概要
このドキュメントでは、Cisco ディザスタ リカバリ システム(DRS)の代わりに Cisco Unified Backup and Restore Application Suite(COBRAS)を使用して Cisco Unity Connection(CUC)をアップグレードする方法について説明します。
背景説明
CUC のバージョンをアップグレードするときには、アップグレードや DRS の復元(独自の要件あり)を実行するのではなく、COBRAS を使用して適切なバージョンに直接移行する方が容易である場合があります。DRS の復元では、復元を行う CUC とまったく同じバージョンに復元する必要があります。COBRAS を使用すると、バックアップを実行した後、それより新しいバージョンの CUC に復元できます。これは特に、ハードウェアを変更する場合、または仮想環境を使用している場合に役立ちます。
注:サポートされているすべてのバージョンを確認するには、Cisco Unity ツールのドキュメント『COBRAS Briefcase Mode』の「バージョン サポート」のセクションを参照してください。
長所
CUC をアップグレードする目的で DRS の代わりに COBRAS を使用すると、アップグレードの問題のトラブルシューティングで確認や修正に何時間もかける必要がなくなります。このドキュメントでは、CUC アップグレードやハードウェア移行を行うために COBRAS を使用した方が効率的だと考えられる理由について説明します。COBRAS のドキュメンテーションは優れており、さまざまな手順に関する詳細情報が含まれていますが、アップグレード パスとして見逃されることが少なくありません。
ヒント:次のセクションで説明する手順は、単に概要のみを示しています。詳細な手順については、COBRAS のドキュメンテーションを参照してください。
CUC のバックアップ
CUC をバックアップするには、次の手順を実行します。
- COBRAS を PC にインストールします。
- CUC 内で、リモート管理者ロールを持つアカウントを、メールボックスなしで作成します。
- CUC の Web ページに移動し、[Add New] をクリックします。
- [User Type] フィールドで [User Without Mailbox] を選択し、適切な情報を入力します。
- [Database Proxy Service] を有効にして、COBRAS がデータベースにアクセスできるようにします。
- CUC の Web ページで、[System Settings] > [Advanced] > [Connection Administration] に移動します。
- [Database Proxy:Service Shutdown Timer (In Days)] フィールドを探して値 30 を入力して、[Save] をクリックします。
注:この値は [Days](日数)単位で定義されます。
- [CUC Serviceability] Web ページにアクセスし、[Tools] > [Service Management] に移動します。
- [Optional Services] フィールドで [Connection Database Proxy] を見つけて [Activate] をクリックし、[Start] をクリックします。これで、COBRAS からデータベース接続を確立してバックアップを実行できるようになりました。
- 現在のシステム設定をバックアップするのに適した設定を選択します。
注:バックアップ手順とエクスポート手順についての詳細は、Cisco Unity ツールのドキュメント『COBRAS Briefcase Mode』の「COBRAS エクスポート」のセクションを参照してください。
COBRAS バックアップの制約事項
COBRAS では、いくつかの特定のシステム設定がバックアップされないことに注意してください。そのため、復元前にこれらを手動で作成しておく必要があります。以下に一般的な設定の一覧を示しますが、COBRAS のドキュメンテーションで完全なリストを参照することをお勧めします。
- カスタム サービス クラス
- カスタム スケジュール
- 規制テーブルのカスタム変更
- Cisco Unified Communications Manager(CUCM)とのスイッチ統合
- Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)統合
新しい CUC への復元
新しいバージョンの CUC にシステムを復元するには、次の手順を実行します。
- CUC 内で、リモート管理者ロールを持つ復元用の新規アカウントを、メールボックスなしで作成します。
- 実際の環境設定に応じて、COBRAS で復元されない構成要素を、前のセクションで説明したとおりに手動で作成します。
- これで、システム復元手順を実行できるようになります。
注:新しいバージョンの CUC にシステムを復元する方法の詳細については、Cisco Unity ツールのドキュメント『COBRAS Briefcase Mode』の「復元手順」のセクションを参照してください。
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