概要
このドキュメントでは、H.323 通信に Session Initiation Protocol(SIP)プロキシ サーバまたは Cisco H.323 シグナリング インターフェイス(HSI)付属プラットフォーム、あるいは両方を使用した、コール制御モードの Cisco PGW 2200 のアウトオブバンド デュアルトーン多重周波数(DTMF)の動作について説明します。SIP の場合は、sip-notify が Cisco IOS® ソフトウェアおよび Cisco PGW 2200 で提案された新しい DTMF リレー メソッドです。Cisco HSI の場合、H.245 ネゴシエーション フェーズ中の H.245 英数字情報の送信および受信が実装されます。
前提条件
要件
このドキュメントの読者は次のトピックについての専門知識を有している必要があります。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
注:どちらもCisco.comで入手可能な最新のパッチレベルで実行されています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
表記法
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
Cisco PGW 2200 および HSI - DTMF アウトオブバンド
Cisco PGW 2200 は、SIP と H.323 の両方の DTMF リレーをサポートしています。
H.323
Cisco PGW 2200 および HSI は、アウトオブバンド DTMF リレーをサポートしています。メディア ゲートウェイ(MGW)から受信する DTMF の番号は Media Gateway Control Protocol(MGCP)を使用して Cisco PGW 2200 に送信され、拡張 ISDN ユーザ パート(E-ISUP)メッセージを使用して Cisco HSI に送信されます。その結果、Cisco HSI からゲートキーパーへ送信される H.245 メッセージが生成されます。
図 1:DTMF H.323
図 1 では、Cisco HSI はメッセージを常に H.245 タイプの「signal」として送信します。 基本的に、Cisco HSI はメッセージを H.245 タイプの「signal」または「alpha」として受信できます。
図 2:DTMF MGCP
H.245 メッセージが MGW から Cisco PGW 2200 へ送信される場合、MGW で debug mgcp packet コマンドを実行すると、次の情報が表示されます。
From debug mgcp packet output
MGCP...... -> NTFY 123 s0/ds1-1/17@mgw04 MGCP 0.1
X: 703
O: D/0 <--------------------------------received 0
MGCP...... -> 200 123 OK
H.245 メッセージが Cisco HSI からゲートウェイへ送信される場合、ゲートウェイで debug h245 asn1 コマンドを実行すると、H.245 userInput :signal を使用して詳細が表示されます。
From debug h245 asn1 debug output
00:52:17: H245 MSC INCOMING PDU ::=
value MultimediaSystemControlMessage ::= indication : userInput : signal :
{
signalType "5"
!--- Digit relayed is 5.
図 3:Cisco PGW 2200 および HSI の概念
コンフィギュレーション
MGCP ゲートウェイで、次のコマンドを追加します。
mgcp package-capability dtmf-package
mgcp dtmf-relay voip codec all mode out-of-band
Cisco PGW 2200 の場合:
Auto-detects
Cisco IOS H.323 ゲートウェイで、dial-peer voice xx voip コマンド下に次のコマンドを追加します。
dtmf-relay h245-signal
Cisco HSI の場合:(HSI プロビジョニングの URL)
prov-add:name=sys_config_static, dtmfsupporteddirection=both
prov-add:name=sys_config_static, dtmfsupportedtype=dtmf
例
Cisco HSI でこれを設定するには、次のようにします。
gw mml> prov-sta::srcver="active",dstver="DTMF_Config"
H323 Signalling Gateway Mon Feb 2 13:27:57 2004
M SUCC
セッション「DTMF_Config」のプロビジョニングが「active」から正常に開始されました。
注:このプロビジョニングセッションは確認されていません。
gw mml> prov-add:name="SYS_CONFIG_STATIC",DtmfSupportedType="dtmf"
H323 Signalling Gateway Mon Feb 2 13:29:18 2004
M SUCC
プロビジョニング要素が正常に追加されました。
-
MML 名:SYS_CONFIG_STATIC
-
パラメータ:DtmfSupportedType
-
[Value]:DTMF
gw mml> prov-add:name="SYS_CONFIG_STATIC",DtmfSupportedDirection="both"
H323 Signalling Gateway Mon Feb 2 13:29:41 2004
M SUCC
プロビジョニング要素が正常に追加されました。
gw mml> prov-cpy
H323 Signalling Gateway Mon Feb 2 13:29:49 2004
M SUCC
注:HSIはこれらのパラメータを変更した後で再起動する必要があります。これは、これらのパラメータが「静的」であり、そのため、再起動時にのみ読み取られるためです。
MGCP DTMF の番号は、MGCP デュアル イーサネット接続が原因で、順不同で表示されることがあります。
HSI ソリューションを探す際には、H.245 メッセージを確認してください。H.245 メッセージは、TCP によって順序が保たれます。これは、UDP/RUDP(信頼性の高い UDP)を使用する E-ISUP リンクの場合も同様です。 このようなイベントのトラブルシューティングでは、MGCP 接続で UDP を使用した結果としてパケット再送用のパスで番号が複製される可能性があることを考慮してください。この状況をもたらすもう 1 つの要因には、イーサネット セグメントの過負荷があります。
SIP
Cisco PGW 2200 では、リリース 9.4(1) の最新パッチ以降で、アウトオブバンド SIP DTMF がサポートされています。Cisco PGW 2200 は、DTMF の SIP SUBSCRIBE を受信すると、MGCP ゲートウェイに DTMF を Cisco PGW 2200 に渡すように通知し、DTMF とともに SIP NOTIFY メッセージを送信します。Cisco PGW 2200 が、反対方向から DTMF とともに Unsolicited SIP NOTIFY メッセージを受信すると、MGCP を使用して、MGW に DTMF の生成を要求します。
図 4:PGW2200 - SIP
Solicited であるか Unsolicited であるかに関わらず、エンドポイントは SUBSCRIBE を使用して NOTIFICATION を要求します。これにより、Cisco PGW 2200 はゲートウェイに RQNT を送信し、番号を受信すると NOTIFY を送信します。Cisco PGW 2200 は、18x/200 メッセージで SUBSCRIBE メッセージまたは Unsolicited NOTIFY 応答メッセージを受信してから、RQNT をゲートウェイに送信します。
図 5:DTMF SIP
SUBSCRIBE は、もう一方の SIP 側で、PSTN から受信した DTMF 番号に関する情報を必要とする場合に使用する必要があります。Cisco PGW 2200 は、SUBSCRIBE を受信すると、MGCP ゲートウェイに DTMF イベントを MGCP に渡すよう要求し、NOTIFY を送信します。
Cisco PGW 2200 が、SIP 側からの Unsolicited NOTIFY を受信した場合は、PSTN に向けて DTMF を再生するように MGCP ゲートウェイに要求します。
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