マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドライン
このマニュアルの目的は、Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータに取り付けられた DOCSIS Timing & Control Card(DTCC)カードの取り付け、取り外し、トラブルシューティングに関する情報を提供することです。
このマニュアルは、シスコ製品およびヘッドエンド ケーブルの取り付け手順に関する知識を持つフィールド サービス技術者を対象にしています。
警告 この装置の設置、交換、または保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。
このマニュアルには、Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータに付属の Cisco DTCC カードの取り付けおよび取り外しを行う手順が記載されています。また、技術仕様およびトラブルシューティング情報も記載されています。
Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータにおいて、DTCC カードはセカンダリ プロセッサとして動作し、次の機能を提供します。
• デフォルトの DOCSIS Timing Interface(DTI)モードでは、DTI サーバが 10.24 MHz クロックと 32 ビット Data-over-Cable Service Interface Specifications(DOCSIS; データオーバーケーブル サービス インターフェイス仕様)タイムスタンプを生成し、DTI プロトコルを使用して DTI クライアントに伝播する。DTI クライアントは、このクロックとタイムスタンプを各ケーブル インターフェイスに配信する
• ソフトウェアでケーブル インターフェイス ラインカードの一部または全部の電源を個々に切断できるようにする
• システム設定情報およびステータス情報を表示するための LCD パネルを作動させる
• DTI サーバで 2 本の RJ-45 ケーブルを使うと、サーバ自身の発振器、または Global Positioning System(GPS; 全地球測位システム)やネットワーク クロックなどの外部タイミング基準からの入力を使用して、交互にクロックを生成できる
DTCC カードが 2 枚搭載されている場合、アクティブ(プライマリ)およびバックアップ(冗長用)として設定されます。最初のスロットの DTCC カードがシステム起動時に動作していた場合、そのカードが自動的にアクティブ カードになり、2 番めのスロットの DTCC カードがバックアップ カードになります。2 枚の DTCC カードは相互に優先情報を監視します。アクティブ カードで障害が発生すると、アクティブ カードの役割は冗長用のバックアップ カードに引き継がれるため、データが失われることはありません。
各 DTCC カードの前面パネルに、Primary と Secondary のラベルが付いた RJ-45 コネクタが 2 つ搭載されています(図1を参照)。これらのコネクタは、第 1 層クロック ソースまでトレース可能な、プライマリおよびセカンダリ(冗長)の第 3 層外部クロック基準ソース用です。外部基準ソースにより、Cisco uBR10012 ルータの基準クロックを第 1 層のクロック ソースに同期させ、DOCSIS 品質のフリーランニング クロック基準とタイムスタンプをケーブル インターフェイス ラインカードに提供します。
プライマリ DTI リンクが存在する場合、それが使用されます。プライマリ DTI リンクがない場合、アクティブ DTCC カード上にセカンダリ DTI リンクがあれば、これを使用します。アクティブ DTCC カードの動作が停止すると、バックアップ DTCC カードに制御が引き継がれ、そのプライマリおよびセカンダリ クロック基準ソースが使用されます。どちらのカードにも有効なクロック基準ソースがない場合は、DTI モードで、すべての M-CMTS エレメントが共通のタイミング ソースを使用する必要があります。DTI クライアントの内部クロックは、DOCSIS クロックとタイムスタンプの提供には使用できません。共通のタイミング ソースの損失を防止するために、ハイ アベイラビリティ戦略(アクティブ/バックアップ カード、アクティブ/バックアップ ポート)を使用してください。
DTCC カードの前面パネルには 7 つの LED があります。ラベルはそれぞれ POWER、STATUS、MAINT、LINK、および ACT です。2 組みの LINK および ACT LED はプライマリおよびセカンダリの外部クロック基準からの入力と対応づけられます。
表1 に、DTCC カードの LED を示します。
警告 安全上の重要事項
「危険」の意味です。人身事故を予防するための注意事項が記述されています。機器の取り扱い作業を行うときは、電気回路の危険性に注意し、一般的な事故防止対策に留意してください。
これらの注意事項を保存しておいてください。
電気機器を取り扱う際には、次の基本的な注意事項に従ってください。
• シャーシ内部の作業を行う前に、室内の緊急電源遮断スイッチがどこにあるかを確認しておきます。
• シャーシを動かす前に、すべての電源コードおよび外付けケーブルを外してください。
• 回路の電源が切断されていると思い込まず、必ず確認してください。
• 人身事故や装置障害を引き起こす可能性のある作業は行わないでください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかどうか、作業場所の安全を十分に確認してください。
ESD により、装置や電子回路が損傷を受けることがあります(静電破壊)。静電破壊は電子部品の取り扱いが不適切な場合に発生し、故障または間欠的な障害をもたらします。AC 入力電源シェルフおよびその AC 電源モジュールには、金属フレームに固定されたプリント基板が含まれています。EMI(電磁波干渉)シールドおよびコネクタは、フレームを構成する部品です。金属フレームは、ESD からカードを保護しますが、モジュールを扱うときには必ず、静電気防止用ストラップを着用してください。
• 静電気防止用リストまたはアンクル ストラップを肌に密着させて着用してください。シャーシからカードを取り外す前に、ストラップの装置側をシャーシまたはラックマウントの塗装されていない金属部分に固定します。
• フレームは端だけを持ち、カード コンポーネントまたはコネクタ ピンには決して触れないでください。
• 取り外したモジュールは、静電気防止用シートの上に置くか、または静電気防止用袋に入れてください。モジュールを返却する場合には、ただちに静電気防止用袋に入れてください。
• モジュールと衣服が接触しないように注意してください。リスト ストラップは身体の静電気からカードを保護するだけです。衣服の静電気が、静電破壊の原因になることがあります。
ヒント 2 枚の DTCC カードを取り付けて冗長運用している場合、システム動作を中断することなく一方のカードを取り外したり、交換したりすることができます。
DTCC カードを開梱するときは、次の手順に従ってください。
ステップ 1 静電気防止用ストラップを使用して、適切にアースされていることを確認してください。
ステップ 2 輸送用の箱を開けて、DTCC カードを取り出します。
ステップ 3 静電気防止用マットの上に、DTCC カードを置きます。
ステップ 2 インターフェイス ケーブルや電源コードを脇へ寄せて、十分な作業スペースを確保してください。
ステップ 3 新しい DTCC カードを取り付ける場合は、ブランク スロット カバーを取り外して廃棄し、ステップ 1 に進みます。それ以外の場合は、交換する DTCC カードから DTI 接続ケーブルを外します。
(注) ラインカードの同期を適切に維持するために、バックアップ用の DTCC カードが必要です。
ステップ 4 DTCC カードの上下にある非脱落型ネジを緩めます(図2を参照)。
ステップ 5 DTCC カードをスロットから引き出し、これを静電気防止用マットの上に置くか、または静電気防止用袋に入れてください。
ステップ 6 交換用カードを取り付ける場合は、次の手順に進みます。それ以外の場合は、スロットにブランク カバーを取り付け、非脱落型ネジを締めて完了です。
(注) エアーフローを維持して適切に冷却されるように、ブランク DTCC カード スロットには、必ずカバーを取り付けてください。ブランク DTCC カード カバーの製品注文番号は、UBR10-DTCC-COVER= です。
ステップ 1 交換用 DTCC カードをカード スロットの前に合わせます。
ステップ 2 ラインカードの上下をシャーシ上下のガイドに慎重に合わせ、ラインカードをスロットに押し込んで、バックプレーン コネクタに完全に装着します(図4を参照)。
ステップ 3 上下の非脱落型ネジを締めて、ラインカードをシャーシに固定します(図2)。
ステップ 4 DTCC カードが完全に装着されると、Power-on Self-Test(POST; 電源投入時自己診断テスト)が開始されます。STATUS LED がイエローのままの場合、または消灯したままの場合、カードが適切に動作していません。「DTCC カードのトラブルシューティング」を参照してください。
ステップ 5 DTI ポートを DTI サーバへ接続します。すべてのポートのルート サーバが共通であれば、ポートはルート サーバ、または従属するスレーブ サーバのどちらかに接続できます。
ステップ 6 必要に応じて DTCC カードの設定を行います。
『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router Hardware Installation Guide 』の「 Formatting Flash Memory Cards and Disks 」の項または『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router Software Configuration Guide 』を参照してください(DTCC カードのトラブルシューティングも参照)。
(注) 交換用カードを同じスロットに搭載する場合、DTCC カードの設定は不要です。Performance Routing Engine(PRE; パフォーマンス ルーティング エンジン)から必要な設定情報が自動的にダウンロードされます。
どちらかの PRE モジュールで問題が発生した場合は、次の確認を行ってください。
• 両方の PRE が正常に動作している場合、各 DTCC カードの POWER LED を確認します(各 DTCC カードの POWER LED がグリーンで点灯しているかどうか)。
–点灯していない場合、DTCC カードを取り外して再度挿入します。バックプレーンにきちんと接続し、両方の非脱落型ネジがきちんと締まっていることを確認します。
• プライマリ DTCC カードの STATUS LED を確認します(グリーンで点灯し、プライマリ カードであることを示しているか)。
セカンダリ DTCC カードの STATUS LED を確認します(グリーンで点滅し、冗長カードであることを示しているか)。
–該当しない場合、ルータにロードされている Cisco IOS が DTCC カードをサポートするバージョンかどうかを確認します。
• プライマリ カードのアクティブ ポートにある DTI STATUS LED を確認します(グリーンで点灯し、DTI 接続が有効であることを示しているか)。
マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、マニュアルに関するフィードバックの提供、セキュリティ ガイドライン、および推奨エイリアスと一般的なシスコのマニュアルに関する情報については、次の URL で、毎月更新される『 What's New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。ここには、シスコの新規および改訂版の技術マニュアルの一覧も示されています。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html
Japan TAC Web サイトでは、利用頻度の高い TAC Web サイト( http://www.cisco.com/tac )のドキュメントを日本語で提供しています。Japan TAC Web サイトには、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/jp/go/tac
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