Cisco Wide Area Application Services
マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドライン
Software Version 4.1.1
August 28, 2008
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このマニュアルでは、インライン モードまたは Web Cache Communication Protocol(WCCP)を使用し、次の 3 つの Wide Area Application Services(WAAS)デバイスで構築される WAAS ネットワークの基本的な設定方法について説明します。
• Data Center Wide Area Application Engine(WAE)
このマニュアルでは、WAAS ネットワークの基本的な設定を完了したあとで WAAS アプリケーション アクセラレーション機能が適切に動作していることを確認する方法についても説明します。
このマニュアルでは、ネットワークに存在する WAAS Central Manager と WAE を総称する用語として「WAAS デバイス」を使用します。このマニュアルに示されている CLI コマンドの詳細なコマンド構文情報については、『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』を参照してください。
• 「関連資料」
この項では、WAAS ネットワークの基本的な設定の概要を説明します。具体的な内容は、次のとおりです。
図1 に示した WAAS ネットワーク構成例には 1 つの WAAS Central Manager デバイスと、その WAAS Central Manager デバイスを介して集中管理される 2 つの WAE が存在します。WAE には Cisco WAE Inline Network Adapter カードが含まれ、WAN ルータおよびクライアントまたはサーバ間にインラインで配置されます。
(注) WAE は、ルータとクライアント(またはファイル サーバ)の間のトラフィック パスに直接配置してください。WAE は、Cisco WAE Inline Network Adapterのインターフェイスを介してトラフィックを直接代行受信するので、リダイレクションは必要ありません。
インライン WAE デバイスを取り付ける場合は、Cisco.com で提供されている『Installing the Cisco WAE Inline Network Adapter』の「Cabling」の項にあるケーブル接続要件に従ってください。
(注) WAE やルータ、スイッチ、またはその他のデバイス上では半二重接続を使用しないことを強く推奨します。半二重接続ではシステム パフォーマンスの向上が妨げられるため、この接続は適切ではありません。隣接デバイス(ルータ、スイッチ、ファイアウォール、WAE)上で Cisco WAE の各インターフェイスおよびポートに全二重が設定されていることを確認してください。
WAAS Central Manager は専用アプライアンスで稼働させる必要があります。WAAS Central Manager は、WAAS Central Manager デバイスがデータセンターの Web ファイルおよびアプリケーション サーバと同じ物理位置になるように、データセンターに配置された専用アプライアンスにインストールする必要があります。
(注) WAAS Central Manager を WAE ネットワーク モジュール(NME-WAE)デバイスにインストールすることはできません。
次の手順は WAAS ネットワークの基本的な設定を行うために必要な作業の要約です。
1. セットアップ ユーティリティと WAAS CLI を使用して各 WAE に基本的なネットワーク設定を行い、プライマリ インターフェイスとデバイス モードを定義します。最初は WAAS Central Manager です。「WAAS Central Manager の設定」を参照してください。
セットアップ ユーティリティを使用すると、代行受信方式の選択および有効化(WCCP またはインライン)を行えます。最も簡単に設定できるので、インライン代行受信の使用を推奨します。WCCP を選択した場合、セットアップ ユーティリティにより代行受信ルータのリストが提示され、WAE 上で TCP 無差別モードがイネーブルになります。
2. (任意)WCCP による代行受信を使用している場合、「WCCP の設定」の手順を参照し、ルータに WCCP バージョン 2 を設定します。Cisco WAE Inline Network Adapterがインストールされた WAE でインライン モードを使用している場合、この手順は不要です。
3. WAAS ネットワークの管理および監視には、WAAS Central Manager の GUI を使用します。「WAAS Central Manager GUI の使用」を参照してください。
4. WAAS アプリケーション アクセラレーションが適切に動作していることを確認します。「アプリケーション アクセラレーションの確認」を参照してください。
5. 定義済みのスーパーユーザ アカウントのパスワードを変更します。「管理者パスワードの変更」を参照してください。
このマニュアルで示される CLI コマンドの詳細なコマンド構文情報については、『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』を参照してください。
表1 に WAAS ネットワークのセットアップと設定に必要な各種パラメータとデータを示します。表に値を書き込んで、WAAS ネットワークを設定するときに参照すると便利です。
1 台の WAAS Central Manager および 2 台の WAE で構成される WAAS ネットワークの基本的な設定を行うには、次に示された順序で手順を実行します。
• 「WAAS Central Manager GUI の使用」
WAAS Central Manager デバイスをインストールして設定するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 データセンターでは、WAAS Central Manager デバイスとして設定する最初の WAAS デバイスを開梱し、接続します。WAE を接続するポートを全二重に設定する必要があります。ハードウェアの設置手順については、WAAS デバイスのハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
ステップ 2 データセンターの最初の WAAS デバイスの電源を投入してコンソール接続を開き、WAE の基本的なデバイス ネットワーク設定( 表1 を参照)を行います。
(注) PC をコンソールとして使用して WAAS デバイスに接続する場合、PC にターミナル エミュレーション ソフトウェアをインストールしておく必要があります。ターミナル エミュレーション ソフトウェアではパラメータを9600 ボー、8 データ ビット、パリティ ビットなし、1 ストップビットに設定してください。
WAE 上のこれらの基本的なデバイス ネットワーク設定の初期設定では、Telnet セッションでなく、コンソール接続を使用する必要があります。コンソール接続を使用してデバイス ネットワーク設定を定義したら、それ以降の CLI セッションには Telnet セッションを使用できます。デフォルトでは、Telnet サービスは、WAAS デバイスで有効になっています。
ステップ 3 WAAS デバイスを起動すると、デバイスの基本設定を行うための初回セットアップ ユーティリティを実行するようプロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、 Enter を押してデフォルトの管理者パスワードを入力します。
セットアップ ユーティリティを終了するには、Esc を押します。
(注) 基本的な設定を入力するのに、時間内に Enter を入力しなかった場合は、ターミナル コンソールから WAAS デバイスにログインし、setup EXEC CLI コマンドを実行して手動でセットアップ ユーティリティを呼び出す必要があります。ログインの際に使用するユーザ名は admin でパスワードは default です。
ステップ 4 最初のプロンプトで n を入力し、デフォルトの設定を変更します。WAAS Central Manager を設定するには、デフォルトを変更する必要があります。
ステップ 5 セットアップ ユーティリティの指示に従い必要な情報を入力します。たとえば、WAAS デバイスに設定するデバイス モードとして central-manager を選択します。
セットアップ ユーティリティに表示される質問に答えます。 Enter を押して(ブラケット内に示されている)デフォルトの選択肢を確定します。
ステップ 6 使用しているネットワークで動的ホスト制御プロトコル(DHCP)が有効になっている場合、 y を入力して WAAS デバイス インターフェイスの DHCP を有効にします。ネットワークで DHCP が有効になっていない場合は、 n を入力します。デフォルトは No です。
ステップ 7 セットアップ ユーティリティに表示される質問に答えます。
Network Time Protocol(NTP)サーバの設定プロンプトが表示されている場合、WAE 間のクロック同期が重要となる理由から、NTP サーバの IP アドレスを入力することを推奨します。
ステップ 8 デバイスのタイムゾーンを設定します。タイムゾーンの省略形、最も近い整数へ切り下げた UTC 時間(hour)、および切り下げた分数(minute)の入力が求められます。たとえば、UTC とのタイムゾーンの差が -3:30 である場合、時間を -3 、分数を 30 と設定します。
ステップ 9 入力した情報の要約が表示されます。あとで参照できるように IP アドレスを記録します。WAAS Central Manager デバイスの IP アドレスは、以降の「WAAS Central Manager GUI の使用」で使用する WAAS Central Manager GUI の起動に必要です。
ステップ 10 プロンプトが表示されたら設定を確定します。No( n )を選択している場合、入力値の再入力および変更が可能です(以前の入力値はデフォルトとして使用されます)。
ステップ 11 プロンプトが表示されたら設定を適用します。設定を適用すると、デバイスはネットワークで認識され、PING を実行できます。
ステップ 12 所定の WAAS Central Manager に対する基本的なネットワーク パラメータの指定が完了し、設定を保存したあと、システムをリロードして新しい設定を有効にします。
システムがリブートされます。設定したばかりの WAAS Central Manager の設定が waas-cm という WAAS デバイスにロードされます。これでこのデバイスが WAAS Central Manager に指定されました。
ステップ 13 プロンプトが表示されたら管理者ユーザ名(admin)とパスワード(default)を入力し、 Enter を押します。
これで WAAS Central Manager の初期設定は完了しました。次に、他の 2 つの WAAS デバイス(データセンター WAE およびブランチ WAE)の初期設定を行い、この WAAS Central Manager に登録します。詳細については、次の項を参照してください。
この項では、Cisco WAE Inline Network Adapterがインストールされている WAE の設定方法について説明します。WCCP による代行受信を使用する WAE(または WAE ネットワーク モジュール)を使用している場合は、「WCCP の設定」の項を参照してください。
WAAS WAE デバイスをインストールして設定し、WAAS Central Manager に登録するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 データセンターで WAAS ネットワーク上のデータセンター WAE として設定する 2 番めの WAAS デバイスを開梱して接続します。WAE を接続するポートを全二重に設定する必要があります。ハードウェアの設置手順については、WAAS ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
(注) WAE やルータ、スイッチ、またはその他のデバイス上では半二重接続を使用しないことを強く推奨します。半二重接続ではシステム パフォーマンスの向上が妨げられるため、この接続は適切ではありません。隣接デバイス(ルータ、スイッチ、ファイアウォール、WAE)上で Cisco WAE の各インターフェイスおよびポートに全二重が設定されていることを確認してください。
ステップ 2 指定したデータセンター WAE の電源を投入し、コンソール接続を開きます。
ステップ 3 WAAS デバイスを起動すると、デバイスの基本設定を行うための初回セットアップ ユーティリティを実行するようプロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、 Enter を押してデフォルトの管理者パスワードを入力します。
セットアップ ユーティリティを終了するには、Esc を押します。
(注) 基本的な設定を入力するのに、時間内に Enter を入力しなかった場合は、ターミナル コンソールから WAAS デバイスにログインし、setup EXEC CLI コマンドを実行して手動でセットアップ ユーティリティを呼び出す必要があります。ログインの際に使用するユーザ名は admin でパスワードは default です。
ステップ 4 セットアップ ユーティリティの最初の手順で、デフォルトの設定が表示されます。ユーザはこのデフォルトの設定を使用するか( y を入力)、クイック コンフィギュレーション モードを開始して( n を入力)デフォルトを変更することができます。
デフォルトの設定を使用する場合、セットアップ ユーティリティでは次の手順の一部が省略されます。
ステップ 5 セットアップ ユーティリティの指示に従い必要な情報を入力します( 表1 を参照)。たとえば、WAAS デバイスに設定するデバイス モードとして application-accelerator を選択します。 Enter を押して(ブラケット内に示されている)デフォルトの選択肢を確定します。
ステップ 6 Core-WAE1 を登録する WAAS Central Manager の IP アドレスまたはホスト名を指定します。たとえば、「WAAS Central Manager の設定」で設定した WAAS Central Manager の IP アドレスを指定します。
ステップ 7 代行受信方式を選択します。Cisco WAE Inline Network Adapterがインストールされている場合、設定は自動でインラインになっているので(これ以外の場合は WCCP)、通常の選択としてはデフォルトの方式を適切です。PBR 代行受信を使用する場合や、Cisco Application Control Engine(ACE)または Catalyst 6500 シリーズ Content Switching Module(CSM)からのリダイレクションを使用する場合は他を選択します。
(注) インラインによる代行受信を使用する場合、Cisco WAE Inline Network Adapter インターフェイスにルーティングが可能な IP アドレスを使用することを推奨します。Cisco WAE Inline Network Adapter インターフェイスには IP アドレスを設定しないこともできますが、その場合、directed モードは機能しません。directed モードの使用の詳細については、『Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide』の「Configuring Directed Mode」の項を参照してください。
ステップ 8 WAAS Central Manager との通信に使用する、管理インターフェイスとして設定するインターフェイスを選択します。Cisco WAE Inline Network Adapterでは、管理トラフィック用にインライン インターフェイスのいずれかを共有するよう選択したり、組み込みのギガビット イーサネット(アウトオブバンド管理)のいずれかを使用できます。
インターフェイスの IP アドレスのプロンプトが表示された場合、管理インターフェイスにはこの手順で入力する IP アドレスが使用されます。
ステップ 9 代行受信の方式としてインラインを選択した場合、VLAN ID の入力を求めるプロンプトが表示されたら 1 ~ 4094 の間の VLAN ID を入力します。VLAN のタグを使用しない場合は、 none と入力します。
スイッチとルータ間の 802.1Q VLAN トランク回線に Cisco WAE インライン ネットワーク アダプタを使用する WAE があり、インライン インラーフェイスに IP アドレスを設定する場合には、WAE から送信されるトラフィックに割り当てられる VLAN ID を設定する必要があります。この VLAN ID はルータが期待しているものと同じ VLAN ID である必要があります。
ステップ 10 代行受信方式にインラインを選択した場合、代行受信に使用するインライン グループの選択を求められたら、それを選択します。
ステップ 11 ライセンスの選択のプロンプトが表示されたら、WAE での使用に購入したライセンスを選択します。さまざまなアクセラレーション機能の動作には、適切なライセンスを有効にする必要があります。すべての WAE モデルですべてのライセンスをサポートしている訳ではありません。
ステップ 12 代行受信方式として WCCP を選択した場合、ユーザの利便性のためセットアップ ユーティリティに複数のルータ設定例が表示されます。これらは、「ルータ上での WCCP の設定」に示されている設定と同じです。続行するには、 Enter を入力します。
ステップ 13 終了すると、入力した情報の要約が表示されます。プロンプトの表示に従い、設定の確定( y を入力)、適用( y を入力)を続けます。変更を適用し、デバイスの起動が完了すると、デバイスはネットワークで認識され、PING を実行できます。
設定を確定せずに、手順の質問をさかのぼって、値を再入力することもできます。以前の値はデフォルトとして使用されます。
WAE で現在実行されている設定を確認するには、 show running-config EXEC コマンドを使用します。
これでデータセンター WAE の初期設定は完了しました。次に、指定したブランチ WAE を初期設定して WAAS Central Manger デバイスに登録します。設定は同一なので、ブランチ オフィス内の WAE にこの項の手順を繰り返します。
WAE にインライン モードを使用する場合、ネットワークの設定は完了しており、「WAAS Central Manager GUI の使用」に進むことができます。
(注) Cisco WAE Inline Network Adapterがインストールされた WAE でインライン モードを使用している場合は、WCCP を設定しないでください。設定するとインライン モードの動作が妨げられます。インライン モードではトラフィックを直接代行受信するので、リダイレクションは不要です。「WAAS Central Manager GUI の使用」まで進みます。
インライン代行受信ではなく WCCP を使用するようネットワークを設定している場合、WCCP には、処理のために WAE に透過的にリクエストをリダイレクトする方法があります。図2 に WCCP を使用して WAAS ネットワークを設定する例を示します。
基本 WCCP を設定するには、ネットワーク内の少なくとも 1 台のルータと WAE で WCCP サービスを有効にする必要があります。WAE を起動し稼働させるために、使用可能な WCCP 機能またはサービスをすべて設定する必要はありません。
この設定例では、WAAS ネットワークにデータセンター WAE とブランチ WAE があるため、次のように 4 台のデバイスで WCCP バージョン 2 を設定する必要があります。
• データセンター WAE ― データセンター WAE で WCCP を設定するには、「WAE での WCCP の設定」を参照してください。
• ブランチ WAE ― ブランチ WAE に WCCP を設定するには、「WAE での WCCP の設定」を参照してください。
• データセンター ルータ ― データセンター ルータで WCCP を設定するには、「ルータ上での WCCP の設定」を参照してください。
• ブランチ ルータ ― ブランチ ルータで WCCP を設定するには、「ルータ上での WCCP の設定」を参照してください。
(注) WCCP バージョン 1 は Web トラフィック(ポート 80)のみをサポートしているため、これらのデバイスが WCCP バージョン 1 の代わりに WCCP バージョン 2 を使用するように設定する必要があります。WCCP 設定の詳細については、『Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide』を参照してください。
この項では、WCCP を使用する WAE の設定方法について説明します。Cisco WAE Inline Network Adapterがインストールされた WAE を使用している場合、「インライン代行受信のための WAE の設定」の項を参照してください。
(注) 設定する WAE デバイスの 1 つがシスコ アクセス ルータにインストールされたネットワーク モジュール(NME-WAE)の場合は、この項で説明する WAAS CLI を使用するのではなく、アクセス ルータの CLI を使用して基本的なネットワーク設定を行う必要があります。詳細については、『Configuring Cisco WAAS Network Modules for Cisco Access Routers』を参照してください。基本的なネットワーク設定が完了し、ネットワーク モジュールへのセッションを開いたら、この項の手順を使用し、その他の基本設定を実行します。セットアップ ユーティリティでは、ルータの設定から提供されるデバイス モードに関する質問(アプリケーション アクセラレータのみ使用可能)およびネットワークの基本設定は省略します。
WCCP を使用するよう WAAS WAE デバイスをインストールして設定し、WAAS Central Manager に登録するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 データセンターで WAAS ネットワーク上のデータセンター WAE として設定する 2 番めの WAAS デバイスを開梱して接続します。WAE を接続するポートを全二重に設定する必要があります。ハードウェアの設置手順については、WAAS ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
(注) WAE やルータ、スイッチ、またはその他のデバイス上では半二重接続を使用しないことを強く推奨します。半二重接続ではシステム パフォーマンスの向上が妨げられるため、この接続は適切ではありません。隣接デバイス(ルータ、スイッチ、ファイアウォール、WAE)上で Cisco WAE の各インターフェイスおよびポートに全二重が設定されていることを確認してください。
ステップ 2 指定したデータセンター WAE の電源を投入し、コンソール接続を開きます。
ステップ 3 WAAS デバイスを起動すると、デバイスの基本設定を行うための初回セットアップ ユーティリティを実行するようプロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、 Enter を押してデフォルトの管理者パスワードを入力します。
セットアップ ユーティリティを終了するには、Esc を押します。
(注) 基本的な設定を入力するのに、時間内に Enter を入力しなかった場合は、ターミナル コンソールから WAAS デバイスにログインし、setup EXEC CLI コマンドを実行して手動でセットアップ ユーティリティを呼び出す必要があります。ログインの際に使用するユーザ名は admin でパスワードは default です。
ステップ 4 セットアップ ユーティリティの最初の手順で、デフォルトの設定が表示されます。ユーザはこのデフォルトの設定を使用するか( y を入力)、クイック コンフィギュレーション モードを開始して( n を入力)デフォルトを変更することができます。
デフォルトの設定を使用する場合、セットアップ ユーティリティでは次の手順の一部が省略されます。
ステップ 5 セットアップ ユーティリティの指示に従い必要な情報を入力します( 表1 を参照)。たとえば、WAAS デバイスに設定するデバイス モードとして application-accelerator を選択します。 Enter を押して(ブラケット内に示されている)デフォルトの選択肢を確定します。
ステップ 6 Core-WAE1 を登録する WAAS Central Manager の IP アドレスまたはホスト名を指定します。たとえば、「WAAS Central Manager の設定」で設定した WAAS Central Manager の IP アドレスを指定します。
ステップ 7 代行受信方式を選択します。Cisco WAE Inline Network Adapterがインストールされていない場合、設定は自動で WCCP になっているので、通常はデフォルトの方式を選択することが適切です。
ステップ 8 WAAS Central Manager との通信に使用する、管理インターフェイスとして設定するインターフェイスを選択します。Cisco WAE Inline Network Adapterでは、管理トラフィック用にインライン インターフェイスのいずれかを共有するよう選択したり、組み込みのギガビット イーサネット(アウトオブバンド管理)のいずれかを使用できます。
インターフェイスの IP アドレスのプロンプトが表示された場合、管理インターフェイスにはこの手順で入力する IP アドレスが使用されます。
ステップ 9 WCCP ルータ リストを入力するプロンプトが表示されたら、スペースで区切って 1 ~ 4 のルータの IP アドレスを入力します。デフォルトのゲートウェイとして設定したルータであるデフォルトを確定すると、一番簡単に設定できます。 Enter を押し、デフォルトを確定します。
ステップ 10 ライセンスの選択のプロンプトが表示されたら、WAE での使用に購入したライセンスを選択します。さまざまなアクセラレーション機能の動作には、適切なライセンスを有効にする必要があります。すべての WAE モデルですべてのライセンスをサポートしている訳ではありません。
ステップ 11 設定の利便性のため、セットアップ ユーティリティにはルータの設定例がいくつか表示されます。これらの設定は、「ルータ上での WCCP の設定」に示されている設定と同じです。続行するには、 Enter を入力します。
ステップ 12 終了すると、入力した情報の要約が表示されます。プロンプトの表示に従い、設定の確定( y を入力)、適用( y を入力)を続けます。変更を適用すると、デバイスはネットワークで認識され、PING を実行できます。
設定を確定せずに、手順の質問をさかのぼって、値を再入力することもできます。以前の値はデフォルトとして使用されます。
WAE で現在実行されている設定を確認するには、 show running-config EXEC コマンドを使用します。
これでデータセンター WAE の初期設定は完了しました。次に、指定したブランチ WAE を初期設定して WAAS Central Manger デバイスに登録します。設定は同一なので、ブランチ オフィス内の WAE にこの項の手順を繰り返します。
両方の WAE に WCCP を設定し終えたら、「ルータ上での WCCP の設定」に進みます。
データセンター(Core-Router1)およびブランチ オフィス(Edge-Router1)のルータに対する WCCP の基本設定を完了するには、各ルータで次の手順を実行します。
ステップ 1 Core-Router1 にログオンして、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 Core-Router1 で WCCP バージョン 2 および WCCP サービス 61 と 62(TCP 無差別モード)を有効にします。
ステップ 3 Core-Router1 で、リダイレクション用の LAN インターフェイスを設定します。このインターフェイスでは、トラフィックがデータセンター ネットワークから WAN に発信されたときに代行受信されます。
ステップ 4 fa1/0.40 の着信方向で WCCP サービス 61 を有効にします。
ステップ 5 リダイレクション用の WAN インターフェイスを設定します。このインターフェイスでは、トラフィックが WAN からデータセンター ネットワークに着信したときに代行受信されます。
ステップ 6 serial0 の着信方向で WCCP サービス 62 を有効にします。
ステップ 7 リダイレクション ループを回避するため、Core-WAE1 が Core-Router1 に接続するサブインターフェイスを設定します。ルーティング ループを回避するため、リダイレクションを実行する Core-Router1 のインターフェイスと同じセグメント(サブネット)に Core-WAE1 を接続しないでください。Core-WAE1 が接続する第 3 のインターフェイス(分離された物理インターフェイス)またはルータの LAN ポートにないサブインターフェイスがあることを確認します。次の例では、サブインターフェイスが使用されています。
ステップ 8 サブインターフェイスを作成したあと、 ip wccp redirect exclude in コマンドを入力して、
Core-Router1 がローカル WAE(Core-WAE1)へ同じトラフィックを繰り返しリダイレクトしないように指定します。
ステップ 9 サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 10 Core-Router1 で Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)を有効にします。
(注) CEF は必須ではありませんが、パフォーマンスを向上させるために、使用することを推奨します。ルータで CEF が有効になっている場合、WCCP は IP CEF を使用できます。
ステップ 11 実行コンフィギュレーションを不揮発性メモリに書き込み、行った設定変更を保存します。
ステップ 12 Core-Router1 の新しい設定を確認します。
これでデータ センター上の WCCP の設定は完了しました。次に ブランチ ルータ上で WCCP の設定を行います。設定は同一なので、ブランチ オフィス ルータにこの項の手順を繰り返します。
WAAS Central Manager として指定した WAE を配置したあと、WAAS Central Manger GUI を使用して WAAS ネットワークの基本的な設定を行うことができます。WAAS Central Manager GUI を使用して、WAAS ネットワーク内の地理的に分散した WAE を中央で管理し、監視することもできます。
WAAS Central Manager GUI にアクセスして WAAS ネットワークの初期設定を行うには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 Web ブラウザで次の URL を入力します。
https:// IP_address_of_WAAS Central_Manager :8443
https:// hostname_of_WAAS_Central_Manager :8443
(注) WAAS Central Manager の GUI にアクセスするときは、データが安全に WAAS Central Manager から Web ブラウザに送信されるように HTTP ではなく HTTPS を使用してください。
ステップ 2 [Security Alert] ウィンドウが表示されたら、 [Yes] をクリックしてセキュリティ証明書を承諾します。
ステップ 3 [Login] ウィンドウが表示されたら、定義済みスーパーユーザ アカウントのデフォルトのユーザ名(admin)とデフォルトのパスワード(default)を入力し、 Login ボタンをクリックします。
ブラウザに WAAS Central Manager GUI のダッシュボード ウィンドウが表示されます。
これで WAAS ネットワークの初期設定は完了しました。次に、アプリケーション アクセラレーションが正しく動作していることを確認します。詳細については、次の項を参照してください。
WAAS ソフトウェアには、WAE が DRE、TFO および LZ による最適化を使用して、最も一般的なアプリケーション トラフィックを分類し、最適化できる、一連の定義済みアプリケーション ポリシーがあります。このデフォルトのアプリケーション ポリシーは既知のポート番号を使用するアプリケーション用です。定義済みのアプリケーション定義ポリシーの一覧については、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』を参照してください。
WAAS Central Manager GUI を使用すると、これらの定義済みアプリケーション ポリシーを変更して新しいポリシーを作成し、WAAS ネットワーク内の 1 つまたは複数のデバイスに配布できます。WAAS CLI を使用して、定義済みのアプリケーション ポリシーを変更したり新しいポリシーを作成したりすることもできますが、タスクの複雑さを大幅に低減させ、一貫性レベルを高めるためには、WAAS Central Manager GUI を使用してこのタスクを行うことを強く推奨します(CLI コマンド構文については、『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』を参照)。
また、WAAS ソフトウェアでは、すべてのアプリケーション アクセラレータが有効に設定されています。有効なアクセラレータは、CIFS、EPM、HTTP、MAPI、NFS、およびビデオ アクセラレータです。有効に設定されたアクセラレータは、適切なライセンスがインストールされている場合のみ機能します。すべてのアクセラレータでエンタープライズ ライセンスは必要で、ビデオ アクセラレータではさらにビデオ ライセンスが必要です。
次の手順に従い、WAAS が正しく最適化され、アプリケーションのアクセラレーションが正しく機能していることを確認します。
ステップ 1 前の項で示したように、WAAS Central Manager にログインします。
ステップ 2 ナビゲーション パネルの左から [My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
WAAS Central Manager にデバイス一覧が表示されます。WAAS Central Manager([Services] カラムに CM)と 2 つの WAE([Services] カラムの Application Accelerator)が表示されます。
ステップ 3 図3 のとおり、3 つの WAAS デバイスの [CMS Status] が [Online] で [Device Status] がグリーンで点灯していることを確認します。
図3 WAAS Central Manager のデバイス ウィンドウ
ステップ 4 WAAS が最適化するアプリケーション用に、WAAS ネットワークでトラフィックを生成します。
ステップ 5 WAAS Central Manager で [My WAN] > [Dashboard] を選択します。
ステップ 6 システム ダッシュボード ウィンドウの図から、WAAS ネットワークでデータが代行受信、最適化、圧縮されていることを確認します。(中央の)トラフィック ボリュームおよびリダクション図に、元のトラフィックよりも遅い最適化されたトラフィックの量が示されます。(右側の)上位 10 アプリケーション図に、ネットワークを妨害していたアプリケーション トラフィックの種類の削減割合が示されます。
WAAS のパフォーマンスの監視の詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』の「 Monitoring and Troubleshooting Your WAAS Network 」の項を参照してください。
WAAS デバイスを初期設定したあと、各 WAAS デバイスで定義済みのスーパーユーザ アカウント用パスワードをただちに変更することを強く推奨します(定義済みのユーザ名は admin、パスワードは default、特権レベルは superuser、特権レベル 15 です)。
WAAS Central Manager でスーパーユーザ アカウント用の定義済みパスワードが変更されていない場合は、このスーパーユーザ アカウントを使用して WAAS Central Manager GUI にログインするたびに、次のダイアログボックスが表示されます(図4 を参照)。
図4 スーパーユーザ アカウント用の定義済みパスワードを変更する必要があることを示すメッセージ
スーパーユーザ アカウント用の定義済みパスワードが変更されていない場合、このスーパーユーザ アカウントを使用して WAAS デバイスの WAAS CLI にログインするたびに、コンソールに次のメッセージも表示されます。
Central Manager に登録されているすべての WAE デバイスのスーパーユーザ アカウント用パスワードを変更するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 まだログインしていない場合は、admin アカウントを使用して WAAS Central Manager GUI にログインします。
ステップ 2 WAAS Central Manager GUI の [Contents] ペインから、 [Admin] > [Password] を選択します。
[Changing Password for User Account] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [New Password] フィールドに、新しいパスワードを入力します。パスワードは、大文字と小文字を区別します。
ステップ 4 [Confirm New Password] フィールドに、確認のためにパスワードを再入力します。
パスワードが変更されたことを確認する「Changes Submitted メッセージ」が、ウィンドウの一番下に表示されます。このパスワード変更は登録されているすべての WAE で実施されます。
WAAS ネットワーク内の WAE 同士で、クロックが同期されていることが重要です。各 WAE で、Network Time Protocol(NTP)サーバをセットアップし、クロックの同期を維持します。NTP サーバを設定するためのセットアップ ユーティリティが表示されたら、画面に従って設定を行い、現在のタイムゾーンを入力します。NTP サーバの設定に関する詳細は、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』の Configuring Other System Settings を参照してください。
クロックを手動で設定するには、各 WAE で clock EXEC CLI コマンドを使用します。詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』を参照してください。
WAAS ネットワークでアプリケーション アクセラレーションの初期設定を行ったあと、他の WAAS 管理タスクを実行できます。詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』を参照してください。
Cisco WAAS ソフトウェアの詳細については、次のマニュアルを参照してください。
• 『 Release Note for Cisco Wide Area Application Services 』
• 『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』
• 『 Cisco Wide Area Application Services Quick Configuration Guide 』(このマニュアル)
• 『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』
• 『 Cisco Wide Area Application Services API Reference 』
• 『 Cisco WAAS Installation and Configuration Guide for Windows on a Virtual Blade 』
• 『 Configuring Cisco WAAS Network Modules for Cisco Access Routers 』
• 『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco Content Networking Product Series 』
• 『 Cisco Wide Area Application Engine 511 and 611 Hardware Installation Guide 』
• 『 Cisco Wide Area Application Engine 512 and 612 Hardware Installation Guide 』
• 『 Cisco Wide Area Application Engine 7326 Hardware Installation Guide 』
• 『 Cisco Wide Area Application Engine 7341 and 7371 Hardware Installation Guide 』
• 『 Cisco Network Modules Hardware Installation Guide 』
マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、マニュアルに関するフィードバックの提供、セキュリティ ガイドライン、および推奨エイリアスや一般的なシスコのマニュアルについては、次の URL で、毎月更新される『 What's New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。シスコの新規および改訂版の技術マニュアルの一覧も示されています。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html
次の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。
http://www.cisco.com/en/US/support/index.html
以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。
• セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける
• Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する
• TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する
Japan テクニカル サポート Web サイトでは、Technical Support Web サイト( http://www.cisco.com/techsupport )の、利用頻度の高いドキュメントを日本語で提供しています。
Service Request ツールには、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/techsupport/servicerequest
日本語版の Service Request ツールは次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/jp/go/tac/sr/
シスコの製品、サービス、テクノロジー、ネットワーキング ソリューションに関する情報について、さまざまな資料をオンラインで入手できます。
• シスコの E メール ニュースレターなどの配信申し込みについては、Cisco Subscription Center にアクセスしてください。
http://www.cisco.com/offer/subscribe
• 日本語の月刊 Email ニュースレター「Cisco Customer Bridge」については、下記にアクセスください。
http://www.cisco.com/web/JP/news/cisco_news_letter/ccb/
• シスコ製品に関する変更やアップデートの情報を受信するには、Product Alert Tool にアクセスし、プロファイルを作成して情報の配信を希望する製品を選択してください。Product Alert Tool には、次の URL からアクセスできます。
http://tools.cisco.com/Support/PAT/do/ViewMyProfiles.do?local=en
• 『 Cisco Product Quick Reference Guide 』はリファレンス ツールで、パートナーを通じて販売されている多くのシスコ製品に関する製品概要、主な機能、製品番号、および簡単な技術仕様が記載されています。『 Cisco Product Quick Reference Guide 』を発注するには、次の URL にアクセスしてください。
• ネットワークの運用面の信頼性を向上させることのできる最新の専門的サービス、高度なサービス、リモート サービスに関する情報については、Cisco Services Web サイトを参照してください。Cisco Services Web サイトには、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/go/services
• Cisco Marketplace では、さまざまなシスコの書籍、参考資料、マニュアル、ロゴ入り商品を提供しています。Cisco Marketplace には、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/go/marketplace/
• DVD に収録されたシスコの技術マニュアル(Cisco Product Documentation DVD)は、Product Documentation Store で発注できます。Product Documentation Store には、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/go/marketplace/docstore
• 日本語マニュアルの DVD は、マニュアルセンターから発注できます。マニュアルセンターには下記よりアクセスください。
http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/service/manual_j/manual_center/index.shtml
• Cisco Press では、ネットワーク、トレーニング、認定関連の出版物を発行しています。Cisco Press には、次の URL からアクセスできます。
http://www.seshop.com/se/ciscopress/default.asp
• 『 Internet Protocol Journal 』は、インターネットおよびイントラネットの設計、開発、運用を担当するエンジニア向けに、シスコが発行する季刊誌です。『 Internet Protocol Journal 』には、次の URL からアクセスできます。
• 『 What's New in Cisco Product Documentation 』は、シスコ製品の最新マニュアル リリースに関する情報を提供するオンライン資料です。毎月更新されるこの資料は、製品カテゴリ別にまとめられているため、目的の製品マニュアルを見つけることができます。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html