このドキュメントは、Catalyst 2948G-L3 および 4908G-L3 レイヤ 3 スイッチの分散型ブリッジ テーブルについての概要、およびスイッチにブリッジ グループが構成される場合の、分散型ブリッジ テーブルと非対称ルーティング トポロジーについて説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの設定例は、以下のデバイス(設定はクリア)を使用してラボ環境で作成しています。
Cisco IOS 12.0(7)W5(15d) を実行している Catalyst 2948G-L3
2 台のルータ (不特定のモデルまたは IOS)
サーバとして機能する PC または他のワークステーション
このドキュメントの設定は、外部に接続されていないラボ環境で実装されたものです。ここでの設定を実践する前に、各設定やコマンドがネットワークにどのように影響するかを理解してください。すべてのデバイスの設定を write erase コマンドでクリアし、リロードしてからデフォルトの設定の存在を確認しています。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Catalyst 2948G-L3 スイッチには、2 種類の代表的なブリッジの設定があります。
すべてのポートが 1 つのブリッジ グループに含まれる設定。レイヤ 3 設定はありません。
ポートのグループが 1 つ以上のブリッジ グループに含まれる設定。Bridge Virtual Interface(BVI)は、各種ブリッジ グループのトラフィック ルーティングに使用されます。
両方の設定では、ブリッジ グループで与えられた MAC アドレスのレイヤ 2 フォワーディング テーブル エントリを、show bridge bridge-group-number コマンドを使用して閲覧します。
Catalyst 2948G-L3 と 4908G-L3 スイッチのブリッジ テーブル エントリは、実際には内部的に少なくとも 2 つのエントリで形成されています。1 つはソース インターフェイス(MAC を搭載したデバイスが接続されているインターフェイス)で、もう 1 つはそれぞれの目的インターフェイス(フレームの目的 MAC に基いて、その MAC からのトラフィック ソースが目的となるインターフェイス)になります。 これは実際には Catalyst 2948G-L3 と 4908G-L3 スイッチにブリッジ テーブルを置くための学習プロセスが、スイッチ ワイド ベースよりも 1 ポート ベースで分散されるからです。
たとえば、図 1 のトポロジを考えます。
図 1:2 つのホストを搭載した Catalyst 2948G-L3 スイッチ
このトポロジーでは、インターフェイス ファスト 1 およびインターフェイス ファスト 2 が同じブリッジ グループに属すと仮定します。2 つのブリッジ テーブル エントリは、以下に示すように、インターフェイス ファスト 1 およびインターフェイス ファスト 2 の各 MAC アドレスのスイッチに付加されます。
2948G-L3#show bridge 1 Total of 300 station blocks, 298 free Codes: P - permanent, S - self Bridge Group 1: Address Action Interface 0000.1111.1111 forward FastEthernet1 0000.2222.2222 forward FastEthernet2 2948G-L3#
この例は、Catalyst 2948G-L3 スイッチが、インターフェイス ファスト 1 で MAC アドレス 0000.1111.1111 を学習し、MAC アドレス 0000.2222.2222 をインタフェース ファスト 2 で学習したことを示します。
内部的には、各 MAC アドレスに 2 つのエントリがあります。1つはインターフェイスファスト1に、もう1つはインターフェイスファスト2にあります。MACアドレス0000.1111.1111の場合、インターフェイスファスト1のエントリは「ローカル」エントリです。これは、MAC 0000.1111.1111を持つデバイスが、直接または他のレイヤ2デバイスを介してこのインターフェイスに接続されていることを意味します。
インターフェイス ファスト 2 の 0000.1111.1111 エントリは「リモート」エントリとなります。つまり、この MAC アドレスが付いたデバイスはこのインターフェイスには接続されません。リモート ブリッジ テーブル エントリは、MAC アドレスが実際に接続されるインターフェイスを示します (この場合、インタフェース ファスト 1)。
MACアドレス0000.2222.2222では、エントリが逆になります。インターフェイスファスト2にはMACアドレスのローカルエントリがあり、インターフェイスファスト1にはインターフェイスファスト2を指すMACアドレスのリモートエントリがあります。
図 2 は、MAC アドレスがグローバル転送テーブルに格納される様子と、Catalyst 2948G-L3 スイッチ上の内部のポート単位ブリッジ テーブルの状態を示しています。
図 2:グローバルおよび 1 ポートあたりのフォワーディング テーブル エントリ状態
show epc patricia interface <interface> mac を使用して、ブリッジ テーブル エントリの実際の内部状態を確認できます (patricia ツリーはブリッジ テーブルの格納、アクセスに使用するデータ構造です)。 例えば、インターフェイス ファスト 1 のブリッジ テーブル ("mac") エントリの内部状態です。
2948G-L3#show epc patricia interface fast 1 mac 1# MAC addr:0000.0000.0000 VC:0 Entry: 2# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 3# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC 6# MAC addr:0001.43a0.cc07 HsrpMAC 7# MAC addr:0000.2222.2222 IF Number:5 Entry:Remote 8# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:4 Entry:Local Total number of MAC entries: 8 2948G-L3#
インターフェイス ファスト 1 の「ローカル」エントリは、MAC アドレス 0000.1111.1111 を対象とし、「リモート」エントリは、MAC アドレス 0000.2222.2222 を対象としていることに注意します。
反対にするとインタフェース ファスト 2 対象となります。
2948G-L3#show epc patricia interface fast 2 mac 1# MAC addr:0000.0000.0000 VC:0 Entry: 2# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 3# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC 6# MAC addr:0001.43a0.cc08 HsrpMAC 7# MAC addr:0000.2222.2222 IF Number:5 Entry:Local 8# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:4 Entry:Remote Total number of MAC entries: 8 2948G-L3#
インターフェイス ファスト 2 の「ローカル」エントリは、MAC アドレス 0000.2222.2222 を対象とし、「リモート」エントリは、MAC アドレス 0000.1111.1111 を対象とします。
ブリッジ設定を非対称のルーティング トポロジーを伴う Catalyst 2948G-L3 または 4908G-L3 スイッチで行う場合には、分散型ブリッジ テーブルに関して重要な機能的意味をもちます。具体的には、非対称ルーティングをともなうブリッジでは、ブリッジ グループ内で周期的に未知のユニキャスト フラッディングを引き起こす可能性があります。
非対称ルーティングは、Catalyst 2948G-L3 スイッチを介した任意の IP サブネットへトラフィック パターンが同じパスを経由しないことを意味します。たとえば、図 3 のトポロジを考えます。
図 3:非対称ルーティングのトポロジー
このトポロジでは、IPサブネット10.10.10.0/24からサーバ1(10.1.1.20)宛てのトラフィックがルータ1に入り、インターフェイスギガ1を介してIPサブネット10.1.1.0/24に転送されます。インターフェイスギガ1は、Catalyst 2948G-L3スイッチのインターフェイスギガ49に9に接続します。
インターフェイス ギガ 49 は、インターフェイス ファースト1 として作動する場合、サーバ 1 が接続されるブリッジ グループに属します。
サーバ 1 が IP サブネット 10.10.10.0/24 の要求ホストにトラフィックを返送する場合、デフォルトのゲートウェイを使用します。サーバ1のデフォルトゲートウェイはルータ2で、インターフェイスギガ50に接続されています。インターフェイスギガ50もブリッジグループ1のメンバです。
このトポロジーで注意する重要な点は、IP サブネット 10.10.10.0/24 からサーバ 1 に向けられたトラフィックはルータ 1 で送られるが、サーバ 1から IP サブネット 10.10.10.0/24 へのリターン トラフィックはルータ 1 ではなく、ルータ 2 を通り抜けることです。
結果として、インターフェイス ギガ 49 (ルータ 1 に搭載) はサーバ 1 (MAC アドレス 0000.3333.3333) からのトラフィックを定期的には見ていません。 つまり Catalyst 2948G-L3 スイッチは、サーバ 1 に向けたインターフェイス ギガ 49 で受けるフレームをブリッジ グループのすべてのポートへ転送するようにします。インターフェイス ギガ 49 では最終的に、サーバ 1 の「リモート」ブリッジ テーブル エントリがエイジ アウトになります。
理由について詳しく説明します。すべての ARP テーブルとブリッジ テーブルはエンプティであると仮定します。
ルータ 1 は、サーバ 1 (10.1.1.20) に向けた 10.10.10.100 からトラフィックを受けます。
ルータ1はインターフェイス ギガ1からサーバ1へARPを送信します。
Catalyst 2948G-L3スイッチは、インターフェイスギガ49でブロードキャストARPを受信し、ブリッジグループのすべてのポートでフレームをフラッディングします。これにより、インターフェイスギガ49でMAC 0000.1111.1111のローカルエントリが、ブリッジグループのすべてのインターフェイスでMAC 0000.1111.1111のリモートエントリがになります。
サーバ1はARP要求を受信し、ARPに応答します。これにより、インターフェイスファスト1のMAC 0000.3333.3333のローカルエントリと、インターフェイスギガ49のMAC 0000.3333.3333のリモートエントリが生成されます。
2948G-L3#show bridge 1 Total of 300 station blocks, 298 free Codes: P - permanent, S - self Bridge Group 1: Address Action Interface 0000.3333.3333 forward FastEthernet1 0000.1111.1111 forward Gi49 2948G-L3#show epc patricia interface gig 49 mac 1# MAC addr:0000.3333.3333 IF Number:4 Entry:Remote 2# MAC addr:0001.43a0.cd07 HsrpMAC 3# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Local 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 6# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 7# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC Total number of MAC entries: 7 2948G-L3#show epc patricia interface fast 1 mac 1# MAC addr:0000.0000.0000 VC:0 Entry: 2# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 3# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC 6# MAC addr:0001.43a0.cc07 HsrpMAC 7# MAC addr:0000.3333.3333 IF Number:4 Entry:Local 8# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Remote Total number of MAC entries: 8 2948G-L3#
さらに、サーバ 1 にはルータ 1(MAC アドレス 0000.1111.1111 を使用した 10.1.1.1)の完全な ARP エントリがあります。
Server1% arp -a Net to Media Table Device IP Address Mask Flags Phys Addr ------ -------------------- --------------- ----- --------------- hme0 10.1.1.1 255.255.255.255 00:00:11:11:11:11 hme0 10.1.1.20 255.255.255.255 SP 00:00:33:33:33:33 hme0 224.0.0.0 240.0.0.0 SM 01:00:5e:00:00:00 Server1%
ルータ 1 は、MAC アドレス 0000.3333.3333 を使用して 10.1.1.20 の ARP エントリを完成します。
Router1#show arp Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface Internet 10.1.1.1 - 0000.1111.1111 ARPA GigabitEthernet1 Internet 10.10.10.1 - 0050.3e7c.45a1 ARPA GigabitEthernet8 Internet 10.1.1.20 0 0000.3333.3333 ARPA GigabitEthernet1 Internet 10.10.10.100 1 0000.aaaa.aaaa ARPA GigabitEthernet8 Router1#
完成した ARP エントリを使用して、ルータ 1 は 10.10.10.100 からサーバ 1(10.1.1.20)にパケットを送ります。
Catalyst 2948G-L3スイッチがフレームを受信すると、インターフェイスgig 49に格納されているブリッジテーブルの宛先MACアドレス(0000.3333.3333)をチェックします。このテーブルはインターフェイス固有であり、スイッチのグローバルではありません。
Catalyst 2948G-L3 スイッチは、サーバ 1 の MAC アドレスのリモート エントリを見つけ、インターフェイス ファスト 1(スパニング ツリーの「IF Number:4」)へフレームを転送します。
2948G-L3#show epc patricia interface gig 49 mac 1# MAC addr:0000.3333.3333 IF Number:4 Entry:Remote 2# MAC addr:0001.43a0.cd07 HsrpMAC 3# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Local 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 6# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 7# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC Total number of MAC entries: 7 2948G-L3#
サーバ 1 は、フレームを受けます。
サーバ 1 が応答する場合、IP スタック設定に基づいて 10.10.10.100 が異なる IP サブネットにあることを確認するため、サーバ 1 はそのデフォルト ゲートウェイ IP アドレス(10.1.1.2)に対して APR します。
Catalyst 2948G-L3スイッチがブロードキャストARPを受信すると、フレームをブリッジグループ内のすべてのインターフェイスにフラッディングします。その結果、インターフェイスファスト1のMAC 0000.3333.3333のローカルエントリと、ブリッジグループ内のすべてのインターフェイスのMAC 0000.3333.3333のリモートエントリになります。
ルータ2はARP要求を受信し、ARPに応答します。その結果、インターフェイスギガ50のMAC 0000.2222.2222のローカルエントリと、インターフェイスファスト1のMAC 0000.2222.2222のリモートエントリになります。
2948G-L3#show bridge 1 Total of 300 station blocks, 297 free Codes: P - permanent, S - self Bridge Group 1: Address Action Interface 0000.2222.2222 forward Gi50 0000.3333.3333 forward FastEthernet1 0000.1111.1111 forward Gi49 2948G-L3#show epc patricia interface gig 50 mac 1# MAC addr:0000.2222.2222 IF Number:53 Entry:Local 2# MAC addr:0000.3333.3333 IF Number:4 Entry:Remote 3# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Remote 4# MAC addr:0001.43a0.cd08 HsrpMAC 5# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 6# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 7# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 8# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC Total number of MAC entries: 8 2948G-L3#show epc patricia interface fast 1 mac 1# MAC addr:0000.0000.0000 VC:0 Entry: 2# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 3# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC 6# MAC addr:0001.43a0.cc07 HsrpMAC 7# MAC addr:0000.2222.2222 IF Number:53 Entry:Remote 8# MAC addr:0000.3333.3333 IF Number:4 Entry:Local 9# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Remote Total number of MAC entries: 9 2948G-L3#
さらに、ルータ 2 には MAC アドレス 0000.3333.3333 を使用したサーバ 1(10.1.1.20)の完全な ARP エントリがあります。
Router2#show arp Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface Internet 10.1.1.2 - 0000.2222.2222 ARPA GigabitEthernet1 Internet 10.1.1.20 0 0000.3333.3333 ARPA GigabitEthernet1 Router2#
サーバ 1 は、MAC アドレス 0000.2222.2222 を使用して 10.1.1.2 の ARP エントリを完成します。
Server1% arp -a Net to Media Table Device IP Address Mask Flags Phys Addr ------ -------------------- --------------- ----- --------------- hme0 10.1.1.1 255.255.255.255 00:00:11:11:11:11 hme0 10.1.1.2 255.255.255.255 00:00:22:22:22:22 hme0 10.1.1.20 255.255.255.255 SP 00:00:33:33:33:33 hme0 224.0.0.0 240.0.0.0 SM 01:00:5e:00:00:00 Server1%
サーバ1は、デフォルトゲートウェイ10.1.1.2を介して10.10.10.100に応答を送信します。サーバ1が送信するフレームは、宛先MACとしてMACアドレス0000.2222.2222、送信元MACとして0000.3333.3333です。
Catalyst 2948G-L3 スイッチがフレームを受ける場合、目的 MAC アドレス (0000.2222.222) のインタフェース ファスト 1 のブリッジ テーブルがチェックされます。
Catalyst 2948G-L3 スイッチは、ルータ 2 の MAC アドレスのリモート エントリを見つけ、インターフェイス ギガ 50(スパニング ツリーの「IF Number:53」)へフレームを転送します。
2948G-L3#show epc patricia interface fast 1 mac 1# MAC addr:0000.0000.0000 VC:0 Entry: 2# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 3# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 4# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 5# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC 6# MAC addr:0001.43a0.cc07 HsrpMAC 7# MAC addr:0000.2222.2222 IF Number:53 Entry:Remote 8# MAC addr:0000.3333.3333 IF Number:4 Entry:Local 9# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Remote Total number of MAC entries: 9 2948G-L3#
この時点で、すべて予定どおりに動作しています。たとえば、ネットワーク アナライザがインターフェイス ファスト 2 で接続されている場合(ブリッジ グループ 1 においても)、フラッド トラフィックのみ(ブロードキャストおよびマルチキャストなど)がアナライザにより受信されますが、やがて 10.10.10.100 から 10.1.1.20(サーバ 1)へのユニキャスト トラフィックがアナライザにより受信されると、ネットワーク管理者は驚くことがあります。
サーバ 1 のリモート エントリがインタフェース ギガ 49 (ルータ 1 に接続) でエイジ アウトすると問題が発生します。 0000.3333.3333 のソース MAC アドレスを伴うフレームがインターフェイスに到来しない場合、300 秒後 (ブリッジ テーブル エイジング 時間) に発生します。サーバ 1 のリモート エントリがエイジ アウトした場合に、どのように内部ブリッジ テーブルが現れるかを示します。
2948G-L3#show epc patricia interface gig 49 mac 1# MAC addr:0001.43a0.cd07 HsrpMAC 2# MAC addr:0000.1111.1111 IF Number:52 Entry:Local 3# MAC addr:0100.0ccc.cccd MyMAC 4# MAC addr:0180.c200.0000 MyMAC 5# MAC addr:0900.2b01.0001 MyMAC 6# MAC addr:0100.0ccc.cccc MyMAC Total number of MAC entries: 6 2948G-L3#
唯一のエントリはルータ 1 のローカル エントリです。サーバ 1 の リモート エントリ (MAC アドレス 0000.3333.3333) は削除されています。その結果、ルータ 1 からブリッジ グループのあらゆるインタフェースのサーバ 1 へすべてのユニキャスト トラフィックがフラッディングします。
残念ながら、問題を分離するただ 1 つの方法は、インターフェイスごとの内部ブリッジ テーブル エントリの状態を確認することです。これは、Catalyst 2948G-L3 スイッチがサーバ 1 のエントリを保っていることを、show bridge 出力が示しているからです。
2948G-L3#show bridge 1 Total of 300 station blocks, 297 free Codes: P - permanent, S - self Bridge Group 1: Address Action Interface 0000.2222.2222 forward Gi50 0000.3333.3333 forward FastEthernet1 0000.1111.1111 forward Gi49 2948G-L3#
Catalyst 2948G-L3 スイッチが MAC アドレスの任意のインターフェイスでローカル エントリを保持している期間は、MAC アドレスがブリッジ テーブルに現れます。
さらに、ルータ 1 の show arp は、ARP エントリが完全で正しいことを示しています。
Router1#show arp Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface Internet 10.1.1.1 - 0000.1111.1111 ARPA GigabitEthernet1/1 Internet 10.10.10.1 - 0050.3e7c.45a1 ARPA FastEthernet7/1 Internet 10.1.1.20 7 0000.3333.3333 ARPA GigabitEthernet1/1 Internet 10.10.10.100 9 0000.aaaa.aaaa ARPA FastEthernet7/1 Router1#
これは ARP エイジング時間がデフォルトで 4 時間あり、ブリッジ テーブル エイジング時間より長くなっています。
この問題については以下の 2 点を検討する必要があります。
ルーティング トポロジーの再設計を行い、任意のリモート IP サブネットのトラフィックが Catalyst 2948G-L3 への入出力で同じルートを通るようにする。
Catalyst 2948G-L3スイッチに接続されたルータインターフェイスのARPエージングタイムを5分に短縮します(arp timeout <seconds>インターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用)。
最初の回避策は優先されますが、2 番目の回避策はパフォーマンスに悪影響を及ぼすことなく、ユニキャスト フラッディングの量を大幅に減少させる可能性があります(ほとんどの場合、ルータにかかる ARP 処理の負荷の増加は大きくありません)。
デフォルトで 4 時間の ARP エージング タイムでは、ユニキャスト フラッディングが約 4 時間発生する可能性があります。短縮した ARP タイマーを使用して、ブリッジ テーブル エントリが再インストールされる約 4 分前まではユニキャスト フラッディングが継続する場合があります。これは、ルータの ARP テーブル内のホストにトラフィックが存在しない場合(エージング タイム - 60 秒)、ルータはそのホストに対して再度 ARP を行い、Catalyst 2948G-L3 または 4908G-L3 スイッチのダイナミック ブリッジ テーブル エントリをリフレッシュまたは再インストールするからです。
ARP タイマーとブリッジ テーブル タイマーを正確に同期させる方法はないため、2 番目の回避策が完全にユニキャスト フラッディングを排除するわけではありません。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
06-Oct-2005 |
初版 |