互換性のない Cisco IOS バージョンおよびスイッチ スタック プロトコル バージョンの修正
互換性のない SDM テンプレート設定の修正(Catalyst 3750G-12S スイッチ)
StackWise インターフェイスおよびケーブル問題の修正
スイッチのハードウェア プライオリティおよびスタック マネージャ バージョンの理解
帯域幅問題の解決(Catalyst 3750 および Catalyst 3750-E スイッチ)
Catalyst 3750 および Catalyst 3750-E スイッチ スタックのアップグレード
スイッチとスタックを接続または切断する前に、スイッチの電源を切ってください。スイッチの電源がオンのときに StackWise ケーブルを接続または切断すると、スイッチのリロード、またはアクティブ スイッチでの一時的なトラフィック損失が発生する可能性があります。
スイッチがスタックに加入しない場合は、スタック マスターとメンバー スイッチの間で互換性のない Cisco IOS バージョン、ライセンス レベル、およびスイッチの設定がないか調べます。
Cisco IOS バージョンまたはスタック プロトコルのバージョンが違っていると、新しいスイッチはスタックに加入しない場合があります。Cisco IOS バージョンおよびスタック プロトコルのバージョンについて、次の点を再確認してください。
• Cisco IOS バージョンが同じスイッチは、スタック プロトコルのバージョンも同じで、同一スイッチ スタック内で互換性があります。
• Cisco IOS バージョンがスタック マスターと同じスイッチは、スタックに加入できます。
• Cisco IOS バージョンが異なるスイッチは、スタック プロトコルのバージョンも異なる可能性があります。
• Cisco IOS バージョンは同じでメジャー バージョン番号が異なるスイッチは、互換性がなく、同一スイッチ スタック内では機能しません。
スイッチ スタックに追加するスイッチ上で実行される Cisco IOS ソフトウェアのバージョンは、マスター スイッチのバージョンと同じか、互換性がある必要があります。新しいスイッチをスイッチ スタックに追加したら、次のように show version ユーザ EXEC コマンドを入力して、各スイッチのバージョン情報、スイッチ タイプ、アクティブな Cisco IOS バージョンを確認します。
スタック メンバーが互換性のない Cisco IOS バージョンを実行している場合、 ミスマッチ と呼ばれるソフトウェア バージョンの非互換性が生じます。お使いのスイッチがスイッチ スタックに加入できない場合は、次のように show switch ユーザ EXEC コマンドを入力して、スイッチの状態が Version Mismatch(Switch 3 を参照)になっていないか確認します。
Switch 3 が実行しているソフトウェア バージョンを確認するには、 remote 3 show version コマンドを入力します。
スタック マスターは、新しいスイッチのソフトウェアが一致していないことを検出すると、自動アップグレード(auto-upgrade)および自動通知(auto-advise)機能を使用して、スイッチ スタック上で動作しているアクティブ イメージで新しいスイッチをアップグレードします。
メジャー バージョン番号は同じでマイナー バージョン番号が異なるスイッチは、部分的に互換性があると見なされます。部分的に互換性のあるスイッチをスタックに接続すると、新しいスイッチはバージョン ミスマッチ モードになり、動作可能なメンバーとしてスタックに加入できない場合があります。この場合も、現在の状態は Version Mismatch です。次のように show switch ユーザ EXEC コマンドを入力すると、この状態を確認できます。
詳細については、「バージョン ミスマッチの解決およびファイルのコピー」および「スイッチのハードウェア プライオリティおよびスタック マネージャ バージョンの理解」を参照してください。
ソフトウェアのライセンス レベルが一致しない、または互換性がない場合、Catalyst 3750-E スイッチはスタックに加入できない場合があります。ライセンス レベルは、セットまたは フィーチャ セットとも呼ばれます。フィーチャ セットは次のとおりです。
• 拡張 IP サービス(advanced ipservices)
各メンバー スイッチは、互換性のある機能ライセンスを保持している必要があります。そうでない場合は、ライセンス レベルをアップグレードしてから、スイッチをリロードする必要があります。
メンバー スイッチにインストールされているライセンスを確認するには、次のコマンドを入力します。この例では、メンバー スイッチは同じライセンス レベルを保持しています。
スイッチには最大 3 つのライセンスをインストールできますが、アクティブなライセンスは 1 つだけです。アクティブなライセンスを確認するには、 show version ユーザ EXEC コマンドを使用します。この例は、あるスタックに関する出力メッセージの一部を示しています。
ライセンス レベルをアップグレードしたら、スイッチをリロードします。ライセンス管理の詳細については、該当するソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
(注) Catalyst 3750 スイッチで個々のフィーチャ セットをアクティブ化するには、各スイッチに特定の Cisco IOS バージョンが必要です。これらのスイッチは、機能のアクティブ化にライセンスを使用しません。
以前にスタンドアロンとして使用されていたか、別のスタック内で使用されたスイッチは、設定が異なっている場合があります。このようなスイッチを新しいスタックに接続する場合は、まずスイッチをデフォルト値に戻します。
スイッチがスタックに追加されると、スタック マスターは自動的に新しいスイッチの設定を変更します。マスター スイッチは、スタック内の現在のポート番号順序に適合するよう、新しいメンバー スイッチのポート番号を変更します。新しく追加されたスイッチに既存のポートレベルの設定は、自動的にクリアまたは更新されます。
あるスタックのメンバーであるスイッチを別のスタックに追加すると、スイッチ ポート番号が適切でない場合があります。たとえば、イーサネット ポートがデフォルト値の Fa1/0/1 または G1/0/1 で番号付けされず、Fa2/0/1 または G2/0/1 からポート番号が始まっていることがあります。ポート番号が G2/0/1 から始まっている場合は、この例のように switch renumber グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力し、スイッチ ポートをデフォルト番号値に戻します。
スイッチを再起動すると、ポートレベルの設定がすべて削除され、ポート番号は Fa1/0/1 または G1/0/1 から開始されます。
互換性のない設定を回避するには、スタックに追加する予定の設定済みスイッチで次の手順を実行します。
1. config.text および vlan.dat ファイルをフラッシュ メモリから削除します。
2. SDM テンプレートやポート番号などすべてのオプションをデフォルト値に設定します。
Catalyst 3750 および 3750-E スイッチのいずれかがスタックに接続されると、マスター スイッチはこれらのスイッチの SDM テンプレートの不一致を自動的に修正します。Catalyst 3750G-12S スイッチが、スタックに接続される前にデフォルト以外の SDM テンプレートを使用して設定されている場合、設定の不一致が生じることがあります。
• スイッチに設定された SDM テンプレートを表示するには、 show sdm prefer 特権 EXEC コマンドを入力します。
• Catalyst 3750G-12S スイッチをスタックに接続する前に、その SDM テンプレートをデフォルト設定に変更するには、 sdm prefer default グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。
ここでは、StackWise の接続に関する問題を解決する方法を説明します。
• 「StackWise インターフェイスおよびケーブル問題の修正」
スイッチをスタックに接続する場合は、両方の StackWise ケーブルが正しく接続されていることを確認します。他のアクティブなスタック メンバーに StackWise ケーブルを 1 本だけ接続すると、スイッチはスタックに加入することができます。その場合、このスタックは最大リング帯域幅よりも小さい帯域幅で動作します。
開いているリングは、使用可能な帯域幅の半分の帯域幅で動作します。新しいスイッチの両方の StackWise ケーブルが接続され、スイッチがリングに加入すると、完全なリング帯域幅が復元されます。
StackWise ケーブルを接続する場合は、次の注意事項を考慮してください。
• コネクタの止めネジがゆるんでいると、コネクタが動いて外れる可能性があります。StackWise ケーブルをテストする際は、必ず止めネジをしっかり締めてください。コネクタまたは止めネジが完全に固定されているように見えても、正しく締まっていないと、ポート フラッピングやリンクが存在しない状態が発生することがあります。
• ドライバを使用して止めネジを締める場合は、力を入れすぎないようにしてください。コネクタが完全に固定されたら、ネジを締めるのを止めます。それぞれの止めネジを均等に締めます。
接続に問題があると考えられるケーブルをトラブルシューティングする場合は、 show switch ユーザ EXEC コマンドを使用して、スタック内のスイッチの状態を確認します。この例で、 Switch #3 は Provisioned
状態です。これは、その原因を調査する必要があることを意味します。 表 1 の説明を参照してください。
StackWise インターフェイスに障害があると、スイッチはスタックに加入できない場合があり、スタック ポート フラッピングの原因にもなります。StackWise インターフェイスをテストする最良の方法は、正常なことがわかっている StackWise ケーブルを使用して、2 つの StackWise インターフェイスを接続することです。 show switch detail ユーザ EXEC コマンドを入力すると、スイッチは良好な接続を報告します。
通常、StackWise ケーブル接続の問題は、ケーブルやコネクタの故障ではなく、接続不良によって発生します。2 本の StackWise ケーブルが他のスタック メンバーに接続されると、片方のケーブルに欠陥があっても、スイッチはそのスタックに加入します。StackWise ケーブルを 1 本だけスイッチに接続し、その接続が信頼できない場合、スイッチはスタックに加入できないことがあります。
故障が疑われる StackWise ケーブルをテストする最良の方法は、問題のないケーブルに交換することです。ケーブルを交換して問題が解決した場合は、取り外したケーブルが故障している可能性があります。ただし、原因は信頼できない接続にあり、ケーブルを交換したときにこの接続が修正された可能性もあります。
交換用のケーブルがない場合は、次の手順を使用して、ケーブルまたはスタック メンバー ポートが故障していないか確認します。
1. ケーブルをスタック内の別のケーブルに交換します。電源が投入されたアクティブ スイッチにケーブルを接続する必要がある場合は、ケーブルを接続後、スタックが再収束して安定するのを 60 秒間待機します。 show switch ユーザ EXEC コマンドを使用して、アクティブなスタック メンバーとスタック メンバー ポートを特定します。
2. StackWise ケーブルまたはポートをテストする場合は、止めネジをしっかり締めてください。ゆるんだ止めネジは、トラブルの原因になります。止めネジを締めすぎないように注意し、両方の止めネジを均等に締めてください。
1 本のケーブルと 1 台のスイッチだけを使用して StackWise ケーブルまたはインターフェイスをテストすることもできます。StackWise ケーブルを、同じスイッチの両方の StackWise インターフェイスに接続します(図 1 を参照)。
図 1 1 本のケーブルと 1 台のスイッチを使用した StackWise ケーブルまたはインターフェイスのテスト
スイッチを起動または再起動します。次のメッセージが表示されます。
このメッセージは、インターフェイスまたはケーブルに問題がないことを決定づけるわけではありません。ただし、ケーブルとポートはおそらく正常です。
StackWise ケーブルがスイッチの両方の StackWise ポートに接続されているときに次のメッセージが表示される場合は、ケーブルに欠陥があるか、StackWise ポート 2 が故障しています。
特定の StackWise インターフェイスの状態を確認するには、次のように show switch detail ユーザ EXEC コマンドを入力します。
この例では、スイッチはアクティブなスタック メンバーですが、リングが不完全です。これは、2 つのスイッチ間でケーブルが欠落している典型的な例です。正常なことがわかっているケーブルをスイッチ 1 とスイッチ 3 の間に接続すると、スタック ポートがアクティブになり、OK の状態が表示されます。この状況では、スイッチ ハードウェアの問題が疑われますが、スイッチを交換する前に、StackWise ケーブルが正しく接続されていること、つまり、止めネジが均等に締められていることを確認してください。
スイッチ 1、ポート 1 とスイッチ 3、ポート 2 の間に StackWise ケーブルを追加した結果を次に示します。すべての StackWise ポートはアクティブで、リングは完全です。スタックの全帯域幅を使用できます。
図 2 に示す接続の上側の止めネジは、完全に締まっていません。これは、コネクタそのものがゆるむ原因となります。ベスト プラクティスは、両方の止めネジを均等に指で締めることです。
正しく接続されていないリング、メンバー スイッチの故障、または StackWise ケーブルの接続不良は、スタックの区分の原因となります。スタックは 2 つの独立したスタックに区分され、それぞれのスタックにスタック マスターがあります。通常、スタックの区分によって、設定とポートの番号付けが変更されます。各スタックは、Switch Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)に割り当てられた IP アドレスが同じである可能性もあり、これによって IP アドレスの重複が発生します。
• 「スタック マスターの選出およびポート番号割り当ての確認」
• 「スイッチのハードウェア プライオリティおよびスタック マネージャ バージョンの理解」
次の例は、スイッチをスタックに追加した場合の代表的なシーケンスを示しています。
このシーケンスには数分かかります。現在の状態を確認するには、引き続き show switch ユーザ EXEC コマンドを入力します。
スイッチがスタックに加入する際のその他の状態を次に示します。
• Feature Mismatch。Progressing から Feature Mismatch に移行します。
• Version Mismatch。Progressing から Version Mismatch に移行します。
検出された Cisco IOS フィーチャ ミスマッチが自動 Cisco IOS アップグレードによって修正されると、アップグレードされたスイッチはリロードした後、完全に動作可能なスタック メンバーになります。
コンフィギュレーション マネージャは、スタック マスター上で実行される Cisco IOS コントロール プログラムです。コンフィギュレーション マネージャの機能は次のとおりです。
• 実行コンフィギュレーション ファイルと保存済みコンフィギュレーション ファイルを維持し、それらのファイルをスタック マスターからメンバー スイッチに配信します。完全なスタック エンティティには、1 つの保存済みコンフィギュレーションと 1 つの実行コンフィギュレーションがあります。スタック内のすべてのスイッチは、スタック マスターの実行コンフィギュレーションを使用します。
• すべてのメンバー スイッチ上で、スタートアップおよび実行コンフィギュレーションのコピーを維持します。これにより、どのスタック メンバーも新規スタック マスターになることができます。
• 実行コンフィギュレーションをすべてのメンバー スイッチと同期させます。
• スタック マスターがオフになるか再起動された場合は、新しく選出されたスタック マスターがコンフィギュレーションを実行します。
スタック マネージャは、スタック マスター スイッチ上で動作する Cisco IOS プログラムで、次のタスクを実行します。
• スタック内の他のスイッチ(スタック メンバー)を検出します。
• 切断されたスイッチをスタックから削除します。 show switch ユーザ EXEC コマンドの出力には、これらのスイッチは ready ではなく provisioned と表示されます。
• スタックの起動時、または動作しているスタック マスターがスタックから切断された場合に、スタック マスターを選出します。
• 新しいスイッチが加入した場合に、スイッチ番号の重複を解決します。スイッチ番号とポート番号を新しいスイッチに割り当て、そのスイッチを再起動して変更を反映させます。
• スタック メッセージを使用して他のスイッチと通信し、スタック メッセージから情報を収集し、保存します。
• 2 つの独立したスタックを接続して 1 つの大規模スタックにする場合に、スタックの結合を管理します。一部のスイッチ番号を変更し、1 つのスタック マスターを選出します。
選択ウィンドウ内で起動されたすべてのメンバー スイッチは、スタック マスターの候補となります(20 ~60 秒)。最小時間は、スイッチで動作している Cisco IOS のバージョンによって異なります。次のメッセージが表示されます。
選出プロセスが終了した後にスタックに接続されたスイッチは、例外と見なされ、スタック マスターの選択対象から外されます。スタック マスター選出の手順規則は次のとおりです。
• 有効なスイッチ番号は 1 ~ 9 です。メンバー スイッチのポート番号は、それらのポートが FastEthernet または GigabitEthernet のいずれに接続されているかに応じて、Fa9/0/1 または G2/0/1 などのスイッチ番号で始まります。たとえば、スイッチ 5 のポート番号は、スイッチのタイプに応じて Fa5/0/1 または G5/0/1 で始まります。
• スイッチの番号付けに、スタック メンバーの物理的な場所は反映されません。
• スイッチ番号は 固定 です。つまり各スイッチは、たとえスタックから削除されても、再起動後にはスタック メンバーとして同じスイッチ番号を保持しています。 switch current-stack-member-number renumber new-stack-member-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、必要に応じてスイッチ番号を変更できます。次のコマンドは、スイッチ番号を 5 から 1 に変更し、ポート番号を Fa5/0/1(または G5/0/1)から Fa1/0/1(または G1/0/1)に変更します。
• スタック マスターは、スイッチ番号の重複を解決します。スタック マスターが選出されていない場合は、重複している 2 つのスイッチがそれを解決します。番号が変更されたスイッチはリロードします。
メンバー スイッチは、マスターから初期化の完了が通知されるのを待機します。このとき、次のメッセージが表示されます。
• show switch ユーザ EXEC コマンドを入力します。
• 前面パネルのマスター(MSTR)LED を確認します。スタック マスターであるスイッチだけがグリーンに点灯しています。
完全に動作可能なスタックに接続されたアクティブ スイッチは、スタック メンバーになります。スタック メンバーは、スタック マスターから実行コンフィギュレーションを受信します。1 つのスタック メンバーを切断しても、その他のスタック メンバーのスイッチ番号とポート番号は変更されず、スイッチはリロードしません。
新しいスタック マスターが選出されるのは、次のような場合です。
• 現在のスタック マスターが電源オフになるか、切断または再起動された。
• 新しいスタック内のすべてのスイッチが同時に電源投入された。
• CLI を使用してスタック メンバーのプライオリティが手動で変更された後、すべてのスイッチが再起動された。
• 電源投入されているスタックが、電源投入された別のスタックに接続されて、2 つの異なるスタックが 1 つに結合された。
1. スタック マスターが選出または再選出された場合、ユーザは手動でスイッチのプライオリティを設定できます。プライオリティは 1 ~ 15 まで設定でき、15 が最も高いプライオリティです。次のコマンドは、スイッチ 1 にプライオリティ 15 を設定します。プライオリティが 15 に設定されたスイッチが他にない場合は、スタックをリロードするとスイッチ 1 がスタック マスターになります。
この後、スタック内のその他のスイッチに 15 より低いプライオリティを割り当てることができます。あるいは、プライオリティをデフォルトのままにしておくことも可能です。プライオリティ 15 のスイッチにより、次に示す選出判断は無効になります。
2. ユーザがプライオリティを設定しない場合、ハードウェアおよびソフトウェア プライオリティが最も高いスイッチがスタック マスターになります。すべてのスイッチのハードウェアおよびソフトウェア プライオリティが同じ場合は、次に示す手順が適用されます。
3. デフォルト コンフィギュレーションを使用していないスイッチがスタック マスターになります。スタック マネージャは、デフォルト コンフィギュレーションを使用している(フラッシュ メモリ内に config.text ファイルがない)スイッチの番号を変更し、再起動します。
スタック マスターとスイッチ プライオリティの矛盾は、次の順序で解決されます。
2. マスターのユーザ設定プライオリティがより高いスイッチ(またはスタック)。
3. デフォルト コンフィギュレーションを使用していないスイッチ(またはスタック)。
4. ライセンスまたはイメージ バージョンがより新しいスイッチ(またはスタック)。
5. ハードウェア プライオリティまたはハードウェア バージョンがより高いスイッチ(またはスタック)。
スタックのハードウェア プライオリティは、特定のスイッチ モデルに関連付けられた番号です。2 つの異なるスイッチ モデルは、同じハードウェア プライオリティを持つことができます。プライオリティ番号が大きいほど、スイッチがスタック マスターに選出される可能性が高くなります。
ハードウェア プライオリティは、スタック マネージャ メッセージで送信され、15 ~ 0 の値を持ちます (プライオリティを手動で割り当てる場合、範囲は 15 ~ 1 になります)。たとえば通常は、Catalyst 3750-E スイッチのデフォルト ハードウェア プライオリティは 5 です。Catalyst 3750 スイッチの通常のデフォルト ハードウェア プライオリティは 2 です。
スイッチのハードウェア プライオリティ は、スイッチのハードウェア バージョン とは違います。ハードウェア バージョン番号は、スイッチ モデルに関連付けられています。同じシステム レベル機能をサポートしていれば、異なるスイッチ モデルで同じハードウェア バージョンを使用できます (大きいバージョン番号は、必ずしも機能の高さを意味するわけではありません)。この番号は、スタック マスターの選出では使用されません。
次の例に、ハードウェア プライオリティとハードウェア バージョンを示します。
スタック マネージャ バージョンはイメージ バージョンとも呼ばれ、次の例に示すようにメジャー バージョン番号とマイナー バージョン番号があります。
マイナー バージョン番号の不一致に関連して、主として次のような問題があります。
• スイッチがスタックに加入しているが、フィーチャ ミスマッチが生じている。
これらの問題を解決するには、ミスマッチが生じているスイッチに正しい Cisco IOS バージョンをインストールします。
場合によっては、メンバー スイッチのマイナー バージョンが違っているために、バージョン ミスマッチが発生することがあります。新しい Cisco IOS バージョンでは、マイナー バージョンが増分されている場合があります。
次の例は、スタック内の各スイッチ上で動作する Cisco IOS バージョンを示しています。
詳細については、「スイッチ互換性問題の解決」および「バージョン ミスマッチの解決およびファイルのコピー」を参照してください。
スタックが全帯域幅で動作するには、閉じたリングが必要です。スタック内の最初のスイッチと最後のスイッチに StackWise ケーブルが 1 本しか接続されていない場合、つまりリングが不完全な場合、達成される帯域幅は全帯域幅よりも小さくなります。
不完全なリングの原因となる問題を、可能性の高いものから順に次に示します。
• StackWise ケーブル コネクタとスイッチ シャーシ コネクタ間の接続不良
• StackWise インターフェイスまたはスイッチの故障
次に示す問題は、それ以外の点では正常なケーブルの接続不良を引き起こす可能性があります。
• コネクタの止めネジがゆるんでいる。これは、見た目でははっきりとわからない場合があります。ネジがゆるんでいると、コネクタが動いて外れる可能性があります。コネクタの切断は、継続的な場合と断続的な場合があります。
• 止めネジが均等に締められていない。これは、継続的または断続的な切断の原因となります。
詳細については、「StackWise インターフェイスおよびケーブル問題の修正」および「StackWise 接続問題の解決」を参照してください。
• 「帯域幅問題の解決(Catalyst 3750 および Catalyst 3750-E スイッチ)」
• 「LED を使用した StackWise リンク接続の検証」
全帯域幅で動作しないスタックに関する問題をトラブルシューティングするには、使用可能な帯域幅を知っておく必要があります。
Catalyst 3750 スイッチの理論上のリング速度(帯域幅)は次のとおりです。
• 完全な、つまり閉じた StackWise リングでは 32 Gb/s。
• 不完全な開いたリング、つまりリング内の 2 つのスイッチに StackWise ケーブルが 1 本しか接続されていない場合は 16 Gb/s。
Catalyst 3750-E スイッチの理論上のリング速度(帯域幅)は次のとおりです。
• Catalyst 3750-E スイッチの完全な閉じた StackWise リングでは 64 Gb/s。
• Catalyst 3750 および Catalyst 3750-E スイッチが混在する完全な閉じた StackWise リングでは 32 Gb/s。Catalyst 3750-E スタック内に Catalyst 3750 があると、最大リング速度は 32 Gb/s になります。
• Catalyst 3750 および Catalyst3750-E スイッチが混在する不完全な StackWise リングでは 16 Gb/s。
スタック内でアクティブな Cisco IOS バージョンとスイッチ モデルを表示するには、次のように show version ユーザ EXEC コマンドを入力します。
スタック メンバーまたはスイッチ スタックに関する情報を表示するには、 show switch ユーザ EXEC コマンドを入力します。
この例は、Catalyst 3750-E および 3750G スイッチが混在するスタックを示しています。すべてのスイッチはスタックに加入していますが、すべてが同じ Cisco IOS バージョンを実行しているわけではありません。スタック内のすべてのスイッチは、同じ Cisco IOS バージョン(Catalyst 3750-E および 3750 スイッチが混在するスタックの場合は同等の Cisco IOS バージョン)を実行している必要があります。
StackWise の帯域幅を確認するには、 show switch stack-ring speed ユーザ EXEC コマンドを入力します。
スタック内のすべての StackWise インターフェイスの状態を確認するには、 show switch detail ユーザ EXEC コマンドを使用します。この例では、すべてのスイッチはアクティブなスタック メンバーですが、リングが不完全です。
StackWise ケーブルがスイッチ 1、ポート 1 とスイッチ 3、ポート 2 の間に追加されました。すべての StackWise ポートが接続されてアクティブであり、リングは完全です。スタックの全帯域幅を使用できます。次の例は、 show switch detail ユーザ EXEC コマンドからの出力の一部を示しています。
スイッチの前面パネルの LED を使用して、StackWise リングの帯域幅をテストできます。
1. LED が Stack モードで点灯するまで、スタック メンバーの [Mode] ボタンを押し続けます。
2. スイッチ前面パネルの右側で、最後の 2 つのポートの LED がグリーンであることを確認します。スイッチ モデルに応じて、前面パネル右側にある最後の 2 つのポートは、10/100/1000 ポートまたは SFP モジュール ポートのいずれかです。一方または両方の LED がグリーンでない場合、そのスタックは全帯域幅で動作していません。
StackWise ポートのフラッピングは、次のような状態が原因で発生する可能性があります。
• StackWise ケーブル コネクタとスイッチ スタック ポート コネクタ間の接続が信頼できない、または断続的(不良)
• StackWise インターフェイスまたはスイッチの故障
1 つ以上の StackWise ポートがフラッピングする場合は、おそらく StackWise ケーブルと StackWise スイッチ ポート間の信頼できない接続が原因です。
StackWise ポートのフラッピングが疑われる場合は、まず止めネジが正しく締められ、コネクタ シェルに完全に固定されていることを確認します。両方の止めネジが均等に締まっていることを確認してください。場合によっては、トラブルシューティング中にケーブルを取り外し、再度接続する必要が生じることがありますが、止めネジがコネクタにしっかり固定されるまでは、接続をテストしないでください。
StackWise 接続が信頼できない場合、次のようなエラー メッセージが表示されることがあります。
信頼できないケーブル接続によって、両方のパターンが表示されました。StackWise ケーブルと StackWise ポートのいずれにも障害はありませんでした。問題の原因は、スイッチ上での StackWise ケーブルとスタック コネクタ間の接続不良でした。
StackWise リンクのいずれか一方の端に問題があると、リンクのもう一方の端でポートのフラッピングが発生することがあります。
「StackWise インターフェイスおよびケーブル問題の修正」および「StackWise 接続問題の解決」も参照してください。
リモート ファイル システムは、スタック マスター上で動作します。リモート ファイル システムの使用目的は次のとおりです。
• ファイル システムにアクセスし、スタック内の 1 つのスイッチから別のスイッチにファイルをコピーする。
• archive download-sw 特権 EXEC コマンドを使用して、すべてのスイッチの Cisco IOS イメージを同時に更新する。
スタック管理と Cisco IOS のアップグレードについて、次の点を再確認してください。
• CLI にはスタック内の任意のスイッチ コンソール ポートからアクセスできますが、すべてのコマンドはスタック マスターに送信されます。この機能は、 統合コンソール とも呼ばれます。
• スタック マスターは、スタック内のすべてのスイッチに対する CLI コマンドを処理します。
• スタック内のスイッチからコンソールへのすべての出力は、スタック マスター コンソールにリダイレクトされます。
メンバー スイッチでバージョン ミスマッチが発生した場合は、ミスマッチが生じているスイッチのフラッシュ メモリの内容を確認します。次のコマンドは、スタック内のスイッチ 3 のフラッシュ メモリの内容を表示します。
以前に archive download-sw 特権 EXEC コマンドを使用してスイッチをアップグレードした場合、Cisco IOS ファイルはフラッシュ メモリのサブディレクトリにあります。この内容を表示するには、次のコマンドを使用します。
スタック マスター上で動作している Cisco IOS バージョンと、ミスマッチ モードのスイッチの Cisco IOS バージョンが同じでない場合、大抵は自動アップグレードが実行されます。自動アップグレードが実行されるには、任意のスタック メンバーに対して、現在のイメージの Cisco IOS tar ファイルが使用可能である必要があります。tar ファイルは、スタック内にあるいずれか 1 つのスイッチ(スタック マスターが推奨されます)のフラッシュ メモリに保存されます。
現在のイメージの tar ファイルが使用できない場合は、適切なコマンドと TFTP を使用して、互換性のあるイメージをダウンロードすることをお勧めします。
スタック マスターとミスマッチ モードのスイッチが異なるフィーチャ セット(たとえば IP サービスと IP ベース)を実行している場合、自動アップグレードと自動通知は機能しません。Cisco IOS リリース 12.2(35)SE 以降の自動アップグレードでは、同じフィーチャ セットの暗号化イメージと非暗号化イメージ間のアップグレードがサポートされます。
自動アップグレードが機能しない場合は、次のコマンドを使用して、1 つのスイッチから別のスイッチに手動で Cisco IOS ファイルをコピーできます。
この例では、スイッチ 1 のフラッシュ メモリからスイッチ 3 のフラッシュ メモリに Cisco IOS ファイルをコピーします。bin ファイルがサブディレクトリにある場合は、次のコマンドを使用します。
新しい Cisco IOS ファイルを Version Mismatch モードのスイッチにコピーしたら、一致していない Cisco IOS ファイルを削除できます。スイッチ 3 のフラッシュ メモリから不要なサブディレクトリを削除するには、次のコマンドを使用します。
次に、アップグレードされたスイッチを再起動し、互換性のある Cisco IOS バージョンをロードして実行します。
スイッチがリロードし、互換性のある Cisco IOS バージョンがロードされると、そのスイッチはスタックに加入します。
ここでは、スイッチ スタックのアップグレードに役立ついくつかのオプションについて説明します。スタック内のスイッチで通常行うソフトウェア アップグレードの手順については、ソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
Catalyst 3750-E スイッチと Catalyst 3750 スイッチの両方が、混在型の同一スタック内にある場合は、次のコマンド構文を使用して、両方のスイッチを同時にアップグレードできます。
TFTP サーバのデフォルト TFTP ディレクトリから Cisco IOS ファイルをコピーしていない場合は、TFTP パスを指定する必要が生じることがあります。
HTML ファイルが必要ない場合は、コマンド オプション archive download-sw /image を使用すると、各スタック メンバーの Cisco IOS ディレクトリ内のフラッシュ メモリに bin ファイルだけをインストールできます。HTML ファイルを排除することで、Catalyst 3750 スイッチが使用するフラッシュ メモリが低減され、インストール時間が短縮されます。フラッシュ メモリに完全な tar ファイルの抽出およびインストールに使用するためのスペースが足りない場合は、コマンド オプション archive download-sw /image を使用して IOS bin ファイルだけをフラッシュ メモリにインストールすると、フラッシュ メモリを節約できます。
次のコマンドは、混在型スタック内の旧 Cisco IOS バージョンをアップグレードする際に役に立ちます。
スタック内の特定のスイッチに Cisco IOS bin ファイルをコピーし、そのスイッチをリロードすることも可能です。次の例は、スタック内のスイッチ #2 のアップグレードを示しています。
bin ファイルがフラッシュ メモリのディレクトリ パスにある場合は、次のコマンドを使用します。
任意のスイッチの Cisco IOS をアップグレードするには、必ず archive download-sw コマンドを使用します。このコマンドを使用すると、自動的に正しいブート変数が設定されます。必要な場合は代替策として、スタック内の特定のスイッチに Cisco IOS bin ファイルをコピーし、そのスイッチをリロードすることも可能です。
bin ファイルをフラッシュ メモリにコピーする場合、ブート変数は設定されません。 archive download-sw /image コマンドを使用してスイッチをアップグレードすると、ブート変数に正しいファイル名が設定されます。
スタックのアップグレードの詳細については、該当するスイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。