このドキュメントでは、E1 動作中に発生する可能性がある一般的なアラーム タイプについて説明します。また、トラブルシューティング テクニックについても説明します。このドキュメントは「E1 エラー イベントのトラブルシューティング」および「インターネットワークのトラブルシューティング ハンドブック」とあわせて使用してください。
このドキュメントに関しては個別の前提条件はありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco IOSR ソフトウェア リリース 12.0
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
show controller e1 コマンドを使用すると、該当のコントローラ ハードウェアに限定されたコントローラ ステータスが表示されます。この情報は、診断作業を実行するテクニカル サポート担当者にとって役立ちます。Network Processor Module(NPM; ネットワーク プロセッサ モジュール)または MultiChannel Interface Processor(MIP; マルチチャネル インターフェイス プロセッサ)は、ポート アダプタに問い合わせて現在のステータスを確認できます。
show controller e1 EXEC コマンドは、次の情報も提供します。
E1 リンクの統計情報スロットおよびポート番号を指定した場合、15 分間ごとの統計情報を確認できます。
物理層とデータリンク層のトラブルシューティング情報
E1 回線上のローカル アラームおよびリモート アラーム情報(該当する場合)
コントローラにアラームやエラーが表示されているかどうかを確認するには、show controller コマンドを発行します。フレーム、ライン コード、およびスリップ秒のエラー カウンタの増加を確認するには、show controller e1 コマンドを繰り返し発行します。現在の間隔でのカウンタの値をメモします。
フレームおよびライン コードの設定についてはサービス プロバイダーにお問い合わせください。CRC4 フレーミングは最も広く使用されていますが、HDB3 は E1 回線にのみ定義されている回線コードです。show controller e1 コマンドの出力結果の中で "Clock Source is Line Primary" を検索して、クロック ソースがネットワークからのものであることを確認します。
このセクションでは、アラームとその修正手順について説明します。各ステップの終了後に show controller e1 コマンドを発行して、アラームが発生するかどうかを確認してください。
アラーム表示信号(AIS)を受信した場合は、ポートに接続された機器のアップストリームでアラームが発生したことを意味します。AIS 障害は、入力側で AIS 不良が検知されると宣言され、Loss Of Frame(LOF; フレーム同期損失)障害(すべてが「1」で構成される信号がフレーミングされていないことが原因)が宣言された後も依然として存在します。 LoF 障害をクリアすると、AIS 障害がクリアされます。
rxAIS エラーを修正するには、次のステップを実行します。
show controller e1 slot/portコマンドの出力を調べて、ポートに設定されているフレーミングフォーマットが回線のフレーミングフォーマットと一致するかどうかを確認します。
一致しない場合は、コントローラのフレーミング フォーマットを変更して、回線に一致させます。
フレーミングフォーマットを変更するには、次に示すようにコントローラのコンフィギュレーションモードで framing {crc4 | no-crc4}コマンドを使用します。
bru-nas-03#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. bru-nas-03(config)#controller e1 0 bru-nas-03(config-controlle)#framing crc4
サービス プロバイダーに連絡して、電話会社内に誤った設定がないか、またはアップストリーム接続に障害がないかを確認してください。
リモート アラーム表示(RAI)は、遠端の機器がアップストリームから受け取る信号に問題があることを意味します。
RAI 障害は、A ビット(フレーム アライメント信号(FAS)が含まれていないフレームのタイムスロット 0 のビット 3)が 1 になった場合に宣言されます。 Loss of Signal(LOS; 信号消失)または LoF が検出された場合、RAI 障害は宣言されません。
rxRAI エラーを修正するには、次のステップを実行します。
外部ループバック ケーブルをポートに挿入します。
show controller e1 EXEC コマンドを発行して、アラームが発生するかどうかを確認してください。
アラームが何も検出されない場合、ローカルのハードウェアはおそらく良好な状態です。この場合、次のステップを実行します。
ケーブル配線を調べます。インターフェイス ポートと、E1 サービス プロバイダーの機器または E1 端末機器間のケーブルが正しく接続されていることを確認します。ケーブルが正しいポートに接続されていることを確認します。必要な場合は、ケーブルを接続し直してください。
ケーブルに破損またはその他の物理的異常がないか調べます。ピン配置が正しいことを確認します。必要であればケーブルを交換します。
リモート エンドで設定を確認し、これがポート設定と一致するか確認します。
問題が続くようであれば、サービス プロバイダーに問い合わせてください。
ループバックプラグを取り外し、E1 回線を再接続します。
ケーブル配線を調べます。
ルータの電源をオフ/オンします。
E1 回線を別のポートに接続します。回線と同じ設定で、ポートを設定します。
問題が続かない場合は、障害はポートにあります。その場合は、次のステップを最後まで実行します。
元のポートに E1 回線を再接続します。
ハードウェアのループテストを実行します。詳細は、「E1 回線のハード プラグ ループバック テスト」のドキュメントを参照してください。
E1 インターフェイスの送信(TX)RAI は、インターフェイスが遠端の機器から受信する信号に問題があることを意味します。
txRAI エラーを修正するには、次の手順を実行します。
リモート エンドの設定を確認し、ポート設定に一致するか確認します。
txRAI が発生すると、別のアラームも発生します。このアラームは、E1 ポートまたはカードに遠端機器からの信号に関する問題があることを示します。この状態をトラブルシューティングして、txRAI を解決します。
E1 コントローラがシャット ダウンすると、txAIS アラームが宣言されます。すべて「1」で構成されるメッセージが、フレーミングされていない E1 信号で送信されます。
txAIS エラーを修正するには、次のステップを実行します。
show controller e1 numberコマンドを発行して、E1コントローラが起動していることを確認します(numberはインターフェイス番号)。
E1 コントローラがアップ状態ではない場合、no shutdown コマンドを発行して起動します。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
04-Feb-2010 |
初版 |