このドキュメントでは、E1 回線で発生するさまざまなエラー イベントについて説明し、これらのエラーを修正するためのトラブルシューティング情報を記載しています。最も一般的な E1 の問題を解決するには、このドキュメントと併せて『E1 レイヤ 1 トラブルシューティング』、『E1 アラーム トラブルシューティング』、『E1 PRI トラブルシューティング』ドキュメントを参照してください。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.0(7)T に基づくものです。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
show controller e1 コマンドを使用すると、該当のコントローラ ハードウェアに限定されたコントローラ ステータスが表示されます。この情報は、テクニカル サポートのスタッフが診断タスクを行う際に役立ちます。Network Processor Module(NPM; ネットワーク プロセッサ モジュール)または MultiChannel Interface Processor(MIP; マルチチャネル インターフェイス プロセッサ)は、ポート アダプタに問い合わせて現在のステータスを確認できます。
さらに show controller e1 EXEC コマンドでは、次の情報も得られます。
E1 リンクの統計情報スロットとポート番号を指定すると、15 分ごとの統計情報が表示されます。
物理層とデータリンク層のトラブルシューティング情報
E1 回線上のローカル アラームおよびリモート アラーム情報(該当する場合)
show controller コマンドを使用して、コントローラにアラームまたはエラーが表示されているか確認します。フレーミング、ライン コーディング、およびスリップ秒の各エラー カウンタが増えているかどうかを調べるには、show controller e1 コマンドを繰り返し使用します。現在の間隔でのカウンタの値を記録します。
フレーミングおよびライン コーディングの設定については、サービス プロバイダーに問い合せてください。CRC4 フレーミングは最も広く使用されていますが、HDB3 は E1 回線にのみ定義されている回線コードです。
E1 回線でスリップが存在する場合は、クロッキングの問題があります。宅内装置(CPE)は、E1 プロバイダー(通信事業者)からのクロッキングに同期する必要があります。 この問題を解決するには、次の手順を実行します。
クロック ソースがネットワークから取得されていることを確認します。show controller e1 EXEC コマンドの出力で、「Clock Source is line primary」を確認します。
注:アクセスサーバに複数のE1がある場合、1つのE1だけがプライマリソースになることができます。他の E1 はプライマリ ソースからクロックを取得します。E1 が複数ある場合は、プライマリ クロック ソースとして指定されている E1 回線が正しく設定されていることを確認します。また、プライマリ ソースがダウンした場合にクロッキングを供給するための 2 番目の E1 回線を設定することもできます。これには、コントローラ設定モードから clock source line secondary コマンドを使用します。
コントローラ コンフィギュレーション モードで E1 クロック ソースを設定します。以下に、いくつかの例を示します。
bru-nas-03(config-controller)#clock source line
フレーミング損失秒数の増加に対処する場合は、次の手順を実行します。
ポートに設定されたフレーミング フォーマットが、回線のフレーミング フォーマットと一致していることを確認します。show controller e1 の出力で、「Framing is {crc4|no-crc4}」を確認します。
フレーミング フォーマットを変更するには、コントローラ コンフィギュレーション モードで framing {crc4|no-crc4} コマンドを使用します。以下に、いくつかの例を示します。
bru-nas-03(config-controller)#framing crc4
構築設定の詳細については、サービス プロバイダーに問い合せるとともに、「T1/E1 コントローラ コマンド」ドキュメントを参照してください。
ポートで設定されているライン コーディングが、回線のライン コーディングと一致していることを確認します。show controller e1 の出力で、「Line Code is HDB3」を確認します。
回線コード違反が増加し続ける場合は、物理的な回線の問題が回線コード違反の原因になることもあるため、E1 回線をチェックするようにサービス プロバイダーにお問い合わせください。
ポートに設定されたフレーミング フォーマットが、回線のフレーミング フォーマットと一致していることを確認します。show controller e1 の出力で、「Framing is {crc4|no-crc4}」を確認します。
パス コード違反が増加し続ける場合は、物理的な回線の問題がパス コード違反の原因になることもあるため、E1 回線をチェックするようにサービス プロバイダーにお問い合わせください。
show running-config コマンドを使用して、isdn switch-type および pri-group timeslots が正しく設定されていることを確認します。ISDN インターフェイスのセントラル オフィス スイッチ タイプを指定するには、isdn switch-type グローバル設定コマンドを使用します。このコマンドのオプションにはprimary-net5が含まれます。使用する正しい値については、サービスプロバイダーにお問い合わせください。
注:同じコントローラ上でISDN priグループとチャネルグループを定義している場合は、タイムスロットをオーバーラップしないか、チャネルグループ内でISDN Dチャネルタイムスロットを使用してください。チャネル グループの詳細については、「チャネライズド E1 およびチャネライズド T1 の設定コマンド」を参照してください。Primary Rate Interface(PRI; 一次群速度インターフェイス)を設定するときは、 isdn switch-type グローバル設定コマンドを使用してスイッチ タイプを設定してください。
isdn switch-type および pri-group を設定するには、次のコマンドを入力します。
bru-nas-03#configure terminal bru-nas-03(config)#isdn switch-type primary-net5 bru-nas-03(config)#controller e1 0 bru-nas-03(config-controlle)#pri-group timeslots 1-31
注:一部の国では、サービスプロバイダーはフラクショナルPRI回線を提供しています。これは、ISDN 接続に使用される B チャネルが 30 未満の可能性があることを意味します。フラクショナル PRI 回線の場合、タイムスロットの範囲には運用用の B チャネルに加えて、D チャネル(タイムスロット 16 で固定)を含める必要があります。 以下に、いくつかの例を示します。
最初の 10 の B チャネル用に PRI グループのタイムスロット 1 ~ 10 と 16。
最初の 20 の B チャネル用にタイムスロット 1 ~ 21。
エラー カウンタが増えていないにもかかわらず問題が解決しない場合は、次の手順を実行して、シグナリング チャネルがアップしていて正しく設定されていることを確認します。
show interfaces serial <number>:15 コマンドを実行します。number はインターフェイス番号です。
インターフェイスがアップしていることを確認します。インターフェイスがアップしていない場合は、no shutdown コマンドを使用してインターフェイスをアップします。以下に、いくつかの例を示します。
bru-nas-03#config terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. bru-nas-03(config)#interface serial 0:15 bru-nas-03(config-if)#no shutdown
カプセル化が PPP であることを確認します。そうでない場合は、encapsulation ppp コマンドを使用してカプセル化を設定します。以下に、いくつかの例を示します。
bru-nas-03(config-if)#encapsulation ppp
インターフェイスがループバック モードになっていないことを確認します。ループバックはテストの目的にだけ設定します。no loopback コマンドを使用してループバックを削除します。以下に、いくつかの例を示します。
bru-nas-03(config-if)#no loopback
ルータの電源をオフ/オンします。
それでも問題が解決しない場合は、下記のドキュメントを参照してから、サービス プロバイダーか Cisco Technical Assistance Center(TAC)にお問い合せください。