このドキュメントでは、Cisco uBR9xx シリーズをアップグレードする段階的な手順、および簡易ファイル転送プロトコル(TFTP)サーバまたはリモート コピー プロトコル(RCP)サーバ アプリケーションを使用して、「RAM 実行型」の Cisco ルータに Cisco IOS® ソフトウェアをインストールする方法について説明します。
TFTP サーバをインストールします。
TFTP サーバまたは RCP サーバ アプリケーションを TCP/IP 対応ワークステーションまたは PC にインストールする必要があります。アプリケーションをインストールしたら、次の基本的な設定を行います。
はじめに、TFTP クライアントではなく TFTP サーバとして動作するように、TFTP アプリケーションを設定する必要があります。
次に、発信ファイル ディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリは、Cisco IOS ソフトウェアのイメージを保存するディレクトリです(次のステップ 2 を参照してください)。 ほとんどの TFTP アプリケーションには、このような設定作業用にセットアップ ルーチンが用意されています。
注:TFTPまたはRCPアプリケーションの多くは、独立系ソフトウェアベンダーから、またはWorld Wide Web上のパブリックソースからシェアウェアとして入手できます。
次に、TFTP サーバをダウンロードします。使用できる TFTP サーバは数多くあり、インターネットの検索エンジンで「tftp server」を検索すると容易に見つけることができます。シスコでは、特定の TFTP の実装は推奨していません。
ワークステーションに IOS イメージをダウンロードします。
使用中のルータに有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージを導入しておくことも必要です。使用しているハードウェアとソフトウェアの機能がそのイメージでサポートされていることと、実行するのに十分なメモリがルータにあることを確認してください。Cisco IOS ソフトウェア イメージがない場合、または手元のイメージがすべての要件を満たしているかどうかが分からない場合は、『Cisco IOS ソフトウェア リリースの選択方法』を参照してください。
これで、TFTP サーバがインストールされ、適切な Cisco IOS ソフトウェア イメージが入手できました。
この文書の情報は、次のソフトウェア バージョンに基づいてい ます。
Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2 以降。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
注:RCPアプリケーションの場合は、TFTPのすべてのオカレンスをRCPに置き換えます。たとえば、copy tftp flash コマンドの代わりに copy rcp flash コマンドを使用します。
次に示す手順に従ってください。
ルータへのコンソール セッションを確立します。
これは、直接コンソール接続または仮想 Telnet 接続によって実行できます。直接コンソール接続の方が Telnet 接続よりも適しています。Telnet 接続はソフトウェアをインストールする際のリブートによって、接続が失われるからです。コンソール接続では、ロール型ケーブル(通常は黒のフラット ケーブル)を使用してルータのコンソール ポートと PC の COM ポートを接続します。PC 上でハイパーターミナルを起動し、次の設定値を使用します。
Speed 9600 bits per second 8 databits 0 parity bits 1 stop bit No Flow Control
TFTP サーバからルータへの IP 接続が確立されたことを確認します。
TFTP サーバの IP アドレスを確認して、TFTP ソフトウェアをアップグレードするルータ/アクセス サーバのアドレスが同じ範囲内にあることを確認します。ルータ/アクセス サーバに ping を送信し、ネットワーク接続が存在していることを確認します。
次の手順を使用して、TFTP サーバからルータ/アクセス サーバに新しいソフトウェア イメージをコピーします。
uBR924> enable Password: password uBR924# uBR924# copy tftp flash
注:コンソールポートを介してルータに接続した後に「>」または「rommon >」プロンプトが表示された場合、ルータはROMモニタ(ROMmon)モードになっています。
必要に応じて、デバイスから別のデバイスへイメージをコピーできます。
注:ルータ/アクセスサーバのソフトウェアをアップグレードする前に、ルータ/アクセスサーバの設定のコピーを保持することをお勧めします。アップグレード自体は、不揮発性 RAM(NVRAM)に保存されている設定には影響しません。
TFTP サーバの IP アドレスを指定します。
プロンプトが示されたら、次の例のように TFTP サーバの IP アドレスを入力します。
Address or name of remote host [255.255.255.255]? 172.16.30.40
新しい Cisco IOS ソフトウェア イメージのファイル名を指定します。
入力を求められた場合は、次のように、インストールする Cisco IOS ソフトウェア イメージのファイル名を入力します。
Source file name? ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin
注:イメージ名は、TFTPサーバ上のイメージのファイル名によって異なります。
コピー先のファイル名を指定します。
このファイル名は、新しいソフトウェア イメージがルータにロードされたときに使用されるファイル名です。イメージには任意の名前を付けられますが、通常は UNIX のイメージ ファイル名を入力します。
Destination file name? ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin
確認する前に、フラッシュ デバイスを消去します。
必要に応じて次のように入力します。
新しいイメージをコピーする前に、ルータのフラッシュ メモリにある既存のソフトウェア イメージを消去するには yes と入力します。
既存のソフトウェア イメージを保持する場合は no と入力します。両方を保持するだけの十分なフラッシュ メモリがあることを確認します。
Erase flash device before writing?[confirm] yes/no
コピー処理には数分かかります。この時間はネットワークごとに異なります。コピー処理中に、どのファイルにアクセスしているかを示すメッセージが表示されます。
感嘆符(!) コピー処理が行われていることを示します。それぞれの感嘆符は、10 個のパケットが正常に転送されたことを示します。イメージがフラッシュ メモリに書き込まれた後、イメージのチェックサム検証が行われます。
リロードする前に、正しいインストールおよびコマンドを確認します。
イメージが正常にインストールされ、boot system コマンドがロードする正しいファイルを指していることを確認します。
次のように入力してリロードします。
Router#reload *Mar 1 00:30:49.972: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console System configuration has been modified. Save? [yes/no]: no !-- lower case Proceed with reload? [confirm] yes !-- lower case
ルータで正しいイメージが稼動していることを確認します。
リロードが完了すると、ルータでは必要な Cisco IOS ソフトウェア イメージが実行されているはずです。show version コマンドを使用して確認します。
ubr924#show flash System flash directory: File Length Name/status 1 3931744 ubr920-k1o3v4y556i-mz.121-3a.T4.bin [3931808 bytes used, 131424 available, 4063232 total] 3968K bytes of processor board System flash (Read/Write) ubr924#copy tftp flash Address or name of remote host []? 172.16.30.40 Source filename []? ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin Destination filename [ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin]? Accessing tftp://172.16.30.40/ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin... Erase flash: before copying? [confirm] Erasing the flash filesystem will remove all files! Continue? [confirm] Erasing device... eeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee ...erased Erase of flash: complete Loading ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin from 172.16.30.40 (via cable-modem0): !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! [OK - 3755588/7511040 bytes] Verifying checksum... OK (0xD64F) 3755588 bytes copied in 99.254 secs (37935 bytes/sec) ubr924# ubr924#reload !--- Make sure you read step 8 in the Software Installation or Upgrade Procedure section before reloading. Proceed with reload? [confirm] 133.CABLEMODEM.CISCO: 01:05:23: %SYS-5-RELOAD: Reload requested System Bootstrap, Version 12.0(6r)T3, RELEASE SOFTWARE (fc1) Copyright (c) 1999 by cisco Systems, Inc. UBR924 platform with 16384 Kbytes of main memory program load complete, entry point: 0x80010000, size: 0x394d28 Self decompressing the image : ################################
リロード後に、ルータの Cisco IOS ソフトウェアのバージョンがアップグレードされていることを確認します。show version を実行します。
ubr924#show version Cisco Internetwork Operating System Software IOS (tm) 920 Software (UBR920-K8V6Y5-M), Version 12.2(3), RELEASE SOFTWARE (fc1) Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc. Compiled Wed 18-Jul-01 17:05 by pwade Image text-base: 0x800100A0, data-base: 0x806A2250 ROM: System Bootstrap, Version 12.0(6r)T3, RELEASE SOFTWARE (fc1) ubr924 uptime is 0 minutes System returned to ROM by reload at 08:14:09 - Sun Jan 2 2000 System image file is "flash:ubr920-k8v6y5-mz.122-3.bin" cisco uBR920 CM (MPC850) processor (revision 3.d) with 15872K/1024K bytes of memory. Processor board ID FAA0344Q0GK Bridging software. 1 Ethernet/IEEE 802.3 interface(s) 1 Cable Modem network interface(s) 3968K bytes of processor board System flash (Read/Write) 1536K bytes of processor board Boot flash (Read/Write) Configuration register is 0x2102