ソフトウェアでのポリシングの設定と監視」セクションと同じ例について検討しますが、ここでは Cisco IOS ソフトウェアを使用します。この例では、トラフィックジェネレータがポート2/8に接続されています。宛先ポート111で17 MbpsのUDPトラフィックを送信します。
Catalyst 6500/6000 |
---|
mls qos !--- This enables QoS. mls qos aggregate-policer udp_1mbps 1000000 2000 conform-action transmit exceed-action drop !--- Note: The above command should be on one line. !--- This defines a policer. For the calculation of rate and burst, !--- refer to Calculate Parameters. !--- Note: The burst is 2000 instead of 1518, due to hardware granularity. access-list 111 permit udp any any eq 111 !--- This defines the ACL to select traffic. class-map match-all udp_qos match access-group 111 !--- This defines the traffic class to police. policy-map udp_policy class udp_qos police aggregate udp_1mbps !--- This defines the QoS policy that attaches the policer to the traffic class. interface GigabitEthernet2/8 switchport service-policy input udp_policy !--- This applies the QoS policy to an interface. |
Cisco IOS ソフトウェアには次の 2 つのタイプの集約ポリサーがあります。名前付き集約ポリサーとインターフェイス単位の集約ポリサーです。名前付き集約ポリサーでは、適用されるすべてのインターフェイスから結合されたトラフィックに対してポリシングが実行されます。上記の例ではこのタイプが使われています。インターフェイス単位のポリサーでは、適用される各着信インターフェイス上のトラフィックに対して個別にポリシングが実行されます。per-interface ポリサーは、ポリシー マップの設定において定義されます。次に示す例では、インターフェイス単位の集約ポリサーが使用されています。
Catalyst 6500/6000 |
---|
mls qos !--- This enables QoS. access-list 111 permit udp any any eq 111 !--- This defines the ACL to select traffic. class-map match-all udp_qos match access-group 111 !--- This defines the traffic class to police. policy-map udp_policy class udp_qos !--- This defines the QoS policy that attaches the policer to the traffic class. police 1000000 2000 2000 conform-action transmit exceed-action drop !--- This creates a per-interface aggregate !--- policer and applies it to the traffic class. interface GigabitEthernet2/8 switchport service-policy input udp_policy !--- This applies the QoS policy to an interface. |
マイクロフロー ポリサーは、インターフェイス単位の集約ポリサーと同様に、ポリシー マップの設定で定義されます。次に示す例では、ホスト 192.168.2.2 から VLAN 2 に送信されるすべてのフローが 100 kbps にポリシングされています。192.168.2.2 からのすべてのトラフィックは、全部で 500 kbps にポリシングされます。VLAN 2 には、インターフェイス fa4/11 と fa4/12 があります。
Catalyst 6500/6000 |
---|
mls qos !--- This enables QoS. access-list 1 permit 192.168.2.2 !--- This defines the access list to select traffic from host 192.168.2.2. class-map match-all host_2_2 match access-group 1 !--- This defines the traffic class to police. policy-map host class host_2_2 !--- This defines the QoS policy. police flow 100000 2000 conform-action transmit exceed-action drop !--- This defines a microflow policer. For the calculation of rate and !--- burst, refer to Calculate Parameters. police 500000 2000 2000 conform-action transmit exceed-action drop !--- This defines the aggregate policer to limit !--- traffic from the host to 500 kbps aggregate. interface fa4/11 mls qos vlan-based interface fa4/12 mls qos vlan-based !--- This configures interfaces in VLAN 2 for VLAN-based QoS. interface vlan 2 service-policy input host !--- This applies the QoS policy to VLAN 2. |
次の例は、Supervisor Engine 720の出力ポリシングの設定を示しています。インターフェイスGigabit Ethernet 8/6のすべての発信トラフィックのポリシングを100 kbpsに設定します。
Catalyst 6500/6000 |
---|
mls qos !--- This enables QoS. access-list 111 permit ip any any !--- This defines the ACL to select traffic. All IP traffic is subject to policing. class-map match-all cl_out match access-group 111 !--- This defines the traffic class to police. policy-map pol_out class cl_out police 100000 3000 3000 conform-action transmit exceed-action drop !--- This creates a policer and attaches it to the traffic class. interface GigabitEthernet8/6 ip address 3.3.3.3 255.255.255.0 service-policy output pol_out !--- This attaches the policy to an interface. |
次の例は、Supervisor Engine 720のユーザごとのポリシングの設定を示しています。ポート1/1の背後にあるユーザからインターネットに向かうトラフィックは、ユーザごとに1 Mbpsにポリシングされます。インターネットからユーザに向けて送信されてくるトラフィックは、ユーザごとに 5 Mbps にポリシングされています。
Catalyst 6500/6000 |
---|
mls qos !--- This enables QoS. access-list 111 permit ip any any !--- This defines the ACL to select user traffic. class-map match-all cl_out match access-group 111 !--- This defines the traffic class for policing. policy-map pol_out class cl_out police flow mask src-only 1000000 32000 conform-act transmit exceed-act drop !--- Only the source IP address is considered for flow creation !--- on interfaces with this policy attached. interface gigabit 1/1 !--- 1/1 is the uplink toward the users. service-policy input pol_out !--- Traffic comes in from users, so the policy is attached !--- in the input direction. class-map match-all cl_in match access-group 111 policy-map pol_in class cl_in police flow mask dest-only 5000000 32000 conform-act transmit exceed-act drop !--- Only the destination IP address is considered for flow creation !--- on interfaces with this policy attached. interface gigabit 1/2 !--- 1/2 is the uplink to the Internet. service-policy input pol_in |
ポリシングを監視するには、次のコマンドを使用できます。
bratan# show mls qos QoS is enabled globally Microflow policing is enabled globally QoS global counters: Total packets: 10779 IP shortcut packets: 0 Packets dropped by policing: 2110223 IP packets with TOS changed by policing: 0 IP packets with COS changed by policing: 0 Non-IP packets with COS changed by policing: 0 bratan# show mls qos ip gigabitethernet 2/8 [In] Policy map is udp_policy [Out] Default. QoS Summary [IP]: (* - shared aggregates, Mod - switch module) Int Mod Dir Class-map DSCP AgId Trust FlId AgForward-Pk AgPoliced-Pk ------------------------------------------------------------------------------ Gi2/8 1 In udp_qos 0 1* No 0 127451 2129602 bratan# show mls qos ip gigabitethernet 2/8 [In] Policy map is udp_policy [Out] Default. QoS Summary [IP]: (* - shared aggregates, Mod - switch module) Int Mod Dir Class-map DSCP AgId Trust FlId AgForward-Pk AgPoliced-Pk ------------------------------------------------------------------------------ Gi2/8 1 In udp_qos 0 1* No 0 127755 2134670
注:許可されるパケットは304増加し、超過パケットは5068増加しています。これは 5068 パケットがポリサーによってドロップされたことと、304 パケットが許可されて通過したことを意味します。入力レートが 17 Mbps であるとすると、ポリサーはトラフィックの 1/17 を通したことになります。ドロップされたパケットと転送されたパケットを比較すると、次の計算が当てはまることがわかります。304 / (304 + 5068) = 0.057、または約1/17。ハードウェアポリシングの精度により、若干の変動が発生する可能性があります。
マイクロフロー ポリシングの統計情報を表示するには、show mls ip detail コマンドを使用します。
Orion# show mls ip detail IP Destination IP Source Protocol L4 Ports Vlan Xtag L3-protocol --------------+---------------+--------+-------------+----+----+-----------+ 192.168.3.33 192.168.2.2 udp 555 / 555 0 1 ip 192.168.3.3 192.168.2.2 udp 63 / 63 0 1 ip [IN/OUT] Ports Encapsulation RW-Vlan RW-MACSource RW-MACDestination Bytes --------------+-------------+-------+--------------+-----------------+------------+ Fa4/11 - ---- ARPA 3 0030.7137.1000 0000.3333.3333 314548 Fa4/11 - ---- ARPA 3 0030.7137.1000 0000.2222.2222 314824 Packets Age Last Seen QoS Police Count Threshold Leak ------------+-----+---------+-----------+------------+---------+-----------+ 6838 36 18:50:09 0x80 346197 62*2^5 3*2^0 6844 36 18:50:09 0x80 346695 62*2^5 3*2^0 Drop Bucket Use-Tbl Use-Enable ----+-------+-------+----------+ YES 1968 NO NO YES 1937 NO NO
注:[Police Count]フィールドは、フローごとのポリシングされたパケットの数を示します。