Cisco IOS Telephony Service(ITS)は、Cisco Architecture for Voice, Video, and Integrated Data(AVVID)に適応する Cisco IOS® ソフトウェアに統合された IP テレフォニー呼処理ソリューションで、以前は IP Keyswitch として知られていました。 基本的な概念は、最小限の PBX/キー スイッチの機能を、音声ゲートウェイに直接取り付けられている数台の IP Phone に提供するものです。Cisco ITS は、WAN または衛星回線を通した WAN 接続のいずれも備えていないブランチ オフィスに導入することが可能です。
Cisco ITS は、お客様が Cisco CallManager に見られる電話機能すべてを必ずしも必要としない現場に、テレフォニー サービスの追加を希望する状況にかなっています。このドキュメントでは、サンプル ネットワークでの ITS 機能の導入例を示します。
注:Cisco ITSは、Cisco CallManagerと組み合わせて使用されるSurvivable Remote Site Telephony(SRST)機能と同じでも、同じ機能でもありません。
設定を開始する前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。
Cisco IOS Telephony Service バージョン 2.01 を熟知していること。
IP アドレッシング、DHCP、Network Time Protocol(NTP)、TFTP、および HTTP のような TCP/IP の基礎の基本的知識。
コマンドライン インターフェイス(CLI)の設定など、Cisco IOS ソフトウェアの基礎の基本的知識。
ダイヤルピア、音声ポート、および Quality of Service(QoS)の設定など、Voice over IP(VoIP)の基礎の基本的知識。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
最小限の IP Plus(1700 シリーズでの IP/VOX Plus)機能セットを備えた、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(8)T 以降。このドキュメントでは、Cisco IOS ソフトウェアでサポートされている Cisco ITS 2.0 を想定しています。
ほとんどの IAD 2400、1700、2600、3600、および 3700 シリーズのルータを現在適用できますが、設定例では IP PLUS 機能セットを備え、IOS ソフトウェア リリース 12.2(11)T が稼働する Cisco 3660 ゲートウェイが使用されています。現在のバージョンおよびソフトウェアのサポート情報については、Cisco IOS ソフトウェアのリリース ノートを確認してください。
この例では、Cisco ITS 2.0.3 ソフトウェア バンドルが使用されています。このバンドルは、ソフトウェアのダウンロード:Cisco CallManager Express/ITS and SRST(登録ユーザ専用)からダウンロードする必要があります。
Cisco ITS のサポートを受けるには、各プラットフォームに最大量のメモリを用意することを推奨しています。特に、プラットフォームに最大数の電話と識別名(DN)を設定する場合には、最大量のメモリが必要です。
この例では、ブランチ オフィスのスイッチとして、Catalyst 3500 シリーズ XL スイッチが使用されています。品質とセキュリティ上の理由から、音声とデータには別々の VLAN を設定します。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
このドキュメントでは次の図に示すネットワーク構成を使用しています。
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
次の表では、別々の VLAN を介した音声およびデータ転送に関する情報を指定します。また、ネットワーク、インターフェイスのアドレス、およびポートも指定します。
目的 | VLAN | Network | インターフェイス | インターフェイス アドレス |
---|---|---|---|---|
Data | 50 | 10.1.50.0/24 | Fa0/0.50 | 10.1.50.1/24 |
音声 | 150 | 10.1.150.0/24 | Fa0/0.150 | 10.1.150.1 / 24 |
Cisco ITS ルータは、IP Plus 機能セットを備え、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(11)T が動作する 3660 です。Cisco ITS のファイルは、.tar または .zip 形式で、ソフトウェアのダウンロード:Cisco CallManager Express/ITS and SRST(登録ユーザ専用)からダウンロードする必要があります。
解凍したら、各ファイルは、TFTP を通じてルータのフラッシュに転送する必要があります。フラッシュは、個々のファイルをコピーするたびに削除しないでください。次は、Cisco ITS 2.0.3 にあるファイルの一覧です(これらすべてのファイルが必要なわけではありません)。
ファイル名 | 説明 |
---|---|
P003G302.bin | Cisco 7910 IP Phone 用の Cisco ITS で使用される電話ロード ファイル。電話ロード ファイルには、以前のバージョンのいくつかの修正について説明する個別のリリース ノートが含まれています。(必須) |
P004G302.bin | Cisco 7960 IP Phone 用の Cisco ITS で使用される電話ロード ファイル。電話ロード ファイルには、以前のバージョンのいくつかの修正について説明する個別のリリース ノートが含まれています。(必須) |
admin_user.html | システムを設定できる管理者の Web ページ |
ephone_admin.html | 電話管理の Web ページ。 |
normal_user.html | 電話の転送およびその他の機能を管理する(管理者ではない)ユーザの Web ページ。 |
telephony_service.html | 各ユーザが管理者として電話を設定したり、システムを設定するためにアクセスするトップレベルの Web ページ。(オプション) |
logohome.gif | |
en_dest_busy.au | 話中の内線用のオーディオによる指示のサンプル。its_Cisco.2.0.0.tcl スクリプトで使用。 |
en_dest_unreachable.au | 到達不能の内線用のオーディオによる指示のサンプル。its_Cisco.2.0.0.tcl スクリプトで使用。 |
en_disconnect.au | 切断されたか未登録の内線用のオーディオによる指示のサンプル。its_Cisco.2.0.0.tcl スクリプトで使用。 |
en_enter_dest.au | ユーザによる宛先入力用のオーディオによる指示のサンプル。its_Cisco.2.0.0.tcl スクリプトで使用。 |
en_reenter_dest.au | ユーザによる宛先再入力用のオーディオによる指示のサンプル。its_Cisco.2.0.0.tcl スクリプトで使用。 |
en_welcome.au | ユーザのグリーティング用のオーディオによる指示のサンプル。its_Cisco.2.0.0.tcl スクリプトで使用。 |
its_Cisco.2.0.0.tcl | コールを内線にルートできる自動応答機能のサンプル用の TCL スクリプト。サンプルの .au ファイルを使用して、ユーザにグリーティングし、番号の入力を指示し、希望する宛先にコールをルートします。 |
music-on-hold.au | 保留音に使用する音声ファイルのサンプル。 |
次のファイルも、Cisco ITS-2.0.3.zip ファイルの一部ですが、ITS ルータのフラッシュに置く必要はありません。
ファイル名 | 説明 |
---|---|
CiscoIOSTSP.zip | このテレフォニー アプリケーション プログラミング インターフェイス(TAPI)サービス プロバイダー(TSP)は、Cisco ITS 用に開発され、TAPI(Windows 2000 オペレーティング システムの一部)および ITS 間のインターフェイスとして機能します。TSP を使用すると、フォーン ダイヤラおよび ACT! ソフトウェアなどの TAPI ベースのアプリケーションは、Cisco ITS 上で IP Phone のコール制御を行うことができます。Cisco ITS での TAPI の実装は、完全な TAPI スタックではありませんが、“TAPI Lite” の実装です。次の機能をサポートしています。
注:Cisco CallManagerに同梱されているTSPは、ITSではサポートされていません。 |
Cisco ITS は、IP Phone および Cisco CallManagers が、Catalyst スイッチを通じて音声ゲートウェイに接続される LAN で動作します。音声データを伝送する VLANS に対して、これらのデバイスを正しく設定することは非常に重要です。このセクションでは、Catalyst 3500XL の設定の概要と、音声ゲートウェイ 3660 ルータでの対応する LAN 接続について説明します。
音声およびデータ VLAN は、次の例に示すように、未設定のスイッチで設定する必要があります。
Cat3500BranchSwitch# vlan database Cat3500BranchSwitch(vlan)# vlan 50 name corporate-data-vlan VLAN 50 added: Name: corporate-data-vlan Cat3500BranchSwitch(vlan)# vlan 150 name corporate-voice-vlan VLAN 150 added: Name: corporate-voice-vlan Cat3500BranchSwitch(vlan)# Cat3500BranchSwitch(vlan)# exit APPLY completed. Exiting.... Cat3500BranchSwitch#
次の例は、Catalyst 3500XL および 3660 ルータ間のインターフェイスの設定例です。
interface FastEthernet0/1 description Port to 3660 (supports Dot1q) duplex full speed 100 switchport trunk native 50 switchport trunk encapsulation dot1q switchport trunk allowed vlan 1,50,150,1002-1005 switchport mode trunk !
次は、電話接続に使用されるポートの例です。
interface FastEthernet0/2 description DOT1Q port to IP Phone switchport trunk encapsulation dot1q switchport trunk native vlan 50 switchport mode trunk switchport voice vlan 150 spanning-tree portfast !
詳細については、「Catalyst 2900 シリーズ XL および Catalyst 3500 シリーズ XL スイッチ」を参照してください。
次のステップにしたがって、Cisco ITS ルータ上で VLAN を設定します。
最初のステップとして、次に示すように、3660 のインターフェイスに QoS パラメータと VLAN を設定します。
! class-map match-all L3-to-L2_VoIP-Cntrl match ip dscp af31 class-map match-all L3-to-L2_VoIP-RTP match ip dscp ef ! ! policy-map output-L3-to-L2 class L3-to-L2_VoIP-RTP set cos 5 class L3-to-L2_VoIP-Cntrl set COs 3 !
次に、これらのポリシーをインターフェイスに適用し、VLAN を作成します。
interface FastEthernet0/0 description Catalyst 3500 Branch Office Switch no ip address no ip mroute-cache load-interval 30 speed 100 full-duplex ! interface FastEthernet0/0.50 encapsulation dot1Q 50 ip address 10.1.50.1 255.255.255.0 service-policy output output-L3-to-L2 ! interface FastEthernet0/0.150 description native subnet 10.1.150.0 voice encapsulation dot1Q 150 ip address 10.1.150.1 255.255.255.0 service-policy output output-L3-to-L2 !
詳細については、「Catalyst 2900 シリーズ XL および Catalyst 3500 シリーズ XL スイッチ」を参照してください。
次のステップでは、3660 ルータで DHCP サーバを設定する必要があります。このステップは、外部 DHCP サーバがある場合にだけ必要で、IP アドレスが静的に設定されている場合は必要ありません。次の例では、その他の VLAN 上の IP Phone およびその他のデバイス用の DHCP の範囲を示しています。
ip dhcp excluded-address 10.1.50.1 10.1.50.10 ip dhcp excluded-address 10.1.150.1 10.1.150.10 ! ip dhcp pool ip-phones network 10.1.150.0 255.255.255.0 !--- This defines the range of IP addresses to be assigned. default-router 10.1.150.1 option 150 ip 10.1.150.1 !--- This must be the IP address of the ITS router. ! ip dhcp pool Data-clients network 10.1.50.0 255.255.255.128 default-router 10.1.50.1 domain-name cisco.com dns-server 10.1.50.100 netbios-name-server 10.1.50.100 !
注:特定のデバイスに対してのみDHCPを有効にする場合は、hostコマンドを使用してDHCPスコープを作成できます(上記のnetworkコマンドの代わりに)。 IP アドレスを与える IP Phone 用には、client-identifier およびハードウェア アドレスも設定する必要があります。client-identifier には、電話の 01 + MAC アドレスを指定し、ハードウェア アドレスにはパラメータとして電話の MAC アドレスを含める必要があります。
詳細については、「Cisco IOS DHCP サーバ」を参照してください。
IP Phone は Cisco ITS ルータから日付/時刻の設定を受信するため、ルータでは時計が正確に設定されていることを確認することが重要です。可能であれば、NTP を設定することを強く推奨します。タイム ゾーンを指定し、必要に応じて、サマータイムを指定して、NTP サーバを設定します。次に例を示します。
its-router(config)# clock time EST -5 its-router(config)# clock summer-time EST recurring its-router(config)# ntp server 172.18.106.15
NTP の詳細については、「基本的なシステム管理の実施」を参照してください。
3660 上に Cisco ITS を設定するには、次の設定を入力する必要があります。
telephony-service load 7910 P004G302 !--- This is the load file minus the .bin extension. !--- Only the 7910, 7940/7960, and 7935 IP Phones are supported. load 7960-7940 P003G302 !--- This is the load file minus the .bin extension. ip source-address 10.1.150.1 port 2000 !--- This is the ip address of the Cisco ITS router on the voice subnet. max-ephones 48 !--- This is the total number of phones that will be allowed to register. !--- The maximum varies by platform and sometimes by software level. max-dn 192 !--- This is the maximum number of directory numbers that can be configured !--- on this gateway (maximum varies by platform and sometimes by software level). voicemail 52222 !--- This is the number that will be dialed when the "Messages" !--- button is pressed on the phone (optional). !
残りのコマンドの大部分はオプションです。必須なのは "load" ステートメント(すべてのコマンドがすべての電話に必要なわけではありません)で、ip source-address、max-ephones、および max-dn コマンドです。
注:Cisco ITSルータは、3.1より前のバージョンのCisco CallManagerからのロードファイルを扱うように設計されています。たとえば、それらは XML ファイルからではなく、SEPDEFAULT.cnf ファイルから設定を取得するロード ファイルです。このコマンドが次の設定にあることを確認します。
tftp-server flash:XMLDefault.cnf.xml
その他の telephony-service オプションは、次の例で示します。
Its-router(config-telephony)# telephony-service its-router(config-telephony)# ? Cisco IOS Telephony Service configuration commands: admin-password define password for admin user admin-username define username for admin user date-format Set date format for IP Phone display default Set a command to its defaults dialplan-pattern Define E.164 telephone number prefix directory Define directory naming order dn-webedit enable Edit DN through Web exit Exit from telephony-service configuration mode ip Define IP address and port for Telephony-Service/Fallback keepalive Define keepalive timeout period to unregister IP phones load Select the IP phone firmware load file max-conferences Define max number of 3 party G.711 conferences max-dn Maximum directory numbers supported max-ephones Define max number of IP phones moh Define music-on-hold filename mwi Define IP address and port for MWI Server no Negate a command or set its defaults reset reset ethernet phone time-format Set time format for IP Phone display time-webedit enable Edit Time through Web timeouts Define timeout value for IP phone transfer-pattern Define valid call transfer destinations url Define Ephone URL's voicemail Set the voicemail access number called when the MESSAGES IP phone button is pressed its-router(config-telephony)#
注意:日付や時刻の形式の変更など、テレフォニーサービスに対して変更を行うと、多くの場合、電話のリセットが必要になります。max-ephones または max-dn 設定の変更など、いくつかのオプションでは、完全なルータのリロードが必要です。すべての電話をリセットするには、次を入力します。
its-router(config-telephony)# telephony-service its-router(config-telephony)# reset all
これらのオプションのいくつかについては、次のセクションで説明します。その他については、「Cisco IOS Telephony Service バージョン 2.01」を参照してください。
次のステップにしたがって、ITS ルータ上で TFTP を設定します。
すべてのファイルがルータのフラッシュに適切に転送されていることを確認します。少なくとも、ロード ファイル P003G302.bin および P004G302.bin はロードされる必要があります。ロードされた後には、フラッシュは次の例のようである必要があります。
Its-router# show flash System flash directory: File Length Name/status 1 16084816 c3660-is-mz.122-11.T 2 229542 admin_user.html 3 42484 en_dest_busy.au 4 26376 en_dest_unreachable.au 5 14352 en_disconnect.au 6 19512 en_enter_dest.au 7 17167 en_reenter_dest.au 8 17486 en_welcome.au 9 4152 ephone_admin.html 10 5968 its_Cisco.2.0.0.0.tcl 11 29092 logohome.gif 12 496521 music-on-hold.au 13 35138 normal_user.html 14 268008 P003G302.bin 15 258360 P004G302.bin 16 522 telephony_service.html 17 54 SEPDEFAULT.cnf !--- This file will not show up until telephony-service is configured. 18 249 XMLDefault.cnf.xml !--- This file will not show up until telephony-service is configured. [17551227 bytes used, 49033349 available, 66584576 total] 65536K bytes of processor board System flash (Read/Write) its-router#
設定では、IP Phone で TFTP によって Cisco ITS ルータから、ロード ファイルをダウンロードできるようにする必要があります。これらのファイル名は、大文字と小文字の区別があることに注意してください。
tftp-server flash:P003G302.bin tftp-server flash:P004G302.bin tftp-server flash:SEPDEFAULT.cnf tftp-server flash:XMLDefault.cnf.xml
SEPDEFAULT.cnf ファイルおよび XMLDefault.cnf.xml ファイルは、telephony-service および ip source-address コマンドが実行されたときに自動的に作成されます。
XMLDefault.cnf.xml ファイルには、ATA アダプタの登録先であるルータのイーサネット ポートのうちの 1 つの、IP アドレスが含まれます。これらのファイルはルータに固有のもので、複数のルータでは共有できません。
次のステップにしたがって、ITS ルータ上で IP Phone を設定します。
この時点で、IP Phone が接続され DHCP アドレスを受け取ったら、IP Phone は Cisco ITS ルータに登録できます。IP Phone には回線が設定されていません。電話機の登録は、次のように show ephone コマンドを発行し、出力を確認して検証できます。
its-router# show ephone ephone-1 Mac:0006.D74B.0F46 TCP socket:[1] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0 IP:10.1.150.10 50568 Telecaster 7960 keepalive 889 max_line 6 ephone-2 Mac:0006.D74B.1361 TCP socket:[2] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0 IP:10.1.150.11 52397 Telecaster 7960 keepalive 872 max_line 6 ephone-3 Mac:0006.D74B.107C TCP socket:[3] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0 IP:10.1.150.12 51116 Telecaster 7960 keepalive 871 max_line 6 ephone-4 Mac:0008.E31B.7A8A TCP socket:[5] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0 IP:10.1.150.13 50321 Telecaster 7960 keepalive 867 max_line 6 its-router#
これでこれらの電話機は、CLI または Web 管理から設定できます。(このドキュメントの「Cisco ITS ルータの Web 管理の設定」セクションを参照してください)。 Cisco 7910 IP Phone の特別な設定情報については、「7910 IP Phone のための Cisco ITS の設定」セクションを利用できます。
! ephone-dn 1 number 1000 name George P Burdell call-forward noan 52222 timeout 10 no huntstop ! ! ephone-dn 2 number 1000 name George P Burdell preference 1 call-forward busy 52222 call-forward noan 52222 timeout 10 ! ! ephone-dn 10 number 1111 name Helpdesk no huntstop ! ! ephone-dn 11 number 1111 name Helpdesk preference 1 ! ! ephone-dn 12 number 1111 name Helpdesk preference 2 ! ! ephone-dn 13 number 1111 name Helpdesk preference 3 !
それぞれの ephone-dn は 1 つの回線を表します。回線は必要に応じて複数の電話に割り当てることができます。この例では、2 つの回線に内線番号 1000 があるユーザが設定されています。4 つの回線のハント グループであるヘルプデスクの回線も、同様に追加されました。次に、ephone を設定し、実際の電話デバイスに回線を割り当てます。
! ephone 1 username "gpburdell" password letmein mac-address 0006.D74B.0F46 button 1:10 2:11 3:12 4:13 5:1 6:2 ! ! ! ephone 2 Mac-address 0006.D74B.1361 button 1:15 2:10 3:11 4:12 5:13 speed-dial 1 1000 !
ボタンのタグは ephone-dn タグを参照しています。show ephone コマンドの出力は、次のようになる必要があります。
its-router# show ephone ephone-1 Mac:0006.D74B.0F46 TCP socket:[3] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0 IP:10.1.150.14 52311 Telecaster 7960 keepalive 6 max_line 6 button 1: dn 10 number 1111 IDLE button 2: dn 11 number 1111 IDLE button 3: dn 12 number 1111 IDLE button 4: dn 13 number 1111 IDLE button 5: dn 1 number 1000 IDLE button 6: dn 2 number 1000 IDLE Username: gpburdell Password: letmein ephone-2 Mac:0006.D74B.1361 TCP socket:[2] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0 IP:10.1.150.11 50512 Telecaster 7960 keepalive 7 max_line 6 button 1: dn 15 number 1001 IDLE button 2: dn 10 number 1111 IDLE button 3: dn 11 number 1111 IDLE button 4: dn 12 number 1111 IDLE button 5: dn 13 number 1111 IDLE speed dial 1:1000 its-router#
Ephone 1 | Ephone 2 | |||
---|---|---|---|---|
回線1 | 1111 | 回線1 | 1001 | |
回線2 | 1111 | 回線2 | 1111 | |
回線3 | 1111 | 回線3 | 1111 | |
回線4 | 1111 | 回線4 | 1111 | |
回線5 | 1,000 | 回線5 | 1111 | |
回線6 | 1,000 | 回線6 | George P Burdell |
コールが 1111 に着信すると、誰かがそれを取るまで鳴り続けます(call-forwarding は設定されていません)。 ephone-dn 10(ephone 1 の回線 1 または ephone 2 の回線 2)が使用中の場合は、1111 への次のコールは自動的に ephone-dn 10 に送られます。ハントストップが設定されておらず、優先順位が高いためです(デフォルトの優先順位は 0)。 優先順位が同じ場合は、両方の回線が鳴ります。
コールを 1000 にかけても誰も取らない場合は、ボイスメール(このコール転送の設定では内線 5222)に転送されます。 ephone-dn 1 が使用中の場合、次のコールは ephone-dn 2 へルーティングされます。これは、通常のダイヤルピア ルーティングと、no huntstop が設定されているためです。話中の場合はコールを異なる DN にともに転送するようにしない限り、この場合では forward-busy 設定にする必要はありません(たとえば、1000 が話中の場合 1001 に転送されます)。 ephone-dn 2 では、コール転送を話中および応答なしに設定する必要があります。ルート先となる優先順位が高い内線番号 1000 が他にないためです(あったとしても、ハントストップを暗黙的に設定しているため、コールはそこで終了します)。
通常のダイヤルピア ルーティングの詳細については、「音声テクノロジー サポート」を参照してください。
Ephone 1 にも、"gpburdell" 用のユーザ名とパスワードがあります。 これを使用すると、ユーザは、同じ telephony_service.html Web ページにアクセスしてログインし、転送先(話中、応答なし、すべて)や短縮ダイヤルを変更したり、ローカルの電話帳の検索を実行できます。
Ephone 2の回線6にスピードダイヤルがあります。このボタンを押すと、1001から1000にダイヤルします。speed-dial コマンドはそれ自体ではボタンの場所を指定しません。この場合、最初の空き回線が番号 1000 への短縮ダイヤルになると考えられます。偶然回線 6 になるということが直接設定されているわけではありません。別の短縮ダイヤル(たとえば「短縮ダイヤル 2 1004」)が設定されていたら、エラーは生成されませんが、いずれも表示されません。
次にリストされている ephone-dns には、いくつかのその他の設定コマンドがあります。
its-router(config-ephone-dn)# ? Ephone DN configuration commands: application The selected application call-forward Define E.164 telephone number for call forwarding caller-id Configure port caller id parameters cor Class of Restriction on dial-peer for this dn default Set a command to its defaults description dn desc, for DN Qualified Display Name exit Exit from ephone-dn configuration mode hold-alert Set Call On-Hold timeout alert parameters huntstop Stop hunting on Dial-Peers intercom Define intercom/auto-call extension number loopback-dn Define dn-tag to create loopback dn pair with this ephone-dn mwi set message waiting indicator options (mwi) name Define dn user name no Negate a command or set its defaults number Define E.164 telephone number paging set audio paging mode preference Preference for the attached dial-peer for the primary dn number translate Translation rule its-router(config-ephone-dn)#
ephones のその他の設定コマンドを次に示します。
Its-router(config-ephone-dn)# ephone 1 its-router(config-ephone)# ? Ethernet phone configuration commands: button define button to dn map default Set a command to its defaults exit Exit from ephone configuration mode Mac-address define ethernet phone MAC address no Negate a command or set its defaults paging-dn set audio paging dn group for phone reset reset ethernet phone speed-dial Define ip-phone speed-dial number username define username to access ethernet phone from Web vm-device-id define voice-mail id string its-router(config-ephone)#
注意:ephone または ephone-dn に何らかの変更を行った後は、その変更が適用された電話をリセットする必要があります。この操作は、ephone で reset コマンドを使用して行ったり、上述した telephony-service 設定メニューでグローバルに行うことができます。
7910 は、7960 IP Phone とは異なり、回線ボタンは 1 つだけあります。この電話でコール ウェイティングおよび転送をサポートするには、2 つの回線が必要です。この電話には次のように、同じ DN で 2 つの回線を設定する必要があります。
ephone-dn 20 number 1020 no huntstop ! ! ephone-dn 21 number 1020 preference 1 ! ... ephone 10 button 1:20 2:21 !
これらが 2 つのライン アピアランスであっても、これらの回線両方を同時に保留にすることはできません。プライマリ回線が保留中のときに回線ボタンを押すと、2 番目の回線が選択され、2 番目のコールを発信(または応答)できます。 2 番目のコールが接続されると、保留ボタンを押すことで 2 番目のコールが保留になり、プライマリ回線が再接続されます。保留ボタンを再度押すと、1 番目の回線と 2 番目の回線が切り替わります。回線ボタンを再度押すと、現在接続されているパーティが切断されます。
Cisco ITS サーバを Web から適切に管理し、エンド ユーザが Web から電話を管理できるようにするには、次のファイルがフラッシュにある必要があります。
admin_user.html
ephone_admin.html
logohome.gif
normal_user.html
telephony_service.html
Web ページの管理を Web からできるようにするには、次のグローバル コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。
ip http server ip http path flash
他のコマンドは、telephony-service 設定セクションで入力する必要があります。
telephony-service admin-username administrator !--- This sets up the administrator account used to access the web page. admin-password cisco !--- This sets up the password for the admin account. dn-webedit !--- (optional) This permits the editing of DNs through the web interface. time-webedit !--- (optional) This permits editing of the system time through the web interface. !
Cisco ITS ルータに Web からアクセスするには、ブラウザで次の URL を指定します。
http://ITSrouter_ipaddr/telephony_service.html
URL はどのユーザにも同じものです。他の .html ファイルは、telephony-service.html Web ページによって呼び出される内部ファイルと見なされています。他のファイルを直接呼び出すと、JavaScript エラーを引き起こす場合があります。Web ページを使用するユーザは、次に示すように、最初は ephone で設定する必要があります。
ephone 1 username "gpburdell" password letmein
ユーザ(この例では "gpburdell")は、ログインして転送情報を変更し、電話帳検索を実行し、自分の短縮ダイヤルを設定できます。使用可能なオンライン ヘルプもあります。
管理者はシステム変更を行うだけでなく、電話を実行したり、DN を追加、削除、および変更できます。コマンドラインからだけでなく Web から設定する場合は、問題が発生する場合があることに注意してください。Web ページページでは Cisco IOS ソフトウェアの設定が定期的にポーリングされず、ブラウザの [Refresh] ボタンを押してもこの情報が更新されないためです。実際にその方法で更新しようとすると、GUI ページからログアウトされ、“Configuration Change Failed, Configuration Change is not allowed” のエラーメッセージ ボックスが表示されます。メインメニューの [Update] ボタンを押した場合のみ、Cisco ITS ルータから最新の変更が取得されます。
Web ページから [Write System Configuration] ボタンを押すと、変更はただちに NVRAM に書き込まれることになります。ただし、通常のユーザの場合、vty、コンソール、および aux 回線でアクティブなセッションがない間は、変更は 10 分ごとに書き込まれます。
注:更新が機能するには、通常の設定変更に十分な空きvty回線が1つしかない場合でも、Cisco ITSで少なくとも4つの空きvty回線が使用できることを確認してください。
通話履歴情報は管理者も使用できます。最初に、次のように設定して有効にする必要があります。
call-history-mib retain-timer 500 call-history-mib max-size 500
多い場合で、通話履歴の 500 エントリおよび 500 分が MIB テーブルに保存されます。
ログイン後 GUI から [View System Configuration] を選択し、[View Call History Information] を選択すると、コール記録を表示できます。
ITS ルータが音声インターフェイス カードを備えていると仮定し、IP Phone からおよび IP Phone にコールを発信できるように、これらのカードを設定します。これは、ルータの他の音声接続と著しく異なりません。それぞれの ephone-dn に割り当てられていた番号を持つ ephone を、ルータ上の Foreign Exchange Station(FXS)ポートと考えることができます。
外部発信者のための追加機能の 1 つに、保留音(MoH)/保留時のトーン(ToH)があります。 ToH はデフォルトで常にオンとなっており、無効にできません。MoH は、保留にされた公衆電話交換網(PSTN)または G.711 オンネット コールに使用することができます。同じ ITS ルータ上の保留にされている IP Phone から IP Phone へのコールでは常に、ToH ビープ音のみを聞くことができます。MoH については、音声ファイルがフラッシュに存在することを確認した後、次のように設定します。
telephony-service moh music-on-hold.au
MoH 用に再生される .au または .wav ファイルは、G.711 u-law または A-law フォーマットにする必要があります。コール ウェイティングと ToH を区別するため、コール ウェイティング トーンは、ビープ音間に 10 秒の間隔がある周期的なビープ音になっています。複数のコール ウェイティング回線がある場合は、10 秒ごとに 1 つのトーンのみが送信されます。ただし、ToH は、8 秒ごとの周期的な間隔で聞こえ、3 つビープ音からなります(1 つのトーンが 3 回繰り返されます)。 ToH の優先順位はコール ウェイティング トーンの優先順位よりも高いです。両方のトーンがまったく同時に再生される場合は、ユーザは最初に ToH が聞こえ、8 秒後に別の ToH が聞こえ、最後に 2 秒後にコール ウェイティング トーンが聞こえます。
コールが保留になると、次に示すようにいくつかのオプションが発生し、コールがまだ保留中であることを示す音声通知がユーザに送信されます。
Its-router(config-ephone-dn)# hold-alert 15 ? idle alert on-hold originator only if idle originator alert on-hold originator always shared alert all phones that share the line
設定された間隔(15 秒から 300 秒ごと)での 1 秒の呼出音のアラートは、コールが保留にされているパーティに常に送信されるように設定したり、このパーティがアイドルの場合にのみ送信されるように設定できます。アラートが同じ回線を共有するすべての電話に送信されるように設定する、別のオプションもあります。コールがどれだけ長く保留にされても、デフォルトの設定はアラートなしです。
3 者会議は、パーティがすべて G.711 ユーザで、会議リソースが使用可能な限りサポートされます。会議リソースは次のように設定します。
telephony-service max-conferences 10
会議中のパーティの 1 つが保留を押すと、他の 2 つのパーティは MoH または ToH が聞こえます。ただし、パーティは、背後で音楽やトーンが再生されていても、相互に話すこともできます。
着信コールを転送する機能には、追加設定が必用な場合があります。デフォルトでは、Cisco ITS に登録されている IP Phone は、同じ ITS ルータに登録されているその他の IP Phone に転送できます。PSTN または VoIP の宛先へのその他の転送は、拒否されます。これらの種類の転送を有効にするには、次に示すように、telephony-service で transfer-patterns を設定する必要があります。
Telephony-service transfer-pattern 9.......
ここで、PSTN にコールをルートする POTS ダイヤルピアがあると仮定すると、IP Phone は、最初に 9 をダイヤルすることによって、どの 7 桁の番号にもコールを転送できます。ITS を使用する 2 次的なダイヤルトーンには、オプションはありません。
注意:特に注意が必要なのは、ITSルータのForeign Exchange Office(FXO)ポートから着信したコールを別のFXOポートに転送する場合で、両方のポートが切断された後も使用中のままになる場合があるためです。「FXO の切断の問題について」を参照してください。プロバイダーが FXO による切断の監視をサポートできない場合は、転送を PSTN へ戻せないようにしてください。
別の VoIP の宛先(別の ITS ルータなど)から到達するコールを転送するには、loopback-dn が必要です。これはこのドキュメントで扱う範囲外にある高度なトピックです。
インターコム機能を使用すると、2 つの IP Phone 間で press-to-talk 機能が使用できます。インターコムの実行用に設定されている ephone-dn は、1 台の IP Phone にのみ関連付けられる必要があるという意味から、インターコムは共有回線ではサポートされません。
! ephone-dn 30 number A1234 name "Intercom" intercom A4321 label "Office A" ! ! ephone-dn 31 number A4321 name "Intercom" intercom A1234 label "Office B" ! ... ! ephone 3 Mac-address 0006.D74B.107C button 1:16 6:30 ! ! ! ephone 4 Mac-address 0008.E31B.7A8A button 1:17 6:31 !
ここで、ephone 4 が回線 6 を押したときに、ephone 3 の回線 6 にコールが発信されます(たとえば、A1234 に自動的に発信されます)。 デフォルトでは、宛先の電話がオンフックの場合、オフフックになり、スピーカー モードになって、マイクがミュートになります。Intercom コマンドのその他のオプションは、barge-in および no-auto-answer です。barge-in オプションを使用すると、着信のインターコムコールは既存のコールを強制的に保留状態にすることができます。その後、電話はインターコムコールにただちに応答します。no-auto-answer オプションを使用すると、インターコムコールは自動的に取られずに、単純に鳴り続けます。
インターコムコールがあるとすべてで、intercom ステートメントで設定されたラベルが、短縮ダイヤルのようにディスプレイの右側に表示されます。ラベル オプションがなければ、名前(ephone-dn で設定されていれば)は回線のディスプレイの左側に表示されます。インターコムの番号は右側に表示されます。
注:電話機にマイクが搭載されていなく、スピーカのミュートを解除できないため、受話器を取り上げて応答する必要があるため、インターコム機能にはCisco 7910の使用はお勧めしません。
ページング機能は、press-to-answer オプションはなく、一方向の音声ストリームのみを提供する点以外は、前述のインターコムの機能と同様に動作します。アイドル状態の電話のみがページング経由で到達できます。使用中の電話はページを受信しません。ページングでは、ユニキャスト、マルチキャスト(最大 10 個のデバイス)または(マルチキャストからは到達できない電話に音声が到達できるように)両方を使用した音声の配信をサポートしています。 マルチキャストのページングを推奨しています。それぞれのページング用内線番号には、一意の IP マルチキャスト アドレスが必要です。
たとえば、3 つのページング グループを作成するとします。「クールなユーザ」、「クールでないユーザ」、および「すべてのユーザ」とします。「すべてのユーザ」は最初の 2 つのグループを単に合わせたものです。マルチキャストは音声の配送方法であるため、次のように設定します。
! ephone-dn 40 number 4001 name "Cool People" paging ip 239.0.1.20 port 2000 ! ! ephone-dn 41 number 4002 name "Uncool People" paging ip 239.0.1.21 port 2000 ! ! ephone-dn 42 number 4000 name "All People" paging ip 239.0.1.22 port 2000 paging group 40,41 !
注:IP Phoneでは、224.x.x.xアドレスでのマルチキャストはサポートされていません。
ここで、次に示すように、各 ephone をページング DN に設定して割り当てます(各 ephone での追加設定は省略します)。 各 IP Phone は 1 つのページング グループにのみ属することができることに注意してください。また、ページング用に設定された ephone-dn を電話のボタンに割り当てることはできません。
! ephone 1 paging-dn 40 ! ephone 2 paging-dn 40 ! ephone 3 paging-dn 41 ! ephone 4 paging-dn 41 ! ephone 5 paging-dn 42 !
この設定を使用して、ページング番号 4001(「クールなユーザ」)を ephone 1 および 2 に、ページング番号 4002(「クールでないユーザ」)を ephone 3 および 4 に、ページング番号 4000(「すべてのユーザ」)を ephone 1 から 5 に割り当てました。
たとえば、4001 に対するコールはどれも ephone 1 および 2(ユーザが話中でない場合)に接続されます。
注:ページングは、ITSルータから最大1ルータホップ離れた場所でサポートされます。
ここでは、設定が正しく機能していることを確認するために使用する情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
次にリストされている show telephony-service コマンド(特に all)を使用すると、設定のスナップショットが表示されます。
its-router# show telephony-service ? admin Show telephony-service admin username and password all Show telephony-service details dial-peer Show telephony-service dialpeers ephone Show ephone configuration ephone-dn Show ephone-dn configuration voice-port Show telephony-service voice ports | Output modifiers <cr>
次にリストされている show ephone コマンドを使用すると、IP Phone の現在の状態が表示されます。ほとんどの場合、必用なのは show ephone だけです。
Its-router# show ephone ? 7910 7910 phone status 7940 7940 phone status 7960 7960 phone status H.H.H mac address dn Dn with tag assigned offhook Offhook phone status registered Registered ephone status remote non-local phones (with no arp entry) ringing Ringing phone status summary Summary of all ephone tapiclients Ephone status of tapi client telephone-number Telephone number assigned unregistered Unregistered ephone status | Output modifiers <cr>
show ephone-dn コマンドの出力は、show voice port コマンドの出力に非常に類似しています。最も一般的な問題に対して、このコマンドはいくつかの他のツールほど便利ではありません。
Its-router# show ephone-dn ? <1-960> dn tag loopback Show ephone-dn in loopback mode summary Summary of all ephone-dn | Output modifiers <cr>
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
注:debug コマンドを使用する前に、「debug コマンドに関する重要な情報」を参照してください。
Cisco ITS は、情報の収集をより容易にできる、新たなトラブルシューティング コマンドやデバッグ機能を備えています。
いくつかのデバッグ機能は、問題をトラブルシューティングする際に役立つ場合があります。debug ephone コマンドは、この点で唯一の Cisco ITS 固有のコマンドと言えます。
Its-router# debug ephone ? alarm Enable ephone alarm message debugging detail Enable ephone detail debugging error Enable ephone error debugging keepalive Enable ephone keepalive debugging loopback Enable ephone loopback debugging moh Enable ephone music-on-hold debugging mwi Enable ephone mwi debugging pak Enable ephone packet debugging raw Enable ephone raw protocol debugging register Enable ephone registration debugging state Enable ephone state debugging statistics Enable ephone statistics debugging
ほとんどの状況に対して、問題が特に登録、メッセージ待機インジケータ(MWI)、または MoH に関連するものでない限り、1 台または 2 台の電話機の間の問題をトラブルシューティングする際は、debug ephone error および debug ephone state コマンドを発行するのが有用です。多くの電話機がある場合は、出力を適切な MAC アドレスのみに限定することをお勧めします。以下に、いくつかの例を示します。
its-router# debug ephone state Mac-address 0009.433C.E5EC EPHONE state debugging is enabled for phone 0009.433C.E5EC
リモート VoIP の宛先への発信などの問題では、debug voip ccapi inout および debug vtsp all コマンドなど、シスコのルータの VoIP により一般的な、追加の debug コマンドが必要になる場合があります。PSTN シグナリングおよびその他の実装固有の問題に対する特定のトラブルシューティングについては、このドキュメントでは扱っていません。詳細は、以下のドキュメントを参照してください。
次は、1004 から 1002 へのコールの debug ephone state コマンドの出力例です。show ephone コマンドの出力の関連部分を次に示します。
ephone-3 Mac:0006.D74B.107C TCP socket:[5] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:1 IP:10.1.150.12 51718 Telecaster 7960 keepalive 92 max_line 6 button 1: dn 16 number 1002 IDLE ephone-4 Mac:0008.E31B.7A8A TCP socket:[2] activeLine:0 REGISTERED mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:1 IP:10.1.150.13 50396 Telecaster 7960 keepalive 96 max_line 6 button 1: dn 17 number 1004 IDLE
ここでデバッグを確認できます。OFFHOOK メッセージが表示されます。コールが発信され、(このトレースでキャプチャされた個々の数字は確認できません)応答されます。OpenReceive チャネル メッセージがそれぞれの電話に送信され、のちに確認されます。StartMedia メッセージによって、各電話機に音声の送信先である IP アドレスとポートが伝えられます。最後に、ONHOOK メッセージが表示されます。
Its-router# debug ephone state EPHONE state debugging is enabled its-router# Sep 26 18:39:40.837: ephone-4[2]:OFFHOOK Sep 26 18:39:40.837: ephone-4[2]:SIEZE on activeline 0 Sep 26 18:39:40.837: ephone-4[2]:SetCallState line 1 DN 17 ref 52 TsOffHook Sep 26 18:39:40.837: DN 17 Voice_Mode Sep 26 18:39:40.837: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:40.841: dn_tone_control DN=17 tonetype=33:DtInsideDialTone onoff=1 pid=113 Sep 26 18:39:40.841: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:40.841: dn_tone_control DN=17 tonetype=33:DtInsideDialTone onoff=1 pid=113 Sep 26 18:39:42.349: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:42.853: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:43.105: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:43.609: ephone-4[2]:Skinny-to-Skinny call DN 17 to DN 16 instance 1 Sep 26 18:39:43.609: ephone-4[2]:SetCallState line 1 DN 17 ref 52 TsRingOut Sep 26 18:39:43.609: ephone-4[2]:Call Info DN 17 line 1 ref 52 called 1002 calling 1004 origcalled calltype 2 Sep 26 18:39:43.609: ephone-4[2]: John Doe calling Sep 26 18:39:43.609: ephone-4[2]: Jane Doe Sep 26 18:39:43.609: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:43.609: ephone-3[5]:SetCallState line 1 DN 16 ref 53 TsRingIn Sep 26 18:39:43.613: ephone-3[5]:Call Info DN 16 line 1 ref 53 called 1002 calling 1004 origcalled calltype 1 Sep 26 18:39:43.613: ephone-3[5]: John Doe calling Sep 26 18:39:43.613: ephone-3[5]: Jane Doe Sep 26 18:39:43.613: ephone-3[5]:Ringer Inside Ring On Sep 26 18:39:43.613: dn_tone_control DN=17 tonetype=36:DtAlertingTone onoff=1 pid=113 Sep 26 18:39:51.926: ephone-3[5]:OFFHOOK Sep 26 18:39:51.926: ephone-3[5]:Ringer Off Sep 26 18:39:51.926: ephone-3[5]:ANSWER call Sep 26 18:39:51.926: ephone-3[5]:Answer Incoming call from ephone-(4) DN 17 Sep 26 18:39:51.926: ephone-3[5]:SetCallState line 1 DN 16 ref 53 TsConnected Sep 26 18:39:51.926: ephone-4[2]:SetCallState line 1 DN 17 ref 52 TsConnected Sep 26 18:39:51.926: ephone-4[2]:OpenReceive DN 17 codec 4:G711Ulaw64k duration 20 ms bytes 160 Sep 26 18:39:51.926: ephone-3[5]:OpenReceive DN 16 codec 4:G711Ulaw64k duration 20 ms bytes 160 Sep 26 18:39:51.926: dn_tone_control DN=16 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:51.930: DN 17 End Voice_Mode Sep 26 18:39:51.930: DN 17 Voice_Mode Sep 26 18:39:51.930: DN 16 Voice_Mode Sep 26 18:39:51.930: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:39:52.182: ephone-4[2]:OpenReceiveChannelAck:IP 10.1.150.13, port=23094, dn_index=17, dn=17 Sep 26 18:39:52.182: ephone-3[5]:StartMedia 10.1.150.13 port=23094 Sep 26 18:39:52.182: DN 17 codec 4:G711Ulaw64k duration 20 ms bytes 160 Sep 26 18:39:52.182: ephone-3[5]:OpenReceiveChannelAck:IP 10.1.150.12, port=22778, dn_index=16, dn=16 Sep 26 18:39:52.182: ephone-4[2]:StartMedia 10.1.150.12 port=22778 Sep 26 18:39:52.182: DN 17 codec 4:G711Ulaw64k duration 20 ms bytes 160 Sep 26 18:40:01.254: ephone-3[5]:ONHOOK Sep 26 18:40:01.254: ephone-4[2]:CloseReceive Sep 26 18:40:01.254: ephone-4[2]:StopMedia Sep 26 18:40:01.254: ephone-3[5]:call clean up this DN 16 was called by other DN 17 Sep 26 18:40:01.254: this ephone-3 other ephone-(4) other DN state CONNECTED Sep 26 18:40:01.254: ephone-3[5]:CloseReceive Sep 26 18:40:01.254: ephone-3[5]:StopMedia Sep 26 18:40:01.254: DN 16 End Voice_Mode Sep 26 18:40:01.254: ephone-3[5]:SetCallState line 1 DN 16 ref 53 TsOnHook Sep 26 18:40:01.254: ephone-3[5]:SpeakerPhoneOnHook Sep 26 18:40:01.254: DN 17 End Voice_Mode Sep 26 18:40:01.254: ephone-4[2]:SetCallState line 1 DN 17 ref 52 TsOnHook Sep 26 18:40:01.254: ephone-4[2]:SpeakerPhoneOnHook Sep 26 18:40:01.258: ephone-3[5]:SpeakerPhoneOnHook Sep 26 18:40:01.354: DN 16 Voice_Mode Sep 26 18:40:01.354: DN 16 End Voice_Mode Sep 26 18:40:01.354: dn_tone_control DN=16 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113 Sep 26 18:40:01.366: SkinnyReportDnState DN 17 ONHOOK Sep 26 18:40:01.366: dn_tone_control DN=17 tonetype=0:DtSilence onoff=0 pid=113
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
21-Oct-2009 |
初版 |