このドキュメントでは、X.25 相手先固定接続(PVC)の設定例を紹介します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメントの表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
PVC は X.25 対応の専用線であり、接続が切断されることはありません。PVC を定義する前にアドレス マップを設定する必要はなく、カプセル化 PVC は暗黙的にマッピングを定義します。PVC の一例は、ISDN スイッチなどのリモート ノードへのネットワーク管理サーバ接続です。
X.25 プロところは、データ端末装置(DTE)とデータ通信装置(DCE)間の 1 つの物理リンク上で複数の接続を維持します。 これらの接続は、仮想回線または論理チャネル(LC)と呼ばれます。X.25 は、1 から 4095 までの、最大 4095 の仮想回線を維持できます。個別の仮想回線は、論理チャネル識別子(LCI)または仮想回線番号(VCN)を与えることによって識別されます。 多くのドキュメントは、仮想回線と論理チャネル、および仮想回線番号、論理チャネル番号、そして論理チャネル識別子の用語を、互換的に使用しています。これらの用語は、いずれも仮想回線番号を表します。
X.25 の動作において重要となるのが仮想回線番号の範囲です。仮想回線番号は 4 つの範囲に分割されます(低い順に数値的に記載)。
PVC
着信専用回線
双方向回線
発信専用回線
着信専用回線、双方向回線、および発信専用回線の範囲は、電話網がコールの発信時にスイッチド音声接続を確立するのとまったく同じように、X.25 コールの発信によって相手先選択接続(SVC)を確立できる仮想回線番号を定義します。
これは、コールを発信する DCE および DTE デバイスに関するルールです。
着信専用回線範囲のコールは、DCE デバイスだけが発信できます。
発信専用回線範囲のコールは、DTE デバイスだけが発信できます。
双方向回線範囲のコールは、DCE デバイスと DTE デバイスの両方が発信できます。
注:ITU-T勧告では、DTE/DCEインターフェイスの役割に関連して「着信」および「発信」が定義されています。シスコ製品のマニュアルでは、より直感的な意味を採用しています。ITU-T が定義した意味であることが明記されていない限り、着信コールとはインターフェイスから受信されたコールを意味し、発信コールとはインターフェイスに対して発信されたコールを意味します。
コールを発信できるデバイスの制約事項を除き、SVC の動作に違いはありません。これらの範囲を使用することにより、いずれかの側による仮想回線の独占を防ぐことができます。この点は、利用可能な SVC が少ない X.25 インターフェイスで有用となります。
6 個の X.25 パラメータによって、3 つの SVC 範囲の上限および下限を定義します。PVC には SVC 範囲の値より少ない値を割り当てる必要があります。SVC 範囲は、別の範囲と重複できません。
注:X.25プロトコルではDTEとDCEが同一の仮想回線範囲を持つ必要があるため、インターフェイスがアップしている場合は、X.25プロトコルがパケットサービスを再起動するまで、仮想回線範囲制限の変更は保持されます。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
このドキュメントでは、次の設定を使用しています。
ルータ
ルータ |
---|
hostname 2501 ! ! x25 routing ! interface Serial0 ip address 10.1.1.1 255.255.255.0 no ip mroute-cache encapsulation x25 dce !--- X25 DCE is used for this example subject to change bandwidth 56 x25 ltc 25 !--- ltc - set the lowest two-way circuit number x25 htc 128 !--- htc - set the highest two-way circuit number x25 pvc 1 interface Serial1 pvc 5 ! interface Serial1 ip address 172.16.60.1 255.255.255.0 no ip mroute-cache encapsulation x25 dce !--- X25 DCE is used for this example subject to change bandwidth 56 x25 ltc 25 !--- ltc - set the lowest two-way circuit number x25 htc 128 !--- htc - set the highest two-way circuit number x25 pvc 5 interface Serial0 pvc 1 ! |
ここでは、設定が正しく機能していることを確認するために使用する情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
show x25 vc:特権EXECモードでアクティブなSVCおよびPVCに関する情報を表示します。
2501#show x25 vc PVC 1, State D1, Interface Serial0 Started 002308, last input never, output never PVC <--> Serial1 PVC 5, connected, D-bit allowed Window size input 2, output 2 Packet size input 128, output 128 PS 0 PR 0 ACK 0 Remote PR 0 RCNT 0 RNR FALSE Retransmits 0 Timer (secs) 0 Reassembly (bytes) 0 Held Fragments/Packets 0/0 Bytes 0/0 Packets 0/0 Resets 3/3 RNRs 0/0 REJs 0/0 INTs 0/0 PVC 5, State D2, Interface Serial1 Started 000118, last input never, output never PVC <--> Serial0 PVC 1, connected, D-bit allowed Window size input 2, output 2 Packet size input 128, output 128 PS 0 PR 0 ACK 0 Remote PR 0 RCNT 0 RNR FALSE Retransmits 1 Timer (secs) 101 Reassembly (bytes) 0 Held Fragments/Packets 0/0 Bytes 0/0 Packets 0/0 Resets 1/0 RNRs 0/0 REJs 0/0 INTs 0/0 2501#
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。新しいデバイスが初めて PVC を確立するときに、これらのデバッグが導出されます。
ルータを経由する PVC は、ホストとノートの両方が初めて回線上で確認できたときに、自動的に再起動を送信します。正常に確認されると、送信されたホストが再起動します。
2501# Jan 28 113935 Serial0 X25 O R2 RESTART (5) 8 lci 0 cause 0 diag 0 Jan 28 113935 Serial0 X25 I R2 RESTART (5) 8 lci 0 cause 7 diag 0 Jan 28 113935 Serial0 X25 O D2 RESET REQUEST (5) 8 lci 1 cause 0 diag 0 Jan 28 113935 Serial0 X25 I D2 RESET REQUEST (5) 8 lci 1 cause 15 diag 0 %LINK-3-UPDOWN Interface Serial0, changed state to up %LINEPROTO-5-UPDOWN Line protocol on Interface Serial0, changed state to up 2501#
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
22-Apr-2008 |
初版 |