ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータのマルチリンク PPP サポート
MLP バンドルに対する Cisco IOS XE のスケーリング制限
PTA と LAC での MLP over Ethernet の制約事項
PTA と LAC での MLP over ATM の制約事項
インターフェイス マルチリンクと仮想アクセス インターフェイス
シェーピングおよびポリシングのマルチリンク PPP パケット オーバーヘッドのアカウンティング
ダウンストリームの Link Fragmentation and Interleaving
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータでサポートされていないリンク フラグメンテーション/機能
マルチリンク PPP(MLP)は、低速の WAN リンクおよびブロードバンド リンクの帯域幅をバンドル インターフェイスと呼ばれる単一のエンティティに集約します。バンドル インターフェイスは、他の機能(Quality of Service(QoS))を接続できるシングル ポイントを提供する論理エンティティです。MLP は、追加のリンクをバンドルに追加することによって、必要に応じて増分の帯域幅をオンデマンドで提供します。MLP では、Link Fragmentation and Interleaving(LFI)を使用して、遅延の影響を受けやすいプライオリティ トラフィックにフラグメント化された非プライオリティ トラフィックをインターリーブすることも可能です。
MLP バンドルに参加するメンバー リンクは、次のポートにわたってバンドルすることができます。
• 同じ SPA インターフェイス プロセッサ(SIP)上の異なる SPA
Cisco IOS XE ソフトウェアは、シリアル トポロジ(T1 または E1 または NxDS0)およびブロードバンド トポロジの MLP リンクをサポートします。ブロードバンド トポロジには、マルチリンク PPP over ATM(MLPoA)、マルチリンク PPP over Ethernet(MLPoE)、マルチリンク PPP over Ethernet over ATM(MLPoEoA)、マルチリンク PPP over LNS(MLPoLNS)などがあります。さらに、Cisco IOS XE ソフトウェアは、デバイスが L2TP アクセス コンセントレータ(LAC)、L2TP ネットワーク サーバ(LNS)、または PPP Termination and Aggregation(PTA)デバイスとして動作できるようにします。
このマニュアルでは、Cisco IOS XE ソフトウェアを実行する Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータの MLP の機能、制限、およびスケーリングについて説明します。Cisco IOS XE ソフトウェアでの MLP の設定と動作については、『 Wide-Area Networking Configuration Guide: Multilink PPP, Cisco IOS XE Release 3S (Cisco ASR 1000) 』の「Configuring Multilink PPP Connections」の章を参照してください。
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。機能と注意事項の最新情報については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「マルチリンク PPP サポートの機能情報」を参照してください。
プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS と Cisco IOS XE オペレーティング システム ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、対応するコマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
• 「MLP バンドルに対する Cisco IOS XE のスケーリング制限」
• 「MLP over Serial インターフェイスの制約事項」
• 「MLP over Serial インターフェイスの制約事項」
• 「PTA と LAC での MLP over Ethernet の制約事項」
• 「PTA と LAC での MLP over ATM の制約事項」
• 「インターフェイス マルチリンクと仮想アクセス インターフェイス」
• 「帯域幅」
• 「MTU」
• 「ダウンストリームの Link Fragmentation and Interleaving」
ここでは、スケーリング制限の導入または拡張が行われた、異なるリリースにおける MLP バンドルの機能スケーリング制限を示します。
Cisco IOS XE Release 2.2.0S で、MLP 機能が Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータに導入されました。MLPoSerial は最初にサポートされたトランスポートでした。MLP バンドルは、最大 10 のシリアル リンクから構成することができます。各リンク インターフェイスの帯域幅は、バンドル内の他のリンクと同じである必要はありません。ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータは、T1、E1、および NxDS0 タイプのリンクをサポートします。MLP Link Fragmentation and Interleaving(LFI)は、このリリースの MLPoSerial で完全にサポートされています。
Cisco IOS XE Release 3.4.0S で、MLP 機能が拡張され、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータが LAC、LNS、または PTA デバイスとして機能できるようになりました。LAC デバイスと LNS デバイス間のトンネリング バンドルのサポートが追加されました。LAC のデバイスと LNS のデバイス間の転送は、レイヤ 2 トンネル プロトコル(L2TP)です。L2TP トンネルは 1 Gbps または 10 Gbps インターフェイス上で動作できます。ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータが LNS デバイスとして機能する場合、LAC から L2TP トンネルを通過する MLP バンドルを終了します。このリリースでは、MLP のアップストリーム フラグメント再構成のサポートが追加されましたが、MLP のダウンストリーム フラグメンテーションのサポートは追加されていません。
Cisco IOS XE Release 3.7.1S で、ブロードバンド トポロジでの MLP 機能の既存のサポートが拡張されました。イーサネット転送のスケーリング制限が増加され、ダウンストリーム フラグメンテーションのサポートがブロードバンド トポロジに追加されています。
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータが LNS デバイスとして機能する場合、LAC から L2TP トンネルを通過する MLP バンドルを終了します。ブロードバンド上での MLP について述べたスケーリング ターゲットは RP2/ESP40 および 2RU VE ハードウェア構成に基づきます。RP1 と ESP5、ESP10、または ESP20 でのスケーリング機能は劣ります。
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータへの MLP の実装は、Cisco IOS XE 相互運用性機能を完全にはサポートしません。ここでは、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータでの MLP のさまざまな制約事項および制限について説明します。
表 1 は、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータのさまざまな MLP 機能の最大スケール数を示します。
MLP over Serial インターフェイスに次の制約事項が適用されます。
• MLP over Serial インターフェイス機能は、バンドルあたり最大 10 のメンバー リンクをサポートします。メンバー リンクは、T1/E1 またはフラクショナル T1/E1(たとえば、NxDS0)の任意の組み合わせにすることができます。T1/E1 より速いメンバーリンク インターフェイスの速度は、MLP over Serial 機能ではサポートされません。より良い MLP パフォーマンスを得るには、バンドル内のすべてのメンバー リンクが同じ帯域幅を持つ必要があります。
• バンドル内のすべてのメンバー リンクのカプセル化タイプは、同じでなければなりません。
• マルチリンク インターフェイスの bandwidth コマンドを使って手動で MLP バンドルの帯域幅を設定することはできません。MLP バンドルの帯域幅は、バンドル上のすべてのアクティブなメンバー リンクの集約帯域幅に基づいて管理されます。リンクが動的に MLP バンドルで追加または削除されると、帯域幅はアクティブ リンクの集約を反映するように更新されます。階層型 QoS ポリシーをマルチリンク インターフェイスに適用し、シェーパーを親の class-default クラスに適用することによって、帯域幅のレートを制限できます。
• MLP over Frame Relay はサポートされていません。MLP over Serial PPP リンクのみサポートされます。フレーム リレー環境のマルチリンク サポートに関心があるお客様は、マルチリンク フレーム リレー(MLFR-FRF.16)サービスを使用できます。
• LFI は、バンドル内に任意の数のリンクがある MLP バンドル上でサポートされます。複数のメンバー リンクを持つバンドルを使用すると、プライオリティ パケット(カプセル化された PPP)の順序は保証されません。プライオリティ パケット配信は、IP パケット単位のロード シェアリングに似た方法で処理されます。MLP は、MLP のパケット シーケンス番号に基づいてピア デバイスでの順序変更を管理する非プライオリティ パケット順序を保証します。
• プライオリティ トラフィックの場合の LFI 複数メンバー リンクでの順序問題は、MLP の拡張機能である、Multiclass Multilink Protocol(MCMP-RFC 2686)を使用しているプラットフォームで対処できます。ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータは、MCMP をサポートしません。
• パケット ヘッダーのフォーマットのオプションに対して MLP の長いシーケンス番号のフォーマットのみサポートされます。
次の制約事項は、PTA と LAC での MLP over Ethernet に適用されます。
• MLPoE の EtherChannel の使用はサポートされていません。
• MLP の仮想アクセス バンドルの場合、デフォルトのレイヤ 3(つまり、IP および IPv6)の最大伝送単位(MTU)値は 1500 です。MTU の詳細については、 MTU を参照してください。
• MLPoE PTA のバリエーション(MLPoE/MLPoVLAN/MLPoQinQ)の場合、メンバー リンク セッションのデフォルトの帯域幅は 1 Gbps で、DSLAM が PTA ルータに伝送するデータ レートではありません。bandwidth ステートメントを仮想テンプレートに追加すると、帯域幅はメンバー リンクではなく、バンドルに適用されます。この動作は好ましくありません。MLPoE PTA タイプのバンドルのデータ レートを定義するには、データ レートが明示的に定義された class-default クラスに親シェーパーを含むバンドル セッションに QoS ポリシーを適用します。shape percent コマンドは比率(%)計算の基本レートとして 1 Gbps のデフォルトのデータ レートを使用するため、この親シェーパーで shape percent コマンドを使用しないでください。ただし、階層型ポリシーを定義している場合は、比率(%)ベースのレートを子(ネストされた)ポリシーで定義できます。
• CPE と PTA 間の DSLAM が PPPoE の dsl-sync-rate タグ(実際のデータレート ダウンストリーム(0x82/130d)タグ)によってリンク レートを伝送する場合、PTA デバイスはこのデータを RADIUS サーバに渡しますが、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータは処理しません。セッションのデータ レートは、前のリスト項目で説明した内容のままです。
次の制限は、PTA と LAC での MLP over ATM に適用されます。
• ATM autosense は、MLPoA または MLPoEoA の動的な選択を可能にするためにサポートされています。
• ATM の場合、リンクレベル帯域幅は、未指定ビット レート(UBR)または可変ビット レート(VBR)設定に基づく ATM 相手先固定接続(PVC)設定の一部です。バンドル帯域幅は、メンバー リンク セッション帯域幅を集約したものです。
(注) PTA と LAC での MLP over Ethernet over ATM には、PTA と LAC での MLP over ATM と同じ制約事項があります。
MLP over LNS (Ethernet) LAC スイッチングの場合、LAC デバイスは MLP セッションもバンドル インターフェイスも終了しないため、MLP のメンバー リンク セッションおよびパケット ペイロードは LAC デバイスでトランスペアレントです。したがって、LAC デバイスはバンドルに関連付けられたメンバー リンク セッションの数をバインドしません。同様に、トラフィックはスイッチされるか、またはパススルー トラフィックであるため、LFI 機能も LAC のデバイスでトランスペアレントです。
• MLPoLNS バンドルは LAC と LNS 間のトランクとしてのイーサネットだけでサポートされます。
• IPSec でのレイヤ 2 トンネル プロトコル(L2TP)はサポートされません。
• 顧客宅内機器(CPE)へのインターフェイスおよびトンネル上の QoS(ダウンストリーム Model-F シェーピング以外)はサポートされません。
• CPE クライアントが PPP LCP 接続を開始すると、LCP ネゴシエーションの一部として含まれるマルチリンク ネゴシエーションは、LAC がまだ LNS との接続を確立していなかった場合(通常はそうです)に失敗する場合があります。LAC が LNS への接続を開始すると、LNS は CPE クライアントとマルチリンク LCP オプションを再ネゴシエーションします。LCP オプションのこの再ネゴシエーションを許可するには、LNS の VPDN グループで、 lcp renegotiation always コマンドを設定する必要があります。
• パケット単位のロード バランシングはサポートされていませんが、設定はブロックされず、機能は動作可能です(ただし、テストされません)。MLPoLNS は宛先 IP アドレスごとに 1 つのパスを必要とするため、MLPoLNS でパケット単位のロード バランシングは使用できません。
• MLP over Serial モードまたは MLP PTA モードとは異なり、パケットは MLPoLNS ネットワークの CPE と LNS デバイス間で複数のネットワーク ホップを経由する場合があります。このマルチホップ トポロジの結果として、単一リンク バンドル上でも、MLP のカプセル化されたパケットが順序外状態でレシーバに到達する可能性があります。したがって、MLPoLNS レシーバは、ルーズな、損失フラグメントの検出モードで動作します。このモードでは、MLP のフラグメントが損失した場合、受信 MLP は損失フラグメントを受信するために短時間待ちます。さらに、MLP レシーバは、フラグメントの損失が宣言される前に受信する順序外 MLP データの量を制限します。Cisco IOS XE ソフトウェアでは、デフォルトのタイムアウト値は 1 秒です。このため、パケット損失率が高く、スケールされた MLP が設定された環境で問題が発生する可能性があります。なぜなら、このような環境では、レシーバは MLP バンドルごとに大量のデータをバッファできる必要があるからです。使用可能なバッファ スペースは有限リソースであるため、バッファの最悪枯渇が拡大し、他の MLP バンドルのパケット バッファリングに影響を与えることがあります。MLP 損失フラグメント タイムアウトは、 ppp timeout multilink lost-fragment ( 秒 )( ミリ秒 )コンフィギュレーション コマンドを使用して、マルチリンク仮想テンプレート インターフェイスで設定できます。
デフォルトでは、MLPoLNS を使用して、Cisco IOS XE ソフトウェアは、MLP にパケットが順序外で届く可能性があることを通知します。これはアップストリーム トラフィックではうまくいきますが、ピアの CPE デバイスでの順序問題に対処しません。ピアの CPE デバイスでも、順序外パケットの受信ができるように設定する必要があります。シスコ デバイスの場合、バンドル インターフェイスで ppp link reorders コマンドを設定して管理できます。
• ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータが同時に PTA デバイスと LNS のデバイスの両方として機能する場合、ローカルで終了したメンバー リンク(PTA)および LAC から転送されるメンバー リンクは同じバンドル内でサポートされません。
次の制約事項は、PTA と LNS モードでのブロードバンド MLP のすべてのバリエーションに適用されます。
• 複数のメンバー リンクのセッションを使用して MLP バンドルを定義する場合、すべてのメンバー リンクのセッションが同じ物理インターフェイスまたはサブインターフェイスを使用することを推奨します(必須ではありません)。他のブロードバンド セッションが同じインターフェイスを共有している場合は、すべてのメンバー リンクのセッションが同じ物理インターフェイスまたはサブインターフェイスを使用することを確認します。
• 次の問題は、物理的に異なるインターフェイスまたはサブインターフェイスにわたってリンクを分割したために発生する可能性があります。
– MLP は、シーケンス番号付きプロトコルであり、すべてのパケットとフラグメントは、受信側が転送する前に、受信側で MLP シーケンス番号に基づいて並べ替て、再構成する必要があります。このような場合、異なる物理インターフェイスを通過するパケットは、伝搬遅延、および複数の物理パスの使用に関連付けられているその他の問題のために、さらにパケット遅延のずれが生じる可能性があります。並べ替えと再構成の処理をするために、受信側で追加の MLP バッファを必要とする場合があります。
– ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ上の MLP は、バンドルを構成するメンバー リンク セッションの輻輳状態に基づいて MLP バンドルの輻輳管理を実行します。メンバー リンクが複数のインターフェイスに分散していて、十分な輻輳が 1 つまたは複数のメンバー リンク上で検出された場合、バンドル内のすべてのリンクが輻輳しているわけではないのに、輻輳のためにバンドルにバック プレッシャがかけられる場合があります。同じ物理インターフェイスまたはサブインターフェイス上ですべてのリンクを維持することによって、輻輳している 1 つのリンクによるバック プレッシャの可能性が減ります。
マルチリンク PPP 機能は、複数の WAN リンクでロード バランシング機能を提供しながら、マルチベンダー相互運用性、パケット フラグメンテーション、適切なシーケンス、および受信と発信の両方のトラフィックでの負荷計算を提供します。Cisco の実装による MLP では、RFC 1990 で規定されている、パケットのフラグメント化とシーケンシングの仕様がサポートされています。
一部の Cisco IOS プラットフォームは、MLP over Serial および MLP over ATM(MLPoA)の両方で interface multilink コマンドを使用して、マルチリンク バンドル インターフェイスを設定します。ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ上で、 interface multilink コマンドを MLP over Serial のみに使用し、 interface Virtual-Template コマンドを MLPoA のみに使用して、マルチリンク バンドル インターフェイスを設定します。
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ上で、すべてのブロードバンド MLP 設定は、 interface Virtual-Template コマンドを使用して、マルチリンク バンドル設定を定義します。仮想アクセス インターフェイスは、ピア デバイスとセッションをネゴシエーションする時に仮想テンプレートから動的に作成されます。
QoS は、一部のネットワーク トラフィックに高いサービスを提供するネットワークの能力を指します。フレームリレー、ATM、イーサネットおよび 802.1 ネットワーク、Synchronous Optical NETwork(SONET)、および IP ルーティング ネットワークなど、基盤となるさまざまなテクノロジーを駆使して実現します。特に、QoS 機能は、改善され予測可能性の高いネットワーク サービスを提供します。
シリアル展開の場合、QoS は multilink コンフィギュレーション コマンドを使用して MLP バンドルに適用されます。ブロードバンド展開の場合、QoS は virtual-template コマンドを使用して MLP バンドルに適用されます。ルータが仮想テンプレートから動的に仮想アクセス インターフェイスを作成すると、QoS ポリシーが対応するバンドルに適用されます。
• ブロードバンド MLP バンドルのセッションをレート制限するには、class-default クラスで親シェーパーを使用する階層型 QoS(HQoS)ポリシーを使用します。
• ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータは、入力方向ではなく、出力方向だけで HQoS キューイングをサポートします。
• Cisco IOS XE ソフトウェアでは、MLP で Model-F QoS がサポートされます。
(注) Cisco ASR 1002X ルータおよび FP100 ラインカードでは、L2TP トンネル上の Model-F QoS はサポートされていません。
– リリース 3.7.1S では、デバイスが LNS として動作するときの L2TP トンネル上の Model-F QoS のサポートが追加されました。LNS を LAC デバイスに接続する物理サブインターフェイスに親シェーパー ポリシーを適用できます。これにより、ダウンストリーム方向の LAC デバイスに至る集約トラフィックのシェーピングが可能になります。
– セッションが LAC 対向インターフェイスによって確立された後に、Model-F シェーパーが LAC 対向インターフェイスに接続される場合、セッションをバウンスしてプライオリティ トラフィックを適切に処理する必要があります。
• Cisco IOS XE Release 3.4S では、 shape average shape-rate account user-defined < -63 to 63 > [atm] コマンドは、ブロードバンド MLP インターフェイスのみサポートし、MLP over Serial インターフェイスをサポートしません。Cisco IOS XE Release 3.6S では、 shape average shape-rate account user-defined < -63 to 63 > [atm] コマンドは、MLP over Serial インターフェイスもサポートします。
• ATM セル損失率優先度(CLP)の一致(分類)およびセット(マーキング)は、ブロードバンド MLP でサポートされません。
• パケットは MLP 送信パスを通過するため、キューイングの 2 つの個別の段階に従います。最初の段階は MLP バンドル インターフェイスで、そこで QoS が適用される場合があり、2 番目の段階は MLP のメンバー リンク インターフェイスです。MLP バンドル インターフェイスでは、パケットは適用された QoS ポリシーに従って処理されます。プライオリティとして分類されたパケットは、非プライオリティ トラフィックよりも優先的に扱われます。
MLP のメンバー リンク インターフェイスでプライオリティ分類を受け入れるためには、バンドルで ppp multilink interleave を有効にする必要があります。インターリーブを使用すると、パケットをメンバー リンクの別のプライオリティ キューに入れることができます。インターリーブがバンドルで有効になっていない場合、プライオリティ パケットはメンバー リンク セッションのデフォルト キューに配置され、プライオリティ パケットあるという知識は失われます。これは、同じ物理インターフェイスまたはサブインターフェイスを共有している他の PPP または MLP セッションがある場合に特に重要です。インターリーブを使用しないと、他のセッション上のプライオリティ トラフィックは、MLP のメンバー リンクのキューイング ステージで非プライオリティ パケットとして再分類された MLP のプライオリティ パケットよりも優先的に扱われます。インターリーブの詳細については、「ダウンロードストリームの Link Fragmentation and Interleaving」の項を参照してください。
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ上で、マルチリンク PPP は、マルチリンク PPP によって追加された追加のレイヤ 2 オーバーヘッドを含めるように、シェーピングおよびポリシングに渡されたパケット長を調整します。MLP over Serial の場合、オーバーヘッド アカウンティングには MLP および PPP レイヤ 2 オーバーヘッドが含まれます。MLPoE、MLPoEoVLAN、MLPoEoQinQ、MLPoEoA、MLPoA、および MLPoLNS などの Broadband MLP の場合、オーバーヘッド アカウンティングには MLP、PPP、イーサネット、ATM、および L2TP(LNS)レイヤ 2 オーバーヘッドが含まれます。出力インターフェイスが Multilink PPP over ATM(MLPoA)または Multilink PPP over Ethernet over ATM(MLPoEoA)などの ATM の場合、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータはシェーパーの ATM セルのオーバーヘッドも考慮します。ポリシングのための ATM セルのオーバーヘッドは考慮されません。
シェーピングおよびポリシングのオーバーヘッド アカウンティングには、イーサネット CRC、プリアンブル、IPG、シリアル インターフェイス CRC、パケットの開始(SOP)デリミタ、パケットの終了(EOP)デミリタ、およびシリアルビット スタッフィングなど、共有ポート アダプタ(SPA)によって追加される追加のオーバーヘッドは含まれません(唯一の例外は以前に言及したシェーパーの ATM セルのオーバーヘッドです)。SPA により追加されたオーバーヘッドは QoS shape accounting user-defined オプションを使用してシェーパーで含めることができます。
マルチリンク バンドル インターフェイスの QoS シェーパーを定義しない場合、マルチリンク バンドルを構成するすべてのリンクの集約帯域幅に基づいて、デフォルトのシェーパーがバンドルに適用されます。この項に含まれている情報は、フォルトのシェーパーおよび QoS ユーザ定義のシェーパーの両方に適用されます。後者は、ユーザが明示的に設定し、マルチリンク バンドルに適用することができます。
インターリーブされるプライオリティ パケットは PPP カプセル化されて送信されますが、MLP カプセル化はこれらのパケットに含まれていないため、MLP レイヤ 2 オーバーヘッドは含まれません。リンク フラグメンテーションのオーバーヘッド アカウンティング時は、マルチリンク PPP ロード バランシングの実際のリンク フラグメンテーションとリンク選択の前に、オーバーヘッド アカウンティングの計算が実行されます。対応するマルチリンク バンドル内のすべてのメンバー リンクが同じフラグメント サイズを使用する場合、フラグメントの数が計算され、さらにシェーパーおよびポリサーのフラグメンテーション単位のレイヤ 2 ヘッダー オーバーヘッドを含むようにオーバーヘッドが調整されます。バンドル内の 1 つまたは複数のリンクが異なるフラグメント サイズを使用する場合、(シェーピングおよびポリシングの後)QoS 処理がバンドル レベルで完了するまでロード バランシングおよびフラグメント サイズのリンク選択が不明なため、フラグメント数は 100% の精度で計算できません。フラグメント サイズが不等なリンクの場合、バンドルで最大リンク フラグメント サイズを使用してベスト エフォート方式で試行します。最大フラグメント サイズを使用することにより、MLP はメンバー リンク インターフェイスのアンダー サブスクライブを回避できます。リンクがオーバーサブスクライブになる場合、MLP はバンドルにバック プレッシャをかけ、メンバーリンクのオーバーサブスクライブが持続しないようにします。
Cisco IOS XE Release 3.4S では、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ上で、シェーピングおよびポリシングのオーバーヘッド アカウンティングのサポートがブロードバンド マルチリンク PPP に追加されました。さらに、次の QoS コマンドを使用した Shape User-Defined Overhead Accounting 機能のサポートが MLP に追加されました。
shape [average | peak] mean-rate [ burst-size ] [ excess-burst-size ] account {{{qinq | dot1q} {aal5 | aal3} {subscriber-encapsulation}} | { user-defined offset [atm]}}
このコマンドを使用すると、 user-defined オプションを使用して SPA によって追加のオーバーヘッドを含めることができます。たとえば、イーサネット SPA はパケットあたり追加の 24 バイトを追加し、ユーザ定義値の 24 がイーサネット IPG(12)+ プリアンブル(8)+ CRC32(4)を取り扱えるようにします。もう 1 つの興味深いな使用例は、ATM トポロジで MLPoLNS を展開する場合です。LNS と LAC 間の物理リンクはイーサネットで、LAC と CPE 間の物理リンクは ATM です。このようなシナリオでは、LAC と CPE 間の ATM セルのオーバーヘッドを含むように atm キーワードを追加できます。
Cisco IOS XE Release 3.6S では、シェーピングおよびポリシングのオーバーヘッド アカウンティングのサポートが、シリアル マルチリンク PPP およびマルチリンク PPP の Link Fragmentation and Interleaving(LFI)に追加されました。
シェーピングおよびポリシングの詳細については、次の URL で IOS XE イーサネット オーバーヘッド アカウンティング マニュアルを参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/docs/ios-xml/ios/qos_plcshp/configuration/xe-3s/qos-plcshp-ether-ohead-actg.html
Cisco IOS XE Release 3.7.1S から有効ですが、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータが LNS のデバイスとして動作するときの MLPoLNS の Model-F ダウンストリーム シェーピングのサポートがそれらのルータに追加されました。
(注) Cisco ASR 1002X ルータおよび FP100 ラインカードでは、MLPoLNS の Model-F ダウンストリーム シェーピングはサポートされていません。
ここでは、親シェーパーのポリシーが LNS デバイス上の VLAN インターフェイスに接続された Model-F ポリシーについて説明します。VLAN インターフェイスは、LAC デバイスと LNS デバイス間の L2TP トンネルに使用されます。次の設定例は、すべての MLP セッションを LAC デバイスへのダウンストリーム方向にシェーピングする、VLAN に適用されている集約シェーパーを示します。
(注) Model-F QoS では、フラット ポリシーだけを使用して class-default クラスで親シェーパーを許可します。追加の QoS 機能は、Model-F ポリシーではサポートされません。
インターフェイス レベルの bandwidth コマンドを使用して、仮想テンプレート インターフェイスまたはマルチリンクインターフェイスにバンドル レベルで帯域幅を定義しないでください。デフォルトでは、バンドルの帯域幅は、バンドルを構成する個々のメンバー リンクの帯域幅を集約したものになります。
ATM の場合、リンクレベル帯域幅は、未指定ビット レート(UBR)または可変ビット レート(VBR)設定に基づく ATM 相手先固定接続(PVC)設定の一部です。メンバー リンクの帯域幅は、PTA デバイス上の MLPoE セッションには設定できません。PTA デバイス上の MLPoE タイプ バンドルの帯域幅を定義するには、親シェーパーが指定された class-default クラスでバンドルの帯域幅をシェーピングするバンドル インターフェイスに QoS ポリシーを適用する必要があります。
PPPoE と MLPoE ブロードバンド ネットワークでは、顧客宅内装置(CPE)と LAC または PTA の間に配置された DSL アクセス マルチプレクサ(DSLAM)は PPPoE ベンダー タグを挿入します。このタグには、メディア レート、特性、および回線またはセッションに関する ID などの情報が含まれます。
イーサネット ベースのネットワークについての詳細については、次の URL で「 DSL Forum TR-101 (Migration to Ethernet-Based DSL Aggregation)」を参照してください。
http://www.broadband-forum.org/technical/download/TR-101.pdf
PTA は、報告された帯域幅に基づいてバンドル セッションに適切な QoS ポリシーを選ぶために、RADIUS サーバにメディアレート情報を渡します。MLP over LNS の場合、LAC は RADIUS サーバと LNS ルータの両方にメディアレート情報を渡します。LNS ルータは、メディアレート情報を使用して、対応するメンバー リンク セッションの帯域幅を定義します。LAC でのアップストリーム接続が MLPoE、MLPoEoVLAN、または MLPoEoQinQ の場合、DSLAM はメディア レートの情報を LAC に提供する場合があります。DSLAM がメディア レートを提供しなかった場合、メンバー リンク セッションの帯域幅は、 l2tp tx-speed rate および l2tp rx-speed rate コマンドを使用して設定できます。これらのコマンドは、 vpdn-group config コマンド内にあるか、または l2tp-tx-speed および l2tp-rx-speed 属性を使用して Radius サーバからダウンロードします。
MLP の仮想アクセス バンドル(IP、IPv6)の場合、デフォルトのレイヤ 3 MTU 値は 1500 です。MLP バンドルのメンバー リンクが MLPoE、MLPoEoVLAN、および MLPoEoQinQ としてのイーサネットである場合、デフォルトの MTU 値の 1500 では、このサイズに近い IP パケットを送信すると、問題が発生する可能性があります。
たとえば、ルータが MLPoE 上に 1500 バイトの IP パケットを送信する場合、送信される実際のパケット サイズは次のように 1528 になります。14(イーサネット ヘッダー)+ 8(PPPoE ヘッダー)+ 6(MLP ヘッダー)+ 1500(IP)= 1528。着信パケットがデフォルトで予期される最大パケット サイズを超えたために、ピア ルータは ジャイアント として着信パケットをドロップします。
1500 バイトの MTU サイズは PPPoE または MLP ヘッダーのオーバーヘッドを考慮しないので、1493 バイトより大きいパケットはピアによりドロップされます。
• MLP バンドル上の MTU を 1492 に下げます。
• イーサネット インターフェイスの MTU を 9216、つまり ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータがサポートする最大 MTU サイズに増加します。
(注) Cisco ASR 1000 シリーズ ルート プロセッサ 1(RP1)、2RU、および 2RU 固定シャーシでは、管理イーサネット インターフェイス(インターフェイス gigabitethernet 0)の MTU サイズは 2370 バイトに制限されています。
Link Fragmentation and Interleaving(LFI)は単一機能とみなされますが、実際は MLP 内の 2 つの独立した機能です。MLP リンク フラグメンテーションを使用すると、MLP によってより大きなパケットをレイヤ 2 でフラグメント化し、MLP バンドル内のさまざまなメンバー リンクにフラグメントを配信することができます。これらのフラグメントは、MLP カプセル化され、シーケンス番号が付けられます。その後、これらのフラグメントは、MLP バンドル インターフェイスのピア終端地点で収集、並べ替え、および再構成されます。
(注) QoS でのインターリーブについての詳細については、「Quality of Service」 を参照してください。
インターリーブを使用すると、MLP のフラグメントでインターリーブすることにより、遅延に影響されやすい音声、ビデオ、およびインタラクティブ アプリケーション データの伝搬遅延を減らすことができます。インターリーブが設定されている場合、QoS でプライオリティ パケットと分類される、バンドル インターフェイスのパケットがインターリーブされます。これらのプライオリティ パケットは、PPP カプセル化され、MLP カプセル化フラグメントまたはパケットでインターリーブされます。ピア ルータが PPP パケットを受信するとそれらをただちに転送できますが、受信した MLP カプセル化パケットは転送する前に並べ替え、および再構成する必要があります。Link Fragmentation and Interleaving は任意のマルチリンク バンドル上で設定できますが、この LFI 機能は 1 Mbps 以下のバンドルでだけ効果があります。より高い帯域幅のバンドルのパケット伝搬遅延は、プライオリティ トラフィックの QoS プライオリティ付けが LFI の必要なしにプライオリティ トラフィックの優先処理を十分保証できるほど、小さいものです。
インターリーブの 1 つ欠点は、MLP バンドルに複数のリンクがある場合、PPP カプセル化されたパケットの順序が保証できないことです。音声、ビデオ、および telnet などのデータを送信するほとんどのアプリケーションでは、これは問題になりません。なぜなら、特定のフローのパケット間隔が非常に大きいので、パケットがバンドル内の複数のリンクに互いに渡せないからです。インターリーブされるプライオリティ PPP カプセル化パケットの順序は保証できないため、プライオリティインターリーブ パケットとして分類されるすべてのパケットで IPHC(IP ヘッダー圧縮)はスキップされます。MLP はパケットが IPHC に転送される前に並べ替えを保証するため、MLP カプセル化として送信される非プライオリティ パケットでは IPHC が引き続き実行されます。
Multi-Class Multilink Protocol(MCMP)(RFC-2686)は、プライオリティインターリーブ パケットの順序に関連する問題に対応します。現在、MCMP は ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータではサポートされません。
LFI を有効にするには、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ上で MLP LFI を設定する必要があります。
インターフェイス マルチリンクまたはインターフェイス仮想テンプレートのコンテキストでは、次のコマンドを使用してリンク フラグメンテーションを有効にします。
• ppp multilink fragment delay (ミリ秒単位の遅延)
• ppp multilink fragment size (バイト単位の最大フラグメント サイズ)
シリアル リンクを使用する MLP の場合、メンバー リンクのシリアル インターフェイス上で ppp multilink fragment size (バイト単位の最大フラグメント サイズ)コマンドを設定して、リンク フラグメンテーションを有効にすることもできます。
MLP バンドルにアクティブ メンバー リンクが 1 つしかなく、インターリーブが有効でない場合、MLP のフラグメンテーションは無効です。さらに、すべてのパケットは MLP カプセル化の代わりに、PPP カプセル化されて送信されます。バンドル内の 2 番目のリンクがアクティブになるか、またはインターリーブが有効になると、MLP およびフラグメンテーションが有効になります。
ppp multilink interleave コマンドが設定されていない場合、MLP リンク フラグメンテーションだけが有効になります。インターリーブを有効にするには、インターフェイス マルチリンク レベルまたはインターフェイスの仮想テンプレート レベルで ppp multilink interleave コマンドも設定する必要があります。ここで示されるようなインターリーブの設定以外に、 service-policy output policy-map name コマンドを使用して 1 つ以上のプライオリティ クラスを持つ QoS ポリシーを定義し、QoS をこのインターフェイスに接続する必要もあります。このコマンドは、MLP によりインターリーブされるプライオリティ トラフィックを分類します。
『 Wide-Area Networking Configuration Guide: Multilink PPP, Cisco IOS XE Release 3S (Cisco ASR 1000) 』の「Configuring Multilink PPP Connections」の章にある QoS と LFI の設定例を参照してください。
さまざまなシスコ プラットフォームで MLP フラグメンテーションを設定する場合、MLP フラグメンテーションおよびインターリーブ サポートの機能はプラットフォームによって異なる場合があります。次の情報は、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータでの設定オプションとその解釈について説明します。
MLP のフラグメンテーションのコンフィギュレーション コマンドの値に基づいて、MLP 機能は MLP のフラグメンテーション中に使用される次の 2 つの値を計算します。リンクの重みおよび最大フラグメント サイズ。これらのパラメータは、バンドル内の各メンバー リンクに対して計算されます。
まず、リンクの重みはメンバー リンクごとに決定されている必要があります。リンクの重みはバイト数を示し、MLP はこの値を使用して、バンドル内のリンク間のデータのバランスを取ります。このパラメータは、バンドル内のリンクの帯域幅が不等な場合に特に重要です。リンクの重みは、メンバー リンクの帯域幅および PPP マルチリンク フラグメント遅延値の組み合わせに基づいています。フラグメント遅延値を設定しない場合、30 ミリ秒のデフォルト遅延値が使用されます。
リンクの重み =(メンバー リンク インターフェイス帯域幅(bps/8 単位))* フラグメント遅延
デフォルトの最大フラグメント サイズは、メンバー リンクごとに計算する必要があります。使用されるデフォルトの最大フラグメント サイズは、次の両方の計算から得られた値のうちの小さい方です。
• リンクの重量 - マルチリンク PPP + PPP ヘッダーのオーバーヘッド(8)
• インターフェイス MTU - マルチリンク PPP ヘッダーのオーバーヘッド(4)
デフォルトの最大フラグメント サイズが計算された後、マルチリンク、仮想テンプレート、またはシリアル インターフェイス レベルで ppp multilink fragment size (最大)コマンドを設定している場合、デフォルトの最大フラグメント サイズは設定された最大値と比較され、それに応じて抑制されます。フラグメント サイズがシリアル インターフェイスとマルチリンク インターフェイス レベルで設定されている場合、シリアル インターフェイスの設定が優先されます。
以前、一部の Cisco プラットフォームでは、次のすべての条件が満たされた場合に、デフォルトで有効なレガシー MLP フラグメンテーション モデルをサポートしました。
• 複数のアクティブ メンバー リンクがバンドル内にあります。
• 他の形式のマルチリンク フラグメンテーション コマンドまたはインターリーブ コマンドがバンドルまたはメンバー リンク インターフェイスに設定されていません。
レガシー モードの MLP フラグメンテーションでは、フラグメンテーションがデフォルトで有効になっているときに、それが設定されていることにユーザが気づかない多くの事例がありました。さらに、適度の長さのパケットをフラグメント化できます。MLP のフラグメンテーションによってもたらされるパケットのレイヤ 2 オーバーヘッドの追加のために、これではバンドルで期待されるスループットを実現しませんでした。
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータで、MLP のフラグメンテーションのこのモデルは、Cisco IOS XE リリース 3.7.0 までサポートされました。Cisco IOS XE リリース 3.7.1 から有効ですが、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータは、MLP のフラグメンテーションのこのモードをサポートしません。このため、現在は MLP のフラグメンテーションを有効にするようにマルチリンク フラグメンテーションまたはインターリーブを明示的に設定する必要があります。
Cisco IOS XE リリース 3.7.1 から有効ですが、次の MLP コンフィギュレーション コマンドは、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータによって無視されます。
Cisco IOS XE リリース 3.7.0S から有効ですが、ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータがブロードバンド MLP セッションの LNS デバイスとして動作するときの、IP Type of Service(ToS)反映機能のサポートが L2TP トンネル用の VPDN グループまたは VPDN テンプレートに追加されました。後に、この機能が次のメンテナンス リリースに追加されました。Cisco IOS XE 3.4.2、3.5.1、および 3.6.2。
IP Type of Service(ToS)反映機能を使用すると、内部 IP ヘッダーの IP ヘッダー ToS 値を外部 L2TP IP ヘッダーの ToS に反映させることができます。
Cisco IOS XE リリース 3.7.1 から有効ですが、QoS 設定トンネル アクションまたはポリサー設定トンネル アクションを使用して、外部 L2TP IP ヘッダーの ToS 値を設定するためのサポートが追加されました。
マルチリンク仮想テンプレート インターフェイスに適用されている出力 QoS ポリシーに適用されるときに、設定アクションの次の設定オプションがサポートされます。この機能は、メンバーリンク親サブインターフェイスに設定された Model-F QoS ポリシーではサポートされません。
• police set-dscp-tunnel-transmit xx
ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータは、次の MLP 機能をサポートしていません:
• In-Service Software Upgrade(ISSU)および MLP バンドルの Stateful Switchover(SSO)
• ブロードバンド L4 リダイレクト機能および Intelligent Services Gateway 機能
• LFI への Multiclass Multilink Protocol(MCMP)RFC 2686 の拡張
• RADIUS サーバによって適用されるユーザ単位アクセス コントロール リスト(ACL)はサポートされません。ただし、バンドル用の仮想テンプレート定義によって適用される ACL がサポートされます。
• パケット ヘッダーのフォーマットのオプションに対して MLP の長いシーケンス番号のフォーマットのみサポートされます。
ここでは、マルチリンク ポイントツーポイント プロトコル接続に関連する参考資料を紹介します。
『Configuring Multilink PPP Connections for Broadband and Serial Topologies』 |
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『Wide-Area Networking Configuration Guide: Multilink PPP, Cisco IOS XE Release 3S』 |
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表 2 に、このモジュールで説明した機能をリストし、特定の設定情報へのリンクを示します。この表には、Cisco IOS XE Release 2.2.0S 以降のリリースで導入または変更された機能だけを示します。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、対応するコマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、Cisco IOS および Cisco Catalyst オペレーティング システムのソフトウェア イメージでサポートしている特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) さまざまなリリースでサポートされる最大スケール数の詳細については、表 1 を参照してください。