このマニュアルでは、Cisco RFスイッチおよびCisco uBR10-MC5X20S-Dケーブル インターフェイス ライン カードを搭載したCisco uBR10012 Cable Modem Termination System(CMTS;ケーブル モデム終端システム)のラックマウント手順について説明します。さらに、Cisco RFスイッチとアクティブおよびバックアップ(protect)のケーブル インターフェイス ライン カード間を同軸ケーブルで接続する手順について説明します。このマニュアルの構成は、次のとおりです。
• 「ケーブル接続」
ここでは、Cisco RFスイッチの基本的なラックマウント手順について説明します。
梱包の中にラックマウント キットが含まれています。キットのラックマウント ブラケットは、標準の19インチ幅4本支柱ラックにCisco RFスイッチを搭載するためのものです。
(注) このラックマウント ブラケットは、23インチのTelcoラックなど、他のラックには適しません。
ラックにシャーシを搭載する前に、シャーシの前面または背面左右にラックマウント ブラケットを取り付ける必要があります。
ヒント MCXコネクタ側(Cisco CMTSシャーシのRFケーブル インターフェイスと結合)がラックの背面を向くように、Cisco RFスイッチの前面部分にラックマウント ブラケットを取り付けることを推奨します(図1を参照)。
図1 Cisco RFスイッチ シャーシのラックマウント(前面を揃える場合)
前面を揃える構成で、シャーシにラックマウント ブラケットを取り付ける手順は、次のとおりです。
ステップ 2 シャーシ前面右側のネジ穴に、最初のラックマウント ブラケットを重ねます。ブラケットの合わせ方は、図2を参照してください。
図2 Cisco RFスイッチにラックマウント ブラケットを取り付ける手順(前面に取り付ける場合)
ステップ 3 M5 x 8 mmのさらネジをラックマウント ブラケットとシャーシの側面に通します。No. 2プラス ドライバでネジを締めます。
ステップ 4 ステップ1~3を繰り返して、もう一方のラックマウント ブラケットを取り付けます。
シャーシにブラケットを取り付けてから、装置ラックに適したネジを4本使用し、ラックの2本の支柱またはマウント ストリップにラックマウント ブラケットを固定することによって、Cisco RFスイッチを搭載します。
ヒント Cisco RFスイッチは、Cisco uBR10012 CMTSのすぐ上に搭載します。2台のCisco RFスイッチの間にスペースは不要です。
(注) 同じラックにACシェルフを搭載する場合は、ACシェルフのマニュアルを参照して位置を確認してください(通常はラックの最下部に搭載します)。
ステップ 1 シャーシのイーサネット コントローラ、電源装置、すべてのアップストリーム/ダウンストリーム スイッチ カードで、非脱落型ネジが全部きちんと締まっていることを確認します。
ステップ 2 ラックまでの間に邪魔になるものがないようにします。ラックが車輪付きの場合は、ブレーキがかかっているか、またはその他の方法でラックが固定されているかどうかを確認します。
ステップ 3 シャーシの前面が手前になるようにし、シャーシを持ち上げてラックまで運びます。
ステップ 4 シャーシをスライドさせながら、(シャーシ前面または背面に取り付けた)ブラケットが装置ラック左右の支柱にあたるまでラックに押し込みます。
ステップ 5 ブラケットが支柱またはマウント ストリップに重なった状態で、ブラケットの穴がマウント ストリップの穴と重なるように、Cisco RFスイッチの位置を調整します。
ステップ 6 ブラケットとマウント ストリップに1/32 x 3/8の溝付きネジを4本とも(左右に2本ずつ)差し込みます。
Cisco uBR10012 CMTS用のケーブル マネジメント ブラケットは、各Cisco RFスイッチとともに梱包に含まれています(図3を参照)。このブラケットを使用して、シャーシ内の通気を適切に確保してください。
(注) このリファレンス デザインの場合、必要なケーブル マネジメント ブラケットは1つだけです。
ここでは、Cisco RFスイッチ、アクティブおよびバックアップのCisco uBR-MC5X20S-Dケーブル インターフェイス ライン カード間のケーブル接続に必要な手順について説明します。
システムで使用するN+1の冗長バックアップ(protect)スキームは、主に、Cisco uBR10012シャーシに搭載したケーブル インターフェイス ライン カードの数によって決まります。7+1という8カードの冗長スキームでは、Cisco uBR10012シャーシのすべてのスロットにケーブル インターフェイス ライン カードを搭載し、これらのカードに冗長性を与えることができます。他の冗長スキームを使用すれば、Cisco uBR10012シャーシの一部のスロットにのみケーブル インターフェイス ライン カードを搭載させることもできます。
1台のCisco uBR10012 CMTSには、最大8枚のCisco uBR-MC5X20S-Dケーブル インターフェイス ライン カードを搭載できます。各カードのケーブル インターフェイス数はダウンストリーム用が5、アップストリーム用が20です。したがって、1つのシャーシに装備できる最大インターフェイス数はダウンストリーム用が40、アップストリーム用が160になります。このCisco uBR10012 CMTSには2台のCisco RFスイッチを接続できるので、同一シャーシで1~7枚のアクティブ ケーブル インターフェイス ライン カードを、バックアップ ケーブル インターフェイス ライン カード1枚でサポートするような冗長スキームを確立できます。
ここでは、Cisco RFスイッチとCisco CMTS間でN+1の冗長性をサポートするために必要な、同軸ケーブルとヘッダー ブロック アセンブリの仕様について説明します。
(注) ここで紹介する仕様に従って独自のケーブル システムを使用することもできますが、Cisco CMTS機能専用として設計されたCisco N+1冗長リファレンス デザイン ケーブル ソリューション(組み立て済みの終端ケーブル バンドルの部品番号は、CAB-RFSW520TIMMおよび
CAB-RFSW520TPMF)を使用されることを推奨します。
(注) このリファレンス デザインで使用したカスタム ケーブル、またはヘッダー ブロック、圧縮工具、コネクタなどのケーブル コンポーネントは、White Sands Engineering(1-800-JUMPERS)などのカスタム ケーブル製造会社から調達できます。
Cisco N+1ケーブル アセンブリ用の認定同軸ケーブル バンドルは、Belden YR46940です。このケーブル バンドルは、Belden YR46940タイプの同軸ケーブルの個別セグメント5本または10本を1つにまとめて外装で覆ってあります。バンドル内のケーブルごとに色が異なっています(図4を参照)。
図4 ケーブル バンドル、ヘッダー ブロック、ケーブル ホルダー
ユニバーサル ケーブル ホルダーを使用して、MC520ケーブル インターフェイス カードにケーブルを接続できます(ケーブル バンドルにケーブル ホルダーを取り付ける手順については、『 Quick Start Guide―Cabling the Cisco uBR10-MC5X20S-D Cable Interface Line Card 』または『 Cisco uBR10-MC5X20S Cable Interface Line Card 』を参照)。
(注) ユニバーサル ケーブル ホルダーは、未実装のケーブル キットには含まれていません。
ヘッダー ブロックは、同軸ケーブルの個々のセグメントが接続され、Cisco RFスイッチと結合させるMCXコネクタを保持します。必ず、ヘッダー ブロックの向きを確認してから、ケーブルを差し込んでください。
(注) このケーブル ソリューションで使用しているヘッダー ブロックは、上下を識別できるように、上端に少し傾斜がついています。また、ヘッダー ブロックに付いているアライメント ピンは、ヘッダー ブロックを上下逆さまにに接続できないような構造になっています。
(注) ヘッダー ブロックからMCXコネクタを取り外さなければならない場合は、Cisco RFスイッチに付属している取り外し用の工具を使用してください。
Cisco RFスイッチのCMTS、Protect、Cable Plantのいずれかの部分にRFケーブルを接続します。つまり、RFケーブル バンドルの全セグメントを終端しているヘッダー ブロックをCisco RFスイッチの次のいずれかの場所に接続します。
• CMTSの下の8つのRF接続グループの1つ ― このグループのRFケーブルは、アクティブのライン カードとして指定されたケーブル インターフェイス ライン カードに接続します。
• Protectの下の2つのRF接続グループの1つ ― このグループのRFケーブルは、バックアップのライン カードとして指定されたケーブル インターフェイス ライン カードに接続します。
• Cable Plantの下の8つのRF接続グループの1つ ― このグループのRFケーブルは、ケーブル ヘッドエンドまたはハブ上の同軸ケーブルまたは光ファイバ ケーブル トランシーバに接続します。
図5は、Cisco RFスイッチに接続するヘッダー ブロックの詳細図です。
ヘッダー ブロックを差し込んで接続する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 「CMTS/Protectのケーブル接続」のマッピングに従って、ヘッダー ブロックにMCXコネクタを差し込みます。
ステップ 2 ケーブルを軽く引っ張り、ヘッダー ブロックにケーブルがきちんと装着されているかどうかを確認してください。
ステップ 3 ヘッダー ブロックの傾斜している側を上にし、ヘッダー ブロックの2本のアライメント ピンをCisco RFスイッチのCMTS、Protect、またはCable Plant部分の下にあるRFコネクタ グループの対応する2つの穴に合わせます。ヘッダー ブロックの上下に均等な力をかけて押しつけます。
ステップ 4 ヘッダー ブロックの上部と下部の非脱落型ネジをマイナス ドライバで締めて、外れないように固定します。
ヒント または、先にCisco RFスイッチにヘッダー ブロックを取り付けてから、MCXコネクタを差し込みます。ネジを完全に締めてヘッダー ブロックをCisco RFスイッチに固定する前に、ケーブルを軽く引っ張り、きちんと装着されているかどうかを確認してください。
ここでは、アクティブおよびバックアップのライン カードからCisco RFスイッチへのRSケーブルのマッピングについて説明します。ヘッダー ブロックのケーブル側から見たヘッダー ブロック/ケーブル指定については、図6を参照してください。
Cisco uBR10012シャーシに搭載されているケーブル インターフェイス ライン カードとCisco RFスイッチをRFケーブルで接続する場合は、 ケーブル バンドル内のすべてのRFケーブルをCisco uBR10012シャーシに搭載された同一のケーブル インターフェイス ライン カード上のインターフェイスに接続する必要があります(ラインカードとRSスイッチ間のポート マッピングについては、 表 1 、 表 2 、 表 3 、および 表 4 を参照)。
図6 CMTS/Protectヘッダーの配線(Cable Plantヘッダーとの比較)
Cisco RFスイッチとCisco uBR10012 CMTS間のケーブル マッピングについては、次の注意事項に従ってください。
• ヘッダー ブロック上のラベルがA~EおよびH~Lのケーブル インターフェイス ポートはすべて、Cisco uBR10012シャーシのアップストリーム インターフェイスに接続する必要があります。
• F、G、Mのラベルの付いたケーブル インターフェイス ポートは、ダウンストリーム接続専用ポートです。
• ヘッダー ブロック上のケーブル インターフェイス ポートのうち、Nのラベルの付いたポートは、Cisco RFスイッチのいずれのポートにも接続されません。したがって、このポートをCisco uBR10012 CMTS上のケーブル インターフェイスに接続しないでください。
(注) N+1の冗長構成を採用している場合、このマッピングはアクティブとバックアップ両方のケーブル インターフェイス ライン カードに当てはまります。アクティブとバックアップのケーブル インターフェイス ライン カードの区別は、ヘッダー ブロックがCisco RFスイッチのアクティブ(スイッチ側)スロット グループに差し込まれているか、それともバックアップ スロット グループに差し込まれているかによって、また、指定した設定によって決まります。『Cisco Cable Modem Termination System Feature Guide』の「N+1 Redundancy for the Cisco CMTS」の章を参照してください。
ケーブル マネジメント ブラケット(オプション)を取り付けてから、接続スキームに従って、同じケーブル インターフェイス ライン カードのコネクタにケーブルを接続します。
Cable Plantケーブル ヘッダーは、CMTS/Protectヘッダーとは逆に配線します(図7を参照)。接続方法は、「Cisco RFスイッチへのRFケーブルの接続」と同じです。
(注) Cisco RFスイッチのCable Plantスロットには、CMTS/Protectとは逆の順序で番号が付いています。右側がスロット番号1です。ヘッダー ブロックのケーブル側から見たヘッダー ブロック/ケーブル指定については、図7を参照してください。
図7 Cable Plantケーブル ヘッダーの配線(CMTS/Protectヘッダーとの比較)
ここでは、シスコ製品のマニュアルを入手する方法について説明します。
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