このドキュメントは自己発行ワークフローに移行されました。最初にhttps://www.cisco.com/c/en/us/support/docs/voice/call-routing-dial-plans/42720-configuring-cor.htmlに公開されました。
このドキュメントは現在のガイドラインに合わせて更新する必要があります。また、この注意事項は発行前に削除する必要があります。このドキュメントをプレビュー用に発行する場合は、ドキュメントIDが42720であり、URLがこの段落にある元のURLと一致していることを確認してください。ドキュメントIDまたはURLが一致しない場合は、tz-writers@cisco.comにお問い合わせください。
はじめに
このドキュメントでは、制限クラス(COR)を設定する方法について説明します。
CORは、サービスクラス(COS)または発信権限の割り当てを可能にするCisco音声ゲートウェイ機能です。これは、Cisco Survivable Remote Site Telephony(SRST)および Cisco CallManager Express で最も一般的に使用されますが、ダイヤル ピアに適用できます。
COR 機能により、ダイヤルピアに配布される発着信 COR に基づいて特定のコール試行を拒否できる機能が提供されます。COR が必要となるのは、一部の電話機については機能を制限して特定タイプのコールだけを発信するようにしたいが、その他の電話機では一部の電話機で制限したコールを発信できるようにしたい場合です。
COR を使用して、コールするときにどの発信ダイヤルピアがどの着信ダイヤルピアコールを使用できるかを指定します。各ダイヤルピアは、着信および発信 COR リストでプロビジョニングできます。corlist コマンドにより、ダイヤルピアの COR パラメータと、Cisco CallManager Express ルータに関連付けられた Cisco IP Phone 用に作成された電話番号が設定されます。COR 機能により、ダイヤルピアに配布される発着信 COR に基づいて特定のコール試行を拒否できる機能が提供されます。この機能は、ネットワーク設計に柔軟性を提供し、ユーザはコールをブロックできるようになります(たとえば、900 番へのコールをブロックするなど)。また、さまざまな発信者からのコール試行に、それぞれ異なる制限を適用できます。
着信ダイヤルピアで(着信コールに対して)適用される COR がスーパーセットであるか、発信ダイヤルピアで(発信コールに対して)適用される COR と同等である場合、そのコールは通されます。着信と発信は「音声ポート」に関するものを指します。COR は、よくロックとキー メカニズムと呼ばれます。ロックは、発信 COR リストを使用してダイヤルピアに割り当てられます。キーは、着信 COR リストを使用してダイヤルピアに割り当てられます。
たとえば、ルータの Foreign Exchange Station(FXS)ポートの 1 つに電話をフックアップして、その電話からコールしようとする場合、ルータの音声ポートから見ると着信コールとなります。同様に、その FXS 電話にコールすると、それは発信コールとなります。
デフォルトでは、着信コール区間には最高の COR 優先度が与えられ、発信 COR リストには最低の COR 優先度が与えられています。つまり、あるダイヤルピアで着信コール用の COR 設定がされていない場合には、そのダイヤルピアの COR 設定とは無関係に、このダイヤルピア(このダイヤルピアに接続されている電話)から、他のダイヤルピア経由でのコールが可能です。
この文書では COR 設定方法の例を示します。
前提条件
要件
この設定を開始する前に、ルータでのCisco IOS® Telephony Serviceの設定方法に精通していることを確認してください。Cisco IOS Telephony Service バージョン 3.0 は、CallManager Express 3.0 と呼ばれます。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
-
最小限のIP Plus(Cisco 1700シリーズでのIP/VOX Plus)機能セットを備えたCisco IOSソフトウェアリリース12.2(8)T以降。この文書では、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(8)T 以降での Cisco IOS Telephone Services (ITS) 2.0 サポートを想定しています。ITS および Cisco IOS ソフトウェア リリースの詳細については、『Cisco IOS Telephony Services Version 2.1』を参照してください。
-
設定例では、IP Plus 機能セット付きの Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.3(4)T がインストールされた Cisco 3725 Gateway が使われていますが、現在、ほとんどの IAD 2400 と 1700、2600、2800、3600、3700、3800 シリーズのルータを適用できます。Cisco CallManager Express 3.0 は Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.4(10) でサポートされます。現在のバージョンとソフトウェアのサポート情報については、Cisco IOS のリリース ノートを確認してください。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
表記法
表記法の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
COR の設定:例
図 1 は、COR リストの概念について示しています。
COR 設定方法の例として次の手順を使います。
ephone-dn |
着信ダイヤルピア上の COR リスト |
コール パターン |
1001 |
エンジニアリング |
911、408....(local_call)および316...番号 |
1002 |
HR |
911、1800....、408....(local_call)および316...番号 |
1003 |
マネージャ |
911、1800....、1900....、408....(local_call)および316...番号 |
1004 |
none |
ルータ R1 から可能なすべての番号をコールできる |
-
dial-peer cor custom を設定して、COR をダイヤルピアに適用する有意な名前を割り当てます。例:
Dial-peer cor custom
name 911
name 1800
name 1900
name local_call
-
ダイヤルピアに適用する制限の実際のリストを作成します。
Dial-peer cor list call911
Member 911
Dial-peer cor list call1800
Member 1800
Dial-peer cor list call1900
Member 1900
Dial-peer cor list calllocal
Member local_call
Dial-peer cor list Engineering
Member 911
Member local_call
Dial-peer cor list Manager
Member 911
Member 1800
Member 1900
Member local_call
Dial-peer cor list HR
Member 911
Member 1800
Member local_call
-
ダイヤルピアを作成して、使用する COR リストを指定します。
この例では、宛先番号408...、1800...、1900...、911、および316...に対して5つのダイヤルピアが作成されます。各ダイヤルピアに適切な corlist が適用されます。
Dial-peer voice 1 voip
Destination-pattern 408….
Session target ipv4:1.1.1.1
Corlist outgoing calllocal
Dial-peer voice 2 voip
Destination-pattern 1800…
Session target ipv4:1.1.1.1
Corlist outgoing call1800
Dial-peer voice 3 pots
Destination-pattern 1900…
Port 1/0/0
Corlist outgoing call1900
Dial-peer voice 4 pots
Destination-pattern 911
Port 1/0/1
Corlist outgoing call911
Dial-peer voice 5 pots
Destination-pattern 316….
Port 1/1/0
注:ダイヤルピア5 POTSに適用されるCORはありません。
注:着信ダイヤルピアまたは発信ダイヤルピアのいずれかにCORリストが適用されていない場合、コールは成功します。
Cisco CallManager Express システムを設定するためにテレフォニーサービス コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで telephony-service コマンドを使用します。デフォルトでは、Cisco CallManager Express や ITS 設定はありません。
-
個々の phone/Ephone-dn に COR リストを適用します。
Ephone-dn 1
Number 1001
Cor incoming Engineering
Ephone-dn 2
Number 1002
Cor incoming HR
Ephone-dn 3
Number 1003
Cor incoming Manager
Ephone-dn 4
Number 1004
注:Ephone-dn 4 に適用される COR はありません。
上記の設定により:
-
Ephone-dn 1(1001)は、408...、911、および316...の番号にコールできます。
-
Ephone-dn 2(1002)は、408...、1800...、911、および316...の番号をコールできます。
-
Ephone-dn 3(1003)はルータから可能なすべてのメンバーにコール可能。
-
Ephone-dn 4(1004)はルータから可能なすべてのメンバーにコール可能。
注:すべてのEphone-dnは316...の番号に発信できます。
さまざまな組合せの COR リストとその結果を、次の表に示します。
着信ダイヤルピア上の COR リスト |
発信ダイヤルピア上の COR リスト |
結果 |
原因 |
COR なし |
COR なし |
コール成功 |
COR がないため。 |
COR なし |
発信コールに適用される COR リスト。 |
コール成功 |
COR が適用されないと、着信ダイヤルピアはデフォルトで最高の COR 優先度を持ちます。したがって、あるダイヤルピアへの着信コール区間で COR を適用しない場合、このダイヤルピアは、発信ダイヤルピアの COR 設定にかかわらず、他のダイヤルピア経由でのコールが可能です。 |
着信コールに適用される COR リスト。 |
COR なし |
コール成功 |
発信ダイヤルピアは、デフォルトでは最低の優先度を持ちます。着信/生成側ダイヤルピア上で着信コールのための何らかの COR 設定があるので、それは発信/終端側ダイヤルピア上での発信コール COR 設定のスーパーセットになります。 |
着信コールに適用される COR リスト(発信ダイヤルピア上で発信コールに適用される COR リストのスーパーセット)。 |
発信コールに適用される COR リスト(着信ダイヤルピア上で着信コールに適用される COR リストのサブセット)。 |
コール成功 |
着信ダイヤルピア上での着信コール用の COR リストは、発信ダイヤルピア上での発信コール用の COR リストのスーパーセットです。 |
着信コールに適用される COR リスト(発信ダイヤルピア上で発信コールに適用される COR リストのサブセット)。 |
発信コールに適用される COR リスト(着信ダイヤルピア上で着信コールに適用される COR リストのスーパーセット)。 |
この発信ダイヤル ピアを使用して、コールを完了することはできません。 |
着信ダイヤルピア上での着信コール用の COR リストは、発信ダイヤルピア上での発信コール用の COR リストのスーパーセットではありません。 |
COR と Cisco CallManager
-
Cisco IOS ソフトウェアの COR 機能は、Cisco CallManager コーリング サーチ スペースとパーティションに類似しています。
-
Cisco IOS ソフトウェアは、ダイヤル ピアの照合によって制限を設けます。Cisco CallManager は、ディジット分析に基づいて、それを実行します。
-
dial-peer cor custom コマンドを実行すると、Cisco CallManager パーティションの作成と同様の処理が行われます。
-
dial-peer cor list コマンドを実行すると、パーティションを設定した Cisco CallManager コーリング サーチ スペースの作成と同様の処理が行われます。
パーティションとコーリング サーチ スペースにより、コール制限を実装する機能と、同じ Cisco CallManager 上にクローズ型のダイヤル グループを作成する機能が提供されます。COR の動作と、Cisco CallManager コーリング サーチ スペースおよびパーティションの機能は、類似しています。Cisco CallManager が実行できて COR は実行できないこととして、個別の回線、デバイスのコーリング サーチ スペースおよびパーティションが挙げられます。
確認
このドキュメントで説明する設定をルータに入力したら、ネットワークが正常に動作していることを確認することが重要です。ここに示すコマンドとそれぞれの出力により、このドキュメントで説明した設定が正しく実装されていることを確認できます。
特定の show コマンドは、Output Interpreter Tool(登録ユーザ専用)によってサポートされています。このツールを使用すると、show コマンド出力の分析を表示できます。
ここに、このドキュメントの設定に関連するコマンドの出力例を示します。
Router3725#show ephone-dn summary
PORT DN STATE MWI_STATE CODEC VAD VTSP STATE VPM STATE
======== ========== ============ ======== === ===================== =========
50/0/1 CH1 IDLE NONE - - - EFXS_ONHOOK
50/0/2 CH1 IDLE NONE - - - EFXS_ONHOOK
50/0/3 CH1 IDLE NONE - - - EFXS_ONHOOK
50/0/4 CH1 IDLE NONE - - - EFXS_ONHOOK
Router3725#show telephony-service dial-peer
dial-peer voice 20001 pots
destination-pattern 1001
calling-number local
huntstop
corlist incoming Engineering
progress_ind setup enable 3
port 50/0/1
dial-peer voice 20002 pots
destination-pattern 1002
calling-number local
huntstop
corlist incoming HR
progress_ind setup enable 3
port 50/0/2
dial-peer voice 20003 pots
destination-pattern 1003
calling-number local
huntstop
corlist incoming Manager
progress_ind setup enable 3
port 50/0/3
dial-peer voice 20004 pots
destination-pattern 1004
calling-number local
huntstop
progress_ind setup enable 3
port 50/0/4
Router3725#show dial-peer cor
Class of Restriction
name: 911
name: 1800
name: 1900
name: local_call
COR list <call911>
member: 911
COR list <call1800>
member: 1800
COR list <call1900>
member: 1900
COR list <calllocal>
member: local_call
COR list <Engineering>
member: 911
member: local_call
COR list <Manager>
member: 911
member: 1800
member: 1900
member: local_call
COR list <HR>
member: 911
member: 1800
member: local_call
トラブルシュート
このセクションでは、設定のトラブルシューティングに役立つ情報を紹介します。
設定が正しいことを確認するため、IP WAN または PSTN を介したゲートウェイ経由で何回かテスト コールを行ってみてください。ターゲット ゲートウェイで debug を実行すると、ゲートウェイ経由で着信するコールの呼び出し音があるかどうかを確認できます。
トラブルシューティングについての追加情報は、Cisco IOS Telephony Service(ITS)の設定とトラブルシューティングの指示を参照してください。
注:debugコマンドを使用する前に、『debugコマンドの重要な情報』を参照してください。