このドキュメントでは、Catalyst OS(CatOS)ソフトウェアが稼働している Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチで発生する、一般的な syslog メッセージおよびエラー メッセージについて、簡単に説明します。
このドキュメントに記載されていないエラーメッセージがある場合は 、Error Message Decoder Tool(登録ユーザ専用)を使用してください。このツールを使用すると、Cisco IOS® ソフトウェアや CatOS ソフトウェアで発生したエラー メッセージの意味を調べることができます。
注:このドキュメントで説明するsyslogおよびエラーメッセージの正確な形式は、若干異なる場合があります。この違いは、スイッチのスーパーバイザ エンジンで実行しているソフトウェア リリースによるものです。
注:Catalyst 6500/6000シリーズスイッチでは、次の最低限のロギング設定を推奨します。
set time コマンドを発行して、スイッチに日付と時刻を設定します。あるいは、Network Time Protocol(NTP; ネットワーク タイム プロトコル)を使用して NTP サーバから日付と時刻を取得するようにスイッチを設定します。
ロギングまたはロギングのタイム スタンプが有効であることを確認します。デフォルトでは両方とも有効になっています。
可能であれば、syslog サーバにログを記録するようにスイッチを設定します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このセクションで説明するエラー メッセージは、CatOS が稼働する Catalyst 6500/6000 シリーズで一般的に見られるものです。
スイッチで %CDP-4-NVLANMISMATCH syslog メッセージが頻繁に生成されます。
このエラー メッセージがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
2002 Jan 11 08:50:40 EST -05:00 %CDP-4-NVLANMISMATCH: Native vlan mismatch detected on port 4/1 2002 Jan 11 02:02:45 %CDP-4-NVLANMISMATCH: Native vlan mismatch detected on port 1/1
このメッセージは、スイッチのポートが他のスイッチまたはルータに物理的に接続されているときには必ず表示されます。このメッセージが発生した原因は、このポートに設定されているネイティブ VLAN が、接続されているスイッチまたはルータのポートで設定されているネイティブ VLAN と異なっていることです。
IEEE 802.1Q のタギングで設定されているトランク ポートは、タグ付きおよびタグなしの両方のトラフィックを受信できます。デフォルトの設定では、このスイッチはこのポートに設定されているネイティブ VLAN を使用して、タグなしのトラフィックを転送します。発信ポートのネイティブ VLAN ID と同じ VLAN ID を持つパケットの場合はタグなしで送信されます。それ以外の場合は、パケットはタグ付きで送信されます。
802.1Q トランクのネイティブ VLAN が、トランク リンクの両端で必ず同じになるようにしてください。トランクの片側のネイティブ VLAN が相手側のネイティブ VLAN と異なっていると、両側のネイティブ VLAN ではトラフィックをトランク上で正しく送信できなくなります。この問題は、ネットワークに接続性に関する問題があることを示している可能性があります。
スイッチに設定されているネイティブ VLAN を確認するには、show trunk mod/port コマンドを発行します。このコマンドで、mod/port はトランク ポートを指します。出力例を次に示します。
Console> (enable) show trunk 5/24 Port Mode Encapsulation Status Native vlan -------- ----------- ------------- ------------ ----------- 5/24 desirable dot1q not-trunking 1 Port Vlans allowed on trunk -------- --------------------------------------------------------------------- 5/24 1-1005 Port Vlans allowed and active in management domain -------- --------------------------------------------------------------------- 5/24 1 Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned -------- --------------------------------------------------------------------- 5/24 Console> (enable)
トランク ポートに設定されているネイティブ VLAN を変更するには、set vlan vlan_id mod/port コマンドを発行します。このコマンドで、mod/port はトランク ポートを指します。
注:syslogエラーメッセージ"%CDP-4-NATIVE_VLAN_MISMATCH"は、Cisco IOSソフトウェアが稼働するCatalystスイッチでのネイティブVLANの不一致を示しています。
注:スイッチが非トランク ポートを使用して接続されている場合は、そのポートが同じ VLAN になるよう設定されているかどうかを確認してください。ポートが同じ VLAN 内に存在しない場合、%CDP-4-NVLANMISMATCH:Native vlan mismatch detected on port [port num] というエラー メッセージが表示されます。
スイッチで DTP-1-ILGLCFG:Illegal config (on, isl--on,dot1q) on Port [mod/port] エラーが生成されます。
このメッセージは、トランクの両端が on に設定されていても、カプセル化のタイプ(isl、dot1q)が一致していない場合に発生します。トランク モードが desirable に設定されていると、この誤設定が原因でトランクが起動しなくなります。トラブルシューティングを行うには、両端での show trunk コマンドの出力を確認します。カプセル化のタイプが同じであるようにします。
スイッチで %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket overflow syslog メッセージが定期的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
注:表示されるUser Datagram Protocol(UDP;ユーザデータグラムプロトコル)ソケット番号は、異なる場合もあれば、一貫して同じ場合もあります。
%IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket 2353 overflow
スイッチでこの syslog メッセージが発生するのは、指定したソケット(UDP 宛先ポート)宛てのパケット用に割り当てられたバッファがいっぱいになった場合です。このバッファがいっぱいになる原因は、ソケット宛てのトラフィックのレートが高すぎることです。このような状況は、ネットワーク管理ステーションから大量の Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)クエリーが送信された場合などに発生します。UDP のオーバーフローが生じた場合には、SNMP クエリーの数を減らしてみてください。クエリーの数を減らすには、ネットワーク管理ステーションでのポーリング間隔を長くするか、ネットワーク管理ステーションがポーリングする MIB オブジェクトの数を減らします。
このセクションの例では、宛先 UDP ソケット 2353 を持つスイッチの IP アドレス(またはブロードキャスト アドレス)に宛てられたパケットが過剰に受信されています。スイッチ上にある、このソケットの入力バッファがいっぱいになったために、スイッチから syslog メッセージが生成されました。スイッチがオーバーフロー状態になった回数を調べるには、show netstat udp コマンドを発行します。
Console> (enable) show netstat udp udp: 0 incomplete headers 0 bad data length fields 0 bad checksums 0 socket overflows 110483 no such ports Console> (enable)
これらの syslog メッセージは、特定の宛先 UDP ポートにおいて、1 台または複数のステーションから大量の UDP トラフィックがこのスイッチに対して送信されていることを示しています。スイッチからこのメッセージが大量に生成される場合は、ネットワーク アナライザを使用してトラフィックの発信元を特定します。その上で、このトラフィックのレートを下げます。UDPトラフィックはスイッチのCPU宛てであるため、スイッチドポートアナライザ(SPAN)機能を使用して、送信元ポートをsc0に設定できます。SPANは、スーパーバイザエンジンの内部インターフェイスを識別します。詳細は、『Catalyst スイッチド ポート アナライザ(SPAN)の設定例』を参照してください。
注意:no such portカウンタを心配しないでください。このカウンタは、存在しないポートに宛てられた UDP パケットをスイッチが受信した数を示しています。
スイッチでエラー メッセージ %EC-SP-5-L3DONTBNDL1: TE (mod/port) suspended:PAgP not enabled on the remote port が表示されます。
このエラー メッセージは、通常は、レイヤ 3(L3)インターフェイスで Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)がイネーブルにされているものの、相手側のポートで PAgP がイネーブルにされていない場合に発生します。以下が一例です。
%EC-SP-5-L3DONTBNDL1: Te(mod/port)suspended: PAgP not enabled on the remote port. %EC-SP-5-L3DONTBNDL1: Te(mod/port)suspended: PAgP not enabled on the remote port. %EC-SP-5-L3DONTBNDL1: Te(mod/port)suspended: PAgP not enabled on the remote port.
このエラー メッセージが発生するのは、ほとんどが設定に問題があるときですが、ハードウェアやケーブル配線が原因で発生することもあります。設定が設定ガイドどおりであることを確認してください。それでもエラーが解消しない場合は、ケーブル配線とハードウェアのトラブルシューティングを行います。ハードウェアのトラブルシューティングを行うには、次の手段を試してみてください。
ギガビット インターフェイス コンバータ(GBIC)を装着し直す。
GBIC を交換する。
別のライン カードを使用してハードウェアをテストする。
スイッチで %IP-3-UDP_SOCKOVFL:UDP socket overflow syslog メッセージが定期的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
注:表示されるUDPソケット番号は異なる場合もあれば、常に同じ場合もあります。
%IP-3-UDP_BADCKSUM:UDP bad checksum
スイッチからこの syslog メッセージが出されるのは、SNMP パケットなどの UDP データグラムで不正なチェックサムが検出された場合です。UDP データグラムのヘッダーにはチェックサムが含まれます。受信したネットワーク デバイスは、転送時にデータグラムが損傷を受けたかどうかをこの値を使用して確認します。受信チェックサムがヘッダー内のチェックサムの値と一致しない場合、データグラムは廃棄され、エラー メッセージが記録されます。チェックサムにエラーがあるデータグラムがスイッチで検出された回数を調べるには、show netstat udp コマンドを発行します。
Console> (enable) show netstat udp udp: 0 incomplete headers 0 bad data length fields 0 bad checksums 0 socket overflows 110483 no such ports Console> (enable)
このメッセージは情報としての意味しかありません。あるネットワーク デバイスがこのスイッチに不正なパケットを送信したことが原因で、このエラー メッセージが発生しています。トラフィックの送信元を調べるには、ネットワーク アナライザを使用します。UDPトラフィックはスイッチのCPU宛てであるため、SPAN機能を使用して送信元ポートをsc0に設定できます。SPANはスーパーバイザエンジンの内部インターフェイスを識別します。詳細は、『Catalyst スイッチド ポート アナライザ(SPAN)の設定例』を参照してください。
注意:no such portカウンタを心配しないでください。このカウンタは、存在しないポートに宛てられた UDP パケットをスイッチが受信した数を示しています。
スイッチで %KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made syslog メッセージが散発的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made at 0x80056B3C reading 0x81B82F36 %KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made at 0x80056B88 reading 0x81B82F36 %KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made at 0x80056B3C reading 0x81BF1DB6 %KERNEL-5-UNALIGNACCESS:Alignment correction made at 0x80056B88 reading 0x81BF1DB6
これらの syslog メッセージは、スイッチの CPU が DRAM にあるデータにアクセスしようとしたときに、アラインメント エラーを検出して訂正したことを示しています。これらのメッセージは情報としての意味しかありません。これらのメッセージはスイッチに問題があることを示すものではなく、またシステムのパフォーマンスに影響を与えるものでもありません。
しかし、これらのメッセージが過剰に発生する場合もあります。たとえば、syslog サーバのログ ファイルやスイッチのコンソールがこれらのメッセージでいっぱいになることがあります。このように大量のメッセージを受信した場合は、スイッチのソフトウェアを、使用しているソフトウェア リリース トレインの最新のメンテナンス リリースにアップグレードすることを検討してください。または、set logging level kernel 4 default コマンドを発行して、Kernel ファシリティのログ レベルを 4 以下に変更してください。
最新のメンテナンス リリースにアップグレードしても、これらの syslog メッセージが発生し続ける場合は、シスコ テクニカル サポートでサービス リクエストを作成してください。
スイッチで Invalid traffic from multicast source address メッセージが生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%MCAST-4-RX_JNRANGE:IGMP: Rcvd Report in the range 01-00-5e-00-00-xx
Rcvd Report in the range syslog メッセージは情報としての意味しかありません。このメッセージがスイッチで発生するのは、01-00-5e-00-00-xx で始まるマルチキャスト MAC アドレスを持つ Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)レポートのパケットが受信されたときです。このレイヤ2(L2)アドレスの範囲は、224.0.0.0から224.0.0.255までのL3マルチキャストアドレスの範囲と同じです。これらのアドレスは、ルーティングプロトコルや他の低レベルトポロジ検出またはメンテナンスプロトコルの使用のために予約されています。これらのプロトコルの例としては、ゲートウェイ ディスカバリ、グループのメンバシップのレポーティングなどがあります。
この問題のトラブルシューティングを行うには、IGMP メッセージのスニファやフィルタなど、パケット キャプチャ ツールを使用します。さらに、Catalyst の SPAN 機能を使用して、ネットワーク デバイスからこれらのメッセージを受信していると思われるポートからパケットをコピーすることもできます。これらのメッセージを抑制するには、set logging level mcast 2 default コマンドを発行します。このコマンドは、マルチキャスト メッセージのログ レベルを 2 に変更します。
show multicast router コマンドで表示されるポート、または SPAN 送信元ポートのようなネットワークのコア部分に繋がるアップリンクを使用してください。これらのポートがトランク ポートの場合は、SPAN の宛先ポートもトランク ポートとして設定します。ポートがトランク ポートであるかどうかを確認するには、show trunk コマンドを発行します。
IGMP スヌーピングがイネーブルになっているスイッチで、%MCAST-2-IGMP_FALLBACK:IGMP: Running in FALL BACK mode エラー メッセージが表示されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%MCAST-2-IGMP_ADDRAL:IGMP: Address Aliasing for 01-00-5e-00-00-01 %MCAST-2-IGMP_FALLBACK:IGMP: Running in FALL BACK mode
スイッチでこの syslog メッセージが生成されるのは、01-00-5e-00-00-xx の範囲にあるマルチキャスト MAC アドレスを宛先とする過剰なマルチキャスト トラフィックを受信した場合です。IGMP スヌーピングでは、この MAC アドレスの範囲に宛てられたマルチキャスト ストリームをサポートしていません。これは、この範囲の MAC アドレスが、IGMP の制御トラフィック(leave、join、一般的なクエリーなど)としても使用されているためです。このセクションの例では、スイッチで MAC アドレス 01-00-5e-00-00-01 宛の大量のトラフィックが受信されています。このメッセージは、プロトコル リダイレクションを回避するロジックを無効にするマルチキャスト データ ストリームが、Network Management Processor(NMP; ネットワーク管理プロセッサ)によって検出されたことを示しています。このストリームは、次に示す特別なマルチキャスト アドレスのいずれかにエイリアスされています。
01-00-5e-00-00-01 01-00-5e-00-00-04 01-00-5e-00-00-05 01-00-5e-00-00-06 01-00-5e-00-00-0d
これらのトラフィックの中で高いレートのものがスイッチで検出されると、特定の宛先 MAC アドレスを持つパケットのスヌーピングが短時間停止されます。このフリーズ状態はフォールバック モードと呼ばれます。その後、スイッチはスヌーピングを再開しますが、これは通常モードと呼ばれます。スイッチは、フォールバック モードで実行されているときに、このセクションで説明した syslog メッセージを表示します。
01-00-5e-00-01 宛てのトラフィックを生成しているスイッチを見つけだすには、次の方法のいずれかを実行します。
set span sc0 mod/portコマンドを発行してsc0ポートを監視し、トラフィックをスニファに送信します。SPAN によって、スイッチの CPU に向かう全トラフィックが表示されます。
注:これらのMACアドレスへのトラフィックは、スイッチがフォールバックモードでない場合にのみCPUにリダイレクトされます。スイッチがフォールバック モードのときには、トラフィックのフラッドを避けるために、パケットは CPU には送られません。
ソフトウェアのバージョン 6.3(10)、7.4(3) 以降が稼働している場合、この他の syslog メッセージも表示され、不正な送信元 MAC アドレス、送信元ポート、および送信元 IP アドレスが表示されます。次のような syslog メッセージを参照してください。
2003 Jan 24 04:07:43 %MCAST-2-IGMP_ADDRAL:IGMP: Address Aliasing for 224.0.0.1 2003 Jan 24 04:07:43 %MCAST-2-IGMP_FALLBACK:IGMP: Running in FALL BACK mode 2003 Jan 24 04:07:43 %MCAST-2-IGMP_ADDRALDETAILS:IGMP: Multicast address aliasing: From 00-00-0c-11-22-33 (3.3.3.33) on 1/2 to 01-00-5e-00-00-01 (224.0.0.1)
この問題のソリューションは、このタイプのマルチキャスト トラフィックを生成しているホストを検出することです。エイリアスされているアドレスを確認して、このアドレスをマルチキャスト データの供給に使用しないようにします。この syslog メッセージでは、ホストがこのトラフィックを送信している理由を調べるために必要となる、ホストの場所がわかります。このホストの場所は、3.3.3.33 です。
スイッチで MGMT-4-OUTOFNVRAM:Out of NVRAM space syslog メッセージが表示されます。
システムで NVRAM の容量がなくなると、次のようなメッセージが表示されます。
%MGMT-4-OUTOFNVRAM:Out of NVRAM space: (62,39204,524288,24976)
このメッセージは、容量が不足して NVRAM の書き込みに失敗したことを示しています。カッコ内の 4 つの [dec] は、次の意味を表します。
最初の [dec]:NVRAM に書き込まれるコンフィギュレーション ブロック
2 番目の [dec]:NVRAM に書き込まれるコンフィギュレーションのサイズ
3 番目の [dec]システムの NVRAM の合計サイズ
4 番目の [dec]:使用可能な NVRAM の容量
回避策は、システムのコンフィギュレーションをデフォルトのバイナリ モードからテキスト モードに変更することです。コンフィギュレーションが大きすぎて NVRAM にバイナリ形式で保存できない場合は、テキスト モードを使用します。テキスト ベースの方式では、コンフィギュレーションの変更は、変更を入力した時点では NVRAM に書き込まれません。その代わりに、コマンドラインから write memory コマンドを発行するまでは、変更は DRAM に保存されます。コンフィギュレーションの詳細な説明については、『フラッシュ ファイル システムの操作』の「テキスト ファイル コンフィギュレーション モードの設定」のセクションを参照してください。
注:テキストモードを使用すると、QoSおよびセキュリティアクセスコントロールリスト(ACL)の設定とモジュール関連の設定だけが削除されます。その他のコンフィギュレーションは、以前と同様に NVRAM にバイナリ形式で保存されます。
スイッチでエラー メッセージ Cannot enable text mode config if ACL config is cleared from nvram が表示されます。
このメッセージは、スイッチがバイナリ モードのコンフィギュレーションからテキスト モードのコンフィギュレーションに変更している途中で、現在有効な ACL のコンフィギュレーションが NVRAM に保存されていない場合に発生します。
ほとんどの場合は、set config acl nvram コマンドを発行することで問題が解決します。このコマンドによって、現在有効な ACL コンフィギュレーションが DRAM から NVRAM にコピーされます。
スイッチで MGMT-5-LOGIN_FAIL:User failed to log in from Console エラーが生成されます。
このメッセージは、このスイッチのコンソール ポートに接続されているターミナル サーバに、問題がある可能性を示しています。スイッチのコンソールがターミナル サーバの非同期回線に接続されているときに、スイッチ上でソフト リセットを実行すると、意味のないストリーム(ランダムな文字)が数分間画面に流れます。スイッチで TACACS が有効にされている場合、この意味のないストリームが TACACS によってバッファされ、さらに断片ごとに処理されるため、数分間が数日に及んでしまうことがあります。この問題の回避策は、スイッチが接続されている非同期回線上で、no exec コマンドを発行することです。
注:no execコマンドを発行した後でも、バッファがクリアされるまでメッセージが続きます。
スイッチで %PAGP-5-PORTFROMSTP syslog メッセージと %PAGP-5-PORTTOSTP syslog メッセージが頻繁に発生します。
この syslog メッセージが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/3 left bridge port 3/3 %PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/3 joined bridge port 3/3 %PM_SCP-SP-4-LCP_FW_ABLC
PAgP ロギング ファシリティによって、PAgP に関連したイベントが報告されます。スイッチ間での EtherChannel リンクをネゴシエートするには、PAgP を使用します。スイッチでは、スイッチ ポートでリンクが失われたときに、%PAGP-5-PORTFROMSTP syslog メッセージが生成されます。また、スイッチ ポートでリンクが検出されたときには、%PAGP-5-PORTTOSTP syslog メッセージが生成されます。これらの syslog は通常のもので、スパニング ツリーでのポートの追加や削除を示す情報としてのメッセージです。
注:チャネリングの有効化は、これらのメッセージを表示するために必要ではありません。
このセクションの例では、スイッチで最初にポート 3/3 でのリンクが失われ、これによってスパニングツリーからポートが削除されました。その後、このスイッチのこのポートでリンクが再度検出され、スパニング ツリーにポートが追加されています。
特定のポートに対してこれらのメッセージが頻繁に生成される場合は、そのリンクでフラッピングが生じています。これはリンクの喪失と再確立が始終発生していることを意味しており、原因を調べる必要があります。スイッチ ポートのリンク フラッピングには、一般に次のような原因が考えられます。
速度とデュプレックスの不整合
レイト コリジョン
ケーブル不良
ネットワーク インターフェイス カード(NIC)の不良または他の端末の問題
スイッチのポートの障害
その他の設定ミス
これらの syslog メッセージの発生を抑制するには、set logging level pagp 4 default コマンドを発行して、PAgP ファシリティのログレベルを 4 以下に変更してください。PAgP のデフォルトのログレベルは 5 です。
スイッチで %SPANTREE-3-PORTDEL_FAILNOTFOUND syslog メッセージが定期的に生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
%SPANTREE-3-PORTDEL_FAILNOTFOUND:9/5 in vlan 10 not found (PAgP_Group_Rx)
これらの syslog メッセージは、指定された VLAN のスパニング ツリーから PAgP によってポートの削除が試みられたものの、その VLAN のスパニング ツリーのデータ構造にこのポートがなかったことを意味しています。通常は他のプロセス、たとえば、Dynamic Trunking Protocol(DTP; ダイナミック トランキング プロトコル)などによって、すでにそのポートがスパニング ツリーから削除されています。
これらのメッセージは、通常は %PAgP-5-PORTFROMSTP メッセージと一緒に表示されます。このメッセージはデバッグ用です。これらのメッセージはスイッチに問題があることを示すものではなく、またスイッチのパフォーマンスに影響を与えるものでもありません。さらに、これらのメッセージについては、デフォルトの SPANTREE ファシリティ ロギング設定を変更しない限り、ログが記録されることもありません。SPANTREE のデフォルトのログ レベルは 2 です。
しかし、これらのメッセージが過剰に発生する場合もあります。たとえば、これらのメッセージがスイッチのコンソールでフラッドする場合があります。このように大量のメッセージを受信した場合は、スイッチのソフトウェアを、使用しているソフトウェア リリース トレインの最新のメンテナンス リリースにアップグレードすることを検討してください。ほとんどの場合、ソフトウェア リリースのバージョンが高いほど、このメッセージは抑制されます。
スイッチで %SYS-1-CFG_RESTORE syslog メッセージが表示されます。
このエラー メッセージがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
2005 Oct 14 14:36:26 %SYS-1-CFG_RESTORE:Global block restored from backup
これらのメッセージは情報としての意味しかありません。NVRAM のモニタリング機能はバージョン 6.4(x) で導入され、これによって次のメッセージが発生します。このメッセージは、基本的には NVRAM に破損したブロックがあり、バックアップを使用してコンフィギュレーションが復元されたことを示すものです。[chars] は、ユーザまたはプロセスによって修正できるブロックのタイプです。NVRAM 内の破損したブロックのチェックは、デフォルトで行われます。破損したブロックは、すべて DRAM にあるコピーを使用して復元されます。そのため、コンフィギュレーションは失われません。
スイッチで %SYS-1-SYS_OVERPWRRTNG syslog メッセージが散発的に生成されます。
このエラーがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
Oct 13 11:27:11 %SYS-1-SYS_OVERPWRRTNG:System drawing more power than the power supply rating Oct 13 11:27:11 %SYS-1-SYS_OVERPWRRTNG:System drawing more power than the power supply rating
このメッセージは、システムによって電源モジュールの定格出力を上回る電力が消費されていることを示しています。電源管理用の LED は赤色に点灯します。この状態は、システムがフル構成になっており、スーパーバイザ エンジン間で不均等な電源が消費されているときに発生します。
この問題の回避策は、電源モジュールを取り付け直し、スーパーバイザ エンジンのソフトウェアを、このハードウェアをサポートしているバージョンにアップグレードすることです。関連リリースについては、『Catalyst 6500 シリーズ スイッチ リリース ノート』の「サポート対象ハードウェア」セクションを参照してください。
スイッチで %SYS-1-MOD_DCPWRMISMATCH:Module[num]DC power failure detected during polling syslog メッセージが散発的に生成されます。
このエラーがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-1-MOD_DCPWRMISMATCH:Module[num]DC power failure detected during polling
このメッセージは、次の問題が原因となって発生します。
ラインカードがシャーシ内に正しく取り付けられていない。
ラインカードを取り付け直します。
シャーシのスロットに問題がある。
ピンが曲がっていないか確認します。ラインカードを別のスロットでテストします。
ラインカードに問題がある。
シスコ テクニカルサポートへ連絡してください。
冗長スーパーバイザ エンジンを備えた Catalyst 6000 スイッチ(Multilayer Switch Feature Card(MSFC)および Policy Feature Card(PFC))において、このバス ASIC シーケンスのミスマッチはスイッチオーバー内で発生する可能性があります。
SYS-1-MOD_SEQMISMATCH: Bus asic sequence mismatch occurred on module [dec] (asic=[dec], srcidx=0x[hex], seq=[dec])
このエラーがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-1-MOD_SEQMISMATCH:Bus asic sequence mismatch occurred on module 7 (asic=1, srcidx=0x0, seq=0)
エラーは、スーパーバイザとラインカードの間を通信する Switch-Module Configuration Protocol(SCP)バスで発生します。スーパーバイザはラインカードにハートビートを送出し、これらのラインカードがスーパーバイザに適切に応答しません。
これらのエラーメッセージは次のいずれかの原因によって発生した可能性があります。
スーパーバイザ エンジンが過度のビジー状態にある
Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)がループしている
ACL および QoS のポリサーが、インバンド通信チャネルでトラフィックを抑制または廃棄している
ポート ASIC 同期問題またはスイッチ ファブリック モジュール問題
ハードウェア障害または不適切に装着されたモジュール
場合によっては、これらのメッセージがラインカード WS-X6348-RJ45 と WS-X6516-GBIC でも見られることがあります。
このメッセージの影響は何もないので無視できます。回避策として、物理的にモジュールを再装着してしっかりと再挿入します。ラインカードはホット スワップが可能であり、すべてのポートがスーパーバイザ設定と一致するように元の場所と同じスロットを使用することもできます。
スイッチで %SYS-3-EOBC_CHANNELREINIT syslog メッセージが表示されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
CatOS バージョン 6.3.8、7.3.2、および 7.5.1 の場合:
%SYS-3-EOBC_CHANNELREINIT:Ethernet out of band channel reinitialized (1)
CatOS バージョン 7.6(6) の場合:
%SYS-5-EOBC_CHANNELREINIT:Ethernet out of band channel reinitialized (1)
このメッセージは、CatOS バージョン 6.3.8、7.3.2、および 7.5.1 で導入されました。メッセージは重大ではないエラーの状態を示し、次の両方の状態が発生していることを示します。
スイッチによって、システム コントローラの Application-Specific Integrated Circuit(ASIC; 特定用途向け集積回路)での Ethernet Out-of-Band Channel(EOBC)の送信(Tx)キューのスタック状態が検出された。
スイッチがリセットされずに、ASIC が再初期化された。
注:EOBCバッファに障害のあるカードが存在する場合も、メッセージが表示される可能性があります。
EOBC は、スーパーバイザとラインカードがバックプレーン経由で通信するために使用する 100 Mbps の半二重接続です。半二重なので、通信チャネルでこれに対するコリジョンの発生が予想されます。これらのメッセージがしばしば報告されるのは、自己復旧処理の一部なので、正常です。
データ トラフィックは、引き続きスイッチを流れています。このメッセージは情報としての意味しかなく、対策を取る必要はありません。これ以降のソフトウェア リリースでは、メッセージの重大度レベルが、エラーの重大度に合わせて変更されています。このメッセージが非常に頻繁に表示される場合は、制御トラフィックの廃棄の可能性が高まり、それが懸念の原因となります。再度初期化されたメッセージが短い間隔で表示される場合は、さらに調査するために Cisco テクニカルサポートに問い合わせてください。
syslog に次のエラー メッセージが表示されます。
%SYS-3-SYS_MEMERR:Bad magic number while freeing address 0x82175564
または
%SYS-3-SYS_MEMERR:Bad process id while allocating address 0x80ea51a4
これらのエラー メッセージは、メモリ管理によってメモリの破損が検出されたことを示します。最初の [chars] は次のいずれかのフレーズになります。
範囲外
配置不良
Block is not free
Back pointer mismatch
Bad magic number
Succeeding block out of range
Succeeding block improperly aligned
Preceding block out of range
Preceding block improperly aligned
Bad process id
2 番目の [chars] は次のいずれかになります。
解放
allocating
[hex] のフィールドは、解放または割り当てられるブロックのアドレスです。
エラー メッセージ %SYS-3-SYS_MEMERR は、当該のメモリ ブロックのアクセス中に、メモリ管理によって情報が破損していることが検出されたことを意味します。この問題はスイッチ上でときどき発生しますが、悪い影響はありません。エラーが短い時間内に何度も発生するときには、エラー メッセージで指摘されているアドレスが同じかどうかを確認してください。ブロックのアドレスが同じ場合は、メモリ チップの特定のセクターが損傷していて、交換が必要になっている可能性があります。
SYS-3-SYS_LCPERR3: Module [dec]:Coil [dec] Port [dec] stuck [dec] times ([dec] due to lcol; [dec] due to notx) エラー メッセージが syslog に表示されます。
これらのエラー メッセージは、モジュールによってポート ASIC に関連する問題が検出され、そのポートがロックされていることを示しています。
これらのエラー メッセージは、必ずしもハードウェアの問題を示しているわけではありません。このエラーは、デュプレックスのミスマッチまたはケーブルが長いことによって、レイト コリジョンが検出されたときに初めて発生します。しかし、CatOS 7.2(2) のコードには、再発エラーのチェックができないというソフトウェアの不具合があり、同じエラーが繰り返しログに記録されます。この問題の詳細については、Cisco Bug ID CSCdx79107 (登録ユーザ専用)を参照してください。この問題は、CatOS バージョン 7.3(1) では解決しています。
生成される syslog エラーは次のようなものです。
2005 Aug 02 09:20:16 %SYS-3-SYS_LCPERR3:Module 5: Coil 3 Port 1: stuck 3 times(3 due to lcol; 0 due to notx)
2005 Aug 02 10:10:45 %SYS-3-SYS_LCPERR3:Module 5:Coil 3 Port 1: stuck 3 times(3 due to lcol; 0 due to notx)
このエラー メッセージを構成する要素は次のとおりです。
Module [dec] は、エラーを報告したモジュールです。
Coil [dec] は、エラーを報告した ASIC の番号です。
Port [dec] は、エラーが発生した ASIC ポートです。
stuck [dec] はエラーが持続した時間です。
最後の 2 つの [dec] は、lcol と notx のカウントです。
これらの syslog エラー メッセージが出なくなるようにするには、特権モード コマンドの set errordetection portcounters disable を発行します。
また、次の各問題についてポートの物理的なステータスをチェックします。
デュプレックスのミスマッチ
接続されているワークステーションでの NIC の同期失敗
エラー ディセーブル状態
送信中コリジョン
リンク レベルのエラー
これらの問題が原因で発生する現象を解決するには、次のドキュメントを参照してください。
エラーが何度も発生する場合は、シスコ テクニカル サポートに連絡して、この問題を詳しく調べてください。
このメッセージは、DBus からバス ASIC に、不正なパケット CRC を持つフレームが受信されたことがモジュールによって検出されたことを示します。最初の [dec] はモジュール番号です。2 番目の [dec] はエラーをレポートした ASIC の番号です。3 番目の [dec] はエラー カウントです。
不正な CRC パケットは、データ バスを介してあらゆるポートに送信される可能性があります。原因としては、回線モジュールが適切に装着されていないか、モジュールに障害が発生していることが考えられます。
メンテナンス時間中にスイッチのトラブルシューティングを行える場合は、スーパーバイザを含むすべてのモジュールを装着し直し、それでもエラー メッセージが表示されるかどうかを確認します。エラー メッセージが表示される場合は、2 つの手順で、どちらのモジュールが不正なパケットのルートになっているかを特定し、そのモジュールを交換します。
診断レベルを使用する
完全な POST 分析を行うようにスイッチを設定します。
set test diaglevel complete
スーパーバイザ エンジンを含むすべてのモジュールを装着し直します。
POST 分析の結果を取得します。
show test all
シスコの技術担当者に連絡し、show test all コマンドの出力を提供します。
Pinnacle ASIC カウンタを使用する
モジュールを 1 つずつ取り外します。
次のコマンドを使用し、カウンタ 0xC7 のエラー数が増えているかどうかを確認します。
show asicreg/ pinnacle errcounters
このコマンドを使用すると、該当するモジュールの Pinnacle ASIC のカウンタがすべて表示されます。カウンタ 0xC7 は出力の 3 行目に表示されます。このコマンドを実行するたびに、カウンタはクリアされます。理想的な数字はエラー 0 です。
C6500> (enable) show asicreg 3/1 pinnacle errcounters
00C5: PI_CI_S_HDR_FCS_REG = 0000
00C6: PI_CI_S_RBUS_FCS_REG = 0000
00C7: PI_CI_S_PKTCRC_ERR_REG = 0000
00C8: PI_CI_S_PKTLEN_ERR_REG = 0000
00C9: PI_CI_S_BPDU_OUTLOST_REG = 0000
00CE: PI_CI_S_HOLD_REG = 0000
00CA: PI_CI_S_QOS0_OUTLOST_REG = 0000
00CE: PI_CI_S_HOLD_REG = 0000
00CB: PI_CI_S_QOS1_OUTLOST_REG = 0000
00CE: PI_CI_S_HOLD_REG = 0000
00CC: PI_CI_S_QOS2_OUTLOST_REG = 0000
!--- Output elided.
エラーが発生しなくなるまでステップ 1 および 2 を繰り返します。障害のあるモジュールを交換する場合は、Cisco の技術担当者に連絡してください。
syslog に次のエラー メッセージが表示されます。
%SYS-4-SUPERVISOR_ERR:Forwarding engine IP length error counter =4 %SYS-4-SUPERVISOR_ERR:Forwarding engine IP too short error counter =1 %SYS-4-SUPERVISOR_ERR:Forwarding engine IP check sum error counter = 38
これらのメッセージは、スイッチのフォワーディング エンジンで、許可されている IP パケットの最小長よりも短い IP パケットが受信され、そのパケットが廃棄されたことを意味しています。7.x より前のコード バージョンでは、フォワーディング エンジンがこのようなパケットを何も表示しないで廃棄し、フォワーディング エンジンの統計情報にカウントしていました。7.x 以降のコード バージョンでは、このメッセージは 30 分ごとに 1 回、syslog に記録されます。
スイッチ側には何の影響もありません。スイッチではこの不正なパケットを廃棄します。これはつまり、受信デバイスによって廃棄されていることになります。懸念事項は、不正なパケットを送信しているデバイスがあるということです。考えられる発生源としては、不正な NIC ドライバ、NIC ドライバの不具合、不正なアプリケーションなどが考えられます。スーパーバイザ エンジンでは、不正なパケットを送信しているデバイスの発信元 IP アドレスの記録は保存されません。このようなデバイスを検出する唯一の方法は、スニファを使用して送信元アドレスを突き止めることです。
このメッセージは、スイッチから警告および情報を提供するものに過ぎません。これらのエラー メッセージが出力されないようにするには、スイッチで set errordetection portcounters disable コマンドを発行します。
スイッチで Invalid traffic from multicast source address メッセージが生成されます。
このエラーが発生したときに表示される syslog 出力の例を次に示します。
SYS-4-P2_WARN: 1/Invalid traffic from multicast source address
このマルチキャスト送信元アドレスに関する syslog メッセージは、発信元 MAC アドレスにマルチキャスト MAC アドレスが設定されたパケットをスイッチが受信したときに生成されます。ブロードキャストまたはマルチキャストの MAC アドレスを、フレームの発信元 MAC アドレスとして使用することは、標準準拠の動作ではありません。しかし、スイッチでは、マルチキャスト MAC アドレスからのトラフィックの転送が行われます。この syslog メッセージには、フレームの送信元の MAC フィールドにあるマルチキャスト MAC アドレスと、トラフィックが受信されたポートが表示されます。この問題の回避策は、マルチキャスト送信元 MAC アドレスを持つフレームを生成している端末を探し出すことです。通常は、次のデバイスのいずれかがこのようなフレームを送信しています。
トラフィック ジェネレータ(Spirent SmartBits など)
マルチキャスト MAC アドレスを共有しているサードパーティのデバイス(ロードバランシング ファイアウォールまたはサーバ製品など)
このエラーによってパフォーマンス上の問題が生じることはありません。このエラー メッセージが表示されないようにするには、このメッセージのログをディセーブルにします。別の回避策は、マルチキャスト発信元 MAC アドレスを持つフレームを生成しているデバイスを探し出すことです。そして、スニファまたは SPAN 設定を使用してデバイスを探し、そのコンフィギュレーションをチェックします。
syslog に次のエラー メッセージが表示されます。
%SYS-4-PORT_ERR:Port 16/1 rxTotalDrops (7426859)
または
%SYS-4-PORT_ERR:Port 15/1 rxTotalDrops(2563127)
このセクションの例では、ERRORDETECTION PORTCOUNTERS がイネーブルになっており、受信(Rx)エラーがポート 1/1 で発生しています。しかし、syslog(SYS-4-PORT_ERR)メッセージでは、1/1 ではなく 15/1 での rxTotalDrops が報告されています。
注: ERRORDETECTION PORTCOUNTERS はデフォルトでディセーブルになっています。
インストレーションによっては、ソフトウェアによってこの機能がイネーブルにされ、アップグレード後もイネーブルのままになっていることがあります。この問題は、バージョン 6.3(1) の新規インストールで解決されています。このメッセージが表示された場合は、syslog で報告されるポート(15/1 または 16/1)ではなく、最初のアップリンク ポート(1/1 または 2/1)を確認します。 show counters コマンドの出力に、発生したエラーが表示されます。エラーを報告するエラー カウンタが rxTotalDrops だけの場合は、発生した廃棄はかなりの確率で Color Blocking Logic(CBL)廃棄と考えられます。このポートの VLAN に対してスパニング ツリーがブロックされている場合は、これらの廃棄が行われていることを想定してください。CBL 廃棄で廃棄されるのは、トランクで受信されたパケットのうち、そのトランク上でブロックされている VLAN に宛てられたものです。たとえば、ブロードキャスト、マルチキャスト、あるいは未知のユニキャストが、ブロックされているポートで依然として受信されている場合があります。
他のエラー カウンタも報告されている場合は、さらに原因を探る必要があります。
この問題の回避策は、ERRORDETECTION PORTCOUNTERS を無効にすることです。set errordetection portcounters disable コマンドを発行してください。
スイッチから次のエラー メッセージが、スイッチのコンソールおよび WS-X6608 ラインカードの syslog に対して報告されます。
2002 Aug 26 09:22:58 %SYS-4-MODHPRESET: Host process (860) 3/5 got reset asynchronously
WS-X6608 モジュールのアクティブな T1 ポートまたは E1 ポートがランダムかつ低頻度でリセットされます。このリセットによって、Public Switched Telephone Network(PSTN; 公衆電話交換網)宛てのアクティブなコールがすべて廃棄されます。 設定されていなのにイネーブルになっているポートが、Cisco CallManager に接続しようとして何度もリセットされます。これらのリセット メッセージがアクティブなゲートウェイ ポートとオーバーラップして、不要なリセットが生じている場合もあります。このオーバーラップとリセットは、8 個のポートすべてがプロセッサを共有しているために発生します。このように設定していると、このシステム メッセージがコンソール画面と syslog に繰り返し表示されます。これは、このブレードでは想定されている動作です。システムのパフォーマンスには影響を及ぼしません。
回避策は、使用していないポートをディセーブルにすることです。set port disable mod/port コマンドを発行してください。すべてのポートをCisco CallManagerデータベースに追加します。これらのポートはゲートウェイ、Media Termination Point(MTP; メディア終端点)、あるいはハードウェア コンファレンス ブリッジとして設定できます。
syslog のログの中で次のエラー メッセージが報告されます。
2002 Aug 23 08:59:16 %SYS-4-NVLOG:SYNDIAGS: Bus ASIC sync error on Module 16, bus I/F register = 0xa0 2002 Aug 23 09:00:53 %SYS-4-NVLOG:SYNDIAGS: Bus ASIC sync error on Module 1, bus I/F register = 0x30
このメッセージは、診断が実行される前にスーパーバイザ エンジン ASIC が同期されていなかったことを意味している場合があります。このメッセージが表示された場合は、モジュールを装着し直すか、別のスロットに移し、このメッセージの表示が止まるかどうかを確認してください。依然としてこのメッセージが生成される場合は、show test mod_number コマンドを発行して、出力を収集し、Cisco テクニカル サポートまで連絡してください。この問題はハードウェアの問題です。解決策は、エラー メッセージを出しているモジュールを交換することです。
GBIC モジュールの WS-G5484、WS-G5486、および WS-G5487 が正常に動作しているように見えても、次のソフトウェア エラーが報告されます。
%SYS-4-PORT_GBICBADEEPROM: port bad gbic eeprom checksum %SYS-4-PORT_GBICNOTSUPP: port gbic not supported
WS-X6408-GBIC カード搭載の GBIC モジュール WS-G5484、WS-G5486、および WS-G5487 を使用している場合、問題がない場合でもソフトウェアのログにエラー メッセージが記録されます。GBIC に正しい Cisco GBIC Supervisor Engine EEPROM(SEEPROM)が装着されていれば、同じ GBIC を他のモジュールまたはスーパーバイザ エンジンに装着すると、エラーは表示されなくなることがあります。 このエラー メッセージは見かけ上の意味しかありません。モジュールまたは GBIC を通過するトラフィックには影響ありません。
この問題は、ソフトウェアの表面的な問題に過ぎません。ハードウェアを交換しないでください。次の Catalyst ソフトウェア リリースでは、シスコの GBIC で SEEPROM が使用されるようになった時点でこの問題が解決されています。
CatOS 5.5(5) 以降
CatOS 6.2(3) 以降
GBIC にシスコの SEEPROM が装着されていない場合は、CatOS ソフトウェアをアップグレードしてもこのエラー メッセージの問題は解決しません。この場合、このエラーは、古いタイプのシスコ製 GBIC か、認証されていないシスコ製以外の GBIC が取り付けられていることを示しています。サポート契約や保証では、交換可能なのはシスコが認証した GBIC だけです。使用している GBIC がシスコが認証している GBIC かどうかを調べるには、GBIC のケースの上部に貼られているラベルを見てください。次の項目を確認してください。
シスコのロゴ
30 で始まるシスコの部品番号
GBIC のベンダー名
詳細は、『Field Notice:G5484、G5486、G5487 GBIC によって生成される不正な EPROM エラー』を参照してください。
コンソールまたは syslog に、次のエラー メッセージが報告されます。
%SYS-4-SYS_LCPERR4:Module 12: Pinnacle #1 PB parity error. Tx path. Status=0x0046: Module needs troubleshooting or TAC assistance. %SYS-4-SYS_LCPERR4:Module 12: Pinnacle #1 PB parity error. Rx path. Status=0x0002: Module needs troubleshooting or TAC assistance.
このメッセージは、一時的な Pinnacle ASIC パケット バッファの問題を示している場合があります。最初の [dec] はモジュール番号です。2 番目の [dec] は ASIC の番号です。エラーが 1 つのモジュールに限定されている場合は、このモジュールを取り付け直し、電源の再投入を行ってください。このメッセージが頻繁に表示される場合は、シスコ テクニカル サポートに連絡して、詳細な調査を依頼してください。
コンソールまたは syslog に、次のエラー メッセージが報告されます。
%SYS-5-SYS_LCPERR5:Module 7: Coil Pinnacle Header Checksum Error - Port #32: %SYS-5-SYS_LCPERR5:Module 7: Coil Mdtif Packet CRC Error - Port #32: %SYS-5-SYS_LCPERR5:Module 7: Coil Mdtif State Machine Error - Port #32:
このエラー メッセージは、6348 ラインカードに固有の問題です。「問題」セクションで示したログ メッセージは、ハードウェアまたはソフトウェアの問題によって生じた可能性があります。問題がハードウェアのものかソフトウェアのものかを判断するには、このセクションで説明する手順を実行してください。
次の両方に該当する場合は、次の手順を実行してください。
「問題」セクションで示されているメッセージしか表示されず、その他のコイルに関連するメッセージは syslog に表示されない。
12 ポートのグループではなく 1 つのポートで送信が停滞している。
show mac mod/portコマンドを2秒間隔で2回発行して、送信がスタックしていることを確認します。
それぞれのコマンドを発行する間にトラフィックの送信を試みます。送信カウンタの値が増えているかどうか確認します。この値が増えている場合、送信は滞留していません。
ポートをディセーブルまたはイネーブルにして、ポートが復旧したかどうかを確認します。
モジュールをソフト リセットするには、reset mod_number コマンドを発行します。
モジュールが復旧したかどうかを確認します。
モジュールのハード リセットを行うために set module power {up | down} mod_numberコマンドを発行して、モジュールをハードリセットします。
モジュールが復旧したかどうかを確認します。
次の項目がすべて該当する場合は、かなりの確率でソフトウェアの問題であると考えられます。
ポートをディセーブルおよびイネーブルにして、モジュールのソフト リセットまたはハード リセットのいずれかを行うと、カードがオンラインになる。
show test コマンドの出力で、すべてのポートで診断を通過します。
トラフィックが問題なく通過し始める。
これらの項目がすべて当てはまる場合は、Cisco Bug ID CSCdu03935 (登録ユーザ専用)を参照してください。 この問題は、5.5(18)、6.3(10)、7.4(3) 以降のバージョンで修正されています。
%SYS-5-SYS_LCPERR5:Module 9: Coil Pinnacle Header Checksum Error - Port #37 エラー メッセージと、次のメッセージの 1 つ以上が表示される場合もあります。
Coil Mdtif State Machine Error
Coil Mdtif Packet CRC Error
Coil Pb Rx Underflow Error
Coil Pb Rx Parity Error
これらのメッセージが表示された場合は、次の一部またはすべての項目が該当するかどうかを確認してください。
モジュールのソフト リセットまたはハード リセット、あるいはその両方を行った後も、モジュールがオンラインにならない。
モジュールがオンラインになったが、12 ポートのグループが、show test コマンドの出力での診断に失敗する。
モジュールが起動しても、other の状態に留まっている。
モジュールのすべてのポート LED がオレンジになる。
show port mod_number コマンドを発行したときに、すべてのポートが errdisabled 状態になる。
上記の問題のいずれかが発生している場合、かなりの確率でハードウェアの問題が発生していると考えられます。この場合はカードを交換する必要があります。
スイッチで convert_post_SAC_CiscoMIB:syslog メッセージが散発的に生成されます。
このメッセージが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
SYS-4-NVLOG:convert_post_SAC_CiscoMIB:Nvram block 0 unconvertible: ) SYS-4-NVLOG:convert_post_SAC_CiscoMIB:Nvram block 1 unconvertible: ) SYS-4-NVLOG:convert_post_SAC_CiscoMIB:Nvram block 2 unconvertible: )
これらのコンソール メッセージは、CatOS のコード バージョンをアップグレードまたはダウングレードした場合に、よく生成されるものです。また、他のスイッチで作成されたスイッチ コンフィギュレーションを取り込んだり、他のコード バージョンのスイッチ コンフィギュレーションを使用したりした場合にも発生することがあります。スタンバイ スーパバイザ エンジンへのフェールオーバーが発生した場合にも、これらのメッセージが表示される可能性があります。
さまざまなバージョンのコードで、NVRAM に格納される変数が含まれています。スイッチが、現在より新しい、あるいは古いバージョンの CatOS で初めてブートする際には、以前のコンフィギュレーションがそのブート イメージで使用できるバージョンに変換されます。この処理の際に、現在の形式では必要のない、あるいは使用できない一部のメモリ ブロックは、変換ではなく割り当て解除されます。この内部機能により、エラー メッセージが生成されます。
このメッセージは通常は情報としての意味しかありません。以前のコンフィギュレーションと現在のコンフィギュレーションを比較して、すべてのコンフィギュレーション情報が正しく変換されたことを確認してください。
コードのアップグレード、コンフィギュレーションの変更、あるいはスーパーバイザのフェールオーバーのいずれも行われていないときにこのメッセージが表示される場合は、シスコ テクニカル サポートでサービス リクエストを作成してください。
スイッチで %SYS-6-CFG_CHG:Module [dec] block changed by SecurityRx syslog メッセージが散発的に生成されます。
このエラーがスイッチで発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-6-CFG_CHG:Module 3 block changed by SecurityRx %SYS-6-CFG_CHG:Module 4 block changed by SecurityRx
このメッセージは、コンフィギュレーション ブロックが変更されていることを示します。これらのメッセージは、ポートのセキュリティがスイッチ上に設定されており、エージングがイネーブルになっているときに発生する可能性があります。PSecure MAC とはポート セキュリティ プロセスから学習された MAC アドレスであり、ポートをセキュアにするためのスタティック エントリとして CAM テーブルに追加されます。ポート セキュリティ設定にエージング タイムを設定した場合、MAC アドレスはエージング タイムに CAM テーブルと NVRAM(PSecure MAC が格納されている場所)から削除されます。このエージング アウト実行後にポートから受信される次のパケットは、PSecure MAC アドレスで CAM と NVRAM の再生成を支援します。
show log コマンドの出力に次のエラー メッセージが表示されます。
InbandPingProcessFailure:Module 2 not responding over inband InbandPingProcessFailure:Module 2 not responding over inband
このメッセージは、インバンド通信チャネルでのスーパーバイザ エンジンの要求に、モジュールが応答していないことを示しています。このエラーは、次のいずれかの状態が原因で発生します。
スーパーバイザ エンジンが過度のビジー状態にある。
スパニング ツリー プロトコル(STP)のループが発生している。
ACL および QoS のポリサーが、インバンド通信チャネルでトラフィックを抑制または廃棄している。
ポート ASIC の同期に関する問題がある。
スイッチ ファブリック モジュールの問題がある。
スーパーバイザ エンジンは、特別な ping を 10 秒ごとに発生させて、Multilayer Switch Feature Card(MSFC; マルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード)をポーリングします。MSFC から ping に対する応答が連続して 3 回ない場合は、スーパーバイザ エンジンは MSFC をリセットします。さらに CatOS バージョン 6.2 以降では、インバンド チャネルを使用してアクティブ スーパーバイザ エンジンとスタンバイ スーパーバイザ エンジンが互いにポーリングし、スイッチはスタンバイ スーパーバイザへフェールオーバーします。
注: 最近 6.3(10)、7.4(2)、または 7.4(3) から、あるいはそれらへの移行作業を行った場合は、show log コマンドまたは show tech-support コマンドを発行したり、あるいはログの中に InbandPing に失敗したメッセージがあると、スイッチがリセットされます。この問題の回避策は、clear log コマンドを発行してから show log コマンドを発行することです。Cisco Bug ID CSCdz32730 (登録ユーザ専用)でこの警告を示します。この問題は、6.4(1)、7.5(1)、およびそれ以降のバージョンで解決されています。
通常、これらのメッセージの原因となるのは、ポート ASIC の障害か、バックプレーンへの接続に信頼性がない場合です。次のステップを実行します。
このメッセージで示されているモジュールを取り外します。
モジュールをスロットにしっかりと取り付け直します。
set test diaglevel complete コマンドを発行して、診断モードが確実にイネーブルになっていることを確認します。
show log mod_number コマンドと show test mod_number コマンドを発行して、失敗したテストがないかどうかを確認します。
ステップ 2 で問題が解決しない場合は、シスコ テクニカルサポートでサービス リクエストを作成してください。
次の手順を実行して、必要な情報を収集します。
CatOS から適切な show コマンドの出力をキャプチャします。
示されているモジュールが MSFC でない場合は、次のコマンドの出力をキャプチャしてください。
show tech-support
show log
show logging buffer 1024
show test mod_number
注:このコマンドは、各ラインカードに対して1回ずつ発行してください。
show scp mod mod_number
注:このコマンドは、各ラインカードに対して1回ずつ発行してください。
show mod
示されているモジュールが MSFC の場合は、次のコマンドの出力をキャプチャしてください。
show inband
show test 0
show scp stat
show scp failcnt
show scp mod
show scp process
注:show scpコマンドは非表示です。
また、ブートフラッシュにある crashinfo ファイルを確認します。show bootflash: コマンドが表示されない場合もあります。
この問題が発生するタイミングと頻度を調べます。
インバンド接続で輻輳が発生しているときにこの問題が発生しているかどうかを調べます。インバンド接続の輻輳をテストするには、スーパーバイザ エンジンの sc0 インターフェイスと、MSFC の VLAN インターフェイスとの間で ping テストを実行します。Catalyst で CatOS システム ソフトウェアを実行している場合は、次の手順を実行してください。
スーパーバイザ エンジンの Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)で show inband コマンドの出力をキャプチャします。
MSFC に対して別の Telnet セッションを直接開き、VLAN インターフェイスから sc0 インターフェイスへ ping を送ります。
スーパーバイザ エンジンの CLI で show inband コマンドの出力を再度キャプチャします。
ping がいくつか失敗したり、タイム アウトになったりした場合は、set span sc0 mod/port both inpkts disable コマンドを発行します。
このコマンドによって、sc0 インターフェイスに SPAN セッションが設定されます。スニファまたは類似のソフトウェアを起動した後、sc0 インターフェイスと VLAN インターフェイスとの間で、拡張 ping テストを実行します。
sc0 が特定の管理用 VLAN、またはブロードキャストおよびマルチキャストなどの大量のトラフィックが流れている VLAN に割り当てられているかどうかを調べます。
show errordetection inband コマンドの出力を監視します。
スイッチの監視には、set errordetection コマンドが便利です。エラーが検出された場合、明らかなパフォーマンスの劣化が発生する前に、syslog メッセージによって問題があることが通知されます。show errordetection inband コマンドでは、インバンドの滞留、リソース エラー、ブート時のインバンド障害など、発生したインバンド障害の種類が表示されます。
Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチに新しいスイッチング モジュールがインストールされると、Invalid feature index set for module エラー メッセージが表示されます。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
%SYS-5-MOD_INSERT:Module 4 has been inserted Invalid feature index set for module 4
スーパーバイザ エンジンで現在稼働しているソフトウェア イメージのバージョンで、挿入されたハードウェアがサポートされていないと、Invalid feature index set for module エラーが発生します。
このセクションの例では、48 ポートの 10/100Mbps スイッチング モジュール(WS-X6348-RJ-45)が、ソフトウェア リリース 5.3(2)CSX が稼働している Catalyst 6000 スイッチに挿入されています。WS-X6348-RJ-45 モジュールに必要な最低限のソフトウェア リリースは 5.4(2) です。
この問題の回避策は、スーパーバイザ エンジンのソフトウェアを、このハードウェアをサポートしているバージョンにアップグレードすることです。各モジュールに最低限必要なソフトウェア バージョンのリストについては、『Catalyst 6000/6500 ソフトウェア リリース 5.x のリリース ノート』を参照してください。
起動時にエラー メッセージ Pinnacle Synch Failed が表示される。
このエラーが発生したときに表示されるコンソール出力の例を次に示します。
System Power On Diagnostics Complete Boot image: bootflash:cat6000-sup.5-4-4.bin In Local Test Mode, Synch Failed. Retries: 4 Local Test Mode encounters Minor hardware problem in Module # 1 Running System Diagnostics from this Supervisor (Module 1) This may take up to 2 minutes....please wait Pinnacle Synch Failed. Retries: 4 Minor hardware problem in Module # 1 Use 'show test 1' to see results of tests. Cisco Systems Console Enter password:
この問題の回避策としては、スイッチの電源を切り、次の項目を確認します。
スーパーバイザ エンジンとすべてのスイッチング モジュールが、シャーシのバックプレーンにしっかりと取り付けられていること。
モジュールの左右にあるイジェクト レバーが完全に締まっていること。これらのレバーがモジュールの前面パネルに対して完全に押し込まれていることを確認します。
モジュールの左右にある取り付けネジがカード ケージに差し込まれ、しっかりと締められているか。
すべてのモジュールがシャーシに正しく取り付けられていることを確認した後、シャーシの電源を入れます。
依然として Pinnacle Synch Failed メッセージが表示される場合は、モジュールのいずれかにハードウェアの問題がある可能性があります。
スイッチの電源を切り、すべてのモジュールを取りはずします。シャーシにスーパーバイザ エンジンだけを取り付け、スイッチの電源を入れます。問題のあるモジュールが判別されるまで、一度に 1 つずつモジュールを取り付ける操作を繰り返します。
syslog に次のエラー メッセージが表示されます。
RxSBIF_SEQ_NUM_ERROR:slot=9, pinnacleMask=0X1, errSeqNum=b,source Index=0X1, errorType=0X2 RxSBIF_SEQ_NUM_ERROR:slot=3, pinnacleMask=0X1, errSeqNum=b,source Index=0X1, errorType=0X2
Catalyst 6500/6000 のラインカードとスーパーバイザ エンジン モジュールでは、ポート間での高速のパケット交換にポート ASIC が使用されます。pinnacle ASIC は、Catalyst 6500/6000 のデータ バスにギガビット イーサネット インターフェイスを提供します。Catalyst 6500/6000 のスイッチング バスでは、高い転送レートをサポートするために、パイプライニングをサポートしています。パイプライニングにより、Catalyst 6500/6000 では、最初のフレームの結果を取得する前に、複数のフレームをバスにスイッチングできます。各フレームの先頭には、内部バス ヘッダーが付けられていて、シーケンス番号が含まれます。スイッチではこの番号を使用して、フォワーディングの決定を待機している複数のフレームの追跡をします。すべてのラインカードとスーパーバイザ エンジンにおいて、現在と次のシーケンス番号についての共通の認識を持っている必要があります。これは非常に重要です。
RXSBIF エラー メッセージは、スイッチング バス上でシーケンス エラーが発生していることを示します。このようなエラーには、シーケンスのミスマッチや不正なシーケンスが含まれます。不正なシーケンスは、現在スイッチング バス上にあるパケットが、ASIC が期待しているシーケンス番号とは異なる番号を保持していることを意味しています。不正なシーケンス番号を報告しているエラー メッセージの例を次に示します。
%SYS-1-MOD_INVALIDSEQ:Bus asic invalid sequence occurred on module 1 (asic=1, srcidx=0x0, seq=14)
このエラー メッセージは、次のいずれかの状態が原因で発生します。
正しく取り付けられていないモジュール:スロットにモジュールを取り付け直します。
注:バスシーケンス番号エラーを検出するモジュールは、必ずしも障害のあるモジュールとは限りません。正しく取り付けられていないモジュールが、他のモジュールによって報告されるバス シーケンス番号の問題の原因となることがあります。したがって、すべてのモジュールを取り付け直す必要があります。
イジェクト レバーがしっかりとロックされ、ネジがしっかりと締まっていることを確認します。
ハードウェアの障害:この原因はそれほど一般的なものではありません。モジュールを取り付け直します。障害を見つけた場合は、ラインカードのコネクタが損傷していないかどうか、およびシャーシのバックプレーン スロットでピンが曲がっていないかどうかを詳しく調べます。シャーシのバックプレーンにあるコネクタ ピンを調べるときには、必要に応じて懐中電灯を使用してください。
すべてのカードを取り付け直しても依然として問題が解決しない場合は、show tech-support コマンドと、隠しコマンドの show scp mod コマンドまたは show scp failcnt コマンドの出力をキャプチャします。シスコ テクニカル サポートでサービス リクエストを作成し、この情報を渡してください。
既知の問題:Catalyst 6500/6000システムにCatOSシステムソフトウェアイメージリリース6.1(1b)がロードされている場合、スーパーバイザエンジン2で同期エラーメッセージが発生する可能性があります。詳細については、『Field Notice:Catalyst 6000 のスーパーバイザ エンジン 2 で繰り返し発生する同期エラー』を参照してください。
NVRAM ログに、転送テーブル パリティ エラー(ft_par_err)が表示されます。
lyra_ft_par_err_intr_hdlr: LKUPRAM, addr [hex], data [hex]
このエラー メッセージは、転送テーブルでパリティ エラーが検出されたことを示します。このエラー メッセージは、メモリ内のエラーの場所(first [hex])と、その場所にあるデータ(second [hex])を示します。
このエラー メッセージの原因としては、スロットにあるラインカードを別のタイプのラインカードに交換したときに、そのラインカードが正しく挿入されなかったことが考えられます。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
スイッチからモジュールを取り外します。
バックプレーンのピンを調べ、モジュールを再度挿入します。
問題が解決しない場合は、Cisco の技術担当者に連絡してください。
この問題を回避するには、モジュールを取り外す前に module clear-config コマンドを実行します。このコマンドを実行すると、シャーシからモジュールを取り外したときに、モジュールに属する設定が自動的に削除されます。詳細については、『Cisco IOS システム ソフトウェアが稼働している Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチのハードウェアおよび共通問題のトラブルシューティング』の「モジュールを取り外した後も show run コマンドで取り外したモジュール インターフェイスの情報が表示される」のセクションを参照してください。
注:このコマンドでは、スロットからすでに取り外されたモジュールの設定はクリアされません。
次のエラー メッセージがログに表示されます。
%KERNEL-1-CREATEPROCESSFAILED:Error in creating process: Unavailable free stack; stack type: 2; Name: tnetproc
%KERNEL-1-CREATEPROCESSFAILED: Error in creating process: [chars];stack type:[dec]; [Name]:[chars] というエラーメッセージは、作成プロセスが失敗し、システムが処理を行っていないことを示します。Catalyst オペレーティング システムでは、利用可能なスタックの数に応じて、一定数のプロセスを実行できます。このメッセージは、スタックを利用できない場合に生成されます。最初の [chars] はプロセス ID、[dec] はスタック タイプ、2 番目の [chars] はプロセス名です。
CatOSスイッチでは、システム内のタイプ2スタックを持つ限られた数のプロセス(Console、snmpdm、VtpRx、THREAD、telnet145など)しか許可されません。タイプ2スタックを持つプロセスの最大数は13です。TelnetまたはSecure Shell(SSHは、タイプ2スタックを必要です。すべてのタイプ 2 スタックが使用されているときに、Telnet を使用して接続を確立しようとするとこのエラー メッセージが表示されます。
これは、古い Telnet セッションや SSH セッションがスイッチでタイムアウトにならなかった場合や、プロセスが消費されている場合に発生することがあります。
この問題を解決するには、show users コマンドを発行して、スイッチに対して開かれている Telnet セッションの数を確認します。リモート デバイスによって開かれた Telnet セッションを切断するには、disconnect ip_address コマンドを使用します。
Switch> (enable) show asicreg 4/28 pinnacle err
00C7: PI_CI_S_PKTCRC_ERR_REG = FFFF
016F: PI_CI_S_CBL_DROP_REG = 1619
このレジスタ/カウンタは、ハードウェアの問題を示すものではありません。これは、特定の VLAN タグ付きのパケットがポートで受信され、この VLAN がポートで設定されない場合に増分されます。その結果、パケットは廃棄され、カウンタが増分されます。Color Blocking Logic(CBL)とは、トランクへの VLAN タグ付けのことです。トランクからプルーニングされた VLAN では、そのトラフィックが廃棄されています。この状態は、トランクの片側がスパニング ツリー転送状態の VLAN よりも高い数値であるときに発生します。
PI_CI_S_CBL_DROP_REG カウンタは任意のモードで増分できます。ポートが STP モードを通過すると、アクセス ポートのヒット数を確認できます。ポートで何らかのネゴシエーションがある場合(デフォルト)、これはスイッチの通常の動作または機能にもなります。
このカウンタは、Complementary Bipolar Integrated Circuit(CBIC)ブロックの CBL ルックアップのために廃棄されたパケットをカウントします。スイッチは、いくつかの VLAN 用に特定のポートにパケットを送出しようとしており、CBL ロジックによると、ポートはブロック中/ディセーブルされている/学習中です。これらのパケットはパケット バッファを消費する前に CBIC ロジックで廃棄されるので、大きな問題ではありません。ポートがカウンタをクリアしたかどうかを確認するためにポートをディセーブル/イネーブルにできます。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
28-Nov-2008 |
初版 |