Maintain Power Signature および切断
このマニュアルでは、Catalyst 3750-E、3750、3560-E、および 3560 スイッチ製品ファミリでの Power over Ethernet(PoE; イーサネット経由の電源供給)のトラブルシューティングについて説明します。初期の PoE スイッチに関連するトピックも含まれています。
正確な Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)およびメッセージ形式については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドと個別のスイッチのコマンド リファレンスを参照してください。
初期のスイッチと最新のスイッチでは、コマンドライン インターフェイス(CLI)と PoE 機能に小さな違いがあります。必要に応じて、個別のスイッチ ファミリまたはハードウェア バージョンに固有の特徴が示されています。
• 「用語」
• 「注意事項」
• 802.3af:PoE の IEEE 標準(多くの場合、IEEE 準拠と呼ばれます)。
• CDP:Cisco Discovery Protocol(シスコ検出プロトコル)。直接接続された場合、または同じ VLAN に接続された場合に他のシスコ デバイスを素早く識別するためにスイッチとルータをイネーブルにする Cisco Layer 2 プロトコルです。
• FLP:Fast Link Pulse(ファースト リンク パルス)。標準ベースのリンク速度でデュプレックスの自動ネゴシエーション中に使用されるイーサネット プロトコル メッセージです。
• FRU:Field-Replaceable Unit(現場交換可能ユニット)。通常は、電源装置またはファン モジュールです。
• Midspan PSE:パッチ パネルの電源装置(PoE ソース)。
• MPS:Maintain Power Signature。PSE からの電源供給を維持するために、受電装置は引き続き PSE によって検出される必要があります。
• PSE:Power-Source Equipment。通常は、PoE を提供するイーサネット スイッチまたは電源パッチ パネルです。
• PTC:Positive Temperature Coefficient(自動リセット ヒューズ)。
• SNR:Signal-to-Noise Ratio(信号対雑音比)。
• TDR:Time Domain Reflectometer(タイム ドメイン リフレクトメータ)。ケーブル診断とも呼ばれ、イーサネットの電気特性をテストするためにスイッチが使用する機能です。
• UPS:Uninterruptible Power Supply(無停電電源装置)
• WAP:Wireless Access Point(ワイヤレス アクセス ポイント)。
PoE の問題をトラブルシューティングする前に次のガイドラインを考慮してください。
• 症状を注意深く検証します。たとえば、受電装置の電源がオンでないか、または電源がオンになってからすぐにオフになるかなどを確認します。PoE スイッチからのシステム メッセージを含む、症状に関する詳細情報をできるだけ多く入手します。
• 問題は初回設置時に発生しましたか、または受電装置が正常に動作した後に発生しましたか?
• 受電装置が動作した後に問題が発生した場合は、何か変更されましたか? ハードウェアまたはソフトウェアの変更はありましたか?
• 問題発生時にローカル ネットワークで何かが起こりましたか? show log 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ ログと SNMP トラップを参照します。
• 問題は特定の時刻に発生しますか?(設置場所で問題を引き起こす電気的なアクションが存在することが考えられます)
• 断続的な再起動後に IP 電話機が正常に動作する場合、問題は PoE またはケーブルの電気的な接続に関係する可能性があります。また、問題は IP 電話機とコール マネージャ間の接続が一時的に失われることによっても引き起こされる場合があります。
• 「すべてのポートまたは一連のポートに PoE が存在しない」
• 「他社製の受電装置がシスコ製の PoE スイッチで動作しない」
問題が 1 つのスイッチ ポートでだけ発生する場合の手順は、次のとおりです。PoE 装置と非 PoE 装置がこのポートで動作せず他のポートで動作することを確認します。
ステップ 1 受電装置が他のポートで動作し、問題が 1 つのポートでだけ発生することを確認します。
ステップ 2 show run および show interface status 特権 EXEC コマンドを使用して、ポートがシャットダウンされていないことを確認します(ほとんどの Cisco スイッチでは、ポートのシャットダウン時にポートの電源がオフになります)。
ステップ 3 show interface status 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ ポートのエラーがディセーブルになっていないことを確認します。
ステップ 4 show run および show power inline interface-id 特権 EXEC コマンドを使用して、power inline never インターフェイス コンフィギュレーション コマンドがポートで設定されていないことを確認します。
ステップ 5 電話機からスイッチ ポートまでのイーサネット ケーブルに問題がないことを確認します。問題のない非 PoE イーサネット装置をイーサネット ケーブルに接続し、リンクが確立され、別のホストとのトラフィックが交換されることを確認します。
ステップ 6 スイッチの前面パネルから、接続された装置(受電装置)までのケーブルの全長が 100 メートル以下であることを確認します。詳細については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドのケーブル診断に関する項を参照してください。
ステップ 7 スイッチ ポートからイーサネット ケーブルを取り外します。短いイーサネット ケーブルを使用して、問題がないイーサネット装置をこのスイッチ ポート(パッチ パネルにないもの)に接続します。装置がイーサネット リンクを確立し、別のホストとトラフィックを交換することを確認するか、ポート Virtual LAN(VLAN; 仮想 LAN)Switch Virtual Intertface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)に対して ping コマンドを実行します。次に、受電装置をこのポートに接続し、受電装置の電源がオンになることを確認します。受電装置の電源がオンにならない場合は、ステップ 8 に進んでください。
ステップ 8 show inline power および show inline power detail 特権 EXEC コマンドを使用して、接続された受電装置の数とスイッチのパワー バジェット(利用可能な PoE)を比較します。スイッチのパワー バジェットが装置を電源供給できることを確認します。
(注) スイッチのパワー バジェットが枯渇している場合は、PoE ポートへの接続時に追加の受電装置の電源がオンになりません。シスコ検出プロトコル(CDP)を使用すると、シスコ デバイスを簡単に識別し、スイッチのパワー バジェットを正しく確立できるようになります。
次の項は、追加情報と、1 つのポートに PoE が存在しないスイッチのトラブルシューティングに関するコマンド例を提供します。
いずれかのポートまたは一連のポートに電力が供給されていない場合の手順は、次のとおりです。電力供給されていないイーサネット装置が任意のポートでイーサネット リンクを確立でき、PoE 装置の電源がオンでないことを確認します。
ステップ 1 show interface status 特権 EXEC コマンドを使用して、ポートがシャットダウンされておらず、エラーがディセーブルでないことを確認します。
ステップ 2 show env all、show interface status、および show power inline 特権 EXEC コマンドを使用して、電源ステータスを参照します(いずれかのポートで電力供給されていない装置の電源をオンにできる場合)。show log 特権 EXEC コマンドを使用して、システムメッセージにより以前に報告されたアラームを参照します。
ステップ 3 問題がすべてのポートで発生する場合は、電源装置の PoE セクションに障害がある可能性があります(PoE 以外にスイッチが正常に動作し、非 PoE 装置が任意のポートでイーサネット リンクを確立できる場合)。問題がすべてのポートではなく一連のグループのポートで発生する場合は、スイッチの PoE サブセクションに障害がある可能性があります。
ステップ 4 電源に関連するアラームが発生し続ける場合は、電源装置を交換してください(現場交換可能な場合)。それ以外の場合は、スイッチを交換してください。
ステップ 5 LED、CLI メッセージ、または show env all 特権 EXEC コマンドの出力でアラームが報告されない場合は、スイッチ ポートに受電装置を直接接続してください。既存の配電ケーブルは使用しないでください。接続するために短いパッチ コードだけを使用してください。
ステップ 6 このポートに対して shut および no shut インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。show power inline 特権 EXEC コマンドを使用して、ポートがシャットダウンされていない場合に受電装置が電力供給を受けることを確認します。
場合によっては、1 つのスイッチ ポート以外のすべてのポートからイーサネット ケーブルを取り外し、受電装置をその PoE ポートにだけ接続したままにすることが適切なことがあります。
この接続で短いパッチ コードを使用し、受電装置の電源をオンにできる場合は、すべての中間パッチ パネルが正常に接続され、ケーブルの全長が 100 メートルを超えないことを確認します。ケーブル診断機能がスイッチでサポートされない場合は、受電装置を一時的に切断し、この機能を使用して、ケーブルの全長を確認します。
ステップ 7 1 つの受電装置だけがスイッチに接続され、受電装置の電源がオンである場合は、残りのポートに対して shut および no shut インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。イーサネット ラインをスイッチの PoE ポートに 1 つずつ再接続します。インライン電力統計情報とポート ステータスをモニタするために各ラインと受電装置が再接続される場合に、show interface status および show power inline 特権 EXEC コマンドを使用します。
稼動している Cisco IP Phone またはワイヤレス アクセス ポイントが断続的にリロードされるか、インライン電力から切断される場合の手順は、次のとおりです。
ステップ 1 スイッチから受電装置までのすべての電気的な接続を確認します。接続が不安的な場合は、電力供給や受電装置の動作(受電装置の切断やリロードなど)が中断します。
ステップ 2 スイッチの前面パネルから、接続された装置(受電装置)までのケーブルの全長が 100 メートル以下であることを確認します。詳細については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドのケーブル診断に関する項を参照してください。
ステップ 3 スイッチの設置場所の電気的な環境に変化がある可能性に注意してください。切断が発生する受電装置で何が起こっていますか?
ステップ 4 show log 特権 EXEC コマンドを使用して、メッセージとイベントを参照します。切断が発生したときにスイッチからエラー メッセージが報告されたかどうかに注意してください。
ステップ 5 リロードの直前に Cisco IP Phone がコール マネージャへのアクセスを失っていないことを確認します(PoE 障害ではなくネットワーク障害である可能性があります)。
ステップ 6 非 PoE 装置をポートに接続し、装置が動作することを確認します。非 PoE 装置でリンク障害があるか、エラー レートが高い場合、問題はスイッチ ポートとユーザ間のケーブル接続が不安定なことである可能性があります。
(注) すべての受電装置が接続されているときではなく 1 つの受電装置だけがスイッチに接続されているときに受電装置の電源をオンにできる場合は、パワー バジェットが枯渇している可能性があります。受電装置を一度に 1 つずつ接続し、各装置が接続されている場合に shut および no shut インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。これにより、すべての errdisable ステータスが削除されます。show interface status および show power inline 特権 EXEC コマンドを使用して、インライン電力統計情報とポート ステータスをモニタします(各装置が接続されている場合)。
次の項は、追加情報と、切断またはリセットする Cisco IP Phone のトラブルシューティングに関するコマンド例を提供します。
他社製の受電装置がシスコ製の PoE スイッチに接続され、その装置の電源がオンにならないか、またはオンになった後すぐに電源から切断される(電源オフ)場合の手順は、次のとおりです。非 PoE 装置は正常に動作します。
ステップ 1 show power inline 特権 EXEC コマンドを使用して、受電装置の接続前または接続後にスイッチのパワー バジェット(利用可能な PoE)が枯渇していないことを確認します。受電装置タイプに十分な電力が利用可能なことを確認します。
ステップ 2 show interface status 特権 EXEC コマンドを使用して、接続時に受電装置がスイッチにより検出されたことを確認します。
ステップ 3 show log 特権 EXEC コマンドを使用して、受電装置がポートで過電流の状態を引き起こしていないことを確認します。症状を正確に検証します。最初に電話機の電源がオンになり、その後で切断されましたか? 該当する場合、問題はスイッチ ポートの電流制限しきい値を超える初期電流サージである可能性があります。
ステップ 4 受電装置と Cisco スイッチに互換性があることを確認します。たとえば、両方の装置が標準準拠である場合は、相互運用が可能なはずです。CDP は非シスコ デバイスを識別するために使用できず、非シスコ デバイスと使用する場合、スイッチは正確な検出と分類に依存する必要があります。
次のリンクは追加情報を提供し、シスコ製の PoE スイッチで動作しない他社製の受電装置のトラブルシューティングに関するコマンド例を含みます。
スイッチは検出機能を使用して、受電装置がポートに接続されているかどうかを調べます。受電装置が検出されない限り、PoE スイッチは通常、イーサネット ラインに電力を適用しません。受電装置が PoE スイッチ ポートに接続されている場合、スイッチは次のいずれかの方法を使用して受電装置を検出します。
• DC 検出。IEEE 標準または 802.3af 標準検出と呼ばれることもあります。Cisco IP Phone は DC 検出と AC 検出の両方をサポートします。
• Cisco Detection。先行標準または AC 検出と呼ばれることもあります。先行標準 Cisco IP Phone はこの方法を使用します。
シスコ製および他社製の PoE スイッチと受電装置は、次の 2 つの大きなカテゴリに分けられます。
• IEEE 標準以前(たとえば、Catalyst 3500)
• IEEE 標準以降(たとえば、Catalyst 3560、3750、3560G、3750G、3560-E、および 3750-E)
先行標準電話機と標準電話機は、異なる検出および接続または切断方法を使用することがあります。
受電装置の検出は、イーサネット装置が PoE ポートに最初に接続されたときに行われます。非 PoE 装置が PoE ポートに接続されている場合は、検出が非アクティブ化されます。後から非 PoE 装置を取り外し、受電装置と交換した場合は、スイッチが装置をすぐに検出しないことがあります。リンクダウンおよびリンクアップの変更後に検出が再びイネーブルおよびアクティブになるには、数秒間のタイムアウトが経過する必要があります。
Catalyst 3500 と初期の PoE スイッチは、シスコ先行標準検出を使用して、IP 電話機や他の受電装置を検出します。
• スイッチは、特別な Fast Link Pulse(FLP; ファースト リンク パルス)信号をポートに接続された任意の装置に送信します。
• スイッチ ポートは、特別な FLP 信号が受電装置の受信ペアから送信ペアにループバックされているかどうかを調べます。FLP 信号をループバックする唯一の装置は、インライン電力を使用する装置です。
• スイッチがループバックされた FLP 信号を検出し、インライン電力をポートに供給することを決定すると、スイッチは接続された装置に利用可能な電力があるかどうかを調べます。スイッチは、デフォルトの電力割り当てを使用して利用可能な電力をチェックできます。次に、シスコ製の受電装置からの CDP 情報に基づいてこの割り当てを調整できます。
• スイッチ ポートは接続された装置に電力を適用し、電話機内部のリレーはループバックをリリースします(図 1 を参照)。
• 受電装置がシスコ デバイスである場合は、装置が起動し、CDP がアクティブになります。スイッチのパワー バジェットは、受電装置からの CDP メッセージの電力要件情報によって調整できます。
標準ベースのシスコ製 PoE 装置は、受電装置の 5 つの電力分類において IEEE 標準に準拠します。
スイッチが受電装置を検出し、電力要求を許可する場合、スイッチは受電装置の IEEE 分類に従ってパワー バジェット(利用可能な電力)を調整できます。
PoE クラスは、特定の受電装置によって使用される電力の範囲を定義します。ある受電装置は別の装置よりも多くの電力を必要とし、電力クラスによりスイッチはパワー バジェット(つまり、利用可能な電力)を管理できるようになります。受電装置が検出され、そのクラスが識別されたら、スイッチは適切な電力範囲を割り当て(予約)ます。
スイッチは約 20 VDC をラインに適用し、結果となる電流を測定することによって受電装置の IEEE 電力分類を判断できます。IEEE 準拠の受電装置は、スイッチにより適用された 20 VDC への反応として非常に特別な電流を起こします。
表 1 は、IEEE 標準電力クラスを示しています。
スイッチ ポートからの一部の電力は、ワイヤの抵抗のため、ケーブル(特に 100 メートルの長さのケーブル)で消散します。残りの電力は受電装置で利用可能です。
ほとんどの受電装置は、そのクラスの最大電力を使用しません。たとえば、ある IP 電話機はクラス 3 カテゴリに属しますが、消費する電力は 15.4 W 未満です。
受電装置がクラス 0(既知または先行標準のクラス ステータス)またはクラス 3 の場合、スイッチは受電装置が必要な実際の電力量に関係なく最初に 15.4 W を確保する必要があります。受電装置が実際の電力消費量よりも高いクラスを報告するか、または電力分類(デフォルトでクラス 0)をサポートせず、スイッチが IEEE クラス情報を使用してパワー バジェットを確立および追跡する場合、スイッチは少ない数の装置に電力を供給します(また、Cisco スイッチおよびシスコ製受電装置は CDP を使用して受電装置に対する正しい電力使用を確立できますが、これは受電装置の電源がオンになり、完全に動作してから実行されます)。一部のスイッチは、ポートごとに使用される実際の電力を測定できます。
分類後に、スイッチは 48 ~ 52 VDC をラインに適用します。これは、電話やワイヤレス アクセス ポイントの稼動電圧です。受電装置には完全に電力が提供され、受電装置は稼動します(または、受電装置が IP 電話機の場合はコール マネージャに登録します)。
Catalyst 3500 などの初期のほとんどの先行標準スイッチは、カラー表示できる IP 電話機などの新しい装置に完全な電力を提供できません。削減電力モードで電話機の電源をオンにすると、機能が制限されるか、画面の輝度が低下する可能性がありますが、少なくとも電話機を稼動できます。
スイッチは Maintain Power Signature(MPS)を使用して、検出後と電力の適用後に受電装置が引き続き存在することを検出します。電力シグネチャが存在する限り、スイッチは PoE を提供します。Cisco スイッチと Cisco IOS は、次の項で説明するようにさまざまな MPS バージョンを使用します。
受電装置は、電力シグネチャを保持してスイッチからの PoE フィードを保持する必要があります。 PoE は通常、スイッチが電力シグネチャを検出しなくなってから 500 ミリ秒以内に削除されます。すべての切断方法は物理層で試行されます。
Catalyst 3750-E、3750、3560-E、および 3560 スイッチは、DC 電流 MPS をサポートします。受電装置に対する電流ループの DC 電流が 300 ~ 400 ミリ秒間特定のしきい値未満の場合は、スイッチ ポートが電力を停止します。電源がオンである装置が切断されると、スイッチ ポート受送信ペアの間の電流が 0 に低下します。
DC 電流が最小しきい値と最大しきい値間で流れている限り、スイッチは受電装置が接続され、電力供給され、電力を受け続けることを決定します(図 2 を参照)。スイッチと受電装置の間で接続が不安定だと、間違って切断されることがあります。
AC 電源モジュールによってローカルで電力供給されている装置は、PoE スイッチによって検出されます(ポートに接続されている場合)。ただし、スイッチは、低い電流しきい値に基づいて電力を供給または停止します(たとえば、受電装置はスイッチから電力を使用しません)。
受電装置がローカルで電力供給されている場合は(非 PoE)、次の power inline never インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用するのが適切なことがあります。
一部の初期の Catalyst 3750 スイッチおよび 3560 スイッチは、イーサネット ポートの送受信ペア間に 100-Hz の信号を適用します。受電装置のローパス フィルタは、100-Hz の信号を特定のしきい値未満にロード(減衰)します。ローパス フィルタは 100 Hz でだけ動作し、通常のトラフィックまたはイーサネット制御信号をループバックしません。
受電装置で送受信ペア間にローパス フィルタが存在する場合、スイッチは減衰された 100-Hz の信号を検出しません。つまり、受電装置は引き続き接続され、電力供給され、装置への電力は保持されることになります(図 3 を参照)。
受電装置が切断している場合は、100-Hz の信号ロードがラインから削除され、100 Hz の信号が特定のしきい値を超えます。スイッチは、信号レベルの増加を検出し、受電装置が取り外されていることを認識します。スイッチは、イーサネット ポートから PoE を削除します。
一部の初期の Catalyst 3560 スイッチおよび 3750 PoE スイッチは初期の Cisco IOS バージョンで 100-Hz MPS 方法を使用しますが、これらのスイッチの最近の Cisco IOS バージョンでは、MPS モードが DC 電流に変わります。
Cisco Detection が使用され、スイッチ ポートがイーサネット リンクの損失を検出した場合、通常シスコ製 PoE スイッチはポートから PoE を削除します(IEEE 検出が使用されている場合は、DC または AC MPS 方法が切断を検出します。MPS 信号が存在する場合は、イーサネット リンクがダウンしていても装置への電力は保持できます)。切断方法は、接続された受電装置によって異なります。
Cisco スイッチは、受電装置が接続または切断されたとき、およびイーサネット リンク ステータスが変更されたときに報告します。この例は、イーサネット ポートから切断されて再接続された Cisco IP Phone を示しています。次に、スイッチは受電装置を検出し、PoE を適用し、MPS(イーサネット リンク)を検出します。
(注) 電話機とスイッチの間のプラグまたはジャックが不安定な場合は、同じ切断が起こることがあります。
シスコ検出プロトコル(CDP)は、ほとんどのシスコ製装置で実行され、直接接続されたシスコ製装置に関する情報を共有するシスコ独自のレイヤ 2 プロトコルです。
CDP を使用するシスコ製 PoE スイッチは、IP 電話機やワイヤレス アクセス ポイントなどのシスコ製受電装置を認識できます。実際の電力要件は受電装置によってアドバタイズでき、未使用のクラス電力はスイッチのパワー バジェットに返されます。
受電装置検出に CDP を使用するには、スイッチ ポートと PoE ポートで CDP をイネーブルにします(CDP は通常、デフォルトでイネーブルになっています)。
シスコ製受電装置(電話機または WAP)の電源がオンの場合、CDP は受電装置が実際に必要な電力量をスイッチに伝えるメッセージを送信します。スイッチ CPU はポートの電力割り当てを調整し、パワー バジェットを調整します。
CDP なしで受電装置が接続され、クラスが 0(デフォルト値)または識別できない場合、スイッチは受電装置に対して 1 つのポートあたり最大の PoE を予約する必要があります。これにより、パワー バジェットはすぐに枯渇し、最悪の場合、全体的なパワー バジェットが故意に枯渇することがあります。電力が利用可能な場合であっても、スイッチは検出された受電装置に電力を割り当てることができません。
たとえば、9 W だけ必要な非 Cisco IEEE 802.3af クラス 3 の受電装置が検出され、実際の要件が PoE スイッチにより認識されていない場合、9 W だけしか使用しない場合であってもスイッチは最初に 15.4 W の完全な 1 ポートあたりのクラス電力を確保する必要があります。この場合、6.4 W が無駄になり、スイッチには複数の類似の装置が接続されているため、その無駄がすぐに増えます。受電装置で分類シグネチャが不適切な場合は、同じ問題が発生することがあります。これにより、対象となるすべての装置が電力を受けられなくなることがあります。Catalyst 3750、3560、およびそれ以降のスイッチは、受電装置の検出が完了し、PoE が適用された後に使用された実際の 1 ポートあたりの電力をモニタします。
7970G IP 電話機などの Cisco IEEE+CDP の受電装置は低電力モード(6.3 W)で稼動し、装置の実際の電力要件とともに CDP メッセージを送信します。クラス 3 装置に対して必要な電力がデフォルトの 15.4 W 未満の場合、スイッチはそのパワー バジェットを更新します。要求された電力がスイッチで利用可能なパワー バジェットを超える場合は、電力供給が否定されるか、ポートが低電力モード(通常は 7 W)のままになります。
接続されたシスコ デバイスを確認するには、show cdp neighbor または show cdp neighbor detail 特権 EXEC コマンドを使用します。
(注) この電話機に必要な最大電力は 10250 ミリワット(10.25 W)ですが、電話機は低い画面輝度で 6.3 W で稼動できます。
次の例は、Stackwise スタックの 2 つのスイッチに対して割り当てられたパワー バジェットを示しています。スイッチ 1(モジュール 1)は 3750-E であり、スイッチ 2 は 3750G です。
(注) この 7970 はクラス 3 電話機ですが、このコンフィギュレーションでは 10.3 W(最大)だけしか使用しません。7970G は、画面の輝度が最大であるため、15.4 W を使用しています。
この例では、一部の電話機は初期の先行標準装置です。標準と示されるか、非標準と示されるかは、スイッチ モデルと Cisco IOS バージョンによって異なります。特定のクラスの識別に失敗した場合は、通常、先行標準受電装置に該当します。
show power inline コマンドは、show cdp neighbor detail および show inline power 特権 EXEC コマンドの要素を含むポート固有情報を提供します。
一部の他社製の先行標準受電装置は Cisco スイッチによって検出されないことがありますが、IEEE 準拠の Cisco スイッチに接続された最近の IEEE 準拠の受電装置ではこの問題が発生しないはずです。
CDP はシスコ製の受電装置を識別し、適切なパワー バジェットを確立しますが、非シスコ デバイスには CDP の利点が存在しません。他社製の受電装置を検出でき、電力クラスを識別できない場合、スイッチはデフォルトでクラス 0 に設定され、ポートに最大電力を割り当てる必要があります。これにより、パワー バジェットが早く枯渇することがあります。
たとえば、識別されない装置で必要になる可能性があるのは 6 W だけでも、装置に最大 PoE 電力(最大 15.4 W)が割り当てられている場合は、スイッチで利用可能なすべてのポートに電力が供給される前にパワー バジェットが枯渇することがあります。この結果、問題がない受電装置が、スイッチの問題がない PoE ポートに接続されているが、受電装置の電源がオンにならないという症状が発生します。
Catalyst 3750-E や 3560-E などの一部の新しいスイッチは、実際に測定されたパワー バジェットに従ってパワー バジェットを調整できます。
一部の非シスコ デバイスでは、PoE ポートに初めて接続された場合に過度なサージ インが発生します。スイッチは最初にポートに電力を供給し、次に一時的な過電流の状況のため電力を停止します。受電装置の電源はオンになっているように見えますが、すぐにオフになります。
通常、450 mA を超える電流は、過電流状態と見なされます。
すべての PoE スイッチには、過電流しきい値を検出し、ラインから DC 電力を切断して障害を防ぐ電圧および電流レギュレータが搭載されています。
シスコ製 PoE スイッチには、次の 2 つのレベルの過電流保護があります。
これにより、過電流が PoE ポートから供給されなくなり、障害をポートレベルの部品に抑えることができます。
Catalyst 3524PWR などの初期の PoE スイッチは、1 つのポートあたり公称 6 または 7 W をサポートします。特定のポートのライン電流が約 9 W に増加すると、過熱による回路の障害を防ぐためにスイッチは電力を停止します。
Catalyst 3750-E、3560-E、3750G などの新しいスイッチは、1 つのポートあたり最大 15.4 W をサポートします。一部の初期のスイッチはすべてのポートに 15.4 W を供給できず、すべてのポートに供給される最大電力はパワー バジェットによって制限されます。通常、パワー バジェットは、スイッチの電力供給能力と供給された電力量に関係します。新しいすべてのスイッチは、パワー バジェットが枯渇するまで 7.5 W と 15.4 W の両方の受電装置に電力供給できます。
Catalyst 3750-E スイッチと 3560-E スイッチは、取り付けられた FRU 電源装置に応じて 1 つのポートあたり(最大 48 ポート)15.4 W をサポートします。1 つのポートあたり 15.4 W を供給するスイッチは、消費電力が約 17 W に到達するとポートからの電力を停止します。
通常、自動電流規制は完全に有効であり、ヒューズ アクションはほとんど必要ないか発生しません。ヒューズは、自動リセット(交換は不必要)または切れた後に交換が必要な基本的な高速ヒューズのいずれかになります。ヒューズは保護手段として PoE 電源装置に含まれますが、ポートレベルの電気的なレギュレータは過電流保護の主要な方法です。
自動リセット ヒューズは Positive Temperature Coefficient(PTC)抵抗器です。これらの部品は、実際にはヒューズではなく、ポリマーベースの温度依存抵抗器です。熱によりアクティブになると、PTC 装置の抵抗が増加します。
また、PTC ヒューズは高周囲温度(イーサネット スイッチのシャーシ内部)に影響を受けやすいため、高温度にさらされた場合にこれらの装置はすぐにアクティブになることがあります。実際の電流しきい値は、回路電流からの熱と、シャーシ内部の周囲温度からの熱の両方の要因です。自動リセット ヒューズの利点は、アクティブな場合に、過電流の状態が修正されると、電力がラインに戻ることです。これらの装置の欠点は、装置は最初にアクティブになった後、装置の温度が通常温度または周囲温度に戻っても、通常は少し高い抵抗を示すことです。
スイッチの回路で障害が発生し、過電流が発生した場合、一部のスイッチの電源装置で使用されている標準的な高速ヒューズはオープンになります。これは異常ですが、実際に起こります。電源装置を交換するか(交換可能な場合)、スイッチを交換してください。
通常は、電気的なレギュレータが 1 つのポートあたりの PoE 電流を安全なレベルに制限します。ヒューズは、二次的な保護手段です。1 つのポートで過電流の状態になった場合、他のポートは影響を受けません。
一部の Cisco スイッチでは、パワー バジェットの調整を手動で行ったり、受電装置に供給された最大 PoE 電力を 1 つのポートごとに制御したりできます。
この例では、power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、受電装置が必要な実際の電力が既知であり、IEEE 分類によって決めることができない場合にスイッチのパワー バジェットを 7 W に調整します。これにより、スイッチのパワー バジェットが故意に枯渇することを防ぐことができます。
受電装置は power inline consumption コマンドで設定されたものよりも多くの電力を使用できるため、パワー バジェットの調整は慎重に行う必要があります。パワー バジェットが正確だと、スイッチが過電流の状態から保護されます。
この例では、パワー バジェットは特定のポートで手動により 4 W に調整されます。クラス 3 電話機が接続された場合は、4 W を超える電力が必要です。
この場合、システム レベルで残りの電力が利用可能になるため、電力は受電装置に供給されます。Syslog メッセージは、ポートに対して設定されたパワー バジェットを超える受電装置を報告するアラートです。ただし、受電装置は、スイッチの最大電力供給能力を超えません。
パワー バジェットがポートレベルで手動で調整された場合、show power inline 特権 EXEC コマンドは受電装置で使用された実際の電力ではなく管理目的で割り当てられた電力を示します。
受電装置で使用される電力を確認するには、次のコマンドを使用します。
この受電装置(Cisco 7970 電話機)の電力要求レベルは 10.25 W と 6.3 W です。電話機は、低い画面輝度で 6.3 W で稼動できます。完全な画面輝度には 10.25 W が必要です。例の電話機は 6.3 W で稼動します。
Catalyst 3750-E、3750、3560-E、および 3560 シリーズの PoE スイッチでは、受電装置に 1 つのポートごとに最大電力を供給できます。これにより、受電装置分類の上書きが可能になります。この例では、inline power static インターフェイス コンフィギュレーション コマンドにより、特定のポートに 5 W の絶対制限が設定されます。受電装置は 5 W の制限で許可されるよりも多くの電力を必要とし、インライン電力の供給が拒否されます。
電力が不十分な場合、シスコ製の受電装置からのループバックが永久的に行われることがあります(この結果、エラーによりポートがディセーブルになります)。 これは通常、inline power static max インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力した場合の不適切なオプション エラーの結果です(適切な電力制限を設定し、ポートに対して shut および no shut インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、エラーによりディセーブルになった状態を消去し、ポートのサービスを復旧します)。
show interface status 特権 EXEC コマンドを入力し、ポートの稼動ステータスを確認します。
この例では、ポート G5/0/1 は 5 W のスタティックな制限(受電装置が必要な最小電力未満)に設定されます。電力はスイッチのポートで拒否されます。ポート G5/0/1 の管理 PoE ステータスはスタティックであり、許可された最大電力は 5 W です。
クラス 3 受電装置には、デフォルトで 15.4 W が割り当てられます。電力が適用され、シスコ製受電装置が起動すると、CDP が有効になり、パワー バジェットを CDP から調整できます。一部の他社製のクラス 3 電話機(CDP なし)は 15.4 W の最大値よりも大幅に少ない電力を使用します(ただし、スイッチが実際の電力消費量を測定できない場合は 15.4 W が確保されます)。たとえば、Avaya 2620SW は約 8 W の最大値を使用します。電力消費量(割り当てられた電力)が 8 W または 9 W に制限されている場合は、スイッチのパワー バジェットがすぐに故意に枯渇しないため、より多くの電話機に電力供給できます。一部の受電装置は低下した電力で稼動できますが、通常は受電装置の機能が制限されます。たとえば、Cisco 7970 電話機は、アドバタイズされた最大電力要件よりも少ない電力を使用して低い画面輝度で動作できます。
新しいスイッチでは、特殊な目的の受電装置用に 1 つのポートあたりの電力を 15.4 W から 20 W に増加できます。複数のポートがこの増加された電力を同時に供給できますが、スイッチのパワー バジェットは早く枯渇します。
一部のスイッチの LED のシステム ステータス グループには PoE LED があります。この LED は各ポートのシステム PoE のステータスを示します( 表 2 を参照)。
最大 130 メートルの長さのカテゴリ 5 ケーブル(特に 10Base-T 用)で安定したイーサネット リンクを確立できることがありますが、10/100/1000Base-T イーサネット タイプの標準的なカテゴリ 5 またはカテゴリ 6 のケーブル最大長は 100 メートルです。
カテゴリ 5 およびカテゴリ 6 は、長距離のケーブルの高周波電送特性を定義します。これは、100Base-T およびギガビット イーサネットで重要です。ただし、PoE は特定の長さのケーブルの全体的な DC 抵抗に主に依存し、ケーブルの高周波電送特性にはほとんど依存しません。
PoE は、受電装置によって電流ループとして供給され、電流は送信ペアの両方のワイヤと受信ペアの両方のワイヤに流れます。 各ペアの両方のワイヤは、DC 回路の損失を減らし、過電圧と、最大 100 メートル長のケーブルでの電流の低下を防ぐために必要です。各ペアの両方のワイヤを使用することは、受電装置への DC 電流の供給に大きいサイズのワイヤを使用することと同じです。
ジャックまたはパッチ パネルで接続が不安定な場合は、イーサネットと PoE の両方に影響が出ることがあります。この場合は、不十分な電流が、長いケーブルに接続された受電装置に供給されることがあります(図 4 を参照)。
PoE は、100 メートル長のケーブルで PoE 電力を供給するために送受信ペアの両方の導体を必要とします(図 5 を参照)。送信または受信ペアの 1 つのワイヤがオープンな短いケーブルでは、受電装置の検出と分類は可能ですが、イーサネット リンクは可能でない場合があります。ペアのいずれかのワイヤがオープンな長いケーブルでは、受電装置を検出したり、受電装置に電力供給したりできないことがあります。
ツイストペア イーサネット ケーブルの 100 メートル制限は以下のことを前提とします。
• 90 メートルのソリッドストランド カテゴリ 5 または 5e
• 10 メートルのフレキシブル マルチストランド ケーブル(2 ~ 5 メートルのマルチストランド カテゴリ 5 パッチ コード)
マルチストランド ワイヤ(フレキシブル パッチ コード)が全体のケーブル長に使用されている場合は、60 ~ 70 メートルを超えるケーブルで安定したイーサネット リンクを確立することができないことがあります(伝送ラインの特性に依存します)。マルチストランド ケーブルは 100 メートル離れたほとんどすべての受電装置に適切な電力を供給できますが、マルチストランド ケーブルは 100 メートルのイーサネットに最適な伝送特性を持っていません。信号パスの各 RJ-45 接続は小さい量の信号損失を引き起こし、不安定な DC 接続ポイントになる場合があります。
イーサネットのパフォーマンスの問題と PoE のパフォーマンスの問題は関連することがありますが、有効な PoE 供給を行うのに長すぎるケーブルでイーサネット リンクを確立できることがよくあります。たとえば、一部のトランシーバ ペアは 120 メートルの問題がないカテゴリ 5 またはカテゴリ 6 ケーブルでイーサネット リンクを確立できますが、15 ワットが必要な受電装置には 120 メートルのケーブルで電力供給できないことがあります。機能するイーサネット ケーブルの最大長は通常、接続されたトランシーバの能力によって異なります。PoE 供給の最大長は通常、受電装置の電力要件によって異なります。
次の要因によって、イーサネットの信頼性とパフォーマンスは大きく影響を受けます。
• 信号パスのシングルストランドおよびマルチストランド ワイヤの量
• 信号パスのコネクタの数とすべてのメカニカルなコネクタの信頼性
• イーサネット ケーブルに影響する電気的なノイズの量と、その結果となる SNR の低下
• スイッチ ポートと受電装置の間の全体的なエンドツーエンド DC 抵抗
• AC の検出と AC の切断に対する、イーサネット ケーブルの電気的なノイズの量
オープンまたはショート状態のケーブル ペアに対するケーブル長を測定する場合は、ほとんどの新しいイーサネット スイッチに備わったケーブル診断(または TDR)機能が役に立ちます。ケーブル長は通常、オープンに対して測定されます(ケーブルの受電装置側には何も接続されていません)。ケーブル診断 TDR の利用と関連コマンドについては、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
PoE のトラブルシューティングには、複数のデバッグ機能を利用できます。すべての PoE ステータスおよびイベントに対してデバッグ機能をモニタできます。
特定のポートでの受電装置の検出と PoE ステータスを確認するには、debug ilpower port 特権 EXEC コマンドを使用します。
この debug ilpower powerman(インライン電力管理)例は、インライン(PoE)電力が供給された受電装置からの電力要求に関する情報を表示します。
分類が完了し、CDP メッセージが処理される前に、最初に 15.4 W が割り当てられていることに注意してください。この受電装置(Cisco 7970 電話機)は完全な画面輝度に対して 10.25 W の実際の電力要件を持ちますが、低い画面輝度で 10 W 未満で稼動できます。
PoE が適用され、powerman デバッグがアクティブなときにポートを管理目的でシャットダウンすると、これらのメッセージ(または同等のメッセージ)が表示されます。
電力は割り当てられていませんが、スイッチのパワー バジェットに戻されます。
このデバッグ例は、受電装置の検出の順序と結果を示しています。
この例では、受電装置がスイッチのパワー バジェットで利用可能な量よりも多い電力を要求しているため、インライン電力の供給が拒否されます。
検出、分類、および電力供給に関連する特定のイベントまたは機能をモニタするために、追加の複数の PoE デバッグ コマンドが利用可能です。
AC 電力ライン(メイン)のさまざまな問題によって、異常な PoE の障害が発生することがあります。AC 入力の問題に対する反応は、それぞれのスイッチと受電装置の電源装置によって異なります。AC の問題によって生じた障害は、通常一時的または一度だけ発生します。たとえば、特定のスイッチまたは受電装置が AC 電力の障害が原因でリブートする一方で、他のスイッチまたは受電装置は障害に対して大した反応を示さないことがあります。
この典型例として、雷や AC 電力の保守の場合が該当します。最悪の場合は、PoE の電源装置がシャットダウンすることがあります(どのポートに対しても PoE 出力電圧なし)。スイッチのイーサネット機能が正常に見え、PoE 機能だけが停止または機能低下していたり、AC の障害に反応してスイッチの電源が完全にオフになったりすることがあります。受電装置は異常な動作を示すことがあります。
このような場合は、スイッチの電源を再投入します(スイッチの電源コンセントを抜き、少なくとも 3 秒間待って、再び電源を投入します)。これにより、全体的なシステム リセットが行われ、正常な動作に戻ります。
スイッチの複数またはすべての PoE ポートが受電装置に電力を供給できず、shut および no shut インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力しても障害が解決されない場合は、電源の再投入によりスイッチの動作が正常に戻ることを確認します。動作が正常な場合は、障害の原因として AC 電力の障害を疑ってください。
AC 電力の障害は非常に短い間に発生するため、現場の人間によって発見されず、スイッチまたは他の電気的なシステムによって検出されることがあります。これが複数のスイッチで頻繁に発生する場合は、AC 電力の安定性と信頼性を注意深く調べてください。1 つだけのスイッチで頻繁に発生し、同じ場所にある他のスイッチで症状が発生しない場合は、TAC にお問い合わせください。