クリティカル、メジャー、マイナー アラーム ステータスのモニタリング
アラーム カード、CSC、および SFC のステータスのモニタリング
スイッチ ファブリック カード ケージからのカードの取り外し
Product Alert および Field Notice
Cisco Technical Support & Documentation Web サイト
製品番号:12016E-CSC=、12016E-SFC=、12416E-CSC=、12416E-SFC=、12816E-CSC、GSR16/80-CSC=、GSR16/80-SFC=、GSR16/320-CSC=、GSR16/320-SFC=、12816-CSC=、12816-SFC=、GSR16-ALRM=
このマニュアルでは、Cisco 12016/12416/12816 ルータで使用されている Clock and Scheduler Card(CSC; クロック スケジューラ カード)、Switch Fabric Card(SFC; スイッチ ファブリック カード)、およびアラーム カードの取り外し/取り付け手順について説明します。また、スイッチ ファブリックのアップグレード手順、および CSC、SFC、またはアラーム カードの交換後のシステム動作の確認方法についても説明します。CSC および SFC は、スイッチ ファブリックと呼ばれるカード セットです。アラーム カードは、スイッチ ファブリック カード セットの一部ではありません。
Cisco 12016/12416/12816 ルータの中枢部であるクロスバー スイッチ ファブリックは、ラインカードと Route Processor(RP; ルート プロセッサ)を同期ギガビット速度で相互に接続します。スイッチ ファブリックは、スイッチ ファブリック カード ケージに取り付けられた 2 枚の CSC と 3 枚の SFC から構成されています。図1に示すとおり、エア フィルタ ドアを下げることで、このケージにアクセスできるようになっています。1 枚の CSC と 3 枚の SFC によってアクティブなスイッチ ファブリックが構成されます。2 枚めの CSC は冗長用です。
(注) ルータは SFC の活性挿抜をサポートしているため、ルータが稼働している状態で SFC の取り外し/取り付け、または新しい SFC へのアップグレードができます。ファブリック カードを取り外すには、カード上で hw module shut コマンドを実行し、約 1 分待機したのちカードを取り外すという手順が推奨されます。プライマリ CSC の活性挿抜を行うと、シャーシに取り付けられているラインカードの構成にかかわらず、トラフィックの損失が発生します。冗長 CSC の活性挿抜の場合は、シャーシに取り付けられているラインカードの構成にかかわらず、トラフィックの損失が発生することはありません。ルータが稼働している状態で CSC の取り外し/取り付けが行えるのは、冗長 CSC が取り付けられている場合だけです。
CSC を 1 枚だけ搭載してシステムを稼働させている場合は、ルータの電源を切ってから CSC を取り外さなければなりません。
現在利用できるスイッチ ファブリック オプションは、次のとおりです。
• Cisco 12016 ルータで使用されている 2.5 Gbps の拡張スイッチ ファブリック(80 Gbps のスイッチング システム帯域幅) ― 12016E-CSC および 12016E-SFC ファブリック セットで構成されます。SFC/CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 2.5 Gbps 全二重で接続します。したがって、Cisco 12016 ルータに 2 × 2.5 Gbps(全二重)対応ラインカードを 16 枚装着した場合、システム スイッチング帯域幅は 16 × 5 Gbps = 80 Gbps になります。拡張ファブリックは、シングルルータ Automatic Protection Switching(APS; 自動保護スイッチング)または Building Integrated Timing Supply(BITS)をイネーブルにする場合に必要となります。また、シャーシに 12000-SIP-401 2.5G SPA ベースのラインカードを搭載する場合にも必要です。
• Cisco 12416 ルータで使用されている 10 Gbps の拡張スイッチ ファブリック(320 Gbps のスイッチング システム帯域幅) ― 12416E-CSC および 12416E-SFC ファブリック セットで構成されます。SFC/CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 10 Gbps 全二重で接続します。したがって、Cisco 12416 ルータに 2 × 10 Gbps(全二重)対応ラインカードを 16 枚装着した場合、システム スイッチング帯域幅は 16 × 20 Gbps = 320 Gbps になります。拡張ファブリックは、シングルルータ APS または BITS 機能をイネーブルにする場合に必要となります。
• Cisco 12816 ルータで使用されている 40 Gbps の拡張スイッチ ファブリック(1.2 Tbps のスイッチング システム帯域幅) ― 12816E-CSC および 12816-SFC ファブリック セットで構成されます。SFC/CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 40 Gbps 全二重で接続します。したがって、Cisco 12816 ルータに 2 × 40 Gbps(全二重)対応ラインカードを 16 枚装着した場合、システム スイッチング帯域幅は 16 × 80 Gbps = 1.2 Tbps になります。拡張ファブリックは、シングルルータ APS または BITS 機能をイネーブルにする場合に必要となります。
• Cisco 12016 ルータで使用されている 2.5 Gbps のスイッチ ファブリック(80 Gbps のスイッチング システム帯域幅) ― GSR16/80-CSC および GSR16/80-SFC ファブリック セットで構成されます。SFC/CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 2.5 Gbps 全二重で接続します。したがって、Cisco 12016 ルータに 2 × 2.5 Gbps(全二重)対応ラインカードを 16 枚装着した場合、システム スイッチング帯域幅は 16 × 5 Gbps = 80 Gbps になります。
• Cisco 12416 ルータで使用されている 10 Gbps のスイッチ ファブリック(320 Gbps のスイッチング システム帯域幅) ― GSR16/320-CSC および GSR16/320-SFC ファブリック セットで構成されます。SFC/CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 10 Gbps 全二重で接続します。したがって、Cisco 12416 ルータに 2 × 10 Gbps(全二重)対応ラインカードを 16 枚装着した場合、システム スイッチング帯域幅は 16 × 20 Gbps = 320 Gbps になります。
• Cisco 12816 ルータで使用されている 40 Gbps のスイッチ ファブリック(1.2 Tbps のスイッチング システム帯域幅) ― 12816-CSC および 12816-SFC ファブリック セットで構成されます。SFC/CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 40 Gbps 全二重で接続します。したがって、Cisco 12816 ルータに 2 × 40 Gbps(全二重)対応ラインカードを 16 枚装着した場合、システム スイッチング帯域幅は 16 × 80 Gbps = 1.2 Tbps になります。
(注) これらのオプションの機能は同様ですが、SFC と CSC を混在させることはできません。スイッチ ファブリックはカード セットです。2.5 Gbps、10 Gbps、または40 Gbps のスイッチ ファブリック カード セットを使用する必要があります。また、10 Gbps スイッチ ファブリックは、以前の Cisco 12000 シリーズ ルータの場合と異なり、1/4 帯域幅モードでは動作しません。
ルータは、カード ケージの 5 つのスロットに 2 枚の CSC と 3 枚の SFC が装着された状態で出荷されます。CSC はスロット 0 またはスロット 1(CSC 0 または CSC 1 のラベル)に、SFC はスロット 2、スロット 3、スロット 4(SFC 0、SFC 1、SFC 2 のラベル)に装着されています。
• スイッチ ファブリック ― ラインカード間または RP とラインカード間でユーザ トラフィックを伝送します。CSC のスイッチ ファブリックは SFC のスイッチ ファブリックと同一です。
• スケジューラ ― ラインカードから出された、スイッチ ファブリックへのアクセス要求を処理し、ラインカードにスイッチ ファブリックへいつアクセスさせるかを決定します。
• システム クロック ― すべてのSFC、ラインカード、およびRPに送られます。システム クロックは、ラインカード間、またはスイッチ ファブリックを介したラインカードと RP 間のデータ転送を同期化します。
SFC に組み込まれているのは、スイッチ ファブリック回路だけであり、この回路がラインカード間または RP とラインカード間でユーザ トラフィックを伝送します。CSC からスケジューリング情報とシステム クロック情報を受け取ります。
このルータの 2 枚めの CSC は、データ パス、スケジューラ、および基準クロックの冗長性を提供します。ラインカードとスイッチ ファブリック間のインターフェイスは、常にモニタされています。システムが Loss of Synchronization(LOS; 同期損失)を検出すると、自動的に冗長 CSC のデータ パスをアクティブにするので、データは冗長パスを流れるようになります。冗長 CSC への切り替えはマイクロ秒単位で行われるので、データの損失はほとんどありません。
スイッチ ファブリック カード ケージに取り付けられているカードに対応したステータスLEDがあります。CSC または SFC に LED はありません。アラーム カードには、スイッチ ファブリック カード ケージの 5 つのカード スロットそれぞれに対して 1 組の LED があります。詳細については、次の項「 アラーム カードの概要 」を参照してください。
ルータには、アラーム カードが 2 枚搭載されています。カードの 1 枚は上部カード ケージの一番左側の専用スロットに取り付けられています。もう 1 枚のアラーム カードは下部カード ケージの一番右側の専用スロットに取り付けられています。どちらのカード ケージの場合も、アラーム カード スロットは他のカード ケージ スロットとは違います。アラーム カード スロットにはアラーム カード用であることを示すラベルがあり、アラーム カードが事前に取り付けられており、他のカードとはバックプレーン コネクタが違います(図2)。
ルータのアラーム カードには、次の 3 つの主要機能があります。
1. システムが Maintenance Bus(MBus; メンテナンス バス)を通じて検出した 3 レベルのアラーム重大度(クリティカル、メジャー、マイナー)を視覚的に表示します。
3. アラーム カード、CSC、および SFC のステータスを視覚的に表示します。
アラーム カードの前面プレートには、[CRITICAL]、[MAJOR]、[MINOR] のラベルの付いた 3 組の LED があります。これらの LED は、MBus を通じて検出されたシステムレベルのアラーム状態を示します。
(注) 同じ種類の LED が 2 つで 1 組になっていることで冗長性が確保されており、LED が 1 つ故障しても問題は生じません。クリティカルおよびメジャーのアラーム LED はレッドで、マイナー アラーム LED はイエローです。
ルータには、アラームカードが 2 枚搭載されており、この 2 枚のカードが冗長構成になっているので、MBus を通じてシステム アラーム状態が検出されると、両方のアラーム カードで同じ LED が点灯します。
これらのアラームが警告を発するのは、いずれかのカード ケージ内のコンポーネントが過熱状態になった場合、ブロワー モジュール内のブロワーが故障した場合、電源装置で過電流が発生した場合、またはいずれかのカード ケージ内のカードの電圧が許容範囲外になった場合です。LED は MBus ソフトウェアによって制御されています。MBus ソフトウェアによって、各アラーム段階のトリガーとなるしきい値レベルが設定されます。
温度、電圧、電流、およびブロワー速度を確認するため、RP はシステムに継続してポーリングを行います。しきい値超過が検出されると、RP はアラーム カードに、該当するアラーム重大度を設定します。これによってアラーム カード上の 1 組の LED が点灯し、さらに該当するアラーム カード リレーが作動して、アラーム カードに接続されている外部アラーム音またはアラーム ライトが稼働します。また、RP は、コンソール上で発生したしきい値超過に関するメッセージを記録します。
アラーム カードの前面プレートには、クリティカル、メジャー、マイナー(Normally Open[NO]、Normally Closed[NC]、コモン)の各アラーム リレー コンタクトに直接結合された 25 ピンの D-Sub コネクタがあります。
(注) アラーム カード前面プレート上のコネクタ([ALARM] ラベル)に接続できるのは、Safety Extra-Low Voltage(SELV; 安全特別低電圧)回路だけです。アラーム回路の最大定格は、2 A、50 VA です。
雷による建物内のサージに関する GR-1089-CORE, Issue II, Revision 01(1999 年 2 月)に適合するためには、アラーム カードの外部アラーム ポートへの接続にシールド付きケーブルを使用する必要があります。 使用するケーブルは、両端がシールド型コネクタで終端されたシールド付きケーブルで構成されており、両方のコネクタにケーブル シールド材が結合されていなければなりません。
外部アラーム装置には、アラーム ライトとアラーム音のいずれも使用できます。アラーム カードの前面プレート上には、[ACO/LT](アラーム カットオフ/ランプ テスト)ラベルの付いたスイッチがあり、これを押すとアラーム音を消すことができます。ACO/LT スイッチは、アラーム カード上のアラーム ライト(LED)には影響しません。アラーム音は、アラーム状態が解消されるか、このボタンが押されるまで鳴り続けます。アラーム ライトは、ソフトウェアによってリセットされます。
(注) ルータに搭載されている2つのアラーム カードは冗長構成になっているため、いずれかのアラーム カードのアラーム音リセット スイッチを押せば、アラーム音を消すことができます。
ACO/LT スイッチを使用して、アラーム カードの LED が点灯するかどうかを確認することもできます。アラーム音が作動していないときに、ACO/LT スイッチを押すと、アラーム カード前面プレートの LED が一時的に点灯します。これによって、アラーム カードの LED が故障していないことを視覚的に確認できます。
アラーム カードの前面プレートには、アラーム カードのステータスを視覚的に示す LED が 1 組、スイッチ ファブリック カード ケージ内の 2 つの CSC および 3 つの SFC のステータスを視覚的に示す LED が 5 組あります(アラーム カード(前面図) を参照)。
アラーム カード自体のステータスを示す LED には、アラーム カード用であることを示すラベルは付いていませんが、グリーンの LED には [ENABLED]、イエローの LED には [FAIL] のラベルが付いています。グリーンの LED が点灯していれば、そのアラーム カードはルータによって検出され、正常に機能しています。イエローの LED が点灯している場合は、ルータによってアラーム カードの故障が検出されています。
アラーム カードの前面プレートには、スイッチ ファブリック カード ケージ内の各カードに対応する 1 組の LED があります。各組の LED は、グリーンの LED([ENABLED] のラベル)が 1 つとイエローの LED([FAIL] のラベル)が 1 つで構成されています。グリーンの LED が点灯しているときは、スイッチ ファブリック カード ケージで対応するスロット内のカードは正常に動作しています。イエローの LED が点灯している場合は、ルータによってスイッチ ファブリック カード ケージの該当するスロット内のカードの故障が検出されています。
• 静電破壊の防止
• 必要な工具と部品
• 関連資料
このマニュアルに記載されている作業を開始する前に、人身事故または機器の損傷を防ぐために、ここで説明する安全に関する注意事項を確認してください。さらに、ルータの取り付け、設定、およびメンテナンスを行う前に、ルータに付属の『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco 12000 Series Internet Router 』に記載されている安全上の警告を確認してください。
人身事故または機器の損傷を防ぐために、次の注意事項に従ってください。これらの注意事項は、危険な状況をすべて網羅しているとは限らないので、作業に際しては十分に注意してください。
• システムの移動前に、必ずすべての電源コードおよびインターフェイス ケーブルを外します。
• 回路の電源が切断されていると思い込まず、必ず確認してください。
• 工具および組立部品が通行の妨げにならないようにしてください。
• 人身事故や装置障害を引き起こす可能性のある作業は行わないでください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかどうか、作業場所の安全を十分に確認してください。
• ルータ内部の作業を行う前に、室内の緊急電源遮断スイッチがどこにあるかを確認しておきます。
• ルータの取り付けや取り外しを行う前に、すべての電源コードおよび外部ケーブルを外してください。
• 回路の電源が切断されていると思い込まず、必ず確認してください。
• 人身事故や装置障害を引き起こす可能性のある作業は行わないでください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかどうか、作業場所の安全を十分に確認してください。
–負傷しないように注意してください。ルータの電源を切断してください。
–可能であれば、医療援助を求めるために誰か別の人を呼んでもらうようにしてください。それができない場合は、負傷者の状況を見極めてから救援を要請してください。
–負傷者に人工呼吸または心臓マッサージが必要かどうかを判断し、適切な処置を施してください。
さらに、電源から切断されていても、電話回線またはネットワーク配線に接続されている装置を扱う場合には、次の注意事項に従ってください。
• 雷が発生しているときには、電話線の接続を行わないでください。
• 防水設計されていない電話ジャックは、湿気の多い場所に取り付けないでください。
• 電話回線がネットワーク インターフェイスから切り離されている場合以外、絶縁されていない電話ケーブルや端子には、触れないでください。
ルータ コンポーネントの多くは、静電気によって損傷を受けることがあります。コンポーネントによっては、わずか 30 V の電圧でも損傷を受けますが、プラスチックまたは発泡スチロールの梱包資材を扱ったり、プラスチックまたはカーペットの上でアセンブリをスライドさせたりするだけで、35,000 V もの静電圧が発生することがあります。適切な ESD 防止策を講じなかった場合、コンポーネントが完全に壊れたり、断続的な障害が発生したりする可能性があります。次の注意事項に従って、静電破壊の潜在的可能性を最小限に抑えてください。
• 静電気防止用リスト ストラップまたはアンクル ストラップを肌に密着させて着用してください。
• コンポーネントの取り外しまたは取り付けを行うときには、シャーシ前面の ESD 接続ソケットの 1 つまたはシャーシの塗装されていない金属面に、静電気防止用ストラップの装置側を必ず接続します(図3 を参照)。コンポーネントと衣服が接触しないように注意してください。静電気防止用リスト ストラップは体内の静電気からコンポーネントを保護するだけです。衣服の静電気によってコンポーネントが損傷することがあります。
• 必ずカードのコンポーネント側を上にして、静電気防止用シートの上に置くか、静電気防止カード ラックに入れるか、または静電気防止用袋に収めます。コンポーネントを返却する場合には、ただちに静電気防止用袋に入れてください。
• ラインカードまたは RP を取り付ける場合、イジェクト レバーを使用してカード コネクタをバックプレーンに装着し、カードの前面プレートの両方の非脱落型ネジを締めます。非脱落型ネジは偶発的な脱落を防ぐだけではなく、ルータに適切なアースを提供し、バックプレーンにカード コネクタを確実に装着するために必要です。
• ラインカード、クロック/スケジューラ カード、SFC または RP を取り外すときには、イジェクト レバーを使用してバックプレーンからカード コネクタを外します。金属製のカード フレームを静かに引き出し、片手をフレームの底面に添えて、スロットからまっすぐ取り出します。
• ラインカード、クロック/スケジューラ カード、SFC、または RP を扱う場合は、必ず金属製のカード フレームだけを持ちます。ボードまたはコネクタ ピンには触れないようにしてください。
図3 静電気防止用リスト ストラップをシャーシに接続する手順
スイッチ ファブリック カード ケージは、上部カード ケージの下側、シャーシ前面のエア フィルタ ドアの奥にあります(スイッチ ファブリック カード ケージ を参照)。スイッチ ファブリック カード ケージには、CSC および SFC 用のロック式垂直カード スロットが 5 つあります。CSC は左側の 2 つのカード スロット(ラベル CSC 0 および CSC 1)に、SFC は右側の 3 つのスロット(ラベル SFC 0、SFC 1、および SFC 2)に搭載されています。
(注) ルータは SFC の活性挿抜をサポートしているため、ルータが稼働している状態で SFC の取り外し/取り付け、または新しい SFC へのアップグレードができます。ファブリック カードを取り外すには、カード上で hw module shut コマンドを実行し、約 1 分待機したのちカードを取り外すという手順が推奨されます。プライマリ CSC の活性挿抜を行うと、シャーシに取り付けられているラインカードの構成にかかわらず、トラフィックの損失が発生します。冗長 CSC の活性挿抜の場合は、シャーシに取り付けられているラインカードの構成にかかわらず、トラフィックの損失が発生することはありません。ルータが稼働している状態で CSC の取り外し/取り付けが行えるのは、冗長 CSC が取り付けられている場合だけです。
CSC を 1 枚だけ搭載してシステムを稼働させている場合は、ルータの電源を切ってから CSC を取り外さなければなりません。
次に、CSC および SFC の取り外し/取り付け手順を示します。
• 「スイッチ ファブリック カード ケージからのカードの取り外し」
• 「スイッチ ファブリック カード ケージへのカードの取り付け」
これらの手順は、利用可能なすべてのスイッチ ファブリック カード セット(2.5 Gbps、10 Gbps、または 40 Gbps)に適用されます。カードの取り外し/取り付けの際に、カードのイジェクト レバーに特に注意が必要です。新しいカードのイジェクト レバーは 70 度までしか開きませんが、一部の古いカードのイジェクト レバーは 90 度開きます。
スイッチ ファブリック カード ケージからカードを取り外す手順は、次のとおりです。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップを手首に装着して、ストラップの機器側を、シャーシ前面のいずれかの ESD 接続ソケット、またはシャーシの塗装されていない金属面に取り付けます(静電気防止用リスト ストラップをシャーシに接続する手順 を参照)。
ステップ 2 シャーシ前面のエア フィルタ ドアを開きます(図4)。
a. エア フィルタ ドアの非脱落型ネジ(左右に 2 本ずつ)を緩めます。
b. エア フィルタ ドア前面カバーの両端を持ち、下へ向かってゆっくりと外側にドアを開き、スイッチ ファブリック カード ケージから遠ざけます。
エア フィルタ ドアは、ドアの両端にあるバネ式のアームでシャーシに固定されています。ドアを完全に開いてファブリック カード ケージから遠ざけると、下部カード ケージの前面にドアがぶら下がった状態になります。
ステップ 3 スイッチ ファブリック カード ケージ内の交換するカードを特定します。2 つのカード イジェクト レバーをつかみ、両方のレバーを同時に開いて、カード フレーム前面の端から 90 度(新しい SFC の場合は 70 度)の位置に倒し、カードをバックプレーン コネクタから外します(図5)。
ステップ 4 金属製のカード フレーム以外には触れないようにして、カードをスロットから引き出し、ただちに静電気防止用袋または静電気防止用容器に収めます。
故障したラインカードを返品する場合は、交換用カードが入っていたパッケージを使用して梱包してください。
図5 スイッチ ファブリック カード ケージからのカードの取り外し
CSC は、SFC ケージ左側の 2 つのスロットに取り付け、SFC は右側の 3 つのスロットに取り付けます。
スイッチ ファブリック カード ケージにカードを取り付ける手順は、次のとおりです(図6を参照)。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップを手首に装着して、ストラップの機器側を、シャーシ前面のいずれかの ESD 接続ソケット、またはシャーシの塗装されていない金属面に取り付けます(静電気防止用リスト ストラップをシャーシに接続する手順 を参照)。
ステップ 2 カード フレームのハンドルを片手でつかみ、もう一方の手でフレームを下から支えて、該当するスロットに差し込みます。カードをスロットに半分ほど差し込みます。カードの回路やコネクタには触れないでください。
(注) ファブリック カード ケージの各スロットには、アライメント溝があります。ファブリック カード ケージにカードを取り付けるときは、必ずカード フレームの上下エッジを、スロットの溝に合わせてください。
ステップ 3 カードの両端にあるイジェクト レバーを外側に倒し、カードの上下にあるカード イジェクト カムの開口部が、カード ケージ スロットの端のタブを通過するようにします。
ステップ 4 そのままカードをカード ケージ スロットに差し込み、カード イジェクト カムの開口部がカード ケージ スロットの両端のタブにかみ合うようにします。
(注) CSC および SFC には、カードをスロットに差し込むときバックプレーン コネクタと最初に接触するガイド ピンがあります。ガイド ピンが接触したあと、カード イジェクト レバーが前方(カード フレームのハンドル側)に倒れ始めるまで、カード フレームを押し込みます。
ステップ 5 カードをバックプレーン コネクタに装着するために、両方のイジェクト レバーをつかみ、カード フレームの内側に向かって倒し、レバーがカード フレームの前面エッジに重なるようにします。
図6 スイッチ ファブリック カード ケージへのカードの取り付け
ステップ 6 次の手順で、エア フィルタ ドアを閉めて固定します。
a. エア フィルタ ドアを跳ね上げて、SFC ケージの開口部に合わせ、SFC ケージの四隅にある穴に、4 つのガイド ピンが差し込まれるようにします(図7)。
b. エア フィルタ ドアをしっかりと押して、SFC ケージの開口部に装着したあと、4 本の非脱落型ネジを締めます。
新しい CSC または SFC が適切に動作していることを確認する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 次のコンポーネントが固定されているかどうかを確認します。
• スイッチ ファブリック カード ケージ内の各カードがスロットに完全に装着されていて、カードのイジェクト レバーがカード フレームの前面と一列になっている。
• エア フィルタ ドアが上がり、SFC ケージの開口部に装着されていて、4 本の非脱落型ネジが締まっている。
ステップ 2 アラーム カード(上部カード ケージの左端スロット、下部カード ケージの右端スロット)上にある5 組のスイッチ ファブリック ステータス LED を観察します。両方のアラーム カードで LED ステータスが同じ表示になっていなければなりません。
• 搭載された CSC および SFC のそれぞれに対応するグリーンの LED(ENABLED のラベル)が点灯している。
グリーン LED の一方が消灯している場合、スイッチ ファブリック カード ケージの対応するスロットが空であるか、またはそのスロットのカードが正しく搭載されていません。バックプレーン コネクタにカードを装着し直してください。
• 搭載された CSC および SFC のそれぞれに対応するイエローの LED(FAIL のラベル)が消灯している。
イエロー LED のうちいずれかが点灯している場合、対応するスロットのカードで障害が検出されています。カードが完全に装着されていないか、または内部障害が発生していることが考えられます。該当するスロットのカードを装着し直してください。それでも問題が解決されない場合は、シスコのサービス担当者に問い合わせてください。
ルータには、アラーム カードが 2 枚搭載されています。カードの 1 枚は上部カード ケージの一番左側の専用スロットに取り付けられています。もう 1 枚のカードは、下部カード ケージの一番右側の専用スロットに取り付けられています(図8 を参照)。いずれのカード ケージのアラーム カード スロットも、カード ケージの他のスロットとは異なり、アラーム カード スロットであることを示すラベルが貼付され、幅が狭く、他のスロットとは違うバックプレーン コネクタが付いています。
次に、アラーム カードの取り外し/取り付け手順について示します。
(注) ルータのアラーム カードは、活性挿抜をサポートしています。これにより、ルータが稼働している状態でアラーム カードの取り外し/取り付けができます。
上部カード ケージからアラーム カードを取り外す手順は、次のとおりです(図9を参照)。
ステップ 1 上部カード ケージのフロント カバーの両側を持ち、手前にまっすぐ引いて、カード ケージ前面のボール スタッド ソケットからフロント カバーを外します。
ステップ 2 静電気防止用リスト ストラップを手首に装着して、ストラップの機器側を、シャーシ前面のいずれかの ESD 接続ソケット、またはシャーシの塗装されていない金属面に取り付けます(静電気防止用リスト ストラップをシャーシに接続する手順 を参照)。
ステップ 3 アラーム カードのコネクタに接続されている外部アラーム ケーブルをすべて外します。
ステップ 4 アラーム カード前面プレートの上下にある 2 本の非脱落型ネジを緩めます(図9a を参照)。
(注) ラインカードや RP と異なり、アラーム カードにはイジェクト レバーがありません。アラーム カードのバックプレーン コネクタはピン数が少なく、小型なので、ラインカードや RP のコネクタよりも簡単に着脱できます。
ステップ 5 アラーム カード前面プレートのハンドルを引いて、バックプレーン コネクタからカードを外します。
ステップ 6 スロットからカードを半分ほど引き出したところで、もう一方の手をカード フレームの底に添え、カードを支えます(図9b を参照)。アラーム カードをカード スロットから慎重に取り出し、すぐに静電気防止用マットの上に置きます。
取り外したアラーム カードを返却する場合は、交換用アラーム カードが入っていたパッケージを使用して梱包してください。
上部カード ケージにアラーム カードを取り付ける手順は、次のとおりです(図10を参照)。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップを手首に装着して、ストラップの機器側を、シャーシ前面のいずれかの ESD 接続ソケット、またはシャーシの塗装されていない金属面に取り付けます(静電気防止用リスト ストラップをシャーシに接続する手順 を参照)。
ステップ 2 アラーム カード前面プレートのハンドルを片手で持ち、もう一方の手をカード フレームの底に添えてカードを支えながら、[ Al arm 0 ] のラベルの付いているカード ケージ スロットにカードを差し込みます(図10a を参照)。
ステップ 3 アラーム カードのフレームを慎重にスロットに差し込み、バックプレーン コネクタに触れたら 止めます 。カードの回路やコネクタには触れないでください。
ステップ 4 アラーム カード前面プレートの上下をゆっくり押して、カードをバックプレーン コネクタに固定します。
ステップ 5 すべてのスロット(特にアラーム カードに隣接するスロット 0)にカードが搭載されていることを確認します。すべてのスロットにカードが搭載されていることを確認したら、2 本の非脱落型ネジを締めて、アラーム カードをカード スロットに固定します(図10b を参照)。
ステップ 6 アラーム カード前面プレート上のコネクタに外部デバイス ケーブルを接続します。
ステップ 7 上部カード ケージのフロント カバーを取り付けます。
下部カード ケージのアラーム カードは、一番右側の専用スロット([ Alarm 1 ] のラベル)に取り付けられています。下部カード ケージのアラーム カードの取り外し手順は、カードの方向が上下逆になっている点以外は、「上部カード ケージのアラーム カードの取り外し」に記載されている手順とまったく同じです(図11 を参照)。
下部カード ケージのアラーム カードの取り付け手順は、カードの方向が上下逆になっている点以外は、「上部カード ケージへのアラーム カードの取り付け」に記載されている手順とまったく同じです(図11 を参照)。すべてのスロット(特にアラーム カードに隣接するスロット 15)にカードが搭載されていることを確認します。すべてのスロットにカードが搭載されていることを確認したら、2 本の非脱落型ネジを締めて、アラーム カードをカード スロットに固定します(図10b を参照)。
交換用アラーム カードを取り付けたあと、次の手順で動作確認を行います。
• 交換したアラーム カードがスロット内に完全に収まり、両方の非脱落型ネジが締められている。
• アラーム カードに外部アラーム ケーブルが接続されている場合は、コネクタが完全に装着され、固定具で外れないように固定されている。
ステップ 2 2 枚のアラーム カードの LED を観察します。システムが正常に動作していれば、LED は次の状態になります。
• 3 つのシステム アラーム LED がすべて消灯している。
• [ENABLED] ラベルのアラーム カード ステータス LED が点灯し、[FAIL] ラベルの LED は消灯している。
• スイッチ ファブリック カード ケージ内の各 CSC および SFC に対応する [ENABLED] ラベルの LED が点灯し、[FAIL] ラベルの LED は消灯している。
アラーム カードが正常に起動しない場合は、詳細情報およびトラブルシューティングの手順について、『 Cisco 12016, Cisco 12416, and Cisco 12816 Router Installation and Configuration Guide 』を参照してください。それでも問題が解決しない場合は、シスコのサービス担当者に問い合わせてください。
Cisco 12016 ルータおよび Cisco 12416 ルータのスイッチ ファブリックは、現場でアップグレードすることができます。これにより、2.5 Gbps または 10 Gbps のスイッチ ファブリックはパフォーマンスの優れたスイッチ ファブリックへアップグレードすることができます。
Cisco 12016 ルータは、2.5 Gbps スイッチ ファブリックから 10 Gbps または 40 Gbps スイッチ ファブリックにアップグレードすることができます。Cisco 12416 ルータは、10 Gbps スイッチ ファブリックから 40 Gbps スイッチ ファブリックにアップグレードすることができます。 表1 に、シスコ ルータのモデル番号、対応するスイッチ ファブリックの速度、およびルータ モデルごとに利用可能なアップグレード パスを示します。
作業を進める前に、次のアップグレード要件を確認してください。
1. 完全なスイッチ ファブリック カード セットを用意する必要があります。2.5 Gbps、10 Gbps、および 40 Gbps の CSC および SFC を混在させることはできません。
2. Gigabit Route Processor(GRP)が取り付けられている 10 Gbps スイッチ ファブリックにアップグレードする場合、フラッシュ メモリ カードに Cisco IOS Release 12.0(16)S 以降をロードする必要があります。
3. Performance Route Processor(PRP)が取り付けられている 10 Gbps スイッチ ファブリックにアップグレードする場合、フラッシュ メモリ カードに Cisco IOS Release 12.0(22)S 以降をロードする必要があります。
4. 40 Gbps スイッチ ファブリックにアップグレードする場合、PRP を取り付けて、フラッシュ メモリ カードに Cisco IOS Release 12.0(31)S 以降をロードする必要があります。
5. 10 Gbps 拡張スイッチ ファブリックにアップグレードする場合、PRP を取り付けて、フラッシュ メモリ カードに Cisco IOS Release 12.0(32)SY2 以降をロードする必要があります。
6. 40 Gbps 拡張スイッチ ファブリックにアップグレードする場合、PRP を取り付けて、フラッシュ メモリ カードに Cisco IOS Release 12.0(31)S 以降をロードする必要があります。
スイッチ ファブリックをアップグレードする手順は、次のとおりです。
ステップ 2 すべての CSC および SFC を取り外します(スイッチ ファブリック カード ケージからのカードの取り外しを参照)。
ステップ 3 新しい CSC および SFC を取り付けます(スイッチ ファブリック カード ケージへのカードの取り付けを参照)。
(注) これらのオプションの機能は同様ですが、SFC と CSC を混在させることはできません。スイッチ ファブリックはカード セットです。10 Gbps または 40 Gbps のスイッチ ファブリック カード セットを使用する必要があります。
ステップ 4 フラッシュ メモリ カードを GRP または PRP に挿入し、「アップグレードの要件」に従って適切な Cisco IOS Release がロードされていることを確認します。
ステップ 5 ルータの電源を入れ、取り付けられているカードがすべて起動するまで待ってから、次の手順に進みます。
(注) ルータが完全に稼働してから、次の手順に移ってください。ルータの構成によっては、完全に稼働するまでに時間がかかることがあります。
ステップ 6 イネーブル EXEC プロンプトでconfigure terminalコマンドを入力して、グローバル コンフィギュレーション モードに入ります。
ステップ 7 Cisco IOS Release 12.0(27)S より前のバージョンを使用している場合は、service upgrade allコマンドを入力してください。そうでない場合は、次の手順に移ります。
ステップ 8 Cisco IOS Release 12.0(27)S 以降を使用している場合は、service upgrade mbus-agent-romコマンドを入力してください。
ステップ 9 Cisco IOS Release 12.0(27)S 以降を使用している場合は、service upgrade fabric-downloaderコマンドも入力する必要があります。
ステップ 10 コマンドが実行されたら、Ctrl-Zを押してコンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 11 次の「アップグレードの確認」の項を参照してください。
(注) 詳細な情報については、Cisco TAC Web サイトで入手できます。『Cisco 12000 Series Internet Router Upgrade Procedure』を参照してください。
アップグレードしたスイッチ ファブリックが正常に動作していることを確認する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 「スイッチ ファブリックのアップグレード」に記載されている作業をすべて行います。
ステップ 2 show gsrコマンドを実行して、システムで新しい SFC が検出されるかどうかを確認します。
(注) show gsrコマンドの出力は、スイッチ ファブリック カード セットによって少し違います。
ステップ 3 問題が発生した場合は、「スイッチ ファブリックのトラブルシューティング」を参照してください。また、次の「アップグレード後の考慮事項」の項も参照してください。
次に、アップグレードを実行し、インストレーションを確認したあと、考慮する事項について示します。
• Cisco 12000 シリーズ ルータのシャーシの側面には、ルータのモデルを記載したラベルがあります。スイッチ ファブリック アップグレード キットには、アップグレード後のルータのモデルを示すラベルは付属していません。たとえば、Cisco 12416 ルータを Cisco 12816 ルータにアップグレードした場合、シャーシ側面のラベルは Cisco 12416 ルータのままです。ルータがアップグレードされたことを正しく示すために必要な管理上の措置を講じることを推奨します。
• アップグレードされたルータを識別するその他の方法としては、スイッチ ファブリック カードのラベルを確認するか、Cisco IOS ソフトウェアで show gsr コマンドを実行します。 表2 に、ルータ モデルとこれに対応するスイッチ ファブリック カード識別ラベルの番号を示します。
この項では、スイッチ ファブリックの問題のトラブルシューティング手順について説明します。RP およびラインカードは、多くのカード間通信にとって高速の物理パスとなっているクロスバー スイッチ ファブリックを通して接続されます。スイッチ ファブリックを通して RP とラインカードとの間を伝送されるメッセージには、実際に送受信されるパケット、転送情報、トラフィック統計、および管理制御情報があります。この情報は、ハードウェア関連の障害を診断するときに役立ちます。
(注) この項で説明する内容は、Cisco IOS ソフトウェアの上級管理者およびシステム管理担当者向けです。Cisco IOS の情報の詳細については、Cisco IOS ソフトウェアの該当する資料を参照してください。
スイッチ ファブリックのトラブルシューティングを行う手順は、次のとおりです。
ステップ 1 RP およびラインカードから必要なデータを収集します。
(注) ラインカードに接続したら、attachコマンドを実行します。execute-onコマンドは、スイッチ ファブリックで動作する Inter-Process Communication(IPC; プロセス間通信)に依存します。IPC に問題がある場合、スイッチ ファブリックを通してリモートで実行するコマンドはタイムアウトになることがあります。attach <slot #>コマンドは、IPC ではなく MBus を通して実行されます。
ステップ 2 プライマリ RP およびセカンダリ RP でshow controllers fiaコマンドを実行し、出力を保存します。
ステップ 3 attach <slot #> コマンドを使用してラインカードにアクセスします。
ステップ 4 取り付けられているすべてのラインカードでshow controllers fiaコマンドを使用して、それぞれの出力を保存します。
ステップ 5 出力内容を収集して、「データの分析」の項に進みます。
スイッチ ファブリックの問題は、次のいずれかのコンポーネントの障害が原因で発生することがあります。
スイッチ ファブリックのトラブルュシューティング時にエラーが発生したら、エラーの発生元のコンポーネントを特定するパターンを見つける必要があります。たとえば、show controllers fiaコマンドによる、すべての RP とラインカードの出力を組み合わせると、エラー パターンがあるかどうかを判別できます。次の節では、エラー パターンの特定に役立つ出力結果の値について説明します。
show controllers fiaコマンドによる crc16 データ行は、ハードウェアの問題をよく示しています。1 枚のラインカードまたは 1 枚の CSC/SFC について活性挿抜の作業を行うと、crc16 エラー データが発生することがあります。ただし、この数は増え続けることはありえません。数が増え続けた場合は、障害の発生したハードウェアの交換が必要になることがあります。プライマリ RP とセカンダリ RP のデータと、取り付けられているすべてのラインカードのデータの相関関係を知ることが非常に重要です。次の出力サンプルは、プライマリ RP のステータスを示しています。crc16 データ行には下線を付け、sfc1 のエラーであることを示しています。
次の出力サンプルは、スロット 2 のラインカードのステータスを示しています。crc16 データ行には下線を付け、sfc1 のエラーであることを示しています。必ず、execute-onコマンドではなく、attachコマンドを使用してラインカードにアクセスしてください。
show controllers fiaコマンドによって RP およびラインカードのデータを収集したら、 表3 のような表を作成します。
この表は、複数のラインカードで SFC 1 のエラーが発生していることを示しています。したがって、最初にこの SFC を交換します。交換を検討する場合、まずそのカードが正しく装着されていることを確認します。正しく装着されていることを確認するために、対応するカードは必ず装着し直してください。カードを装着し直しても Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長検査)が増え続ける場合は、その部分を交換します(スイッチ ファブリック カードの適切な装着を参照)。
一般的な障害パターンと、crc16 エラーに対して推奨する対応策は、次のとおりです(問題が解決するまで 1 度に 1 手順ずつ実行してください)。
1. 同一のスイッチ ファブリック カードの複数のラインカードでエラーが発生した場合
a. エラーに対応したスロットのスイッチ ファブリック カードを交換します。
2. 複数のスイッチ ファブリック カードの 1 枚のラインカードでエラーが発生した場合
トラブルシューティングの場合の別の手がかりとして、grant parity と request エラーの形式で示すコンソール ログ、またはshow logコマンドによる出力があります。grant parity エラーを示す次のメッセージ タイプを探します。
show controllers fiaコマンドによる出力も使用します。重要な情報には下線を付けてあります。
一般的な障害パターンと、grant parity と request エラーに対して推奨する対応策は、次のとおりです(問題が解決するまで 1 度に 1 手順ずつ実行してください)。
a. CSC を交換します(どの CSC を交換するかについては、以下の(注)を参照)。
a. CSC を交換します(どの CSC を交換するかについては、以下の(注)を参照)。
(注) 複数のラインカードで grant parity または request エラーが発生していてもルータが動作している場合は、CSC スイッチオーバーが発生しています。障害が発生した CSC は現在バックアップ CSC です(show controllers fia コマンド出力による [Master Scheduler] と表示されているものではありません)。[Halted] が見出し [From Fabric FIA Errors] または [To Fabric FIA Errors] の横にある場合、またはルータが既にトラフィックを転送していない場合、CSC スイッチオーバーは発生しておらず、障害が発生した CSC は [Master Scheduler] として表示されます。デフォルトでは、スロット 17 の CSC がプライマリで、スロット 16 の CSC がバックアップです。
ルータのスイッチ ファブリック カードは装着しにくい場合があり、正しく装着するには少し力を要することがあります。どちらかの CSC が正しく装着されていない場合、次のエラー メッセージが表示されることがあります。
(注) 1/4 帯域幅構成に十分な CSC および SFC が装着されている場合にも、このメッセージが表示されることがあります。1/4 帯域幅構成は、Cisco 12000 シリーズ ルータではサポートされていません。
スイッチ ファブリックおよびラインカードの起動時の問題に対処する場合、すべての CSC と SFC が正しく装着され、電源がオンになっていることを確認することが重要です。show versionコマンドおよびshow controllers fiaコマンドの出力から、ボックスでどのハードウェア構成が稼働しているかが分かります。重要なデータには下線が付けてあります。
トラブルシューティングの詳細情報については、Cisco.com から入手できます(その他の資料および情報の入手方法 を参照)。
ここでは、次の適合規格および安全に関する情報について説明します。
各国語で記述された安全上の警告および準拠規格の全リストについては、『Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco 12000 Series Internet Routers』
(Text Part Number: 78-4347-xx)を参照してください。
このマニュアルに記載された装置は、無線周波エネルギーを生成および放射する可能性があります。シスコシステムズの指示する設置手順に従わずに装置を設置した場合、ラジオおよびテレビの受信障害が起こることがあります。この装置はテスト済みであり、FCC ルール Part 15 に規定された仕様のクラス B デジタル装置の制限に準拠していることが確認済みです。これらの仕様は、住宅地で使用したときに、このような干渉を防止する適切な保護を規定したものです。ただし、特定の設置条件において干渉が起きないことを保証するものではありません。
シスコシステムズの書面による許可なしに装置を改造すると、装置がクラス B のデジタル装置に対する FCC 要件に適合しなくなることがあります。その場合、装置を使用するユーザの権利が FCC 規制により制限されることがあり、ラジオまたはテレビの通信に対するいかなる干渉もユーザ側の負担で矯正するように求められることがあります。
装置の電源を切ることによって、この装置が干渉の原因であるかどうかを判断できます。干渉がなくなれば、シスコシステムズの装置またはその周辺機器が干渉の原因になっていると考えられます。装置がラジオまたはテレビ受信に干渉する場合には、次の方法で干渉が起きないようにしてください。
・干渉がなくなるまで、テレビまたはラジオのアンテナの向きを変えます。
・テレビまたはラジオの左右どちらかの側に装置を移動させます。
・テレビまたはラジオとは別の回路にあるコンセントに装置を接続します(装置とテレビまたはラジオがそれぞれ別個のブレーカーまたはヒューズで制御されるようにします)。
シスコ製品のマニュアルおよびその他の資料は、Cisco.com で入手できます。ここでは、シスコが提供する製品マニュアルのリソースについて説明します。
シスコの最新のマニュアルは、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/techsupport
シスコの Web サイトには、次の URL からアクセスしてください。
Product Documentation DVD は、ポータブル メディアに収容された、技術的な製品マニュアルのライブラリです。この DVD を使用すると、シスコのハードウェア製品のインストレーション、ソフトウェア製品のインストール、設定、およびコマンドに関するガイドにアクセスできます。DVD を使用することで、次の URL にあるシスコの Web サイトに収録されている、HTML 形式のマニュアルおよび一部の PDF ファイルにアクセスできます。
http://www.cisco.com/univercd/home/home.htm
Product Documentation DVD は、定期的に作成およびリリースされます。DVD は、単独または購読契約で入手できます。Cisco.com に登録されている場合、次の URL にある Cisco Marketplace の Product Documentation Store から Product Documentation DVD(Customer Order Number DOC-DOCDVD= または DOC-DOCDVD=SUB)を発注できます。
Cisco Marketplace にアクセスするには、Cisco.com にユーザ登録されている必要があります。登録されている場合、次の URL にあるProduct Documentation Store からシスコ製品のマニュアルを発注できます。
http://www.cisco.com/go/marketplace/docstore
シスコでは、無償の Security Vulnerability Policy ポータルを次の URL で提供しています。
http://www.cisco.com/en/US/products/products_security_vulnerability_policy.html
• シスコからのセキュリティ情報を入手するために登録を行う。
シスコ製品に関するセキュリティ勧告、セキュリティ上の注意事項、およびセキュリティ応答のリストが以下の URL で確認できます。
セキュリティ勧告、セキュリティ上の注意事項、およびセキュリティ応答の更新をリアルタイムで確認するには、Product Security Incident Response Team Really Simple Syndication(PSIRT RSS)フィードに登録します。PSIRT RSS フィードの加入に関する詳細については、次の URL にアクセスしてください。
http://www.cisco.com/en/US/products/products_psirt_rss_feed.html
シスコでは、安全な製品を提供することを目指しています。 製品のリリース前に社内でテストを実施し、すべての脆弱性を迅速に修正するように努めております。お客様がシスコ製品の脆弱性を発見したと思われる場合は、次の PSIRT にご連絡ください。
• 緊急度の高い問題 ― security-alert@cisco.com
緊急度の高い問題とは、システムが攻撃を受けている状態、または急を要する深刻なセキュリティの脆弱性を報告する必要がある状態を指します。それ以外の状態はすべて、緊急度の低い問題とみなされます。
• 緊急度の低い問題 ― psirt@cisco.com
緊急度の高い問題の場合、次の電話番号で PSIRT に問い合わせることができます。
ヒント お客様が第三者に知られたくない情報をシスコに送信する場合、Pretty Good Privacy(PGP)または PGP と互換性のある製品(GnuPG など)を使用して情報を暗号化することを推奨します。PSIRT は、PGP バージョン 2.x ~ 9.x で暗号化された情報を取り扱うことができます。
無効な暗号鍵または失効した暗号鍵は使用しないでください。PSIRT への連絡時には、次の URL にある Security Vulnerability Policy ページの Contact Summary セクションにリンクされている有効な公開鍵を使用してください。:
http://www.cisco.com/en/US/products/products_security_vulnerability_policy.html
このページのリンクに、現在使用されている PGP 鍵の ID があります。
PGP を所有または使用していない場合は、機密情報を送信する前に PSIRT に連絡し、他のデータ暗号化方法についてご確認ください。
シスコ製品に関する変更やアップデートは、Cisco Product Alert および Cisco Field Notice で発表されます。Cisco Product Alert および Cisco Field Notice を受信するには、Cisco.com で Product Alert Tool を使用してください。このツールでプロファイルを作成し、情報の配信を希望する製品を選択できます。
Product Alert Tool にアクセスするには、Cisco.com にユーザ登録されている必要があります。(Cisco.com にユーザ登録するには、次の URL にアクセスしてください。 http://tools.cisco.com/RPF/register/register.do )。登録ユーザは、次の URL からこのツールにアクセスできます。
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Cisco Technical Support では、評価の高い 24 時間体制のテクニカル サポートを提供しています。Cisco.com の Cisco Technical Support & Documentation Web サイトでは、広範囲にわたるオンラインでのサポート リソースを提供しています。さらに、シスコシステムズとサービス契約を結んでいる場合は、Technical Assistance Center(TAC)のエンジニアによる電話サポートも提供されます。シスコシステムズとサービス契約を結んでいない場合は、リセラーにお問い合わせください。
Cisco Technical Support & Documentation Web サイトでは、オンラインで資料やツールを利用して、トラブルシューティングやシスコ製品およびテクノロジーに関する技術上の問題の解決に役立てることができます。Cisco Technical Support & Documentation Web サイトは 24 時間ご利用いただけます。次の URL にアクセスしてください。
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(注) テクニカル サポートにオンラインまたは電話でお問い合わせいただく前に、Cisco Product Identification Tool を使用して、製品のシリアル番号をご確認ください。このツールにアクセスするには、Cisco Technical Support & Documentation Web サイトの Tools & Resources リンク、All Tools (A-Z) タブをクリックし、アルファベット順の一覧から Cisco Product Identification Tool を選択します。CPI ツールは、製品 ID またはモデル名、ツリー表示、または特定の製品に対する show コマンド出力のコピー & ペーストによる 3 つの検索オプションを提供します。検索結果には、シリアル番号のラベルの場所がハイライトされた製品の説明図が表示されます。テクニカル サポートにお問い合わせいただく前に、製品のシリアル番号のラベルを確認し、メモなどに控えておいてください。
ヒント Cisco.com での表示と検索
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技術情報を検索する場合は、Cisco.com Web サイト全体ではなく、技術マニュアルに限定して検索してください。具体的には、Cisco.com ホームページで、Search ボックスの下にある Advanced Search リンクをクリックし、次に Technical Support & Documentation オプション ボタンをクリックします。
Japan TAC Web サイトでは、利用頻度の高い TAC Web サイト( http://www.cisco.com/tac )のドキュメントを日本語で提供しています。
Japan TAC Web サイトには、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/jp/go/tac
サポート契約を結んでいない方は、「ゲスト」としてご登録いただくだけで、Japan TAC Web サイトのドキュメントにアクセスできます。
Japan TAC Web サイトにアクセスするには、Cisco.com のログイン ID とパスワードが必要です。ログイン ID とパスワードを取得していない場合は、次の URL にアクセスして登録手続きを行ってください。
オンラインの TAC Service Request ツールを使えば、S3 および S4 の問題について最も迅速にテクニカル サポートを受けられます(ネットワークの障害が軽微である場合、あるいは製品情報が必要な場合)。TAC Service Request ツールに状況を入力すると、推奨される解決方法が提示されます。 これらの推奨リソースを使用しても問題が解決しない場合は、シスコの技術者が対応します。TAC Service Request ツールは次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/techsupport/servicerequest
問題が S1 または S2 であるか、インターネットにアクセスできない場合は、電話で TAC にご連絡ください(運用中のネットワークがダウンした場合、あるいは重大な障害が発生した場合)。S1 および S2 の問題にはシスコの技術者がただちに対応し、業務を円滑に運営できるよう支援します。
電話でテクニカル サポートを受ける際は、次の番号のいずれかをご使用ください。
アジア太平洋:+61 2 8446 7411
オーストラリア:1 800 805 227
EMEA:+32 2 704 55 55
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すべての問題を標準形式で報告するために、問題の重大度を定義しました。
重大度 1(S1) ― ネットワークがダウンし、業務に致命的な損害が発生する場合。24 時間体制であらゆる手段を使用して問題の解決にあたります。
重大度 2(S2) ― ネットワークのパフォーマンスが著しく低下、またはシスコ製品のパフォーマンス低下により業務に重大な影響がある場合。通常の業務時間内にフルタイムで問題の解決にあたります。
重大度 3(S3) ― ネットワークのパフォーマンスが低下しているが、ほとんどの業務運用が機能している場合。通常の業務時間内にサービスの復旧を行います。
重大度 4(S4) ― シスコ製品の機能、インストレーション、基本的なコンフィギュレーションについて、情報または支援が必要で、業務への影響がほとんどまたはまったくない場合。
シスコの製品、テクノロジー、およびネットワーク ソリューションに関する情報について、さまざまな資料をオンラインおよび印刷物で入手できます。
• Cisco Online Subscription Center は、シスコの各種 E メール ニュースレターなどの配信を申し込むことができる Web サイトです。プロファイルを作成し、配信を希望する内容を選択します。Cisco Online Subscription Center には、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/offer/subscribe
• 『 Cisco Product Quick Reference Guide 』は、手軽に使えるコンパクトなリファレンス ツールで、チャネル パートナーを通じて販売されている多くのシスコ製品に関する製品概要、主な機能、製品番号、および簡単な技術仕様が記載されています。年に 2 回更新され、シスコの最新のチャネル製品が掲載されています。『 Cisco Product Quick Reference Guide 』の発注および詳細については、次の URL にアクセスしてください。
• Cisco Marketplace では、さまざまなシスコの書籍、参考資料、マニュアル、およびロゴ入り商品を提供しています。Cisco Marketplace には、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/go/marketplace/
• Cisco Pressでは、ネットワーク、教育、および認定に関する出版物を幅広く発行しています。初心者から上級者まで、さまざまな読者向けの出版物があります。Cisco Press の最新の出版情報などについては、次の URL からアクセスしてください。
• 『 Internet Protocol Journal 』は、インターネットおよびイントラネットの設計、開発、運用を担当するエンジニア向けに、シスコシステムズが発行する季刊誌です。『 Internet Protocol Journal 』には、次の URL からアクセスしてください。
• シスコシステムズが提供するネットワーク製品およびカスタマー サポート サービスについては、次の URL にアクセスしてください。
http://www.cisco.com/en/US/products/index.html
• Networking Professionals Connection は、ネットワークの専門家がネットワーク製品やネットワーク技術に関する質問、提案、情報をシスコの専門家および他のネットワーク専門家と共有するためのインタラクティブな Web サイトです。ディスカッションに参加するには、次の URL にアクセスしてください。
http://www.cisco.com/discuss/networking
• 『 What's New in Cisco Documentation 』は、シスコ製品の最新マニュアル リリースに関する情報を提供するオンライン資料です。毎月更新されるこの資料は、製品カテゴリ別にまとめられているため、目的の製品マニュアルを簡単に見つけることができます。最新の『 What's New in Cisco Documentation 』には、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/abtunicd/136957.htm
• シスコシステムズは最高水準のネットワーク関連のトレーニングを実施しています。トレーニングの最新情報については、次の URL からアクセスしてください。