Cisco 12008 ギガビット スイッチ ルータ ファン トレイ交換およびアップグレード手順
製品番号:GSR8-SYSBLOWER=、GSR8-PWRBLOWER-B=、GSR8-FLTASM-UPG-B=
このマニュアルでは、Cisco 12008 ギガビット スイッチ ルータ(GSR)のファン トレイを交換する手順について説明します。このマニュアルの内容は、次のとおりです。
• 「安全なインストレーション、静電気防止手順、および必要な工具」
このマニュアルは、Cisco 12008 ギガビット スイッチ ルータをサポートする『 Cisco 12008 Gigabit Switch Router Installation and Configuration Guide 』(Text Part Number:78-4953-xx)と併せてご利用ください。
ファン トレイの取り付けまたは取り外しの前に、人身事故または機器の損傷を防ぐために、ここで説明する安全に関する推奨事項を確認してください。ここでは、取り付けまたは取り外し手順を実行するのに必要な工具および部品についても説明します。
人身事故または機器の損傷を防ぐために、次の注意事項を守ってください。このリストには、起こりうる危険な状況がすべて網羅されているわけではありません。ルータの電気および電子コンポーネントを取り扱う際は、 十分に注意して作業を行ってください 。
• Cisco 12008 を移動する前に、必ずすべての電源コードおよびラインカード インターフェイス ケーブルを外してください。
• 工具やルータ コンポーネントが通行の妨げにならないようにしてください。
• 作業場所では、危険を伴う作業は一人では行わないでください。
• 人身事故や装置障害を引き起こす可能性のある作業は行わないでください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかどうか、作業場所の安全を十分に確認してください。
ルータの電気機器および電子機器を取り扱う際には、次の基本的な安全に関する推奨事項に従ってください。
• カード ケージやその他のルータ内部のコンポーネントを扱う前に、室内の緊急電源遮断スイッチがどこにあるかを確認しておきます。
• 作業場所では、危険を伴う作業は一人では行わないでください。
• 回路の電源が切断されていると思い込まず、必ず確認してください。
• 人身事故や装置障害を引き起こす可能性のある作業は行わないでください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかどうか、作業場所の安全を十分に確認してください。
• さらに、電話回線または他のネットワーク配線に接続されている機器を扱う場合は、次の注意事項に従ってください。
警告 雷が発生しているときには、システムに手を加えたり、ケーブルの接続や取り外しを行わないでください。
• 防水設計されていない電話ジャックは、湿気の多い場所に取り付けないでください。
• 電話回線がネットワーク インターフェイスから切り離されている場合以外、絶縁されていない電話ケーブルや端子には、触れないでください。
ESD により電子回路が損傷を受けることがあります(静電破壊)。静電破壊は電子部品の取り扱いが不適切な場合に発生し、故障または間欠的なシステム障害をもたらします。
回路基板を取り扱うときは、静電破壊を防止するために、次の注意事項に従ってください。
• 必ず静電気防止用リスト ストラップを肌に密着させて着用してください。上部カード ケージの左下端の ESD ソケットにリスト ストラップの装置側(バナナジャック)を差し込んでください。
• 不良回路基板を修理または交換のため工場に返却する場合は、取り外した基板をただちに静電気防止用袋に入れて基板を静電破壊から保護してください。
• リスト ストラップは身体の静電気から機器を保護するだけです。衣服の静電気が、電子部品の静電破壊の原因になることがあります。
ここでは、Cisco 12008 からファン トレイを取り外す手順、Cisco 12008 にファントレイを取り付ける手順、およびファントレイが取り付けられていることを確認する手順を示します。
(注) Cisco 12008 ファン トレイは、ギガビット スイッチ ルータの GSR ファミリのその他のメンバーでは使用できません。
Cisco 12008 は、Field-Replaceable Unit(FRU)の活性挿抜(online insertion and removal; OIR)をサポートします。したがって、システムの他の部分が電源投入され、実稼働状態の場合でもファン トレイの取り外しおよび交換ができます。
下部カード ケージからファン トレイを取り外すには、図1 を参照して、次の手順を実行します。
(注) 静電気防止用リスト ストラップを肌に密着させて着用します。上部カード ケージの左下端の ESD ソケットにリスト ストラップの装置側(バナナジャック)を差し込んでください。
ステップ 1 エアー フィルタ アセンブリの両側にある 2 つのパネル固定ネジを緩めて、アセンブリを取り外して下部カード ケージの内部が見えるようにします。また、取り外したアセンブリは脇に置いておきます。
(注) 下部ファン トレイ エアー フィルタ アセンブリをアップグレードする場合は、ここで作業を止めて「エアー フィルタ アセンブリのアップグレード」に進みます。
ステップ 2 ファン トレイの両端にある 2 つの非脱落型ネジを緩めます。
ステップ 3 ファン トレイ フレームの中央にあるリング型の挿入/取り出しタブを片手でつかみ、ファン トレイをガイド レールから半分ほど静かに引き出し、ファン トレイ コネクタがバックプレーンから外れるようにします。
ステップ 4 空いている手をファン トレイの下に入れて支え、カード ケージからモジュールを完全に引き出します。
修理や交換のため取り外したファン トレイを工場に返却する場合は、納品時の輸送用コンテナ(廃棄していない場合)にファン トレイを再梱包し、そのパッケージを返品輸送のために準備します。
この手順では、図1 に示す既存のエアー フィルタ アセンブリが取り外されていることを前提としています。エアー フィルタ バスケット、EMI 防止ドア、および 2 つの取り付けスタッド アセンブリからなるエアー フィルタ アセンブリ アップグレード キットを手元に用意します。アップグレード キットに付属の M4 六角ボールドライバが必要です。エアー フィルタ アセンブリのアップグレード手順は、次のとおりです。
次の手順では、シャーシの左側にあるファン トレイ スロットの内側の縁に取り付けスタッド アセンブリを取り付ける方法について説明します。シャーシの右側に取り付けスタッド アセンブリを取り付ける際も同様の手順を繰り返してください。取り付けスタッド アセンブリは、元のエアー フィルタ取り付けタブを強化する目的で設計されており、元のスタッドがない場合でも使用できます。
ステップ 1 パッケージから取り付けスタッド アセンブリを取り出し、2つのアレン ネジを緩めます(ネジは取り外さないでください)。図2 に、位置合わせと組み立ての手順を示します。
ステップ 2 取り付けスタッド アセンブリを元のエアー フィルタ取り付け用の絶縁ポストの支柱に合わせます。
ステップ 3 付属の M4 六角ボールドライバを使用して取り付けスタッド アセンブリを所定の位置に固定します。もう一度 図2 を参照し、元のファン フィルタ取り付けスタッドを新しい取り付けスタッド アセンブリと合わせる手順を確認してください。
ステップ 4 元のエアー フィルタ取り付けスタッドがない場合は、付属のアレン ネジを使用して交換用の取り付けスタッド アセンブリを元のエアー フィルタ取り付けタブに合わせます。図3 に、スタッドがない場合の位置合わせと組み立ての手順を示します。
ステップ 5 シャーシの右側のエアー フィルタ取り付けスタッドをアップグレードする際も同様の手順を繰り返してください。アレン ネジがすべて締まっているか慎重に確認します。
図2 取り付けスタッド アセンブリ ― 元のスタッドが所定位置にある場合(左側)
図3 取り付けスタッド アセンブリ ― 元のスタッドがない場合(左側)
次に記載されている手順に従って EMI 防止ドアを取り付けるには、まず取り付けスタッド アセンブリをシャーシの左右両側の、ファン トレイ スロットの内側の縁に取り付ける必要があります。
ステップ 1 図4 のように EMI 防止ドア アセンブリをシャーシに合わせます。
(注) ファン トレイに固定するときは、大きな分岐したタブが EMI 防止ドア アセンブリの上側になり、小さな溝付きのタブが下側になるようにします。
ステップ 2 2 つの取り付けネジを締めます。取り付けネジは、前述の手順(取り付けスタッド アセンブリの取り付け)で取り付けた取り付けスタッド アセンブリに取り付けます。
エアー フィルタ バスケットを EMI 防止ドア アセンブリに取り付けるには、図5 を参照して、次の手順を実行します。
ステップ 1 エアー フィルタ バスケットの下部にある 2 つの短いタブの位置を確認し、EMI 防止ドア アセンブリのスロットに挿入します。
ステップ 2 エアー フィルタ バスケットを回転させ、EMI 防止ドア アセンブリの長い分岐したタブがエアー フィルタ バスケットの上部の取り付けネジにはまるようにします。
ステップ 3 エアー フィルタ バスケット固定ネジを締めて、フィルタ アセンブリを EMI 防止ドア アセンブリに固定します。
図5 EMI 防止ドア アセンブリへのエアー フィルタ バスケットの取り付け
次の手順では、下部カード ケージから障害のあるファン トレイをすでに取り外していることを前提としています。
(注) Cisco 12008 ファン トレイは、ギガビット スイッチ ルータの GSR ファミリのその他のメンバーでは使用できません。
下部カード ケージのファン トレイを交換するには、次の手順を実行します。
(注) 静電気防止用リスト ストラップをまだ着用していない場合は、ここで肌に密着させて着用します。上部カード ケージの左下端の ESD ソケットにリスト ストラップの装置側(バナナジャック)を差し込んでください。
ステップ 1 新しいファン トレイ フレームの中央にあるリング型の挿入/取り出しタブを片手でつかみ、このアセンブリの手前側を上げます。
ステップ 2 空いている手をアセンブリの下に入れて支え、下部カード ケージのガイド レールの位置に合わせます。
ステップ 3 ファン トレイ フレーム ガイドを慎重にガイド レールに挿入します(図6 を参照)。
ステップ 4 挿入/取り出しタブを静かに押してモジュールを押し込み、シート メタル フレームが非脱落型ネジ用止め具で止まり、モジュール背面のかみ合わせコネクタがバックプレーンにしっかりとはまるようにします。
図6 ルータへのカード ケージ ファン トレイ アセンブリの装着
(注) 電気的接続は、ファン トレイとバックプレーンのコネクタがかみ合うと自動的に行われます。ファン トレイにはただちに電源が投入されます。
ステップ 5 ファン トレイ フレームの両端にある 2 つの非脱落型ネジを締めます。
ステップ 6 EMI 防止ドアおよびエアー フィルタ ケージ アセンブリを元通りにして下部カード ケージを覆い、ルータを完全に密閉します。2 つのパネル固定ネジを締めてアセンブリをしっかりと固定します。
カード ケージ ファン トレイが正常に動作することを確認するには、「ファン トレイの取り付けの確認」に進みます。
次の手順では、使用している Cisco 12008 に電源装置が 1 つまたは 2 つと電源ファン トレイが 1 つ装備されていることを前提としています。
(注) Cisco 12008 ファン トレイは、ギガビット スイッチ ルータの GSR ファミリのその他のメンバーでは使用できません。
電源ファン トレイを取り外すには、図7 を参照して、次の手順を実行します。
(注) 静電気防止用リスト ストラップをまだ着用していない場合は、ここで肌に密着させて着用します。上部カード ケージの左下端の ESD ソケットにリスト ストラップの装置側(バナナジャック)を差し込んでください。
ステップ 1 電源ファン トレイのハニカム前面プレートの非脱落型ネジを緩めます。
ステップ 2 電源ファン トレイの前面プレート上の緩めた非脱落型ネジを片手でつかみ、ガイド レールから半分ほどファン トレイを静かに引き出し、ファン トレイ コネクタがバックプレーンから外れるようにします。
ステップ 3 ファン トレイを上側から両手でつかみ、モジュールをカード ケージから完全に引き出します。
修理や交換のため取り外したファン トレイを工場に返却する場合は、納品時の輸送用コンテナ(廃棄していない場合)にファン トレイを再梱包し、そのパッケージを返品輸送のために準備します。
次の手順では、電源ベイから障害のあるファン トレイをすでに取り外していることを前提としています。
(注) Cisco 12008 ファン トレイは、ギガビット スイッチ ルータの GSR ファミリのその他のメンバーでは使用できません。
電源ベイにファン トレイを取り付けるには、図8 を参照して、次の手順を実行します。
(注) 静電気防止用リスト ストラップをまだ着用していない場合は、ここで肌に密着させて着用します。上部カード ケージの左下端の ESD ソケットにリスト ストラップの装置側(バナナジャック)を差し込んでください。
ステップ 1 電源ファン トレイを上側から両手でつかみます。
ステップ 2 アセンブリの手前側を上げ、アセンブリを電源ベイのガイド レールの位置に合わせます。
ステップ 3 ファン トレイを慎重に電源ベイのガイド レールに挿入します。
ステップ 4 ファン トレイの前面プレートの端を静かに押し、モジュールをベイの奥まで押し込んでファン トレイのシート メタル フレームが非脱落型ネジ用止め具で止まるようにします。
交換したファン トレイが正常に動作していることを確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 次のコンポーネントが固定されているかを確認します。
• 電源ファン トレイが電源ベイにしっかりと装着され、非脱落型ネジが締められている。
• カード ケージ ファン トレイがカード ケージにしっかりと装着され、2 つの非脱落型ネジが締められている。
• エアー フィルタ アセンブリが下部カード ケージの前面にしっかりと固定されている。
ステップ 2 CSC の前面プレートのステータス LED を調べます(ファン トレイのステータス LEDを参照)。
ステップ 3 カード ケージ ファン トレイと電源ファン トレイの冷却ファンの音を確認します。騒音のある環境では動作音の確認が困難になることがあります。
ステップ 4 ルータのラックの上部背面の幅全体に沿って手をかざし(図8 を参照)、上部カード ケージと電源ベイから空気が排出されていることを確認します。
ファン トレイのステータス LED は、Clock and Scheduler Card(CSC; クロック スケジューラ カード)の前面プレート上に横に並んでいます。LED の位置は、Cisco 12008 のファン トレイの位置に対応します(図9 を参照)。左側の LED はカード ケージ ファン トレイのステータスを示し、右側の LED は電源ファン トレイのステータスを示します。 表1 にステータス LED を示し、CSC の各ファン トレイのステータス LED の意味について説明します。
ファン トレイのどちらかのファンに障害がある場合は、次のような状況が発生します。
• 両方のファン トレイのファンの速度が、ルータ内部に過熱状態が発生していない場合でも最大限まで上昇する。
• CSC 前面プレートの該当するステータス LED(図9 を参照)が点灯し、障害が発生したファン トレイを示す。
show environment leds 特権 EXEC コマンドを使用すると、LED のステータスを確認できます。ファン トレイのステータスは、 show environment all 特権 EXEC コマンドを使用すると確認できます。
ここでは、適合規格および安全性について説明します。具体的な項目は次のとおりです。
各国語で記述された安全上の警告および適合規格の全リストについては、『Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco 12000 Series Routers』(Text Part Number 78-4347-xx)を参照してください。
この装置はテスト済みであり、FCC ルール Part 15 に規定された仕様のクラス A デジタル装置の制限に準拠していることが確認済みです。これらの制限は、商業環境で装置を使用したときに、干渉を防止する適切な保護を規定しています。この装置は、無線周波エネルギーを生成、使用、または放射する可能性があり、この装置のマニュアルに記載された指示に従って設置および使用しなかった場合、ラジオおよびテレビの受信障害が起こることがあります。住宅地でこの装置を使用すると、干渉を引き起こす可能性があります。その場合には、ユーザ側の負担で干渉防止措置を講じる必要があります。
シスコシステムズの書面による許可なしに装置を改造すると、装置がクラス A のデジタル装置に対する FCC 要件に準拠しなくなることがあります。その場合、装置を使用するユーザの権利が FCC 規制により制限されることがあり、ラジオまたはテレビの通信に対するいかなる干渉もユーザ側の負担で矯正するように求められることがあります。
装置の電源を切ることによって、この装置が干渉の原因であるかどうかを判断できます。干渉がなくなれば、シスコシステムズの装置またはその周辺機器が干渉の原因になっていると考えられます。装置がラジオまたはテレビ受信に干渉する場合には、次の方法で干渉が起きないようにしてください。
• 干渉がなくなるまで、テレビまたはラジオのアンテナの向きを変えます。
• テレビまたはラジオの左右どちらかの側に装置を移動させます。
• テレビまたはラジオから離れたところに装置を移動させます。
• テレビまたはラジオとは別の回路にあるコンセントに装置を接続します(装置とテレビまたはラジオがそれぞれ別個のブレーカーまたはヒューズで制御されるようにします)。
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