CDR 管理
バックグラウンド アプリケーションである CDR 管理(CDRM)機能は、次の機能をサポートしています。
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Unified Communications Manager サーバまたはノードから CDR リポジトリ サーバまたはノードに CDR/CMR ファイルを収集します。
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CAR が設定されているサーバ上で CDR/CMR ファイルを収集および保持します。
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CDR リポジトリ ノードまたは CDR サーバ上で CDR/CMR ファイルを保持します。
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サードパーティ アプリケーションが SOAP インターフェイスによって CDR/CMR ファイルをオンデマンドで取得できるようにします。
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ファイル名を検索するためのオンデマンドでの要求を受け付けます。
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CDR/CMR ファイルを、クラスタ内の個別のノードから CDR リポジトリ サーバまたはノードにプッシュします。
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CDR/CMR ファイルを、最大 3 台のカスタマー課金サーバに、FTP/SFTP 経由で送信します。
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CAR を設定したサーバ上か、CDR リポジトリ サーバまたはノード上の CDR/CMR ファイルのディスク使用率をモニタします。
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正常に配信された CDR/CMR ファイルを定期的に削除します。フラット ファイルを格納するために使用されるストレージの量を設定できます。ストレージの制限は事前に定義されています。ストレージの制限を超えた場合、CDR Repository Manager は古いファイルを削除して、事前に設定されている下限までディスク使用率を下げます。後処理アプリケーションは、バッファに格納された履歴データを取得して、損失、破損、不足しているデータを再度取得できます。CDRM 機能はフラット ファイルの形式に対応しておらず、ファイルの内容を操作しません。
(注) |
CDRM 機能は、CDR ファイルと CMR ファイルを同じ方法で処理します。 |
CDRM は、CDR Agent と CDR Repository Manager の 2 つのデフォルトのサービスと、1 つのアクティブ化サービス CDR onDemand Service で構成されます。
CDR エージェント
Unified Communications Manager インストール内のサーバまたはノード上の常駐コンポーネントが、CDRM 機能の一部の CDR Agent として機能します。Unified Communications Manager は、Unified Communications Manager と CDR Agent の両方が動作しているサーバまたはノードで、カンマ区切り値(CSV)形式の CDR フラット ファイルに CDR を書き込みます。このとき、コール処理モジュールによって特殊な制御文字("_")がファイル名の前に付けられます。これはこのファイルが転送に使用できないことを示します。この制御文字が付いていない場合、システムはファイルが転送に使用できると見なし、CDR Agent はこれらのファイルを指定された CDR リポジトリ ノードに SFTP 送信します。正常に転送されると、システムはファイルのローカル コピーを削除します。
CDRM 機能では、信頼性が最優先されます。CDR は重要な財務データを含むため、この機能の目的は CDR が一切失われないようにすることです。Unified Communications Manager は、CDR をフラットファイルに継続的に書き込み、既存のフラットファイルを閉じ、新しいファイルを開きます。書き込み対象のレコードの数は、コールのタイプと、通話中に発生する重大な変化(コールの終了、転送、リダイレクト、分割、結合など)によって異なります。
(注) |
Linux プラットフォームでは、CDR Agent は Unified Communications Manager が生成する CDR/CMR フラット ファイルを収集し、これらのファイルを SFTP でパブリッシャに送信します。Windows バージョンでは SFTP をサポートしていません。Windows プラットフォームでは、CDR Agent によって、サブスクライバのディスクから共有パブリッシャのディスクにファイルが直接コピーされます。 |
CDR Repository Manager
Unified Communications Manager サーバまたはクラスタ内で、CDR Repository Manager の 1 つのインスタンスが CDR Repository サーバまたはノード上で動作します。Unified Communications Manager ノードから受信された CDR ファイルを管理し、指定されたカスタマー/サードパーティの課金サーバに、FTP/SFTP 経由で CDR ファイルを定期的に送信します。
ファイルが CDR リポジトリ サーバまたはノードに到達すると、CDR Repository Manager がそれを検出します。システムによって、日付ごとの専用のディレクトリにファイルがアーカイブされます。この日付は、ファイルが作成されたときにファイル名に付けられる UTC タイムスタンプで示されます。
CDRM 設定で外部の課金サーバが指定されている場合は、CAR や対応する課金サーバがアクティブになると、CAR や請求サーバに対応する各フォルダにシステムによって空のファイルが作成されます。CDR Agent は、コール処理コンポーネントによって CallManager サーバまたはノード上に生成される新しい CDR/CMR ファイルをモニタします。次にファイルを CDR リポジトリ ノードに送信し、ファイルが押し出された後にローカル コピーを削除します。CDR Repository Manager のファイル送信側コンポーネントは、これらの空のファイルを検出し、指定された方法でファイルを宛先に送信します。送信が成功すると、システムは宛先ディレクトリの空のファイルを削除します。
各 Unified Communications Manager は、最大 1 時間にわたって 1 分ごとに CDR ファイルを 1 つと CMR ファイルを 1 つ生成できます。プロビジョニングによって、CDR リポジトリ内の CDR ファイルの保存に使用する最大ディスク領域を設定できます。
CDR Repository Manager のファイル マネージャ コンポーネントは、1 時間ごとに動作します。ファイル マネージャが動作すると、設定した保存期間を超える日付が付いたファイルが削除されます。また、ディスク使用率が上限を超えていないかどうかもチェックされます。上限を超えている場合、システムは下限に達するまで、処理済みの CDR ファイルを古いものから順に削除します。ただし、削除対象の CDR ファイルが指定された課金サーバに正常に送信されなかった場合、システムはそのファイルを CDR リポジトリに残し、通知またはアラームを生成します。システムは設定されたメンテナンス時間帯に、CDR onDemand Service のための CDR ファイルへのアクセスを拒否するフラグ ファイルを作成します。メンテナンス時間帯の終了後、システムはフラグ ファイルを削除します。
CDR onDemand サービス
CDR onDemand Service は、SOAP/HTTPS ベースのサービスで、CDR Repository サーバまたはノード上で動作します。これは、ユーザが指定した時間間隔(最大 1 時間)に基づいて CDR ファイル名のリストに対する SOAP 要求を受信し、要求で指定された期間に適合するすべてのリストを返します。
CDR onDemand サービスは、SFTP APIを使用して指定された宛先に特定の CDR ファイルを配布する要求も処理できます。すべての SFTP 接続で、各セッション設定のユーザ ID とパスワード情報が必要です。送信されるファイルごとに個別の SFTP セッションがセットアップされ、ファイルの送信後にセッションはクローズされます。システムは、リポジトリの CDR ファイルにアクセスする必要があるため、CDR リポジトリ ノード上で CDR onDemand サービスをアクティブにすることができます。メンテナンス時間帯には、システムはサービスを禁止します。CDR onDemand Service の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager 開発者ガイド』を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager リリース 12.x と以降のリリースの場合、CDR onDemand Service は、デフォルトでは有効になっていません。CDR onDemand Service を有効にする場合、このサービスを手動でアクティブにする必要があります。CDR onDemand Service をアクティブにするには、/usr/local/cm/bin/soapservicecontrol2.sh CDRonDemandService CDRonDemand deploy 8443 コマンドを実行します。