この文書は、Local Management Interface(LMI; ローカル管理インターフェイス)が有効で、Frame Relay(FR; フレームリレー)カプセル化を使用してバックツーバックで接続された Cisco ルータの設定に関する情報を提供しています。ルータ同士は、Data Communication Equipment(DCE; データ通信機器)と Data Terminal Equipment(DTE; データ端末装置)シリアル ケーブルを使用して接続されています。一方のルータは、他方のルータが送信する LMI ステータス問い合せに応答するハイブリッド FR スイッチとして機能するように設定します。DCE ケーブルに接続されるルータは、クロッキングを供給する必要があります。
この設定では、ルータ 1 はクロックを 64 kbps で供給します(クロック レート 64000)。 バックツーバックのセットアップはテスト環境で役立ちます。こうした設定が必要となるのは、LMI デバッグ メッセージをチェックする場合に限られます。
FR カプセル化を使用してルータをバックツーバックに設定するために使用される最も一般的な方法の詳細については、バックツーバック フレーム リレーを参照してください。
この設定を開始する前に、次の要件が満たされていることを確認してください。
フレーム リレー技術と設定に関する基本的な知識があると役立ちます。『フレームリレーの基本設定』を参照してください。
この設定を実装するには、次のハードウェアおよびソフトウェアのコンポーネントが必要です。
FR カプセル化をサポートする Cisco IOS® ソフトウェア リリース 10.0 以降
FR カプセル化をサポートするインターフェイスを備えたルータ
この設定の作成とテストは、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンで行われています。
Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(10b)
Cisco 2500 シリーズ ルータ
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメントの表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
このドキュメントでは、次の構成を使用します。
ルータ 1 |
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frame-relay switching !--- Allows this router to function !--- as a Frame Relay switch. ! interface Serial0 ip address 172.16.120.105 255.255.255.0 encapsulation frame-relay !--- To enable Frame Relay encapsulation on the interface. frame-relay map ip 172.16.120.120 101 broadcast !--- The data-link connection identifiers(DLCIs) !--- configured in the map statements must match. clock rate 64000 frame-relay intf-type dce !--- This command specifies the !--- interface to handle LMI like a !--- Frame Relay DCE device. |
ルータ 2 |
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Router 2 ! Interface Serial0 ip address 172.16.120.120 255.255.255.0 encapsulation frame-relay !--- To enable Frame Relay encapsulation on the interface. frame-relay map ip 172.16.120.105 101 broadcast !--- The DLCIs configured in the map !--- statements must match. |
ここでは、設定が正しく機能していることを確認するために使用する情報を示します。
Router1はハイブリッドフレームリレースイッチとして機能し、Router 2から送信されたLMI問い合わせに応答するように設定されています。グローバルコマンドframe-relay switchingはRouter1の相手先固定接続(PVC)スイッチングを有効にします。interfaceコマンドframe-relay intf-type dce。no keepalive コマンドは、いずれのルータにも追加されていません。ルータ 2 で特別な設定は必要ありません。
ハイブリッド DTE/DCE FR スイッチとしてルータを設定する方法の詳細については、ハイブリッド フレーム リレー スイッチングの設定例を参照してください。
frame-relay switching — FR DCE デバイスまたはネットワーク間インターフェイスで PVC スイッチングを有効にします。
frame-relay intf-type dce — FR スイッチ タイプを設定します。ルータまたはアクセス サーバはルータに接続されたスイッチとして機能します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
ルータ 1 に対して show frame-relay pvc コマンドを使用すると、PVC のステータスが表示され、map 文が正しく設定されているかどうかを確認できます。ルータ 1 はフレーム リレー DCE デバイス(FR スイッチ)として機能します。
ご使用のシスコデバイスのshow frame-relay pvcコマンドの出力データがあれば、 表示します。使用 登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。
Router1#show frame-relay pvc PVC Statistics for interface Serial0 (Frame Relay DCE) Active Inactive Deleted Static Local 1 0 0 0 Switched 0 0 0 0 Unused 0 0 0 0 DLCI = 101, DLCI USAGE = LOCAL, PVC STATUS = ACTIVE, INTERFACE = Serial0 input pkts 207 output pkts 239 in bytes 15223 out bytes 14062 dropped pkts 0 in FECN pkts 0 in BECN pkts 0 out FECN pkts 0 out BECN pkts 0 in DE pkts 0 out DE pkts 0 out bcast pkts 17 out bcast bytes 3264 PVC create time 00:11:32, last time PVC status changed 00:11:32 Router1#
show frame-relay lmi コマンドの出力を参照すると、ルータ 1 が FR DCE デバイス(FR スイッチ)として機能していることを確認できます。 この出力を参照すると、ルータ 1 がルータ 2 からのステータス クエリーを受信し、ルータ 1 がルータ 2 にステータス メッセージを返していることがわかります。
ご使用のシスコ デバイスの、show int コマンドの出力データがあれば、これを使用して 表示します。使用 登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。
Router1#show frame-relay lmi LMI Statistics for interface Serial0 (Frame Relay DCE) LMI TYPE = CISCO Invalid Unnumbered info 0 Invalid Prot Disc 0 Invalid dummy Call Ref 0 Invalid Msg Type 0 Invalid Status Message 0 Invalid Lock Shift 0 Invalid Information ID 0 Invalid Report IE Len 0 Invalid Report Request 0 Invalid Keep IE Len 0 Num Status Enq. Rcvd 72 Num Status msgs Sent 71 Num Update Status Sent 0 Num St Enq. Timeouts 0 Router1#
ルータ 2 に対する show frame-relay pvc コマンドの出力を参照すると、ルータ 2 がフレーム リレー DTE デバイスとして機能していることを確認でき、アクティブな PVC が表示されます。
Router2#show frame-relay pvc PVC Statistics for interface Serial0 (Frame Relay DTE) Active Inactive Deleted Static Local 1 0 0 0 Switched 0 0 0 0 Unused 0 0 0 0 DLCI = 101, DLCI USAGE = LOCAL, PVC STATUS = ACTIVE, INTERFACE = Serial0 input pkts 275 output pkts 239 in bytes 15760 out bytes 16794 dropped pkts 2 in FECN pkts 0 in BECN pkts 0 out FECN pkts 0 out BECN pkts 0 in DE pkts 0 out DE pkts 0 out bcast pkts 28 out bcast bytes 2294 PVC create time 00:14:36, last time PVC status changed 00:14:00 Router2#show frame-relay lmi LMI Statistics for interface Serial1 (Frame Relay DTE) LMI TYPE = CISCO Invalid Unnumbered info 0 Invalid Prot Disc 0 Invalid dummy Call Ref 0 Invalid Msg Type 0 Invalid Status Message 0 Invalid Lock Shift 0 Invalid Information ID 0 Invalid Report IE Len 0 Invalid Report Request 0 Invalid Keep IE Len 0 Num Status Enq. Sent 38 Num Status msgs Rcvd 39 Num Update Status Rcvd 0 Num Status Timeouts 0
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
注:debugコマンドを発行する前に、『debugコマンドの重要な情報』を参照してください。
debug frame-relay lmi コマンドを使用すると、FR ステータス クエリおよび応答を参照できます。
Router1#debug frame-relay lmi *Mar 5 20:36:45.863: Serial0(in): StEnq, myseq 18 *Mar 5 20:36:45.863: RT IE 1, length 1, type 1 *Mar 5 20:36:45.867: KA IE 3, length 2, yourseq 20, myseq 18 *Mar 5 20:36:45.867: Serial0(out): Status, myseq 19, yourseen 20, DCE up *Mar 5 20:36:50.647: Serial1(in): StEnq, myseq 123 *Mar 5 20:36:50.651: RT IE 1, length 1, type 1 *Mar 5 20:36:50.651: KA IE 3, length 2, yourseq 124, myseq 123 *Mar 5 20:36:50.655: Serial1(out): Status, myseq 124, yourseen 124, DCE up
ルータ 2 に対する debug frame-relay lmi コマンドの出力を参照すると、部分的な LMI ステータス レポートを 10 秒おきに受信していることがわかります。ルータ 1 は、完全な LMI ステータス レポートを 60 秒ごとにルータ 2 に送信しています。debug frame-relay lmi コマンドは、ルータと FR サービス プロバイダの間で交換された LMI パケットに関する情報を表示します。
*Mar 1 00:08:12.607: Serial0(out): StEnq, myseq 25, yourseen 23, DTE up *Mar 1 00:08:12.607: datagramstart = 0x400053C, datagramsize = 13 *Mar 1 00:08:12.611: FR encap = 0xFCF10309 *Mar 1 00:08:12.611: 00 75 01 01 00 03 02 19 17 *Mar 1 00:08:12.615:*Mar 1 00:08:12.683: Serial0(in): Status, myseq 25 *Mar 1 00:08:12.687: RT IE 1, length 1, type 0 *Mar 1 00:08:12.687: KA IE 3, length 2, yourseq 24, myseq 25 !--- A listing of configured DLCIs and their status is provided with every full LMI status update. *Mar 1 00:08:12.691: PVC IE 0x7 , length 0x6 , dlci 101, status 0x2 , bw 0
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
17-Nov-2007 |
初版 |