Cisco 1800シリーズCisco Integrated Service Router(ISR)(モジュール型)は、相互に交換できるインターフェイス カードとAdvanced Integration Module(AIM)によって構成可能なLAN接続とWAN接続を備えたモジュール型のルータです。このルータはモジュール方式の設計なので、柔軟性が高く、ニーズに合わせてルータを構成したり、構成を変更したりできます。
Cisco ISR 1800シリーズ(モジュール型)のルータは1種類です。Cisco 1841ルータはデータ専用装置で、卓上または壁面に取り付けて使用できます。
図1に、Cisco 1841ルータを示します。
ここでは、Cisco ISR 1800シリーズ ルータの基本的な機能について説明します。具体的な内容は、次のとおりです。
• 「メモリ」
Cisco 1841ルータのシリアル番号を記載したラベルは、シャーシ背面、インターフェイス カード スロット0の下にあります(図2を参照)。
Cisco Product Identification(CPI)ツールを利用すると、Cisco製品のシリアル番号ラベル位置を示す詳細な図と説明が得られます。このツールには、次の機能があります。
• ツリー構造の製品階層図を使用してモデルを閲覧できる検索オプション
• 複数の製品を調べる場合に便利な最終結果ページの検索フィールド
このツールによって、シリアル番号ラベルを探して製品を識別する作業がスムーズに進みます。シリアル番号情報によって、資格確定プロセスが迅速に完了します。この情報はサポート サービスを利用する場合に重要です。
ここでは、Cisco ISR 1800シリーズ ルータで使用できるインターフェイスの概要を示します。
• ファスト イーサネット ポート(RJ-45コネクタ)×2
ルータに各種オプションのモジュールを搭載することによって、特定の機能が得られます。これらのモジュールは、シャーシのスロットに差し込むか、またはシャーシを開けて内部のコネクタに差し込むことによって搭載できます。
• フラッシュ メモリとインターフェイス カードは、シャーシのスロットに収まるので、シャーシを開けなくても着脱できます。
1800シリーズ モジュール型ルータ用インターフェイス カードは、次の3種類です。
–WAN Interface Card(WIC;WANインターフェイス カード)
–Voice/WAN Interface Card(VWIC;音声/WANインターフェイス カード ― Cisco 1841ではデータ モード限定)
–High-speed WAN Interface Card(HWIC;高速WANインターフェイス カード)
• 次のコンポーネントは、シャーシ内部のコネクタに差し込むので、取り付けたり取り外したりするには、シャーシを開ける必要があります。
–Advanced Integration Module(AIM)
表 1 にオプションのモジュールを示します。
Cisco ISR 1800シリーズ ルータには、次のタイプのメモリが搭載されています。
• SDRAM ― 2つの機能を果たします。実行コンフィギュレーションとルーティング テーブルを保管するとともに、ネットワーク インターフェイスによってパケット バッファとして使用されます。Cisco IOSソフトウェアはSDRAMから実行されます。
• フラッシュ メモリ ― オペレーティング システム ソフトウェア イメージ、コンフィギュレーション ファイル、およびログ ファイルを保管します。外部CompactFlashメモリ カードで実装されます。
• ブート/NVRAM ― 2つの機能を果たします。ROMモニタを保管します。ROMモニタによって、フラッシュ メモリからオペレーティング システム ソフトウェア イメージを起動できます。さらに、システム コンフィギュレーション ファイルと仮想コンフィギュレーション レジスタを保管します。
表 2 に、Cisco ISR 1800シリーズ ルータのメモリ仕様を示します。
(注) SDRAMとフラッシュ メモリはユーザ側で拡張できますが、ブート/NVRAMはルータのマザーボードにはんだ付けされているので、拡張できません。
表 3 に、ルータのベゼルまたはシャーシにあるLEDインジケータの概要を示します。インターフェイス カードのLEDは含まれていません。
インターフェイス カードのLEDについては、『 Cisco Interface Card Installation Guide 』を参照してください。
3倍速の内蔵ファンがシャーシを冷却します。オンボード温度センサがファンの速度を制御します。このファンは、ルータに電気が供給されているときは、常に動作しています。ほとんどの場合、ファンは最低速で動作し、電気を節約してファンの動作音を抑えます。内部の温度が上昇すると、必要に応じて高速で動作します。
バッテリ バックアップを装備した内部リアルタイム クロックにより、システムの起動時、時刻がシステム ソフトウェアに提供されます。システムはこの時刻によって、認証局(CA)の証明書の有効性を検証できます。バックアップ バッテリはソケット式のリチウム電池です。このバッテリはルータが規定の動作環境にあるかぎり、ルータの寿命が尽きるまで有効です。現場で交換することはできません。
(注) Cisco 1841ルータのリチウム電池に問題が生じた場合は、シスコにルータを戻して修理する必要があります。自分で電池を交換しないでください。現場での電池交換は想定されていませんが、安全規格の要件に従って、このマニュアルには次の警告が含まれます。
警告 バッテリの交換手順を誤ると、爆発する危険があります。バッテリを交換する場合は、必ず、製造元が推奨している同タイプまたは同等タイプのバッテリと交換してください。使用済みのバッテリは、製造元の指示に従って廃棄してください。
ここでは、Cisco ISR 1800シリーズ ルータ前面パネルおよび背面パネルの図を使用して、電源および信号インターフェイス、インターフェイス カード スロット、ステータス インジケータの位置を示します。
図3に、Cisco 1841ルータの前面パネルを示します。図4に背面パネルを示します。
Cisco 1841ルータ上の各インターフェイス(ポート)は、番号で識別します。Cisco 1841ルータは、次のタイプのWANおよびLANインターフェイスを装備しています。
• オンボード ファスト イーサネットLANインターフェイス×2
• WIC、VWIC(データ専用)、およびHWICを搭載できるスロット×2
スロットの番号形式は インターフェイス タイプ0/スロット番号 / インターフェイス番号 です。 表 4 に、インターフェイス番号の概要を示します。
(注) Cisco 1841ルータ上で非同期インターフェイスを設定する場合、番号形式は0/スロット/ポートです。非同期インターフェイスに対応する回線を設定する場合は、単純にインターフェイス番号を使用して非同期回線を指定します。たとえば、line 0/0/0は、スロット0に搭載されたWIC-2A/S上のinterface serial 0/0/0に対応する回線を指定します。同様に、line 0/1/1は、スロット1に搭載されたWIC-2AM上のinterface async 0/1/1に対応する回線を指定します。
表 5 に、Cisco ISR 1800シリーズ ルータの仕様を示します。