この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Fibre Channel Multirate 4-Port(FC_MR-4)カードは、1.0625 または 2.125 Gbps Fibre Channel/Fiber Connectivity(FICON)カードです。これは、Virtual Concatenated(VCAT; 仮想連結)ペイロードを通じて、SDH 以外のフレーム プロトコルを SDH Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重)プラットフォームに統合します。この章では、FC_MR-4 カードについて説明します。回線の設定手順の詳細な説明は、『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。
(注) 仕様については、「FC_MR-4 カードの仕様」を参照してください。
FC_MR-4 カードは、着脱可能な GBIC(ギガビット インターフェイス コンバータ)を使用して、SONET/SDH 上で SONET/SDH フレーム化以外のブロック コード プロトコルを送信します。FC_MR-4 では、ITU-T の Generic Framing Protocol(GFP)フォーマットでフレームをカプセル化して、それらを T1X1 G.707 に基づく VCAT ペイロードか、連続的に連結した標準 SONET/SDH ペイロードにマッピングすることによって、4 つのクライアント Fibre Channel(FC; ファイバ チャネル)ポートを SONET/SDH 上で搬送できるようになります。FC_MR-4 カードの機能を次に示します。
• 1 Gbps または 2 Gbps で動作する 4 つの FICON ポート
–Advanced Distance Extension 機能(Buffer-to-Buffer[B2B; バッファツーバッファ]クレジット スプーフィング)
–デュアル レート(1G/2G):MM(550 m)および SM(10 km)
–シングル レート(1G):SX(550 m)および LX(10 km)
–4 本の 1.0625 Gbps FC チャネルを次のいずれかにマッピングできます。
最小サイズが STS1-1v(サブレート)の SONET コンテナ
最小サイズが VC4-1v(サブレート)の SDH コンテナ
最小サイズが STS-18c/VC4-6v(フルレート)の SONET/SDH コンテナ
–4 本の 2.125 Gbps FC チャネルを次のいずれかにマッピングできます。
最小サイズが STS1-1v(サブレート)の SONET コンテナ
最小サイズが VC4-1v(サブレート)の SDH コンテナ
最小サイズが STS36c/VC4-12v(フルレート)の SONET/SDH コンテナ
• フレームのカプセル化:ITU-T G.7041 Transparent Generic Framing Procedure(GFP-T)
• 高次 SONET/SDH VCAT のサポート(STS1-Xv および STS3c-Xv/VC4-Xv)
図6-1 に、FC_MR-4 カードの前面プレートとブロック図を示します。
表6-1 に、FC_MR-4 カードの 2 つのカードレベル LED を示します。
インジケータ |
|
---|---|
|
レッドの FAIL LED は、カードのプロセッサの準備ができていないことを示します。レッドの FAIL LED が消えない場合は、カードを交換してください。 |
|
|
|
各 FC_MR-4 ポートには、対応する ACT/LNK LED があります。ポートがトラフィックを伝送できる場合、イン サービスにプロビジョニングされている場合、および稼働モードの場合、ACT/LNK LED はグリーンに点灯しています。ポートがトラフィックを伝送している場合、ACT/LNK LED はグリーンに点滅します。ポートが有効でリンクが接続されている場合、またはポートが有効でリンクが接続されていても SONET/SDH 伝送エラーがある場合、ACT/LNK LED はオレンジに点灯しています。リンクがない場合、ACT/LNK LED は消灯しています。
カードのポートのステータスは、ONS 15454 SDH のファン トレイ アセンブリの LCD 画面を使用して確認できます。LCD を使用して、ポートまたはカード スロットのステータスを確認することができます。画面には、指定されたポートまたはスロットの番号とアラームの重大度が表示されます。アラーム メッセージの詳細については、『 Cisco ONS 15454 SDH Troubleshooting Guide 』を参照してください。
FC_MR-4 カードは、XC-VXL-2.5G、XC-VXL-10G、および XC-VXC-10G カードと連携して使用する場合に、スロット 1 ~ 6 および 12 ~ 17 に装着できます。FC_MR-4 カードは、任意の有効な ONS 15454 SONET/SDH ネットワーク トポロジーの一部としてプロビジョニングできます。たとえば、Subnetwork Connection Protection Ring(SNCP; サブネットワーク接続保護)(CCAT 回線のみ)、Multiplex Section-Shared Protection Ring(MS-SPRing; 多重化セクション共有保護リング)、1+1 Subnetwork Connection(SNC; サブネットワーク接続)、非保護、およびリニア ネットワークなどのトポロジーがあります。FC_MR-4 カードは、リリース 4.6 以降のリリースのソフトウェアと互換性があります。
FC_MR-4 カードには、次の 2 種類の動作モードがあります。
• ライン レート モード:ソフトウェア R4.6 のライン レート モードと下位互換のモード
• 拡張モード:サブレート、距離延長、遅延差、およびその他の機能拡張をサポートしているモード
FC_MR-4 カードは、動作モードを切り替えるときに再起動します(トラフィック中断が発生)。カードで動作している FPGA は、必要なイメージにアップグレードされます。ただし、カードのフラッシュ内の FPGA イメージは変更されません。
• 1 Gbps Fibre Channel/FICON は次のようになります。
1 Gbps Fibre Channel/FICON は次のようになります。
–STS-1、STS-3c、STS-6c、STS-9c、STS-12c、STS-18c、STS-24c、STS-48c
–VC4-1c、VC4-2c、VC4-3c、VC4-4c、VC4-6c、VC4-8c、VC4-16c
2 Gbps Fibre Channel/FICON は次のようになります。
–STS-1、STS-3c、STS-6c、STS-9c、STS-12c、STS-18c、STS-24c、STS-36c、STS-48c
VCAT Group(VCG; 仮想連結グループ)は、Software Link Capacity Adjustment Scheme(SW-LCAS)を有効にすれば、次のように再設定することができます。
• Out-of-Service(OOS)および Out-of-Group(OOG)メンバーを VCG から削除する。
• クロスコネクトが削除済みのメンバーを VCG から削除する。
• エラーが発生したメンバーは VCG から自律的に削除される。
• SW-LCAS を有効にすると、VCG はフレキシブルである(VCG は、最初のクロスコネクトが伝送の両側でプロビジョニングされると、ただちにトラフィックを伝送できる)。
• B2B クレジット スプーフィングによる Storage Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)の距離延長の有効化
–1G ポートの場合、2300 km(スループットの低下を許容すれば、さらに長距離も可能)
–2G ポートの場合、1150 km(スループットの低下を許容すれば、さらに長距離も可能)
• 遠端の FC-over-SONET カードがシスコ独自の B2B メカニズムをサポートしているかどうかを判定するネゴシエーション メカニズム
• FC-SW の標準ベースの ELP フレームからの、FC スイッチの B2B クレジットの自動検出
• FC 切り替えクレジットに基づく手動プロビジョニングのサポート
• 2 つの SL ポート間のラウンドトリップ遅延に基づく GFP バッファの自動調整
• SONET 切り替えからの FC 切り替えの独立(SONET 障害が 60 ミリ秒以下の場合、FC ファブリックは再度収束しない)
VCAT、SW-LCAS、および GFP の組み合わせによって、データとストレージ クライアント情報の処理方法が指定されます。それに伴う処理により遅延が生じます。この影響は、配信されるType of Service(ToS; サービス タイプ)により異なります。たとえば、遅延の変動が重要でない E メールなどのトラフィックとは対照的に、ストレージ要件は非常に低い遅延を要求します。
VCAT を使用する場合、帯域幅を集約するために SDH パスがグループ化され、VCG を形成します。各 VCG メンバーはネットワーク上を一意の物理ルートに進むことができるので、伝播遅延に違いが生じ、メンバー間でも処理遅延の相違が生じる可能性があります。全体的な VCG 伝播遅延は、最も遅いメンバーの伝播遅延に調和します。VCAT の遅延差は、VCG のメンバー間の相対的な到着時間の測定値です。FC_MR-4 カードは VCAT の遅延差を処理でき、遅延に関連する次のような特長があります。
• 最短および最長パス間で最大 122 ミリ秒の遅延差をサポートします。
• VCAT 回線に対するダイバース ファイバ ルーティングをサポートします。
• すべての保護スキームがサポートされています(SNCP [CCAT 回線のみ]、MS-SPRing、Protection Channel Access[PCA; 保護チャネル アクセス])。
• SDH クラウドの異なるノードで VCAT グループ メンバーのルーティングをサポートします。
• 遅延差の補正は、個別にルーティングされている(スプリットファイバ)VCAT 回線で自動的に有効になり、共通ファイバでルーティングされている VCAT 回線で無効になります。
(注) VCAT 回線に対する遅延差のサポートは、ENT-VCG コマンドの TL1 プロビジョニング パラメータ(BUFFERS)でサポートされています。
• 最大フレーム サイズの設定による、Virtual SAN(VSAN; バーチャル SAN)フレームのサイズを超える Performance Monitoring(PM; パフォーマンス モニタリング)パラメータの累積の回避
• サードパーティの GFP-over-SONET/SDH 機器への接続を対象とした着信フィルタの無効化
• FC_MR-4 カードの各ファイバ チャネルと FICON インターフェイスに文字列(ポート名)をプロビジョニングすると、MDS Fabric Manager で Cisco MDS 9000 スイッチの SAN ポートと FC_MR-4 SAN のポート間にリンク アソシエーションを作成することが可能
• SONET/SDH の中断が、接続しているファイバ チャネル機器に与える影響の軽減
• SONET の停止による B2B クレジットの枯渇のモニタとクレジットの完全な回復。これによる、帯域幅やスループットの漸次的な低下の防止
(注) 距離延長とリンク復旧を同時に有効にすることはできません。
FC_MR-4 カードを使用すると、キャリア クラスの Fibre Channel/FICON 転送サービスを、私設網で安定して転送できるようになります。FC_MR-4 カード 1 つで、1 Gbps または 2 Gbps の回線を 4 本までサポートできます。4 本の 1.0625 Gbps FC チャネルをコンテナにマッピングできます。コンテナの最小サイズは STS1(サブレート)、フル レートでは STS-18c/VC4-6v です。4 本の 2.125 Gbps FC チャネルをコンテナにマッピングできます。コンテナの最小サイズは STS1(サブレート)、フル レートでは STS-36c/VC4-12v です。
FC_MR-4 カードには、キャリアクラスのサービス向けに最適化された次の機能が組み込まれています。
• SONET/SDH 保護による 50 ミリ秒の切り替え時間(Telcordia GR-253-CORE で規定)
(注) 60 ミリ秒未満の保護スイッチ トラフィックのヒット回数は、遅延差が生じている場合には保証されません。
(注) 拡張カード モードでは、5.0 から 6.0 への中断のない ソフトウェアのアップグレードを実行できません。理由は、拡張モードで遅延差をサポートするように、FPGA をアップグレードする必要があるためです。ライン レート モードでは、中断のないアップグレードが可能です。
• リモートの Fibre Channel/FICON 回線の帯域幅の、統合 Cisco Transport Controller(CTC)からのアップグレード
• CTC、Cisco Transport Manager(CTM)、TL1(SONETのみ)、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を経由する複数の管理オプション
• 個別にルーティングされた VCAT 回線に対する最大 122 ミリ秒の遅延差の補正
FC_MR-4 ペイロードは、非保護回線以外に次の保護回線タイプで伝送することもできます。
FC_MR-4 カードは、高次パスの VCAT をサポートします。VCAT 回線に関する詳細は、「VCAT 回線」を参照してください。
FC_MR-4 は、クライアント インターフェイスに着脱可能な GBIC を使用します。 表6-2 に、FC_MR-4 カードと互換性のある GBIC を示します。