目次
- 対象範囲
- 導入計画
- 成功基準
- 導入モデル
- ウォーク スルー
- 予測計画
- インフラストラクチャの監査
- 物理的計画の監査
- 計画の評価
- 検証調査
- 導入モデル
- エンタープライズ クラス
- 要件
- 利点
- リスク
- 近距離
- 各部屋に 1 つ配置する場合
- 利点
- リスク
- インフラストラクチャの要件
- ベスト プラクティス
- 交互に配置する場合
- 利点
- リスク
- 要件
- ベスト プラクティス
- クライアントの要件:
- カバレッジ要件
- アプリケーション要件
- ワイヤレス LAN コントローラのベスト プラクティス
- AP のグループ化における推奨事項
- データ レートの設定:ローミングとロード バランシング
- RF プロファイルの推奨事項
- RLAN 設定のベスト プラクティス
- AP 配置の推奨事項
- まとめ
対象範囲
このドキュメントでは、寮の部屋の環境にワイヤレスを導入する際の推奨事項についての概要を説明します。これらの推奨事項は、製品の稼働を想定した設計パラメータを使用したベスト プラクティスの導入に基づいており、このドキュメントの作成者が現場を訪問して、観察結果と RF 予測データおよび実際の調査データを使用して実際の導入から得たものです。推奨事項は、ワイヤレス ネットワーク導入のベスト プラクティス モデルを使用して、レビュー、計画、および導入する必要があります。ワイヤレス導入はそれぞれ異なりますが、推奨事項は一般的な内容です。導入を行う前に、シスコ認定ワイヤレス LAN プロフェッショナルと計画をレビューすることを推奨します。
導入計画
計画の十分な検討は、導入を成功に導く基盤となります。計画には、成功基準、導入モデル、作業範囲、計画を実行するためのトレーニングとスキルを備えたチームを含める必要があります。次の手順は一例であり、導入によって手順を追加および削除して、独自の計画を作成する必要があります。手順には、成功基準の定義、施設のウォーク スルー、導入モデルの選択、予測調査および計画の作成、インフラストラクチャの監査、計画の評価があります。プロジェクトのすべての制約に適合するように予測段階で導入モデルを変更するという、反復的なプロセスになる可能性があります。計画が確定したら、計画を実行し、続いて検証の調査を行います。
成功基準
最終的な目標を設定しないと、何も達成できません。成功基準は、プロジェクトのステークホルダーの期待を実現するのに重要です。成功基準は簡潔かつ測定可能なものであり、プロジェクトのステークホルダー、導入チーム、および運用チームが同意して文書化しておく必要があります。設備の発注や導入モデルの選択の前に、成功基準を定義する必要があります。成功基準には、フロアで測定する平均信号強度だけでなく、AP でのクライアント信号強度、クライアントあたりの平均スループット測定値、特定のセルでサービス提供する平均クライアント数、任意の場所で重複している「セル」数が含まれます。設計上優先するのは 2.4 GHz または 5 GHz のどちらの Wi-Fi バンドかについては、戦略的な決定が必要です。これは、測定値がそれぞれ異なるためです。ベスト プラクティスは、大きな容量が得られる 5 GHz 用の設計です。最近のほとんどのデバイスは 5 GHz 動作をサポートしています。
「成功基準の例文」:「プロジェクトの成功は、すべての指定カバレッジ エリアで -65 RSSI の AP が少なくとも 2 つあり、平均データ レートが 150 mbps であること」
導入モデル
導入モデルの選択では、指定のエリア(本書では、寮または住宅)にワイヤレス サービスを導入する際にどのようなアーキテクチャを使用するかを選択します。寮形式の導入モデルについての詳細は、下記を参照してください。いずれの導入モデルの場合も、導入の手順はまったく同じですが、手順の一部やすべてを省略することはできません。
ウォーク スルー
ウォーク スルーは単なる現場の訪問ではなく、貴重なデータを収集するプロセスです。ウォーク スルー中には、物理的な設備の監査とインフラストラクチャの監査を行います。写真は(大量に)撮影しておく必要があります。訪問時にメモしなかったり、考慮しなかった重要な詳細事項を後で確認できることがあるからです。
フロア プランが必要になるので、現場を訪問する前に電子データで入手しておきます。現場でのウォークスルーには、メモ用の印刷物が必要になります。また到着後は、印刷したフロア プランも必要です。
ウォークスルーで最も重要なことの 1 つに、既存の RF とそれが物理的な構造にどのように作用するかを測定することがあります。類似した様式の建物でも、建設の手法、法律、および材質は時間と共に変化します。一般的に古い建物は、新しい建物や材質よりも RF の透過率が低くなります。ある建物から隣の建物への伝播の違いは、多くの場合、建物間の特性の違いが根本的な原因です。
少なくとも、RF カバレッジの測定方法が 1 つは必要です(Fluke AirCheck、Netscout G2、ラップトップ ベースの Wi-Fi スキャナ、Ekahau PSS などの調査ツール)。これらのツールは、互いにキャリブレーション済みではないことが多いため、同じタイプのツールの誤差について理解しておく必要があります。ただし、すべての測定で同じツールを使用するほうが確実です。iPhone のエアポート スキャン ユーティリティやお好みの Android アプリケーションでも、信号の認識方法を実際に確認できます。そして、他の測定方法との比較用に実際のクライアント データを収集できます。
上記の RF ツールだけでなく、印を記入できるフロア プラン一式も必要です。フォローアップや計画作成向けに電子形式のフロア プランも用意する必要があるため、ウォークスルー時にはその収集も行います。さらに、測定デバイスも必要です。100 m 以下の距離を正確に測定するモデルのレーザー測定デバイスは、それほど高価ではありません(110 ~ 150 ドル)。廊下で、または外壁にそって長い距離の測定を行って、フロア プラン上でその縮尺を確認します。これにより、後で図面の縮尺と正確性を検証できます。
少なくとも壁と床の RF 密度を把握するための測定値を収集します。上記のツールのいずれかを使用すれば、いくつかの場所で両側の壁または床を簡単に測定し、現場ごとの特性を把握できます。これは使用する導入モデルを決定するときに役に立ちます。それぞれの構造は大きく異なることが多いため、次の例を参照してください。1 つの建物で測定を行い、画一的な導入モデルを構築してしまうと、何らかの変更が発生し、それに気づかなかった場合に大きなコストが生じる可能性があります。
予測計画
ウォーク スルーから収集したデータを予測調査ツールを使用して入力し、目的の導入モデルを作成します。これは反復的なプロセスになる場合があります。成功基準に合わせてツールを調整する必要があります。予測プロセス中は、AP の出力と壁の減衰要因を控えめに見積もります。予測 AP をモデル化する際は、中規模のパワー レベルを使用することをお勧めします。パワー設定として 11 dBm(13 mW)を選択します。このように控えめな設定を使用することで、RF ネットワークに柔軟性を持たせ、設置後に発生する調整や細かい変更を可能にします。
インフラストラクチャの監査
スイッチ ポートおよび Power over Ethernet 容量のアクセス レイヤの評価が重要です。また、コア、アクセス レイヤ VLAN、および L3 ホップへのアップリンクを確認します。インフラストラクチャの要件では、寮でのアクセス増加に備えて、帯域幅増加の要件に対応できるようにしておく必要があります。アクセス方式は無線ですが、学生にとっては「インターネット」です。インターネットへの接続に遅延が発生すると、無線に問題があるということになります。多くの場合、新しいワイヤレス ネットワークが導入されても、デバイスのパフォーマンスはほとんど向上しません。それは、ネットワークのコアやインターネット エッジのアップストリームにボトルネックがあるからです。
物理的計画の監査
物理的な設備が、プロジェクト、配線、電力、および冷却の要件の増加に対応できることを確認します。これには、クローゼット内のイーサネット スイッチ発熱やケーブル配線のアップグレード、再配線などに対する PoE 予算が増加する可能性が組み込まれています。
目的が AP の追加や再配置でない場合でも、ウォークスルー時にすべてのアクセス クローゼットをフロア プラン上にマークし、利用可能な機器とオープン ポートについてのメモを取る必要があります。AP の追加や交換を行う場合は、ケーブル パスと距離が設計プロセスを満たすようにします。
計画の評価
予測計画をレビューし、誤差の範囲を考慮して、成功基準に従って検証します。計画がうまくいかない、またはうまくいかないと思われる場合は、予測計画を見直し、必要に応じて調整を行います。たとえば、AP を追加したり、既存の AP の位置を変更したり、設計の制約上不可能な場合は成功の基準を見直したりします。
検証調査
成功基準の達成を検証する唯一の方法は、現地調査による検証です。これは、分析する RF データを十分に収集するための受動的または能動的な巡回調査です。成功基準にネットワーク パフォーマンス メトリックが含まれている場合は、信号とスペクトルを測定するのと同時にネットワークのパフォーマンスを測定するアクティブ スタイルの検証調査が必要です。これは導入において最も重要な手順の 1 つであるため、いいかげんな調査を行わないようにする必要があります。この検証は、すべて計画に従って実行されます。この手順を省略すると、後日実行の段階になって関連コストが増える可能性があります。検証調査には、調査のクライアント パフォーマンス コンポーネントも含まれている必要があります。ここでは、RSSI が測定されるだけでなく、クライアントの通信性能も測定されます。ほとんどの調査ツールには、信号メトリックと iPerf 形式のパフォーマンス データを収集できるアクティブ モードがあります。
(注)
ネットワーク検証テストを実行するには、導入環境が調整されており、コントローラが実稼働環境に対応して設定されていることを確認します。
パフォーマンス検証は、パフォーマンス データの収集に使用するツールに応じて、慎重に行う必要があります。最大限の注意を払いながら、結果がネットワークの輻輳やサーバのパフォーマンスなどの外部要因に影響を受けていないことを確認します。speedtest.net などのインターネット ベースのツールを使用することは推奨しません。ローカル ネットワークからインターネットへのパフォーマンスの測定には適していますが、結果に誤差が発生する可能性のある要因がたくさんあります。スピード テストで使用するホストの iPerf は、テスト対象のクライアントと同じレイヤ 2 セグメント上の有線ネットワークのローカル キャンパス ネットワークに存在する必要があります。これにより、ワイヤレスのパフォーマンスがテストされ、キャンパス ネットワークが原因で発生する問題が排除されます。時間とリソースに余裕がある場合は、2 台目のホストを送信インターネット リンクの目の前に設置して、ワイヤレスとキャンパス ネットワークを 1 つのシステムとしてテストすることもできます。テスト用のホストは、パフォーマンス低下を引き起こす別のアプリケーションのリスクを軽減する用途にも使用する必要があるため、予想される負荷を処理できるように拡張する必要があります。
導入モデル
導入モデルには、エンタープライズ クラスと近距離の 2 つの基本的なモデルがあります。エンタープライズ クラスは、シスコの AIR-AP2802 や AIR-AP3802 シリーズなどのエンタープライズ クラスのアクセス ポイントを使用します。これらのアクセス ポイントは暗黙的ビームフォーミングのための ClientLink、スペクトル可視化のための Clean Air、フレキシブル ラジオ アサインメントのための XoR Radio などの多様な機能を備えており、2.4 GHz と 5 GHz のスペクトル カバレッジを適切に調整します。
ここで、「近距離」という用語はクライアントと AP の関係を示す目的で使用しています。一般的に知られている NFC または近距離無線通信プロトコルとは関係ありません。近距離導入モデルでは、AIR-AP1810w や AIR-AP1815w などのバリュー ベースのアクセス ポイントを、各部屋に 1 つ配置します。近距離 AP はクライアントの近くに配置し、低出力で動作することで、高い通信速度を実現しながら、近隣環境への干渉範囲を抑えるよう設計されています。これは、消費するエアタイムが少なく、より効率的で大きな容量が得られることから、理想的な特性であるといえます。
エンタープライズ クラス
要件
利点
AP の数を減らせる可能性があります。施設内の RF 減衰に応じて、RF 計画が適切に設計されているため、成功基準を満たすと同時にアクセス ポイントの合計数を減らせる可能性があります。
高クラスの AP は優れた性能を発揮します。AP-3802 や AP-2802 などのアクセス ポイントを使用すると、AP-1810w シリーズでは実現できないメリットが生まれます。主な機能は、ClientLink、CleanAir、フレキシブル ラジオです。
シスコの ClientLink は、暗黙的ビームフォーミングを実装します。アクセス ポイントに 4 つのトランスミッタを使用でき、クライアントの方向に信号を向けて SNR を向上させることで、速度の向上とエアタイム消費の削減を実現し、セル全体の効率性と容量を向上します。明示的ビームフォーミングとは異なる暗黙的ビームフォーミングの利点として、クライアントがサウンディング フレームをサポートする必要がありません。1 つのアクセス ポイントで 100 台のクライアントを処理する内部テストによると、ClientLink を有効にすることによって、パフォーマンスに約 15 % の向上が見られました。
フレキシブル ラジオは AP-2802/AP-3802 でのみサポートされている XoR Radio です。XoR Radio の柔軟性により、アクセス ポイント上の 2 番目の無線の動作に影響を与えることなく、b/g/n 無線、a/n/ac 無線、またはモニタ モード無線といった異なるモードで使用することができます。XoR またはフレキシブル ラジオのモードを変更する機能により、アセットを無効にすることなく 2.4 GHz の周波数を適切に調整できるようになります。
Clean Air は内蔵型スペクトラム解析技術で、RF 環境の忠実度を向上します。独自のアルゴリズムによって AP が Bluetooth などの過渡ノイズや干渉となり得るものを認識できるため、AP とコントローラがノイズや干渉を識別しやすくなります。このため、チャネルをより適切に判別できるので、ネットワーク管理者が干渉の原因を調査しやすくなります。
近距離
近距離導入モデルは、クライアントがアクセス ポイントから「近く」なるように、AP をすべての部屋に配置するモデルです。ユニットを一部屋おきに配置して導入を検証することもできます。この形での近距離導入には、軽減すべき一連の関連リスクがあります。
AP 1810 と AP1815 は共に予備のスイッチド イーサネット ポートを備えており、室内での有線接続に対応しています。各 AP には 3 つのポートがあり、イーサネット サービスを提供したり、構成上有線ポートが必要な場合に各部屋に必要なポートの数を減らすことができます。有線ポートが不要な場合でも、将来的に必要になったときに、配線を追加することなく機能を提供することができます。181xW シリーズ AP の説明をしたところで、次にコントローラのリモート LAN の概念を説明します。スイッチド イーサネット トラフィックで 2 つの導入モードを選択できます。ローカル モード(イーサネット トラフィックが CAPWAP トンネルを経由してコントローラに提供される)と FlexConnect モード(イーサネット トラフィックが AP にローカルでドロップされる)です。FlexConnect は、すべてのトラフィックをコアでスイッチするか、そのジョブをローカル アクセス スイッチを介して AP またはクライアントにプッシュするよう設定できます。1810W および 1815W の導入ガイドでは、両方のモードの設定方法について説明しています。
各部屋に 1 つ配置する場合
交互に配置する場合
リスク
廊下と共用エリアのカバーが必要になる可能性があります。
部屋の水平方向または垂直方向をカバーするように AP を配置することが重要です。適切な測定、モデル化、導入を行うために注意が必要です。ここで次のベスト プラクティスを参照してください。
ベスト プラクティス
- 設置場所を標準化します。(上記を参照)
- アクセス ポイントの前に物を置かないでください。家具がアクセス ポイントを覆わないようにします。大きな物は信号の減衰を引き起こします。冷蔵庫などにより、信号の錯乱とパフォーマンスの低下が起こる可能性があります。このため、RSSI 値が高くても、データ レートが想定より低くなる可能性があります。
- 壁面/天井の構造による RF の減衰を十分に認識しておいてください。部屋の水平方向または垂直方向のカバレッジを計画する場合、信号が資材を通過する際の損失を理解することが重要です。導入前後の調査では、壁にある AP の位置、隣接する部屋でのクライアントの位置(水平方向(同じフロア)と垂直方向(上のフロアと下のフロア))を考慮します。
- 2.4 GHz に調節して、TX のパワーを切断し、一部の無線をオフにして、同一チャネル干渉(CCI)を防止します。
- RF プロファイルを使用して 2.4GHz に制御し、すべての 802.11b デバイスを無効にします(実際に古い 802.11b デバイスがある場合を除く。その場合は古いデバイスの交換をできるだけ早く検討してください)。
- 以前と同じ導入モデルがカバレッジやパフォーマンスを向上させるとは考えないでください。AP を垂直方向に積み重ねると、水平方向に隣接する部屋でカバレッジ ホールが発生する可能性があります。室内で AP を垂直方向に積み重ねることで発生する、同一の部屋における RF ギャップについては、図 5、6、7 を参照してください。
クライアントの要件:
カバレッジ要件
クライアントに適切なカバレッジは、クライアントから提供されるドキュメントによって決まります。多くの大学では Apple 製のクライアントが使用されているため、Apple より提供された要件をガイドラインとして使用します。次を参照してください。 https://support.apple.com/en-us/HT206207
概要:
- OS X は、5 GHz ネットワークに対する RSSI が -68 dBm 以上である場合、2.4 GHz 帯よりも 5 GHz 帯を常に優先的に選択します。
- OS X クライアントは、RSSI が -75 dBm のしきい値を超えるまで現在の BSSID 接続をモニタして維持します。そのしきい値を超えると、OS X は現在の ESSID に使用するローミング候補の BSSID を探してスキャンします。
- OS X は、報告された RSSI が 12 dB であるターゲット BSSID、または現在の BSSID の RSSI よりも高いターゲット BSSID を選択します。これは OS X クライアントがアイドル状態の場合、またはデータを受信/送信中の場合でも同様です。
クライアントによっては、特定のカバレッジ要件またはデータ レート要件が存在する場合があります。たとえば Sony PlayStation 4 は、2.4 GHz のみをサポートするデバイスで、接続に 1 メガのデータ レートを必要としますが、802.11g データ レートをサポートします。
(注)
1 Mbps のデータ レートを最小要件またはサポート範囲にすることで、2.4 GHz で使用可能な帯域幅が、802.11b データ レートを単純にすべて無効化した場合と比べて約 50 % 低下します。802.11b レガシー データ レートには 802.11g 保護メカニズムが必要ですが、これにより必要な管理オーバーヘッド シグナリングが 2 倍になります。お客様の寮に従来の 802.11b クライアントが実際に残っている可能性は低いでしょう。接続されたプロトコル下の WLC GUI のホーム メニューで確認してください。1、2、5.5、11 Mbps のデータ レートを無効にするのが現在の「ベスト プラクティス」です(以降の「ワイヤレス LAN コントローラのベスト プラクティス」/「データ レート」を参照してください)。
アプリケーション要件
寮環境には、学習スペースとエンターテイメント スペースが混在しています。この環境で使用されるアプリケーションを把握すると、ネットワークの規模と構成を正しく設定できるようになります。ほとんどの寮では、学習管理システム、YouTube、Netflix、Hulu、SlingTV などのインターネット ビデオ サービス、ローカルおよびキャンパスの印刷サービス、Xbox Live などのゲーミング ネットワークといったアプリケーションにアクセスします。帯域幅、RF バンド、データ レートの要件は、ネットワークやデバイスごとに異なります。
データ レートのレンジを高くすると、アプリケーションで必要なスループットを得るのに役立ちます。図 8 の例を参照してください。
上記の図 9 では、3 つの空間ストリームをサポートする Cisco 2802i を除くすべての Cisco AP が 2 つの空間ストリームをサポートしています。エンタープライズ クラスの AP 機能(ClientLink)と 3 つの空間ストリームをサポートするいくつかのクライアントを組み合わせているため、高いスループットが得られています。ここで重要なのは、1 つのセルに多くのクライアントを追加すると、より多くのクライアントが実質的に同じ総スループット容量を共有する、または共有する容量が減るということです(管理オーバーヘッドが発生するクライアントが増えるため)。これは、クライアントあたりの平均スループットにどのような影響を与えるのでしょうか。Cisco AP1815 の合計スループットは、10 台のクライアントを処理する場合は 403 Mbps です。クライアントあたりのスループットは 40.3 Mbps と考えられます。クライアントが 20 台の場合の合計スループットは 358 Mbps に下がります。クライアントあたりのスループットは平均 17.9 Mbps です。
(注)
上記の図とスループット速度から分かることは、帯域幅が単一セルの全クライアント間でのみ共有されるということです。これは各クライアントのスループットが同じという意味ではありません。各クライアントのパフォーマンスは、他の多くの要因にも左右されるためです。Wi-Fi セル内での特定のクライアントの動作は、AP からの距離、他のセルやクライアントからの干渉、クライアント機能などの影響を受けます。
通常、ほとんどのユーザは、インターネットの応答時間が遅くない限りは(ほとんど主観的なものです)満足しています。寮では、クライアントあたり 20 Mbps を割り当て、ジッター/パケット損失率を低くすれば、全員がほぼ満足するでしょう。1810/1815 は 10 ~ 20 人の学生が 1 つの AP を共有する状況で、この要件を簡単に満たすでしょう。ここでは、学生達が RF カバレッジ エリアのセルに居るものとします。信号により多くの減衰が発生すると(壁、床、人、物など)、信号対雑音比(SNR)は低くなります。SNR が低下すると、到達可能なデータ レートが下がり、エアタイムの消費が増えます。つまり、全体的な容量が低下します。このことが、近距離導入モデルが多様な建築物に適している一番の理由です。AP がクライアントに近接している、または近距離にあると、サポートされるデータ レートが最大になり、エアタイム効率が向上して、ノイズの影響が全体的に軽減されます。
ワイヤレス LAN コントローラのベスト プラクティス
WLC 構成は使用する構築タイプや導入モデルによって異なりますが、以下ではベスト プラクティスや、個別の環境に応じて適用する構成を判断する方法とその理由について示します。
現在のワイヤレス ベスト プラクティスの完全なリストについては、Cisco Wireless LAN の iOS デバイスの「Enterprise Best Practices」を参照してください。このガイドは最近更新されました。一般的にはベスト プラクティスに焦点を当てており、特にシスコのデバイスに関する Apple と シスコ間のパートナーシップについて記載されています。
AP のグループ化における推奨事項
AP のグループ化は、寮内の建物、フロア、導入される AP タイプごとに行うことをお勧めします。これにより、役割や担当エリアが同じ AP に対して、各調整項目を最も細かく制御できます。最初の RF 設定が基本的に同じ場合、すべての AP グループに同じ RF プロファイルを使用して問題ありません。グループ化しておくことで、今後必要になった場合に、個別ユーザに RF プロファイルの割り当てを変更できます。特定のエリアの役割や要件が将来変わった際には、新たな RF プロファイルに必要な変更を加え、該当する AP グループにそれを割り当てます。
このアプローチでは多くの AP グループが作成されるため、管理が困難になる可能性があります。次善策は、各建物の AP タイプごとに AP グループを作成することです。これにより、個々の建物のプロパティと SSID を要件ごとに調整しながら、追加する AP グループの数を最小限に抑えられます。状況によっては、特定のフロアや部屋を独自のグループに追加する必要もあります。これはいつでも実施できます。AP はいつでも他のグループに再度割り当てられますが、AP を一度に複数のグループに割り当てることはできません。
なぜきめ細かい制御が必要なのでしょうか。たとえばキャンパス全体の導入では、すべての AP が物理的には同一だとしても、担う課題や機能的な役割は異なります。こうした差異は、RF カバレッジと RF 容量間のギャップによって発生します。
- 逆に講堂では、クライアントが多く混雑する室内(150 ~ 500 台以上)でも十分な帯域幅を提供できるよう、同じ部屋内に近距離で複数の AP を設置します。講堂での用途には、プレゼンテーション専用ミラーリング、テスト用アプリケーション、デスクトップへのビデオ配信、YouTube や Twitter の視聴や投稿なども含まれます。高密度クライアントに対する導入では、RF の設定要件がシナリオごとに異なります。
- クラスルームでは、面積が講堂よりも小さいため、クライアント数も少なくなります。ただしクラスルームには一定のパターンを適用できます。つまり、建物によって異なりますが、単一の AP により 1 つ以上の部屋をカバーするというものです。また、RF パスに内壁と構造が含まれる場合、AP 間の RF 距離が長くなるため、講堂とは異なる設定が必要になります。
- 講堂やクラスルームの建物では、廊下と玄関において授業間のローミング(モバイル性が高い)ニーズを満たす必要があります。ただし隣接するクラスルームや講堂への移動に対応し、シームレスにハンドオフできる必要もあります。
- 学生が日常生活をおくる寮では、Wi-Fi がコミュニケーション、エンターテイメント、学業といったあらゆる方法で活用されます。比較的クライアント数の少ない、壁と構造で区切られた複数の小さな部屋では、上記のシナリオと同等の調整は不要ですが、ただしデータ レートと出力を最適化し、セルを適度に分離することで、AP 間で負荷のバランスを調整する必要はあります。
上記 4 つのシナリオでは、AP 数、AP の想定カバレッジ エリアから、対応すべきクライアント密度や用途に至るまで、導入目的がすべて大きく異なります。エンタープライズ形式で AIR-AP3802i を導入している 1 つの寮内であっても、部屋と共用エリアでは導入タイプがまるで異なります。ここでは、同じ AP モデルが、2 つの異なるカバレッジのタスク/想定に割り当てられています。
近距離フィールド導入では、AP タイプを混在させ、バリュー ベースの 181xW シリーズを寮内の部屋のカバレッジ、エンタープライズ グレード 3802 シリーズを共用および高トラフィック エリアに配置する必要があります。これは、マクロ/マイクロ タイプのモデルです。マクロ セルは、広くて対象カバレッジのパスに壁が少ない傾向のある共用エリアのカバレッジ提供用、マイクロ セルは RF バリアで定義される多数の小さなカバレッジ エリアです。マクロのジョブは、マイクロ カバレッジ エリアへの経路途中およびエリア間における一時的なトラフィックを処理します。これら 2 つのカバレッジ タイプでは目的と設定が異なるため、分けて考える必要があります。
データ レートの設定:ローミングとロード バランシング
寮または集合住宅施設で AP 対クライアント数の比率が与える影響は、リアルタイムの音声やビデオを使用するオープンな企業オフィス環境の場合ほど大きくはありません。適切な最小データ レートを選択する上での主な課題は、最も近い AP へのクライアント接続を促すことで、ネットワークの効率性を最適化することです。密集した環境で比較的高い最小データ レートを選択すると、クライアントに高いデータ レートの選択を強制できるため、エアタイム利用率が向上します。効率性が向上すると容量が増え、周辺セルの遅延スループットが減少します。最小データ レートが 18 Mbps でそれよりも小さいデータ レートをサポートしていない場合、クライアントが接続を完了し、18 Mbps の最小データ レートを使用しなければ、通信ができなくなるということを確実に伝達します。
選択したデータ レートが低すぎると、クライアントは近くの AP とローミングせずに、遠くの AP と接続します。これにより干渉が発生します。また、無線ではトランザクションの規模が同じ場合、より滞空時間が長いため、データ レートの低下によりエアタイムが浪費されます。
選択したデータ レートが高すぎると、カバレッジ エリア内のセル間にカバレッジ ホールが発生します。データ レートを高くすると、より高レベルの信号が機能する必要があり、その結果セルのカバレッジ エリアが縮小するためです。AP に近づくほど、より高いデータ レートを達成できます。たとえば、18 Mbps を使用すると、それ以下のデータ レートはサポートされないため、アクセスが規制され、セル全体のカバレッジが実質的に縮小されます。最小必須データ レート(18 Mbps)で AP から一定距離離れると、復調のために信号レベルが低下してしまうので Wi-Fi として認識されません。これによりクライアントは、復調可能な距離に近づくまで、使用可能な AP のビーコンを受信できなくなります。データ レートを 24 Mbps に上げると有効なセルはさらに小さくなり、9 Mbps に下げるとセル エッジが AP からより遠くなるため、カバレッジ エリアはより広くなります。
クライアントまたは AP によって使用されるデータ レートは、どちらの方向でも信号対雑音比(SNR)の関数です。クライアントや AP などは、無線リンクの条件変化に応じてデータ レートを上げたり下げたりするよう設計されています。各データ レートには、対話をサポートするために必要な最小 SNR があります。これらはすべて自動的に設定され、特にクライアント側においてはシスコの制御対象外です。ただし、ネットワーク側から多少の制御を強制することは可能です。
データ レートは次の 3 つの状態のうちの 1 つに設定できます。
- 必須:クライアントがそのデータ レートをサポートし、接続のためそれ以上のデータ レートで動作する必要がある
- サポート対象:AP がそのデータ レートをサポートし、クライアントが AP と通信する際にそのデータ レートを使用する
- 無効:AP がそのデータ レートをサポートせず、そのデータ レートを使用してクライアントに応答することもない
最初に選択する必須データ レートにより、全ビーコンとその他管理トラフィックが使用する速度が決まります。2 番目に設定する必須データ レート(最初に設定したものより常に高い)は、デフォルト設定(自動)を使用していない場合、デフォルトのマルチキャスト データ レートとして使用されます。サポート対象のデータ レートのうち、必須データ レートよりも低いデータ レートは、無効に設定しておく必要があります。低いデータ レートを有効にしておくと、クライアントが本来はローミングするべき状況でも AP に接続してしまうため、ローミングの速度や応答が遅くなります。
(注)
2.4 GHz を使用するいずれの場合でも、1、2、5.5、および 11 のデータ レートは常に無効にしておく必要があります。レガシーの 802.11b デバイスが設置されているのは、病院、保管倉庫、小売チェーンの場合がほとんどです。
(注)
上記の 3 つの設定は、レガシー データ レートにのみ適用されます。HT または VHT レートには適用されません。これは、すべての HT および VHT クライアントと AP は管理トラフィックとビーコンに 802.11a プロトコルのみを使用するためです。後方互換性をサポートするための、設計上の仕様です。HT および VHT で許可されるデータ レートの調整は、必須でも推奨でもありません。クライアントごとに判断してください。
選択するデータ レートは、導入形式によって異なります。強力な 5 GHz カバレッジ(-60 dBm のセル エッジ)を使用すると、最初の必須データ レートを簡単に 18 ~ 24 Mbps に設定して、12 以下を無効にすることができます。密度の高い環境では、クライアントが使用可能な AP に接続できるよう、24、36、および 48 Mbps まで使用することがあります。
それでは、適切なデータ レートはどのように選択できるでしょうか。まずは控えめに設定します。
近距離導入の目的は、AP とクライアントをなるべく近付けることです。そのため、きわめて高いデータ レートをサポートする必要があります。導入形式としてエンタープライズ(廊下と共用エリア)と近距離(個々の部屋のカバレッジ)を組み合わせる場合、各部屋に十分なカバレッジを設定し、ドアが開いた状態で廊下とわずかにオーバーラップするようにすれば、非常に高いデータ レートを達成できます。ただし、部屋から廊下までカバレッジを広げる場合は、それを考慮して、より低いデータ レートを使用します。適切なローミングを可能にするためには、隣のセルとの間に適切なオーバーラップを設定して制御する必要があります。下記に調整方法の例を示します。
- 最初の必須データ レートとして 12 Mbps から開始します。
- カバレッジ ホールのアラートをモニタします(最初はカバレッジ ホールのしきい値を設定します。デフォルトは -80 ですが、-75 程度にします)。これにより、AP でカバレッジがしきい値よりも低いクライアントが確認されるとアラートが発行されます。カバレッジ ホールが室内スペースに発生した場合(人の出入りにより、一般的には入口付近の AP でアラートが発生します)、9 Mbps に下げます。
- Prime や CMX を使用して、どの AP のクライアントが接続しているかをモニタすることもできます。クライアントが使用可能な 2 つの AP 間をスキップし、3 番目の AP に接続している場合、導入環境におけるデータ レートは非常に低くなります。データ レートをいったん 18 Mbps まで上げる必要があります。
- これに加えて、導入後調査を行い、ローミングとカバレッジを確認して、結果を基に調整することをお勧めします(強力なカバレッジ = 5 GHz で -60 dBm:多くのクライアントで認識が困難になるため)。実際に調査を行い、内部アダプタでネットワークへの ping を維持している場合、セルのオーバーラップ エリアでパケット ドロップの増加を確認できるでしょう。
寮での近距離導入の目的は、クライアントが十分な高さのデータ レートで使用可能な AP に接続できるようにすることです。上記の例を考えると、これは調整により実現できます。調整は、必ずしも必要ではありません。ただし、設定を最適化することで、多くのトラブルの発生を回避することができるでしょう。ここでは、1 つの建物、エリア、またはフロアについて検討しています。お客様の設定結果は複数の環境に適用できる可能性がありますが、管理しているすべての設置環境に適用できるわけではありません。そこで、AP グループや RF プロファイルを使用する必要が生じます。
RF プロファイルの推奨事項
RF プロファイルは、グループ内の特定の AP の RF 動作に対してきめ細かい制御を提供するために使用されます。このプロファイルは AP グループに適用され、その環境に最適なパフォーマンスを実現するために RF を調整します。以下に示しているのは、寮環境向けの RF プロファイルの作成方法の例です。次の表は RF プロファイルのデフォルト設定に必要な変更を表しています。これらの推奨設定は始めの一歩であり、導入後の調査結果に基づいたより細かい調整が必要な場合もあります。RF プロファイルはバンドに固有のものであり、5 GHz 帯または a/n/ac プロトコルに 1 つ、2.4 GHz 帯または b/g/n プロトコルにもう 1 つ作成する必要があります。これらの設定は一例であり、お客様の導入では異なる設定を必要とする可能性があります。
RF プロファイル 1810wDorm 9802.11a/802.11b は室内の近距離 AP 用です。3802Dorm プロファイルは共用エリアのエンタープライズ カバレッジ用です。
RF プロファイル名 バンド 無効のレガシー データ レート サポート対象のレガシー データ レート 必須のレガシー データ レート 最小 TPC 最大 TPC 1810wDorm-5GHz 802.11a 6、9 *18/12、36、48、54 *12/18、24 10 17 1810wDorm-2.4GHz 802.11b 1、2、5.5、6、11 9、18、36、48、54 12、24 -1 7 3802Dorm-5GHz 802.11a 6、9 18、36、48、54 12、24 10 17 3802Dorm-2.4GHz 802.11b 1、2、5.5、6、11 9、18、24、36、48、54 12 10 17 RLAN 設定のベスト プラクティス
RLAN は、無線クライアントと同様のエクスペリエンスを 18xxW シリーズ アクセス ポイントの有線ポートで実現するという考え方です。RLAN のローカル モードでは、有線トラフィックは CAPWAP データ トンネルを通過してコントローラに戻り、WLAN のローカル モード トラフィックと同様に集中管理されます。アクセス ポイントが Flexconnect モードに設定されている場合、有線トラフィックは、「ローカルでスイッチされた」モードの WLAN トラフィックと同様、ローカルにドロップすることができます。
これは非常に大きなテーマであり、『Enterprise Mobility 8.1 Design Guide』で分かりやすく説明しています。
「Chapter 7 FlexConnect」を参照してください。なお、ローカルでスイッチされた AP1815 のイーサネット ポートは、室内ゲーム、印刷、ネットワークのコアで実行する必要のないその他のトラフィックに適しています。構成情報は、AP 1815 のイーサネット ポートで実行できる内容と共に『AP 1815 Wall Plate Deployment Guide』に記載されています。
AP 配置の推奨事項
近距離での導入
AP は、障害物の後ろや金属製品の近くに配置しないでください。信号に悪影響を与え、パフォーマンスが低下する恐れがあります。クライアントと AP がお互いに障害にならないようにライン オブ サイト(LOS)を保って設置すると、最も効果的なパフォーマンスが得られます。
LOS が実現できない状況では、結果を再度確認(事後調査)することが特に重要です。少なくとも障害物がパフォーマンスと伝播に与える影響を理解し、それを文書化することで、問題の回避に役立つ可能性があります。
壁を挟んだ同じ位置に AP を配置しないようにしてください。他の AP による自己干渉を回避するために、交互に配置したり、補うように配置する必要があります。
エンタープライズ環境での導入
廊下の AP は、廊下のみをカバーするようにします。AP を廊下に並べ、室内までカバレッジを広げようとしないでください。このタイプの最小導入では、必要に応じてカバレッジを広げるように構成を追加する必要があります。このためには、通常カバレッジが障害物を超えて目的の範囲まで到達するよう、出力を上げる必要があります。廊下自体は電波のガイドとして機能します。壁で電波が反射し、同一チャネル干渉が大幅に増加します。5 GHz チャネルではすぐにははっきりと分からないかもしれませんが、2.4 GHz の干渉は即座に減少します。ユーザがネットワークに接続すると、チャネルの使用率の上昇とスループットの低下が顕著になり、同一チャネル干渉が増えます。
大きな吹き抜けなどの空間があり、そこに複数のフロアが面している建物内に AP を設置する場合、各セルのカバレッジが吹き抜け内で大きくオーバーラップしないように注意する必要があります。
いずれの場合も、実際の現地調査や正確な予測モデルを利用して配置方法を確認し、干渉を最低限に抑えることが必要です。
まとめ
- 組織の現在のニーズと将来期待される(または予期せぬ)成長を実現するソリューションを導入するには、データ主導の意思決定に基づいて計画を作成することが必要不可欠です。成功を評価して実証するには、最初に「成功基準」を定義し、ニーズを満たすアーキテクチャと導入モデルを選択する必要があります。
- どの導入モデルを選択するかの判断は、文書化された成功基準と対象の導入場所の物理的な属性に基づきます。建設タイプと RF が「一般的に」どのように作用するかについては、実際に観測することでしか検証できません。もちろん、1 つの場所での測定をベースとしたフロア プラン、建設方法、および経過期間に基づいて設備グループを分類できます。導入後に運用してから分類が間違っていると大きなコストが発生する場合があります。各現場を少なくとも 1 回は物理的に訪問し、問題が発生する可能性のある違いについて簡単に評価しておくことを推奨します。
- 成功基準の達成を検証できるのは、客観的な測定と観察を実行した場合のみです。作業の実行が契約で定められている場合は、それがさらに重要になります。成功基準の達成を証明するツール、メトリック、および方法の詳細を契約書で定義する必要があります。
- ワイヤレス テクノロジーは、市場で進化を続けています。新しいプロトコル、高度な規格、これらをサポートする進化したクライアントによって、優れたパフォーマンスを実現し、従来より簡単で低コストなため、ユーザは満足しています。実際の経験や類似環境から得られた知識を元に開発されたオプションと、推奨されるベスト プラクティスを理解するようにしてください。
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