このドキュメントでは、Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチで表示されるエラー メッセージの概要を説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Nexus 7000 シリーズ スイッチに基づいています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
スイッチから次のエラー メッセージが表示されます。
%M2FIB-SLOT3-2-M2FIB_MAC_TBL_PRGMING: Failed to program the mac table. MAC Table is Full for this entry. To avoid possible multicast traffic loss, disable OMF. Use the configuration CLI: "no ip igmp snooping optimise-multicast-flood"
このエラー メッセージの原因は、F1 ラインカードの制限に達したことにあります。F1 ラインカードは、16,000 ~ 256,000 個 の MAC アドレス テーブル エントリに対応しています。カードには、ラインカードごとに 16 のフォワーディング エンジンがあり、各ラインカードは 16,000 個の MAC アドレス テーブル エントリを保持できるため、ラインカードごとに 256,000 個のエントリを保持できます。詳細は、『Cisco Nexus 7000 I/Oモジュールファミリ:F1およびM1』を参照してください。
show mac address-table count コマンドを実行し、MAC アドレス テーブルのエントリ数を検証します。
以下に、いくつかの例を示します。
Nexus7K#show mac address-table count MAC Entries for all vlans : Dynamic Address Count: 15576 Static Address (User-defined) Count: 0 Secure Address Count: 0
Nexus7K#show ip igmp snooping groups summary Legend: E - Enabled, D - Disabled Vlan Snoop OMF (*,G)-Count (S,G)-Count 1 E D 0 0 4 E D 6 0 7 E D 0 0 17 E D 28 0 24 E D 4 0 34 E D 4 0 41 E D 1 0 52 E D 6 0 53 E D 5 0 55 E D 4 0 61 E D 0 0 62 E D 8 0 67 E D 4 0 70 E D 4 0 75 E D 6 0 77 E D 4 0 79 E D 5 0 85 E D 0 0 88 E D 2 0 89 E D 7 0 96 E D 5 0 98 E D 0 0 102 E D 3 0 !--- Output suppressed 1504 E D 4 0 2322 E D 0 0 2324 E D 0 0 2700 E D 0 0 2701 E D 2 0 2705 E D 0 0 2708 E D 1 0 2709 E D 0 0 2710 E D 0 0 2712 E D 0 0 2720 E D 0 0 2721 E D 0 0 Total number of (*,G) entries: 176 Total number of (S,G) entries: 0
Cisco Nexus 7000 F1 シリーズ 32 ポート 1 および 10 ギガビット イーサネット モジュールには、フォワーディング エンジンごとに 16,000 個の MAC アドレス テーブル エントリの制限があり、モジュールごとの MAC アドレス テーブル エントリの最大数は 256,000 です。
no ip igmp snooping optimise-multicast-flood コマンドを使用して OMF を削除すると、マルチキャスト トラフィック対応の VLAN 内のすべてのポートにマルチキャスト トラフィックがフラッディングすることになります。
回避策として、MAC アドレス テーブルの容量を拡張する方法がいくつかあります。
mac address-table aging-time time in seconds コマンドを使用して、MAC アドレス テーブルのエージング タイマーの数値を減らします。たとえば、30 分から 15 分に減らします。
注:デフォルトMACエージングタイムは30分です。詳細については、「ハードウェア リソース使用率の管理」を参照してください。
以下に、いくつかの例を示します。
Nexus7K(config)#mac address-table aging-time 900
MAC アドレス テーブルのエージング タイマーを変更後、show mac address-table count コマンドを使用して、MAC アドレス テーブルのエントリ数を検証します。
以下に、いくつかの例を示します。
Nexus7K#show mac address-table count MAC Entries for all vlans : Dynamic Address Count: 13465 Static Address (User-defined) Count: 0 Secure Address Count: 0
no ip igmp snooping optimise-multicast-flood コマンドを実行し、Optimise-Multicast-Flood(OMF)を無効にします。
以下に、いくつかの例を示します。
Nexus7K(config)# vlan configuration vlan_id
Nexus7K(config-vlan-config)# no ip igmp snooping optimise-multicast-flood
F1 カード上のポートとさまざまな VLAN とのマッピング方法を変更します。
F1 カードには、各ラインカードの MAC アドレスの範囲(16,000 ~ 256,000)を任意に設定できます。この範囲が各ポートの VLAN のマッピング方法に関係します。2 つポートの各グループは、同じ ASIC 上にあるため、MAC アドレス テーブル情報を共有します。これらの ASIC には、16,000 個の MAC アドレス テーブル エントリの容量があります。各 ASIC は、同じ VLAN を使用する他の ASIC 上の各 VLAN の MAC アドレス テーブルと同期されます。
たとえば、ポートが 1 と 15 の両方で VLAN 1000 が許可されている場合、両方のポートに VLAN 1000 の MAC アドレス テーブル エントリが存在します。したがって、VLAN 1000 に 16,000 個の MAC アドレス テーブル エントリがある場合、この 2 つの ASIC(ポート 1、2 および 15、16 用)には追加のエントリをプログラミングできません。 全 32 ポートで VLAN 1000 が許可されている場合、16,000 個の制限に達しているため、いずれのポートにも新しい MAC アドレスをプログラミングできません。
ただし、半分のポート(1 ~ 16)でのみ VLAN 1000 が許可されていて、残りの半分のポート(17 ~ 32)では VLAN 2000 が許可されている場合は、ポート 1 ~ 16 には VLAN 1000 の 16,000 個の MAC エントリの容量があり、ポート 17 ~ 32 には VLAN 2000 の 16,000 個のエントリの容量があります(合計 32,000 エントリ)。
したがって、MAC アドレス テーブル容量の拡張が可能になります。
注:ハードウェア制限の問題に対する回避策を次に示します。
検証には次のコマンドを使用します。
IGMP スヌーピング スタティック MAC OIF 情報を確認するには、show ip igmp snooping mac-oif コマンドを使用します。
グループの詳細情報を確認するには、show ip igmp snooping groups summary コマンドを使用します。
MAC アドレス エントリの数を確認するには、show mac address-table count コマンドを使用します。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
25-Jul-2012 |
初版 |