Cisco ACE Application Control Engine ACE30 モジュール インストレーション ノート
30 のシャーシ、スーパーバイザ エンジンおよび IOS の要件
Virtual Switching System のサポート
冗長モジュール ACE10 または ACE20 の ACE30 への移行
スーパーバイザ エンジン イメージのダウンロードおよびインストール
手動によるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ
バックアップ ユーティリティによるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ
ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とのアソシエーションの解除
バックアップ アーカイブ ファイルの復元とスタンバイの電源切断
スーパーバイザ エンジン VLAN と ACE の電源投入との再アソシエーション
以前のアクティブ ACE10 または ACE20 の ACE30 への移行
単一の ACE10 または ACE20 モジュールの ACE30 モジュールへの移行
以前取り付けられていた ACE10 または ACE20 の再取り付けとログイン
以前のアクティブ ACE30 の ACE10 または ACE20 へのダウングレード
アクティブ ACE10 または ACE20 のプリエンプションの再イネーブル化
このマニュアルでは、Cisco ACE Application Control Engine(ACE30)モジュールを取り付ける方法について説明します。ACE30 モジュールは、次のソフトウェア バージョンでの操作をサポートします。
ACE30 モジュールは、次のシャーシに取り付けることができます。
• すべての Catalyst 6500E シリーズ スイッチ、または Catalyst 6513 非 E シャーシ(IOS ソフトウェア バージョン 12.2(33)SXI4 以降を搭載)。さまざまなシャーシおよびスロットの使用方法の詳細については、「モジュールの取り付けまたは取り外しを行う前に」を参照してください。
• すべての Cisco 7600 または 7600S シリーズ ルータ(IOS ソフトウェア リリース 15.0(1)S を搭載)。さまざまなシャーシおよびスロットの使用方法の詳細については、「モジュールの取り付けまたは取り外しを行う前に」を参照してください。
(注) ACE30 を取り付ける前に、シャーシの IOS ソフトウェアを上記のバージョンにアップグレードしてください。
(注) ACE10-6500-K9、ACE20-MOD-K9 および ACE30-MOD-K9 モジュールの場合、1 つのシャーシに最大 4 台のモジュールを取り付けることができます。ただし、冗長性確保の目的で ACE10 または ACE20 と ACE30 とを併用することはできません。
• 前面パネルの説明
• ACE30 のシャーシ、スーパーバイザ エンジンおよび IOS の要件
• Virtual Switching System のサポート
• 冗長モジュール ACE10 または ACE20 の ACE30 への移行
• 単一の ACE10 または ACE20 モジュールの ACE30 モジュールへの移行
• 関連資料
ACE30 モジュールは、ベース ボードと 2 つのドーター カードで構成されます。ベース ボードは、バック プレーン接続、パケット配布、コントロール プレーンを提供します。各ドーター カードには、2 つのネットワーク プロセッサ(NP)が搭載されており、圧縮と、レイヤ 4 ~レイヤ 7 の改良データ プレーン処理を実行します。この 4 つの NP は、ACE アプライアンスで使用されるものと同様です。他に、4 GB のコンパクト フラッシュおよび容量を増したコントロール プレーン メモリが含まれます。
図 1 に、ACE30 の前面パネルを示します。
この項では、前面パネルにある次の各コンポーネントについて説明します。
• USB ポート
ACE モジュールの電源を投入すると、各種ハードウェア コンポーネントが初期化され、スーパーバイザ エンジンとの通信が開始されます。ステータス LED は、スーパーバイザ エンジンの動作と初期化の結果を示します。通常の初期化シーケンスの実行中は、ステータス LED が消灯からレッド、オレンジ、グリーンへと変化します。
(注) スーパーバイザ エンジンの LED の詳細については、『Catalyst 6500 Series Switch Module Installation Guide』または『Cisco 7600 Series Router Module Installation Guide』を参照してください。
表 1 に、ステータス LED の動作を示します。
• モジュールはスーパーバイザ エンジンからの電力供給を待機しています。 • モジュールに電源が供給されていません。次の原因が考えられます。 – モジュール温度が制限値を超えている1。 |
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• モジュールはハードウェアを初期化中、またはスーパーバイザ エンジンと通信中です。 • モジュールは起動時に Field Programmable Gate Array(FPGA)をダウンロードできませんでした。モジュールは初期化シーケンスの残りを続行し、スーパーバイザ エンジンからモジュール オンライン ステータスを取得します。 • モジュールはスーパーバイザ エンジンからモジュール オンライン ステータスを取得していません。この問題は、モジュールに発行された外部ループバック テストでスーパーバイザ エンジンがエラーを検出した場合に発生します。 |
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スーパーバイザ エンジンのコマンドライン インターフェイス(CLI)で no power enable module コマンドを使用した結果、モジュールがディセーブルになっています。 |
1.モジュールの 4 つの各センサーの温度を表示するには、Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータの CLI で、show environment temperature mod コマンドを入力します。 |
シャットダウン ボタンを使うと、ACE モジュールを手動でシャットダウンできます。ACE モジュールを適切にシャットダウンしてデータ損失を防止するには、スイッチまたはルータの CLI で、Configure モードで no power enable module コマンドを入力します。
ACE モジュールがこのコマンドに応答しない場合、クリップなど先のとがった小さなものを使用して ACE モジュールの前面パネルのシャットダウン ボタンを押し、モジュールをシャットダウンします。シャットダウン作業には、数分かかることがあります。モジュールがシャットダウンすると、ステータス LED は消灯します。
RJ-45 コンソール ポートは、ACE モジュールの初期設定で使用します。ACE モジュールの初期設定は、コンソール ポートに直接接続して行う必要があります。初期設定のあと、セキュア シェル(SSH)または Telnet で接続して、さらにモジュールを詳細に設定できます。
コンソール ポートでは、8 ピンの RJ-45 コネクタを使用して ACE モジュールを端末に接続します。ACE モジュール アクセサリ キットには、RJ-45 コンソール ケーブルが 2 本含まれています。
コンソール ポートの設定は、9600 ボー、8 データ ビット、1 ストップ ビット、パリティなしです。コンソール ポートの設定は固定値のため、変更できません。
表 2 および 表 3 に、Catalyst 6500 シリーズ スイッチおよび Cisco 7600 シリーズ ルータの ACE30 をサポートするシャーシ、スーパーバイザ エンジン モデルおよび IOS バージョンをそれぞれ要約します。
6509-E2 6513-E3 |
VS-S2T-10G 4 |
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(注) Catalyst 6500 シリーズ スイッチを非 E シャーシで稼働させる場合は、E シャーシにアップグレードする必要があります(Catalyst 6513 スイッチを除く)。
1 台の ACE30 で、サポートされている Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータのシャーシのスロットを 1 つ使用します。1 つのシャーシで最大 4 台の ACE30 モジュールをサポートします。ACE10-6500-K9、ACE20-MOD-K9、および ACE30-MOD-K9 モジュールは同じシャーシで使用できます。ただし、冗長性確保のために ACE10 または ACE20 と ACE30 とを併用することはできません。
(注) ACE30 は、サーバおよびクライアント ネットワークに接続するためのポートを持つモジュールをシャーシに取り付ける必要があります。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチの詳細については、『 Catalyst 6500 Series Switch Installation Guide 』を参照してください。
Cisco 7600 シリーズ ルータの詳細については、『 Cisco 7600 Series Router Installation Guide 』を参照してください。
必要な Cisco IOS のリリースの詳細については、『 Release Notes for Cisco IOS Release 12.2(33)SXH and Later Releases 』および『 Cross-Platform Release Notes for Cisco IOS Release 15.0S 』を参照してください。
ACE30 は、ACE ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降および A5(1.0) 以降が稼働し、IOS ソフトウェア バージョン 12.2(33)SXI4 以降が稼働している Catalyst 6500E シリーズ スイッチまたは Catalyst 6513 非 E シャーシに取り付けます。また、ACE30 は Virtual Switching System(VSS)をサポートしています。VSS は、複数の Catalyst 6500 スイッチを単一の仮想スイッチへプーリングすることでネットワークを簡素化し、業務の効率化を促進するシステム仮想化テクノロジーです。シャーシ間のスーパーバイザ スイッチオーバー(SSO)により、ノンストップ通信を強化します。VSS の詳細については、『 Cisco IOS Version 12.2(33)SXI4 Configuration Guide 』を参照してください。
表 4 に、ACE30 の NEBS レベル 3 コンプライアンスおよび環境要件を示します。
次の項では、ACE モジュールのシステム要件および環境要件について説明します。
• 電力要件
• メモリ要件
• 環境要件
表 5 に、ACE モジュールの Application Control Software(ACSW)の最小リリース、サポートされるハードウェア、および Cisco IOS ソフトウェアの最小バージョンを示します。
ACE モジュールは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータによって供給される電力で稼働します。ACE30 は、接続されたドーター カードの所要電力が加わるため、440 W(1502 BTU/Hr)の電力を消費します(各ドーター カードの所要電力は 110 W または 375.5 BTU/hr)。シャーシが ACE30 の稼働に十分な電力を供給しているかどうかを確認するには、スーパーバイザ エンジンの CLI で次のコマンドを入力します。
表 6 に、ACE モジュールの環境要件を示します。
ACE モジュールを Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータに取り付ける前に、次の項目が使用可能であることを確認してください。
• Telnet を介して利用可能な管理ステーション、または設定タスクを実行するためのコンソール接続
モジュールを取り扱う際は必ずリスト ストラップなどのアース用デバイスを使用して、静電放電(ESD)を防止してください。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチおよび Cisco 7600 シリーズ ルータはいずれもホット スワップに対応しているため、シャーシの電源を切らなくても、モジュールの取り付け、取り外し、および交換を行うことができます。スイッチからモジュールを取り外す手順については、「モジュールの取り外し」を参照してください。
モジュールの取り付けや取り外しがソフトウェアによって検出されると、自動的に診断ルーチンと検出ルーチンが実行され、モジュールの有無が確認されてスイッチの動作が再開されます。
Catalyst 6503-E スイッチ、Cisco 7603 ルータ、または Cisco 7603-S ルータのシャーシには 3 つの水平スロットがあります。Catalyst 6504-E スイッチ、Cisco 7604 ルータ、または Cisco 7604-S ルータのシャーシは 4 つの水平スロットを搭載しています。これらのシャーシでは、スロットを次のように使用します。
• 一番上のスロット 1 は、スーパーバイザ エンジン専用です。
• スロット 2 は、冗長スーパーバイザ エンジンに使用できます。
• 冗長スーパーバイザ エンジンが不要な場合は、次のスロットをモジュール用に使用できます。
• 空スロットには、フィラー パネルを取り付けてシャーシのエアーフローを一定に保つ必要があります。
Catalyst 6509-V-E スイッチ、Cisco 7609 ルータ、または Cisco 7609-S ルータ シャーシは 9 つの垂直スロットを搭載しており、右から左に向かって 1 ~ 9 の番号が割り振られています。垂直モジュールのコンポーネント側を右に向けて取り付けます。これらのシャーシでは、スロットを次のように使用します。
• スロット 6 は、冗長スーパーバイザ エンジンに使用できます。
• 冗長スーパーバイザ エンジンが不要な場合は、次のスロットをモジュール用に使用できます。
– 6 スロット シャーシのスロット 1 ~ 4 およびスロット 6
– 9 スロット シャーシのスロット 1 ~ 4 およびスロット 6 ~ 9
• 空スロットには、フィラー パネルを取り付けてスイッチ シャーシのエアーフローを一定に保つ必要があります。
Catalyst 6513 スイッチまたは Cisco 7613 ルータ シャーシは、13 の水平スロットを搭載しています。これらのシャーシでは、スロットを次のように使用します。
• スロット 8 は、冗長スーパーバイザ エンジンに使用できます。
• 冗長スーパーバイザ エンジンが不要な場合は、スロット 1 ~ 6 およびスロット 8 ~ 13 をモジュール用に使用できます。
ここでは、ACE モジュールを Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータに取り付ける方法について説明します。ACE10 または ACE20 から ACE30 に移行する場合は、「冗長モジュール ACE10 または ACE20 の ACE30 への移行」を参照してください。
警告 接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を直視したり、光学機器を使用して直接見たりしないでください。
ステップ 2 モジュール ポートにインターフェイス機器を直接接続するのに十分なスペースがあることを確認します。可能であれば、モジュール フィラー パネルだけが取り付けられている空スロットの間にモジュールを設置してください。
ステップ 3 シャーシに取り付けられているすべてのモジュールについて、非脱落型ネジがしっかりと締まっていることを確認します。この確認が必要であるのは、すべてのモジュールの EMI ガスケットが完全に圧縮されて、交換モジュール用の空きスペースが最大限に確保された状態にするためです。
(注) 非脱落型ネジが緩んでいると、取り付けられているモジュールの EMI ガスケットによって隣接するモジュールが空きスロットの方向へ押し出されるため、空きスペースが狭くなり、交換モジュールの取り付けが難しくなります。
ステップ 4 フィラー パネルから 2 本のなべネジを外して、フィラー パネルを取り外します。
ステップ 5 モジュールの両側のイジェクト レバーを完全に開きます(図 2 を参照)。
ステップ 6 シャーシのスロットの方向(水平または垂直)に応じて、次のいずれかを実行します。
a. モジュールをスロットの位置に合わせます モジュール キャリアの両側を、スロットの両側にあるスロット ガイドに合わせます(図 2 を参照)。
b. モジュールをスロットに慎重に差し込み、モジュール上端に付いている EMI ガスケットが上側のモジュールに接触し、両方のイジェクト レバーがモジュール前面プレートに対しほぼ 45 度の角度に閉じるまで入れます(図 3 を参照)。
c. 両手の親指と人差し指で左右のイジェクト レバーを押し下げて、EMI ガスケットと上のモジュールとの間に 0.040 インチ(1 mm)ほどの隙間を作ります(図 3 を参照)。
d. 左右のイジェクト レバーを押し込みながら、左右同時に閉じてモジュールをバックプレーン コネクタに完全に装着します。イジェクト レバーが完全に閉じると、モジュールの前面プレートと平行になります(図 4 を参照)。
図 4 水平スロット シャーシでイジェクト レバーが完全に閉じた状態
(注) モジュールがバックプレーン コネクタに完全に装着されていないと、エラー メッセージが表示されることがあります。
e. モジュールの 2 本の非脱落型ネジを締めます。非脱落型ネジを締める前に、イジェクト レバーが完全に閉じていることを確認してください。
ACE モジュールをシャーシに取り付けると、起動シーケンスが実行されます。介入の必要はありません。起動シーケンスが正常に終了すると、ステータス LED がグリーンに点灯します。ステータス LED がグリーンではない場合、または点灯しない場合は、 表 1 を参照してモジュールのステータスを確認します。
a. スロットにモジュールを合わせます。(図 5 を参照)。モジュール キャリアの両側を、スロットの上下のスロット ガイドに合わせます。
b. モジュール右端の EMI ガスケットが隣接スロットのモジュールと接触するまで、モジュールをスロットに慎重に差し込みます。両方のイジェクト レバーがモジュール前面プレートに対しほぼ 45 度の角度に閉じるまで入れます(図 5 を参照)。
c. 両手の親指と人差し指で両側のイジェクト レバーを持ち、左方向に少し押し付けるようにしてモジュールを約 0.040 インチ(1 mm)動かし、モジュールの EMI ガスケットと隣接モジュールとの間に小さな隙間を作ります(図 6 を参照)。
図 6 垂直スロット シャーシの EMI ガスケットの隙間を空ける
d. イジェクト レバーを押しながら上下同時に閉じて、モジュールをバックプレーン コネクタに完全に装着します。イジェクト レバーが完全に閉じると、モジュールの前面プレートと平行になります(図 7 を参照)。
図 7 垂直スロット シャーシでイジェクト レバーが完全に閉じた状態
e. モジュールの 2 本の非脱落型ネジを締めます。非脱落型ネジを締める前に、イジェクト レバーが完全に閉じていることを確認してください。
ACE モジュールをシャーシに取り付けると、起動シーケンスが実行されます。介入の必要はありません。起動シーケンスが正常に終了すると、ステータス LED がグリーンに点灯します。ステータス LED がグリーンではない場合、または点灯しない場合は、 表 1 を参照してモジュールのステータスを確認します。
ここでは、シャーシ スロットから既存のモジュールを取り外す手順について説明します。
警告 接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を直視したり、光学機器を使用して直接見たりしないでください。
シャーシからモジュールを取り外すには、次の手順を実行します。
ステップ 1 データの損失を防ぐために、シャーシからモジュールを取り外す前に、スイッチまたはルータの CLI のコンフィギュレーション モードで no power enable module コマンドを入力して、モジュールを適切にシャットダウンしてください。
ステップ 2 シャーシのすべてのモジュールの非脱落型ネジが締まっていることを確認します。
この確認が必要であるのは、モジュールを取り外してできたスペースを確実に保つためです。
(注) 非脱落型ネジが緩んでいると、取り付けられたモジュールの電磁干渉(EMI)ガスケットによって、モジュールが空いているスロットの方向へ押し出されるため、空きスペースが減少し、モジュールを再び取り付けることが難しくなります。
ステップ 3 スタンバイ モジュールの 2 本の非脱落型ネジを緩めます。図 8 を参照してください。
ステップ 4 シャーシのスロットの方向(水平または垂直)に応じて、次のいずれかを実行します。
a. 両手の親指を左右のイジェクト レバーに当て、両方のレバーを同時に外側に回転させて、モジュールをバックプレーン コネクタから外します。
b. 片手でモジュール前面の端をつかみ、モジュールをスロットの途中まで引き出します。もう片方の手をモジュールの下に添えて重さを支えます。モジュールの回路には触れないでください。図 9 を参照してください。
a. 両手の親指をモジュールの上下にあるイジェクト レバーに当て、両方のレバーを同時に外側に回転させて、モジュールをバックプレーン コネクタから外します。
b. モジュールの両端を持ち、モジュールをスロットからまっすぐに引き出します。モジュールの回路には触れないでください。
ステップ 5 モジュールを静電気防止用マットまたは静電気防止材の上に置くか、ただちに別のスロットに取り付けます。
ステップ 6 モジュールを取り外したスロットを空のままにする場合は、フィラー パネルを取り付けてください。これは、シャーシに埃が入らないようにするためと、シャーシのエアーフローが正しく維持されるようにするためです。
警告 ブランクの前面プレート(フィラー パネル)には、シャーシ内の危険な電圧および電流による感電を防ぐ、他の機器への電磁干渉(EMI)の影響を防ぐ、およびシャーシ内の冷却用空気の流れを適切な状態に保つという 3 つの重要な役割があります。必ずすべてのカードおよび前面プレートを正しく取り付けた状態で、システムを運用してください。
ここでは、Application Control Software(ACSW)ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降および A5(1.0) 以降をサポートするために、ACE10 または ACE20 モジュールから ACE30 モジュールに移行する手順について説明します。ACE ソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降にアップグレードする場合は、コンフィギュレーション ファイル、SSL ファイル、ライセンス ファイル、スクリプト プローブ、およびチェックポイント ファイルのバックアップを作成してください。
Cisco Application Networking Manager によって管理される ACE モジュールを交換する場合は、このマニュアルに記載されている手順以外にも、ACE の交換時に実行する必要がある手順があります。『 User Guide for the Cisco Application Networking Manager 4.1 』に記載されている ACE モジュールの交換手順(第 4 章「Importing and Managing Devices」の「Replacing an ACE Managed by ANM」を参照)を、このマニュアルに記載されている情報とともに使用してください
A2(3.0) よりも前のソフトウェア バージョンから移行する場合は、バックアップおよび復元機能を利用できるように、ソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降にアップグレードすることを推奨します。詳細については、「作業前の準備」および「手動によるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ」を参照してください。
(注) 移行プロセスを開始する前に、この項全体を読んでください。ここに示されている順序で次の項の各手順を実行してください。
• 前提条件
• 作業前の準備
• スーパーバイザ エンジン イメージのダウンロードおよびインストール
• 手動によるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ
• バックアップ ユーティリティによるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ
• シャーシからの ACE10 または ACE20 の取り外し
• ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とのアソシエーションの解除
• バックアップ アーカイブ ファイルの復元とスタンバイの電源切断
• スーパーバイザ エンジン VLAN と ACE の電源投入との再アソシエーション
• 以前のアクティブ ACE10 または ACE20 の ACE30 への移行
• アクティブ ACE30 のプリエンプションの再イネーブル化
シャーシから ACE モジュールを取り外す前に、次の条件を満たしていることを確認してください。
• 静電気防止用マットまたは静電気防止材がある平面を使用できる。
このアップグレードおよびインストレーション ノートの手順を実行する前に、各手順を最後まで読み、注意または警告について十分に把握してください。
• ACE20 モジュールから A4(x.x) ソフトウェア リリースを実行している ACE30 モジュールに移行する場合は、ACE30 モジュールに同じ設定を移行する前に、ACE20 モジュールと同じく使用可能な HighFree メモリが少なくとも 150 MB 以上あることを確認します。使用可能なメモリが推奨される最小容量 150 MB より小さい場合は、A5(x.x) ソフトウェア リリースに移行することを推奨します。ACE の使用可能なメモリの空き容量を確認するには、 show system kmem コマンドを使用します。
• アクティブ ACE とスタンバイ ACE の FT グループの冗長ステートが、それぞれ ACTIVE と STANDBY_HOT であることを確認します。冗長ステートを確認するには、アクティブ ACE 上で EXEC モードで show ft group status コマンドを入力します。
• コンフィギュレーション ファイル、スクリプト プローブ、および依存ファイルのバックアップおよび復元を利用する場合は、冗長構成の両方の ACE でソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降が稼働していることを確認します。現在のソフトウェア バージョンを確認するには、EXEC モードで show version コマンドを入力します。A2(3.0) より前のソフトウェア バージョンを実行中の場合は、ACE ソフトウェアをバージョン A2(3.0) にアップグレードすることを推奨します。
(注) コンフィギュレーション ファイル、SSL 証明書およびキー ファイル、ライセンス ファイル、スクリプト プローブ、およびチェックポイント ファイルのバックアップと復元をサポートするには、ソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降が必要です。バックアップと復元のユーティリティを使用しない場合は、これらのファイルを手動でバックアップおよび復元し、ソフトウェア バージョン A2(1.6a) 以降からソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降にアップグレードできます。A1(x) ソフトウェア リリースは、A4(1.0) 以降へのアップグレード パスとしてサポートされていません。これらのリリースのいずれかを実行している場合は、A4(1.0) 以降にアップグレードする前に、A2(2.4) にアップグレードすることを推奨します。
• ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降では、下線(_)文字は ACE のホスト名( hostname コマンドを使用)ではサポートされません。ACE のホスト名に下線(_)文字が含まれている場合は、コンフィギュレーション ファイルをバックアップおよび復元する前にこれを削除する必要があります。
• snmp-bulk-request および snmp-server bulk-request max-oid は廃止され、ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降では使用できないことに注意してください。コンフィギュレーション ファイルをバック アップおよび復元する前に、これらのコマンドを設定から削除してください。
• ACE ソフトウェア バージョンを A4(2.2) または A5(1.2) よりも前のバージョンにアップグレードし、設定に ACE10 または ACE20 モジュールのエクスポート可能なコンテキストとエクスポート不可能な SSL ファイルが含まれている場合は、復元プロセス中に、不明な SSL ファイルに関連する SSL コンフィギュレーション コマンドが移行せず、復元エラーが発生して復元プロセスが終了します。この動作は、エクスポート不可能な SSL ファイルがバックアップに存在しないために発生します。この場合、コンテキストごとに手動で 1 つずつ復元作業を行う必要があります。
• 復元ソフトウェアにより、復元プロセス中にエラーが表示されることがありますが、これはいくつかの CLI コマンド間のソフトウェア バージョンのわずかな違いより生じます。これらの復元エラーは無視してもかまいません。メジャー エラーは、必要に応じて設定を調整して解決してください。 表 7 に、復元プロセス中に復元エラーが発生する可能性のある ACE CLI コマンドについての概要を示します。
ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降、この ACE モジュールのリリースにはプローブ ポート継承が導入されました。プローブのポート番号を指定しないことを選択すると、ACE は、実サーバで指定されたサーバ ファームから指定されたポート番号、またはレイヤ 3 およびレイヤ 4 クラス マップで指定された VIP から指定されたポート番号を動的に継承できます。この柔軟性により、設定が容易になります。この場合、複数のポートまたはすべての VIP のポートの実サーバをプローブするのに必要なのは、1 つのプローブ設定だけです。実サーバのポートすべて、または VIP のポートすべてを継承し、各ポートのプローブ インスタンスを作成するのは同じプローブです。
ポートのプローブ継承機能の背景説明については、次の ACE モジュールのマニュアルを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/interfaces_modules/services_modules/ace/vA4_2_0/configuration/slb/guide/probe.html#wpmkr1196914
http://www.cisco.com/en/US/docs/interfaces_modules/services_modules/ace/vA5_1_0/configuration/slb/guide/probe.html#wpmkr1196914
ポート継承の導入により、次の条件で ACE20 モジュールから ACE30 モジュールに移行する際に問題が発生する場合があります。
• プローブにポート番号が設定されていない(たとえば、1 つのプローブだけがデフォルト ポート 80 の GET 結果をモニタしている)。
• 設定に fail-on-all コマンドが含まれていない。
• 単一の VIP クラス マップに複数のポートが含まれた状態で ACE20 モジュールから ACE30 モジュールへアップグレードする。
たとえば、1 つのクラス マップには、あるポートが 80 で他のポートが 443 である複数のポートを持つ VIP があります。プローブで設定されたポート番号はなく、デフォルト ポート 80 の GET 結果をチェックする 1 つのプローブだけがあります。
ACE30 モジュールにアップグレードする場合、新しいプローブ ポート継承機能を使用すると、新しいポート 443 のプローブは失敗します。この障害は、サーバ ファームの失敗となり、「ホット」フェールオーバーは実行されません。
ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降をサポートするための ACE10 または ACE20 モジュールからの ACE30 モジュールへの移行を行う前に、このアップグレード問題に対処するには、次に説明する回避策のいずれかを実行します。
1. 移行プロセスを開始する前に、ACE20 モジュールのサーバ ファームからプローブを削除してください。
2. 移行後は、『 Cisco Application Control Engine Module Server Load-Balancing Guide 』の説明に従って、プローブ ポートを設定します。
1. 移行プロセスを開始する前に、 fail-on-all コマンドでサーバ ファームを設定し、実サーバに関連付けられたすべてのプローブが失敗しない限り、実サーバが OPERATIONAL ステートを維持するようにします(『 Cisco Application Control Engine Module Server Load-Balancing Guide 』を参照)。
2. 移行後は、『 Cisco Application Control Engine Module Server Load-Balancing Guide 』の説明に従って、プローブ ポートを設定します。
ソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降の機能ライセンスは、過去の ACE のリリースで行われたライセンシングとは異なるライセンス バンドルで構成されます。ライセンス バンドルは、 表 8 に示される 4 つのレベルで構成されます。
現在のライセンス レベルを表示するには、EXEC モードで show license status コマンドを入力します。次に、 表 9 を使用して、現在のライセンス機能に対応する必要最低限の ACE30 ライセンスを決定します。
ACE30 モジュールをオーダーした際にライセンスもオーダーした場合は、EXEC モードの CLI で dir disk0: コマンドを入力して、ライセンスが disk0: に存在することを確認します。ライセンスが disk0: に存在しない場合、またはインストールされていない場合は、処理を続行する前にライセンス要件およびインストール ステータスを確認します。ACE ライセンスの詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください。
スーパーバイザ エンジン IOS ソフトウェア イメージを、ACE30 をサポートするリリースの 1 つにアップグレードする必要があります。Catalyst 6500E シリーズ スイッチの場合は、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(33)SXI4 以降です。Cisco 7600 シリーズ ルータの場合は Cisco IOS リリース 15.0(1)S 以降です。手順については、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータのインストレーション ガイドおよびコンフィギュレーション ガイドを参照してください。
冗長構成で、既知の安定した状態に ACE を維持するには、アクティブ ACE のすべての FT グループのプリエンプションをディセーブルにする必要があります。FT グループ内のアクティブ ACE を特定するには、 show ft group status コマンドを入力します。アクティブ ACE のプリエンプションをディセーブルにするには、次の手順を実行します。
ステップ 2 次のコマンドを入力して、すべての FT グループのプリエンプションをディセーブルにします。
アクティブ ACE の FT グループごとにこのステップを繰り返します。冗長ペアの 最初 の ACE に対してだけ、このステップを実行する必要があります。
ステップ 3 次のコマンドを入力して、すべてのコンテキストの実行コンフィギュレーション ファイルを保存します。
ソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降からバージョン A4(1.0) 以降にアップグレードする場合は、「バックアップ ユーティリティによるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ」に進んでください。
A2(3.0) よりも前のリリースからソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降にアップグレードする場合は、次の「手動によるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ」に進みます。
コンフィギュレーション ファイル、SSL 証明書およびキー ファイル、ライセンス ファイル、およびチェックポイント ファイルのバックアップと復元のサポートには、ソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降が必要です。ソフトウェア バージョン A2(1.x) 以降、かつ A2(3.0) よりも前からソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降にアップグレードする場合は、次のコマンドを使用して、FTP、SFTP、または、TFTP サーバにこれらのファイルをアーカイブできます。
• リモート サーバにコンフィギュレーション ファイルをコピーするには、 copy running-config および copy startup-config コマンドを使用(詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください)
• リモート サーバに SSL 証明書およびキーをエクスポートするには、 crypto export コマンドを使用(詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module SSL Configuration Guide 』を参照してください)
• リモート サーバにチェックポイント ファイルをコピーするには、 copy checkpoint コマンドを使用(詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください)
• リモート サーバにスクリプト プローブをコピーするには、 copy probe: コマンドを使用(詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください)
ソフトウェア バージョン A2(3.0) 以降からアップグレードする場合は、冗長構成の両 ACE の、すべてのコンテキスト内の次のファイルを、FTP、SFTP、または TFTP サーバにバックアップします。
ACE コンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルをバックアップし、外部サーバにコピーするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 各 ACE で、EXEC モードで次のコマンドを入力します。
ステップ 2 バックアップ操作のステータスを確認するには、次のコマンドを入力します。
ステップ 3 バックアップ アーカイブ ファイルを後で使用するために FTP、SFTP、または TFTP サーバにコピーします。FTP または SFTP サーバにバックアップ アーカイブ ファイルを保存するには、 copy backup-all ftp: または copy backup-all sftp: コマンドを使用します。TFTP サーバにだけアクセスする場合は、代わりに copy disk0: tftp コマンドを使用します。たとえば、FTP サーバにバックアップ アーカイブをコピーするには、次のコマンドを入力します。
ステップ 4 参照用にバックアップ アーカイブのファイル名を記録しておきます。この例では、バックアップ ファイル名は ACE2_08_April_2010_11_11_04_PM.tgz です。
アップグレード中に非プロキシ フローのトラフィックが中断されないようにするには、最初に冗長構成の スタンバイ モジュールを取り外して交換します。シャーシから ACE10 または ACE20 を取り外すには、「モジュールの取り外し」のステップ 1 ~ 5 を実行してから、「シャーシへの ACE30 の取り付け」に進みます。
警告 接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を直視したり、光学機器を使用して直接見たりしないでください。
「シャーシへの ACE30 の取り付け」に進みます。
新しい ACE30 モジュールは、シャーシから ACE10 または ACE20 を取り外して空いたスロットか、または別の適切なスロットに装着します。ACE30 を取り付ける前に、シャーシの電力がモジュールをサポートするのに十分あることを確認します。ACE30 の所要電力は 440 W です。詳細については、「電力要件」を参照してください。
シャーシの電力を確認するには、スーパーバイザ エンジンから次のコマンドを入力します。
シャーシに ACE30 を取り付けるには、「モジュールの取り付け」のステップ 1 ~ 6 を実行します。
警告 接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を直視したり、光学機器を使用して直接見たりしないでください。
リモート サーバからソフトウェア イメージを新しい ACE30 にコピーする前に IP 接続の管理ポリシーを設定する必要があります。シンプルでフルアクセス権を持つ管理ポリシーを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 スーパーバイザ エンジンから ACE30 にセッション インするか、コンソール ポートを介して ACE30 に接続し、ログインします。たとえば、ACE30 にセッション インするには、次のようにします。
ステップ 3 管理 VLAN インターフェイスを次のように設定します。
「ACE30 ライセンスのインストール」に進みます。
新しい ACE30 には、購入した機能ライセンスが付属し、ACE の disk0: ディレクトリにあらかじめロードされています。バックアップ アーカイブを復元する前に、新しい ACE30 ライセンスをインストールする必要があります。ライセンスをインストールするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ACE30.lic ライセンス ファイルをインストールします。
ステップ 2 ライセンスがインストールされたことを確認します。
外部サーバから ACE30 の disk0: に、バックアップ アーカイブまたは個別にコピーしたファイルをコピーします。これらのファイルは、「バックアップ ユーティリティによるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ」で backup all コマンドを使用してアーカイブしたファイルか、「手動によるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ」で手動でコピーしたファイルです。
たとえば、バックアップ アーカイブを保存した外部サーバから、元のスタンバイ ACE のバックアップ ファイルを ACE30 disk0: にコピーするには、次のようにします。
ACE30 にバックアップ アーカイブをコピーし、復元する前に、ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とのアソシエーションを解除する必要があります。ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とのアソシエーションを解除するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 シャーシのスーパーバイザ エンジンにログインしていない場合は、ログインします。
ステップ 3 ACE30 とスーパーバイザ VLAN とのアソシエーションを解除します。たとえば、シャーシのスロット 5 の ACE30 に対して次のコマンドを入力し、ACE の正しい VLAN グループ番号または範囲を指定します。
バックアップ アーカイブを復元する前に、ACE30 の稼働時間がアクティブ ACE の稼働時間より短いことを確認します。ACE の個々の稼働時間を確認するには、次のコマンドを ACE ごとに入力します。
ACE30 の稼働時間がアクティブ ACE よりも長い場合は、ACE30 から電源を取り外し、シャーシのバックプレーンから ACE30 を取り外してから、再びシャーシに挿入します。
「バックアップ ユーティリティによるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ」で説明されているように、スタートアップ コンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルをバックアップした場合は、 復元 ユーティリティを使用してアーカイブしたファイルを復元する必要があります。
スタンバイ ACE でバックアップ アーカイブをダウンロードし、復元するには、次の手順を実行します。
ステップ 2 この手順を実行する前に、新しい ACE30 ライセンスをインストールする必要があります。「ACE30 ライセンスのインストール」を参照してください。
ステップ 3 次のコマンドを入力してバックアップ アーカイブを復元し、古い ACE10 または ACE20 のライセンスを除外します。
復元ソフトウェアにより、復元プロセス中にエラーが表示されることがありますが、これはいくつかの CLI コマンド間のソフトウェア バージョンのわずかな違いより生じます。これらの復元エラーは無視してもかまいません。メジャー エラーは、必要に応じて設定を調整して解決してください。復元プロセス中の復元エラーが発生する可能性がある ACE コマンドの概要については、 表 7 を参照してください。
ステップ 4 次のコマンドを入力して、復元のステータスを確認します。
ステップ 5 復元の一部として発生する現在の BOOT 環境変数およびコンフィギュレーション レジスタの設定を確認するには、EXEC モードで show bootvar コマンドを入力します。次に例を示します。
ステップ 6 ACE のブート変数から既存のイメージを削除するには、コンフィギュレーション モードで no boot system image: ACE_image コマンドを入力します。たとえば、A2(3.5) イメージを削除するには、次のコマンドを入力します。
ステップ 7 ACE で、BOOT 環境変数を設定してブート変数から A4(1.0) 以降のイメージを指定するには、コンフィギュレーション モードで boot system image: ACE_image コマンドを入力します。たとえば、A4(1.0) イメージを選択するには、次のコマンドを入力します。
ステップ 8 BOOT 環境変数の設定を確認するには、次のコマンドを入力します。
ステップ 9 ACE のすべてのコンテキストの設定を保存するには、次のコマンドを入力します。
ステップ 10 スーパーバイザ エンジンのコンフィギュレーション モードで、スタンバイ ACE から電源を取り外します。たとえば、次のコマンドを入力します。
バックアップ アーカイブを ACE30 に正常に復元し、電源を切断したら、ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とを再アソシエートする必要があります。ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とを再アソシエートするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 シャーシでのスーパーバイザ エンジンへのログインは続ける必要があります。ログインしていない場合は、ログインします。
ステップ 3 ACE30 と適切なスーパーバイザ VLAN グループとを再アソシエートする必要があります。たとえば、シャーシのスロット 5 の ACE30 に対して次のコマンドを入力し、ACE の正しい VLAN グループ番号または範囲を指定します。
ステップ 4 次のコマンドを入力して、スタンバイ モジュールの電源を投入します。
「ピアの FT ステートの確認」に進みます。
復元が正常に完了し、ACE30 とスーパーバイザ エンジン VLAN とを再アソシエートすると、ACE30 はスタンバイ ACE として引き継ぐ準備が整います。次のセクションでスイッチオーバーを強制的に実行させる前に、2 つのピアの FT ステートを確認します。ピアのステートを確認するには、すべてのコンテキストで次のコマンドを入力します。
すべてのコンテキストが FSM_PEER_STATE_COMPATIBLE ステートになっている必要があります。
(注) 6 つ以上の仮想コンテキストを持つ ACE10 または ACE20 のライセンスがある場合は、[License Compatibility] フィールドの LICENSE_INCOMPATIBLE ステートも確認する可能性があります。これは、ACE10 または ACE20 と ACE30 とのライセンシングの違いによるもので、異常ではありません。
アクティブおよびスタンバイの冗長ステートを確認するには、次のコマンドを入力します。
アクティブ ACE が ACTIVE ステート、スタンバイ ACE が STANDBY_WARM ステートである必要があります。
冗長構成で ACE ソフトウェアのあるメジャー リリースから別のメジャー リリースにアップグレードする場合(たとえば、A2(3.0) から A4(1.0))は、2 つの ACE 間にソフトウェアの不一致(スプリット モード)があると、バルク同期およびダイナミック インクリメンタル同期が自動的にディセーブルになります。この間に設定を変更しないでください。また、ACE を長時間このステートにすることは避けてください。ただし、ACE がスプリット モードのときに設定を変更する必要がある場合は、アクティブ ACE で行った設定変更がスタンバイ ACE と同期するように手動で設定します。両方の ACE でソフトウェアのアップグレードが完了したら、バルク同期が自動的に実行され、ダイナミック インクリメンタル同期が再度イネーブルになります。設定同期の詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください。
(注) 他のステートを確認する場合は、『Application Control Engine (ACE) Troubleshooting Wiki』の「Troubleshooting Redundancy」のページを参照してください。Wiki を使用して問題を解決できない場合は、Wiki の「Contacting TAC」の説明に従って、Cisco Technical Assistance Center(TAC)までお問い合わせください。
「スイッチオーバーの強制実行」に進みます。
冗長構成でアクティブ ACE10 または ACE20 モジュールを ACE30 にアップグレードする前に、アクティブ ACE からスタンバイ ACE までのすべての FT グループでスイッチオーバーを強制的に実行し、非プロキシ ネットワーク トラフィックに中断がないことを確認する必要があります。ピアの FT ステートを確認し、スイッチオーバーを強制的に実行するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 アクティブ ACE で次のコマンドを入力して、設定されているすべての FT グループのスイッチオーバーを強制的に実行します。
ACE30 にアップグレードしたスタンバイ ACE は新しいアクティブ ACE になり、以前のアクティブ ACE10 または ACE20 はスタンバイになります。
ステップ 2 アクティブ ACE およびスタンバイ ACE の冗長ステートがそれぞれ ACTIVE および STANDBY_WARM であるかどうか確認するには、新しいアクティブ ACE で次のコマンドを入力します。
以前のアクティブ ACE10 または ACE20 を ACE30 に移行するには、次の項の手順をここに示す順序で繰り返してください。
• シャーシからの ACE10 または ACE20 の取り外し
• ACE とスーパーバイザ エンジン VLAN とのアソシエーションの解除
• バックアップ アーカイブ ファイルの復元とスタンバイの電源切断
• スーパーバイザ エンジン VLAN と ACE の電源投入との再アソシエーション
EXEC モードで show ft peer detail および show ft group status コマンドを入力して、ピアの FT ステートを確認します。ピア ステートは FSM_PEER_STATE_COMPATIBLE で、FT グループ ステートはそれぞれ ACTIVE および STANDBY_HOT である必要があります。
「アクティブ ACE30 のプリエンプションの再イネーブル化」(オプション)に進みます。プリエンプションを再度イネーブルにしない場合は、ACE30 への移行プロセスは完了です。
単一の ACE10 または ACE20 モジュールから ACE30 モジュールに移行するには、次の手順を読んでから、ここに示す順序で実行してください。
• 前提条件
• 作業前の準備
• スーパーバイザ エンジン イメージのダウンロードおよびインストール
• 手動によるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ
• バックアップ ユーティリティによるコンフィギュレーション ファイルおよび依存ファイルのバックアップ
• シャーシからの ACE10 または ACE20 の取り外し
• バックアップ アーカイブ ファイルの復元とスタンバイの電源切断:このセクションのステップ 6 は実行しないでください。
ACE をソフトウェア バージョン A4(1.0) 以降から A2(3.x) または A2(1.6a) 以降にダウングレードする必要がある場合は、次の手順を実行します。この手順では、ACE30 を両方とも取り外し、そのスロットに以前取り付けられていた ACE10 または ACE20 を再度取り付ける必要があることに注意してください。このダウングレード プロセスを実行する前に、この項全体を読んでください。
冗長構成では、ダイナミック インクリメンタル同期は設定同期の形式です。これは、2 つの ACE が同じバージョンのソフトウェアを実行し、両方とも起動している場合、アクティブ ACE で行ったスタンバイ ACE への設定変更をコピーします。ACE ソフトウェアのあるメジャー リリースから別のメジャー リリースにダウングレードする場合(たとえば、A4(1.0) から A2(3.0))は、アクティブ ACE がソフトウェア バージョン A4(1.0) を実行し、スタンバイ ACE がソフトウェア バージョン A2(3.0) を実行していると、バルク同期、ダイナミック インクリメンタル同期、および接続の複製が自動的にディセーブルになります。 表 10 を参照してください。
この間に設定を変更しないでください。また、ACE を長時間このスプリットモード ステートにすることは避けてください。両方の ACE のダウングレードが完了すると、バルク同期が自動的に実行され、新しいアクティブ ACE から新しいスタンバイ ACE に設定全体が複製されます。この時点で、ダイナミック インクリメンタル同期および接続の複製が再度イネーブルになります。設定同期の詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』の第 6 章「Configuring Redundant ACEs」を参照してください。
• 以前取り付けられていた ACE10 または ACE20 の再取り付けとログイン
• 以前のアクティブ ACE30 の ACE10 または ACE20 へのダウングレード
• アクティブ ACE10 または ACE20 のプリエンプションの再イネーブル化
冗長構成で、既知の安定した状態に ACE を維持するには、アクティブ ACE のすべての FT グループのプリエンプションをディセーブルにする必要があります。FT グループ内のアクティブ ACE を特定するには、 show ft group status コマンドを入力します。アクティブ ACE のプリエンプションをディセーブルにするには、次の手順を実行します。
ステップ 2 次のコマンドを入力して、すべての FT グループのプリエンプションをディセーブルにします。
アクティブ ACE の FT グループごとにこのステップを繰り返します。冗長ペアの 最初 の ACE に対してだけ、このステップを実行する必要があります。
ステップ 3 次のコマンドを入力して、すべてのコンテキストの実行コンフィギュレーション ファイルを保存します。
「シャーシからの ACE30 の取り外し」に進みます。
シャーシからスタンバイ ACE30 を取り外します。シャーシからモジュールを取り外す方法の詳細については、「モジュールの取り外し」を参照してください。今後の参照用に、シャーシ番号、スロット番号、冗長ステートをメモしたラベルを ACE30 に貼り付けておきます。例:「シャーシ 1、スロット 5、スタンバイ」
ACE30 を取り外したスロットに、以前取り付けられていたスタンバイ ACE10 または ACE20 を挿入します。シャーシへのモジュールの取り付けに関する詳細については、「モジュールの取り付け」を参照してください。モジュールは自動的に起動します。
ACE10 または ACE20 が起動したら、次のようにログインします。
「ピアの FT ステートの確認」に進みます。
再び取り付けられた ACE10 または ACE20 は、スタンバイ ACE として引き継ぐ準備が整います。次のセクションでスイッチオーバーを強制的に実行させる前に、2 つのピアの FT ステートを確認します。ピアのステートを確認するには、すべてのコンテキストで次のコマンドを入力します。
すべてのコンテキストが FSM_PEER_STATE_COMPATIBLE ステートになっている必要があります。
(注) 6 つ以上の仮想コンテキストを持つ ACE10 または ACE20 のライセンスがある場合は、[License Compatibility] フィールドの LICENSE_INCOMPATIBLE ステートも確認する可能性があります。これは、ACE10 または ACE20 と ACE30 とのライセンシングの違いによるもので、異常ではありません。
アクティブおよびスタンバイの冗長ステートを確認するには、次のコマンドを入力します。
アクティブ ACE が ACTIVE ステート、スタンバイ ACE が STANDBY_WARM ステートである必要があります。
冗長構成で ACE ソフトウェアのあるメジャー リリースから別のメジャー リリースにダウングレードする場合(たとえば、A4(1.0) から A2(3.0))は、アクティブ ACE がソフトウェア バージョン A4(1.0) を実行し、スタンバイ ACE がそれより前のバージョンを実行していると、バルク同期およびダイナミック インクリメンタル同期が自動的にディセーブルになります。この間に設定を変更しないでください。また、ACE を長時間このステートにすることは避けてください。両方の ACE のダウングレードが完了すると、バルク同期が自動的に実行され、ダイナミック インクリメンタル同期が再度イネーブルになります。設定同期の詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください。
(注) 他のステートを確認する場合は、『Application Control Engine (ACE) Troubleshooting Wiki』の「Troubleshooting Redundancy」のページを参照してください。Wiki を使用して問題を解決できない場合は、Wiki の「Contacting TAC」の説明に従って、Cisco Technical Assistance Center(TAC)までお問い合わせください。
「スイッチオーバーの強制実行」に進みます。
冗長構成のアクティブ ACE30 を ACE10 または ACE20 にダウングレードする前に、アクティブ ACE からスタンバイ ACE までのすべての FT グループでスイッチオーバーを強制的に実行する必要があります。スイッチオーバーを強制的に実行し、ピアの状態を確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 アクティブ ACE で次のコマンドを入力して、設定されているすべての FT グループのスイッチオーバーを強制的に実行します。
スタンバイ ACE30 からダウングレードされた ACE10 または ACE20 は新しいアクティブ ACE になり、以前のアクティブ ACE30 にはスタンバイになります。
ステップ 2 アクティブ ACE およびスタンバイ ACE の冗長ステートがそれぞれ ACTIVE および STANDBY_WARM であるかどうか確認するには、新しいアクティブ ACE で次のコマンドを入力します。
以前のアクティブ ACE30 を ACE10 または ACE20 にダウングレードするには、次の項の手順をここに示す順序で繰り返してください。
• 以前取り付けられていた ACE10 または ACE20 の再取り付けとログイン
アクティブ ACE で、EXEC モードで show ft peer detail および show ft group status コマンドを入力して、ピアの FT ステートを確認します。ピア ステートは FSM_PEER_STATE_COMPATIBLE で、FT グループ ステートはそれぞれ ACTIVE および STANDBY_HOT である必要があります。
「アクティブ ACE10 または ACE20 のプリエンプションの再イネーブル化」(オプション)に進みます。プリエンプションを再度イネーブルにしない場合、ダウングレード プロセスは完了です。
この項はオプションであり、ネットワークの要件に完全に依存しています。移行前にプリエンプションがイネーブルになっていた場合は、再度イネーブルにすることができます。アクティブ ACE30 のプリエンプションを再度イネーブルにするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 アクティブ ACE10 または ACE20 にログインします。
ステップ 3 アクティブ ACE の各 FT グループのプリエンプションを次のように再度イネーブルにします。
プリエンプションを再度イネーブルにすると、ピアの優先度が高い場合、スイッチオーバーが発生する可能性があります。
この手順で、冗長構成での ACE モジュールの A4(1.0) 以降から A2(3.x) または A2(1.6a) 以降へのダウングレードが完了します。
ACE モジュールのソフトウェア インターフェイスは、コマンドライン インターフェイス(CLI)です。ACE モジュールのCLI にアクセスするには、次のタスクのいずれかを実行します。
• ACE 前面のコンソール ポートにシリアル ケーブルを接続し、端末と ACE の間で直接シリアル接続を確立します。
• SSH または Telnet プロトコルを使用して、PC からのリモート接続を確立します。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータが十分に信頼できる環境にない場合は、SSH 暗号化を使用して ACE モジュールを設定することを推奨します。
ACE モジュールへのアクセス、初期設定の実行、およびリモート アクセスの確立の方法の詳細については、『 Cisco Application Control Engine Module Administration Guide 』を参照してください。
ACE モジュールの警告については、『 Release Note for the Cisco Application Control Engine Module 』を参照してください。
ACE モジュールの設定の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
• 『Cisco Application Control Engine Module Getting Started Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module Administration Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module Virtualization Configuration Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module Routing and Bridging Configuration Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module Server Load-Balancing Configuration Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module Security Configuration Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module SSL Configuration Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module System Message Guide』
• 『Cisco Application Control Engine Module Command Reference』
• 『Cisco CSM-to-ACE Conversion Tool User Guide』
• 『Cisco CSS-to-ACE Conversion Tool User Guide』
• 『 Cisco Application Control Engine (ACE) Troubleshooting Guide (wiki) 』
• 『 Cisco Application Control Engine (ACE) Configuration Examples (wiki) 』
Cisco IOS コマンドライン インターフェイスおよび Cisco IOS コマンド モードの詳細については、『 Catalyst 6500 Series Switch Cisco IOS Software Configuration Guide 』または『 Cisco 7600 Series Router Cisco IOS Software Configuration Guide 』を参照してください。
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マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、その他の有用な情報について、次の URL で、毎月更新される『 What's New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。シスコの新規および改訂版の技術マニュアルの一覧も示されています。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html