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このドキュメントでは、Generic Transparency Descriptor(GTD)ISUP 透過性の設定について詳しく説明します。また、Cisco PGW2200 が ISUP 情報を渡すための透過的な伝送メカニズムの設定とトラブルシューティング項目についても説明します。
このドキュメントの読者は次のトピックについての専門知識を有している必要があります。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Cisco PGW 2200 ソフトウェアリリース 9.3(2) および 9.4(1)
Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.3 または 12.3T
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
ISUP 透過性により、ISUP メッセージおよび情報要素をイングレス Cisco PGW 2200(SG1)から IP ネットワーク経由でイーグレス Cisco PGW 2200(SG2)へ伝送できるようになります。SG2 では ISUP メッセージが再パッケージされ、PSTN/SS7 ネットワークに送信されます。この機能は、シグナリング情報を何も失わずに PSTN ネットワークからのコールを IP ネットワーク経由で PSTN ネットワークへ転送しなおすことができるため重要です。ISUP 透過性は、Cisco の GTD メカニズムを使用して実現します。GTD により、PSTN ネットワークで使用される各種プロトコルのメッセージをプレーン テキスト形式で指定することができます。このため、IP ネットワーク内のネットワーク要素、または PSTN と IP の境界にあるネットワーク要素が、これらのメッセージを容易に認識できます。
注:SS7のオーバーラップSubsequent Address Message(SAM)がSG1で使用されている場合(図1)、NI2+はEnblocのみの使用に限定され、オーバーラップ送信は使用されません。これは NI2+ の仕様によるものです。つまり、SS7 の SS7 リンクが SS7 Initial Address Message(IAM)を受信し、続いて SAM を受信すると、終端の SG2 が情報を Enbloc または 1 つの IAM メッセージとして SS7 リンクで転送します。
図 1:
NI2+ は Bell_1268、Telcordia Technologies Technical Reference TR-NWT-001268 Issue 1(1991 年 12 月)の一部です。この技術リファレンスの 23/434 ページで、Overlap Sending に関連する状態と手順はサポートされていないという説明があります。このソリューションでは Enbloc だけがサポートされています。GTD はデータ転送のためこのギャップを埋めますが、インターワーキング実装をオーバーライドすることはありません。インターワーキング マッピングが GTD により転送される情報と異なるという問題が発生する場合は、ネイティブ プロトコルを GTD よりも優先する必要があります。
次に示す手順を実行します。
PGW 2200 で GTD 情報を作成します。
demask mml>prov-sta::srcver="active",dstver="gtd2" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-17 12:16:08.470 MET M COMPLD "PROV-STA" ; demask mml>prov-add:gtdparam:name="ISUP",gtdparamstring="All" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-17 12:16:18.438 MET M COMPLD "gtdparam" ;
注:システムでGTDを有効にすると、個々の選択に関係なく、ISUPパラメータコードは常に許可されます。
Event Information(EVI)
Known Field Compatibility Information(FDC)
Global Call Identification(GCI)
Message Compatibility Information(MCI)
Parameter Compatibility Information(PCI)
Protocol Name(PRN)
たとえば、設定されているパラメータを変更してすべての GTD パラメータをサポートするようにするには、次のコマンドを入力します。
mml>prov-add:gtdparam:name="ISUP",gtdparamstring="ALL"
もう 1 つの例では、設定されている GTD パラメータを変更して選択されている GTD パラメータをサポートするようにするため、次のコマンドを入力します。
mml>prov-ed:gtdparam:name="ISUP", gtdparamstring="BCI, CPC, CGN, CIC, CPN, MCR" demask mml> prov-add:sigsvcprop:name="signas1",gtdcaptypeprop="ISUP" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-17 12:16:31.402 MET M COMPLD "sigsvcprop: WARNING: Restart may be needed based on the property(s) added/modified. Refer to MGC Provisioning Guide." ; demask mml> prov-add:sigsvcprop:name="ss7path",IsupTransparencyDisabled="0" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-28 11:32:14.557 MET M COMPLD "sigsvcprop: WARNING: Restart may be needed based on the property(s) added/modified. Refer to MGC Provisioning Guide." ; demask mml> prov-cpy MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-17 12:16:52.642 MET M COMPLD "PROV-CPY" ;demask mml>
プロパティ値を変更した場合、変更を反映するには再起動する必要があります。詳細については、『MML 基本情報』ドキュメンテーションの表 4-4 を参照してください。
PGW 2200 で GTD の設定を確認します。
注:ボールドタイプの項目は、MML prov-rtrv:gtdparam:name="isup"コマンドのGTDに関連する重要な項目です。
図 2:FastConnect プロパティの情報demask mml> prov-rtrv:gtdparam:name="isup" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-17 12:17:30.914 MET M RTRV "session=gtd2:gtdparam" /* NAME = isupDESC = notSet GTDPARAMSTRING = ALL OVERRIDESTRING = NONE */ ; !--- Check the profile to the Network Access Server (NAS) !--- Redundant Link Manager (RLM) group (NASPATH). demask mml> prov-rtrv:sigsvcprop:name="signas1" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-17 12:21:30.549 MET M RTRV "session=gtd2:sigsvcprop" /* ADigitCCPrefix = 0 AInternationalPrefix = NULL ANationalPrefix = NULL BcInitState = OOS BDigitCCPrefix = 0 BDigitCCrm = NULL BInternationalPrefix = NULL BNationalPrefix = NULL BothwayWorking = 1 CCOrigin = NULL CGBA2 = 0 CLIPEss = 0 CompressionType = 1 CorrelationCallIDFormat = 0 CotInTone = 2010 CotOutTone = 2010 <Press 'SPACE' for next page, 'Enter' for next line or 'q' to quit this output> CotPercentage = 0 ExtCOT = Loop FastConnect = 0
図 3:FastConnect = 0 の例
FastConnect:デフォルト値では、有効な「call-proceeding」が Address Complete Message(ACM)にローカルにマップされます。 このローカル マッピングにより、入力側で出力 ACM が透過的にマッピングされることが防止されます。入力 ACM がすでに送信されている場合、出力 ACM に組み込まれた GTD は後で到着します。
FastConnect = 1:ローカルに生成された NI2+「call-proceeding」メッセージ(GTD 情報なし)が SS7 ACM をトリガーしません。入力 ACM は出力 ACM によりトリガーされ、すべての GTD 情報を維持します。これは、GTD が有効な場合に推奨される値です。Cisco Bug ID CSCdx23349(登録ユーザ専用)を参照してください。
ForwardCLIinIAM = 1 ForwardSegmentedNEED = 1 GLARE = 0 GRA2 = 0 GtdCapTypeProp = ISUP GtdMsgFmt = c !--- GtdMsgFmt can be ‘c’ (compact) or ‘v’ (verbose).
IsupTransEarlyACMEnable = 0:Cisco Bug ID CSCea87770(登録ユーザ専用)を参照してください。 これにより、(Q.699 および H.246 に基づき)NASPATH プロパティ IsupTransEarlyACMEnable が追加されます。ACM は何にもマッピングされません(進行状況メッセージまたはアラート メッセージなし)。 この場合 ISUP 透過性が失われます。
これは、ACM の BCI で次のパラメータが設定されている場合に発生します。
Called Party Status = No Indication
ISUP Indicator = ISUP all the way
ISDN Access Indicator = Terminating access ISDN
No InBand Info available
この状況では、ProgressIndicator=9でProgressメッセージが送信されます。これは、メッセージが正常にマッピングされていない場合にNI2c全体で行われます。PI=9 は「空の」進行状況メッセージです。進行状況情報は実際にはリレーされません。これは、一般に H.246 でメッセージがマップされていない状況で、ISUP 透過性に対処するために GTD 情報をリレーできるようにする空のメッセージです。
早期 ACM では、PI=9 の進行状況メッセージが次の条件で送信されます。
この sigPath で IsupTransEarlyACMEnable フラグが 1 に設定されている。
リモート GTD プロトコルが ISUP プロトコルである。
BCI パラメータが Q.699/H.246 に基づいて進行状況/アラート メッセージにマップされていない。
新しい NASPATH プロパティが追加されたため、これが設定可能になりました。
IsupTransEarlyACMEnable (default = 0)
この空の進行状況メッセージを早期 ACM で送信できるようにするには、1 に設定します。
IOS ゲートウェイでの PI=9 は Cisco Bug ID CSCea86191(登録ユーザ専用)と関連しています。 ゲートウェイで進行状況の検証がオンになっていない場合、IOS は PI の値をチェックしません。このフィックスは Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.3 および 12.3T で利用可能です。
IsupTransEarlyBackwardDisabled = 1:このパラメータについては、『SIP-T および SIP-GTD 機能のサポートの概要』を参照してください。
lapdDropErr = true lapdKval = 7 lapdN200 = 6l apdN201 = 260l apdT200 = 10l apdT203 = 500 NatureOfAddrHandling = 0 Normalization = 0 OMaxDigits = 24 <Press 'SPACE' for next page, 'Enter' for next line or 'q' to quit this output> OMinDigits = 0 OOverlap = 0 OverlapDigitTime = 6 PostConnectToneDuration = 0 PostConnectToneValue = 0 PropagateSvcMsgBlock = true RedirectingNbrMap = 0 RedirMax = 5 ReleaseMode = Async resumeAckTimer = 1 RoutePref = 0 rudpAck = enable rudpKeepAlives = enable rudpNumRetx = 2 rudpRetxTimer = 6 rudpSdm = enable rudpWindowSz = 32 sessionPauseTimer = 8 spanId = ffff SuppressCLIDigits = 0 <Press 'SPACE' for next page, 'Enter' for next line or 'q' to quit this output> T309Time = 90000 T310Time = 30000 TMaxDigits = 24 TMinDigits = 0 TOverlap = 0 VOIPPrefix = 0 */ ; demask mml> !--- Check the ISUP Transparency on the SS7 link (SS7PATH). demask mml>prov-rtrv:sigsvcprop:name="ss7path" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-28 09:55:54.186 MET M RTRV "session=gtd2:sigsvcprop" /* <snip> GRA2 = 0 GRSEnabled = false IsupTransparencyDisabled = 1 !--- ISUP Transparency Disabled – This permits !--- the disabling of the ISUP Transparency feature. !--- Maps to trunk group property IsupTransparencyDisabled. !--- Values are 0 (ISUP Transparency is enabled), 1 !--- (ISUP Transparency is disabled). LocationNumber = 0 <snip> MaxACL = 3 */ ; demask mml>
注:プロファイルのGTDパラメータは、NASにリンクされている場合は変更できません。次に、NAS から GTD へのリンクを削除するコマンドを示します。
demask mml>prov-sta::srcver="active",dstver="gtdremove" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-28 10:15:28.190 MET M COMPLD "PROV-STA" ; demask mml>prov-dlt:sigsvcprop:name="signas1","gtdcaptypeprop" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-28 10:17:37.746 MET M COMPLD "sigsvcprop" ; demask mml>prov-cpy MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-28 10:18:33.144 MET M COMPLD "PROV-CPY" ; demask mml> demask mml>prov-rtrv:sigsvcprop:name="signas1" MGC-01 - Media Gateway Controller 2004-05-28 10:20:25.961 MET M RTRV "session=gtdremove:sigsvcprop" /*
これにより、GTD セッションが削除されたことが通知されます。
IOS ゲートウェイで、グローバル コマンドを設定します。
voice service voip signaling forward unconditional
シリアル インターフェイスでコマンド isdn gtd のオン/オフを切り替えることができます。
ゲートウェイの GTD 設定を確認します。
debug isdn q931 debug voice ccapi inout debug voip rawmsg debug gtd detail debug gtd error debug gts events debug gtd parser
注:問題が発生した場合は、シスコテクニカルサポートで開いたサービスリクエストにこの情報を挿入してください。
GTD をサポートするイメージを使用して設定されているイングレス Cisco ゲートウェイは、GTD 情報を作成してこの情報をロー メッセージに挿入します。これはイーグレス ゲートウェイに渡されます。イーグレス ゲートウェイの ISDN スタックが VoIP からこのロー メッセージを受信し、SETUP で FACILITY メッセージを送信します。この情報が不要な場合は、対応するダイヤルピアで CLI signaling forward rawmsg を使用してオフにします(あるいは voice service voip で signaling forward rawmsg をオンにします)。 コマンド no isdn gtd は、ISDN スタックが GTD を作成しないようにします。
問題が発生した場合は、PGW 2200 MDLトレースを収集します。次の手順を使用して、MMLコマンドsta-sc-trc (Start Trace)を使用してMDLトレースを収集します。
コールが行われる、発信 SS7 SigPath 番号または発信 TrunkGroup 番号を特定してください。
/opt/CiscoMGC/bin/log_rotate.sh で log:run スクリプトをローテーションします。
次のコマンドを入力して MDL トレースを開始します。
mml>sta-sc-trc:, CONFIRM
テストを実行します(コール発信します)。
次のコマンドを入力して MDL トレースを停止します。
mml>stp-sc-trc:all
不正コールのコール ID(C:)を特定します。
このテスト コールをテスト環境で発信すると、1 つの CALL_ID だけが表示されます。
注:これらのファイルには、キャプチャが実稼働のCisco PGW 2200で行われた場合に、すべてのコールが混在した多数のコールからのトレースが含まれている可能性があります。ファイルの各トレース レコードには、特定のレコード タイプがあり、そのレコードに関連するタイプの情報が記録されます。各レコードには、特定のコールにそのレコードを関連付けるコール ID があります。
MDL トレースを判読可能な形式に変換します。
get_trc.sh
プロンプトでコール ID を入力すると、不正なコールの MDL トレースにジャンプできます。
option C を選択してトレース ファイルを変換します。
注:.btrファイルは、Cisco PGW 2200トレーサ機能によって生成されるバイナリトレースファイルです。ファイル名の主要部分は Cisco PGW 2200 MML コマンド sta-sc-trc に指定されます。PGW 2200 は常にこれらのファイルに .btr 拡張子を追加します。C オプションを使用すると、ファイルはテキスト形式に変換され、拡張子が .trc(テキスト トレース ファイル)になります。このファイルには、ファイルを作成したシミュレーション リプレイで実行された MDO コードからの行単位の詳細なトレース情報が含まれています。したがって、MDL トレースが含まれています。
このトレース ファイルは /opt/CiscoMGC/var/trace にあります。
/opt/CiscoMGC/var/log にある platform.log ファイルを収集します。
場合によっては、シスコ テクニカル サポートのエンジニアから、テクニカル サポート ケースの処理中に、報告された問題に関連する他の platform.log 情報を求められることがあります。