このドキュメントでは、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチで TCAM(Ternary Content Addressable Memory)しきい値を超えたときに発生する問題とその解決方法について説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Supervisor Engine 720 が稼働する Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチに基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
Netflow は、スイッチを通過するトラフィックに関する統計情報を収集するために使われる機能です。統計情報は Netflow テーブルに格納された後、Netflow Data Expert(NDE)にエクスポートされます。 ポリシー フィーチャ カード(PFC)およびそれぞれの分散型フォワーディング カード(DFC)に Netflow テーブルがあります。 ネットワーク アドレス変換(NAT)などの一部の機能では、フローを最初にソフトウェアで処理した後、ハードウェア アクセラレーションを行う必要があります。PFC および DFC 上の Netflow テーブルは、ハードウェア アクセラレーションまたはフロー スイッチが行われたトラフィックに関する統計情報を収集します。
NAT、Quality of Service(QoS)などの一部の機能が Netflow を使用します。NAT は転送を決定するために Netflow を使用し、QoS はマイクロポリシング用にフローをモニタするために Netflow を使用します。NetFlow データ エクスポート(NDE)を使用すると、これらの統計情報を外部 Netflow コレクタにエクスポートしてネットワーク動作をさらに分析することができます。
Supervisor Engine 720 は、NetFlow テーブルがどの程度いっぱいになったかをポーリング間隔ごとにポーリングし、テーブル サイズが設定済みしきい値に達するとアグレッシブ エージングを有効にします。
テーブルがほぼ満杯になると、TCAM 内の空きスペース不足のために作成できない新しいアクティブ フローが発生します。この時点で、新しいフロー用のスペースを作成するために、テーブル内のアクティブでないフローを積極的にエージングアウトすることが理にかなっています。このフローは、設定されたタイムアウト値とパケットしきい値を満たしていれば、テーブルに再挿入できます。
Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチでこのログが報告されることがあります。
EARL_NETFLOW-4-TCAM_THRLD: Netflow TCAM threshold exceeded, TCAM Utilization [[dec]%]
この問題が発生すると、次のコンソール出力が表示されます。
Aug 24 12:30:53: %EARL_NETFLOW-SP-4-TCAM_THRLD:
Netflow TCAM threshold exceeded, TCAM Utilization [97%]
Aug 24 12:31:53: %EARL_NETFLOW-SP-4-TCAM_THRLD:
Netflow TCAM threshold exceeded, TCAM Utilization [97%]
Netflow TCAM 使用状況を評価して最適化するために、次の手順を行います。
6500(config)#no service internal
6500#show mls netflow flowmaskフローマスクを必要に応じて変更します(interface-full flow キーワードにより、使用される TCAM エントリが最大数に設定されます)。
current ip flowmask for unicast: if-full
current ipv6 flowmask for unicast: null
6500(config)#mls flow ip ?
interface-destination interface-destination flow keyword
interface-destination-source interface-destination-source flow keyword
interface-full interface-full flow keyword
interface-source interface-source only flow keyword
6500#show mls netflow aging
enable timeout packet threshold
------ ------- ----------------
normal aging true 300 N/A
fast aging true 32 100
long aging true 1920 N/A
6500(config)#mls aging normal ?高速タイマーを有効にする場合は、最初に値を 128 秒に設定します。MLSキャッシュのサイズが32,000エントリを超えて増加し続ける場合は、キャッシュサイズが32,000未満になるまで設定を減らします。それでもキャッシュが32,000エントリを超える場合は、通常のMLSエージングタイマーをを下します。8 秒の倍数になっていないエージングタイマー値はすべて、最も近い 8 秒の倍数値に調整されます。
<32-4092> L3 aging timeout in second
6500(config)#mls aging long ?
<64-1920> long aging timeout
6500(config)#mls aging fast ?
threshold fast aging threshold
time fast aging timeout value
6500(config)#mls aging fast threshold ?
<1-128> L3 fast aging theshold packet count
time fast aging timeout value
6500(config)#mls aging fast time ?
<1-128> L3 fast aging time in seconds
threshold fast aging threshold
6500(config)#mls aging fast threshold 64 time 30
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
20-Aug-2013 |
初版 |