ネットワークまたは電気ボックスへのアクセス ポイントの取り付け
次の取り付けについての説明では、吊り天井、表面の固い天井または壁、電気ボックスまたはネットワーク ボックス上、および吊り天井の上面など、複数のコンフィギュレーションで Cisco Aironet 3600、3500、1260、1140、1130、および 1040 シリーズ アクセス ポイントを取り付ける手順を説明します。
アクセス ポイントの取り付け部品は、アクセス ポイントの底部に取り付けるブラケット、および吊り天井にブラケットを取り付ける天井グリッド クリップで構成されます。必要なブラケットは、アクセス ポイントの取り付け位置によって異なります。必要な天井グリッド クリップは、アクセス ポイントを取り付ける必要がある吊り天井のタイプによって異なります。表面の固い天井または壁にアクセス ポイントを取り付ける場合は、天井グリッド クリップは不要です。
• 薄型ブラケット(AIR-AP-BRACKET-1)を使用すると、アクセス ポイントを天井に密着して取り付けられますが、ネットワーク ボックスや電気ボックス、壁面への取り付けには対応していません。図 1 に、アクセス ポイントに取り付けた薄型ブラケットを示します。
• ユニバーサル ブラケット(AIR-AP-BRACKET-2)は汎用的に使用(電気ボックス、壁面、天井への取り付けに対応)できますが、薄型ブラケットを使用した場合に比べ、取り付け面とアクセス ポイント間に隙間ができます。設置場所によっては、ケーブルを配線するためのスペースとして、この隙間が必要になります。図 2に、アクセス ポイントに取り付けたユニバーサル ブラケットを示します。
(注) AP1130 には特殊なブラケットが付属しています。ここに記載されているブラケットに関する情報は、AP1130 には適用されません。
図 1 アクセス ポイントに取り付けられた薄型のマウント ブラケット
図 2 アクセス ポイントに取り付けられたユニバーサル ブラケット
アクセス ポイントを吊り天井に取り付けるには、天井グリッド クリップを使用します。必要な天井グリッド クリップは、天井の天井タイルによって異なります。次の 2 種類の天井グリッド クリップがあります。
• 天井グリッド クリップ、埋め込み式(AIR-AP-T-RAIL-R):天井タイルが天井グリッドの下に取り付ける場合、このクリップが、AP と天井の間で最もしっかりとはまります。
• 天井グリッド クリップ、フラッシュ(AIR-AP-T-RAIL-F):天井タイルが天井グリッドと同じ高さである場合、このクリップが、AP と天井間にしっかりと合います。
図 3 に、天井グリッド クリップを示します。
天井レール(天井タイルのサポート)の最も一般的な種類は、T レールです。T レールの天井レールに天井グリッド クリップを直接取り付けることができます。ただし、チャネル レールやビーム レールなど、その他の種類の天井レールでは、追加のアダプタ クリップ(AIR-CHNL-ADAPTER)が必要です。アクセス ポイントごとに 2 つのアダプタ クリップが必要です。クリップの止めネジで、天井レールにしっかりと固定します。
図 4 に、3 つの種類の天井レール(T レール、チャネル、およびビーム)を示します。図 5 に、マウント ブラケット、天井グリッド クリップ、およびアダプタ クリップを使用して取り付けられたアクセス ポイントを示します。
図 4 T レール、チャネル、およびビーム天井のレール タイプ
図 5 天井グリッド クリップを使用して取り付けられたアダプタ クリップ
アクセス ポイントを標準または埋め込み式の吊り天井の下面に取り付ける手順は、次のとおりです。図 6 に、天井グリッド クリップを使用して T レールの天井レールに取り付けられたアクセス ポイントを示します。
アクセス ポイントを吊り天井の下面に取り付ける手順は、次のとおりです。
ステップ 1 吊り天井でアクセス ポイントを取り付ける位置を決めます。
ステップ 3 T レールの上に天井グリッド クリップを置き、適切な移動止め(A、B、または C)で閉じます。
ステップ 4 クリップが T レール上をスライドしないように、ドライバを使用して 2 本の天井グリッド クリップ固定ネジを締めます。
ステップ 5 T レール幅に対応する天井グリッド クリップ幅移動止め(A、B、または C)を確認します。
ステップ 6 天井グリッド クリップの取り付け穴に、マウント ブラケットの対応する穴(A、B、C)を合わせます。
ステップ 7 取り付けブラケットを押さえて、6-32 x 1/4 インチ皿ネジを、4 つの対応する穴のそれぞれ(A、B、または C)に差し込み、締めます。
ステップ 8 必要に応じて、天井タイルに、イーサネット ケーブルと電源ケーブルに十分な大きさのケーブル アクセス穴をドリルで空けるか切断加工します。アクセス穴からケーブルが約 1 フィート(30.48 cm)出るまでケーブルを引き出します。
ステップ 9 (任意)アース ネジを使用して、アクセス ポイントを建物の適切なアース端子に接地します。一般的な接地手順については、「アクセス ポイントの接地」を参照してください。
ステップ 10 イーサネット ケーブルと電源ケーブルをアクセス ポイントに接続します。
ステップ 11 マウント ブラケットの鍵穴取り付けスロットに、アクセス ポイントの脚部を合わせます。ケーブル用の穴を作成した場合は、ケーブルがそれぞれのポートに届く位置にアクセス ポイントが配置されていることを確認します。
ステップ 12 カチッと音がして位置に収まるまで、アクセス ポイントをマウント ブラケット上でゆっくりとスライドさせます。
この手順では、ユニバーサル マウント ブラケット(AIR-AP-BRACKET-2)を使用して、8 個の止め金具を使って、3/4 インチ(19.05 mm)以下の厚さの合板製の天井にアクセス ポイントを取り付けるために必要な手順について説明します。
(注) テーブル トップや天井などの水平面にアクセス ポイントを取り付けると、アクセス ポイントの統合アンテナの動作が最適になります。音声、位置、不正なアクセス ポイントの検出などの高度な機能のために、天井取り付けを推奨します。ただし、会議室、キオスク、移動体、ホットスポットでの使用など、主にデータ カバレッジを必要とする狭い領域では、ウォール アンカーやネジを使用して壁面に取り付けることができます。
立体天井または壁にアクセス ポイントを取り付けるには、次の手順を実行します。
ステップ 1 マウント ブラケットを型板として使用し、ブラケットの取り付け穴の位置の印を付けます。図 7 に、マウント ブラケットの細部を示します。
ステップ 2 #29 のドリル(0.1360 インチ( 3.4772 mm))ビットを使用して、印を付けた取り付け穴の位置にパイロット穴を開けます。
(注) パイロット穴のサイズは、固定する素材や厚さによって異なります。取り付けのために理想的な穴のサイズを判断するために、素材をテストすることを推奨します。
ステップ 3 (任意)イーサネット ケーブル、建物のアース線、および電源ケーブルを通すのに十分な大きさになるように、マウント ブラケット ケーブル アクセス カバー位置の下側近くにあるケーブル アクセス穴をドリル加工または切断加工します。
ステップ 4 穴から約 9 インチ(22.86 cm)出るまでケーブルを引き出します。ブラケットを天井または壁に取り付ける前に、イーサネット ケーブルおよび電源ケーブルをブラケットに通します。図 8 のように、ケーブルをメインのケーブル アクセス穴に通してから、小さい方のアクセス穴に通します。
ステップ 5 (任意)アース ネジを使用して、建物のアース線をマウント ブラケットに接続します。一般的な接地手順については、「アクセス ポイントの接地」を参照してください。
ステップ 6 パイロット穴に対して、マウント ブラケットの取り付け穴の位置を(凹みを下にして)合わせます。
ステップ 8 イーサネット ケーブルと電源ケーブルをアクセス ポイントに接続します。
ステップ 9 マウント プレートの鍵穴取り付けスロットの広い部分に、アクセス ポイントの脚部を合わせます。正しく配置すると、ケーブル アクセス カバーがアクセス ポイントのコネクタ ベイに収まります。
ステップ 10 カチッと音がして位置に収まるまで、アクセス ポイントをマウント ブラケットの鍵穴スロット上でゆっくりとスライドさせます。
ネットワーク ボックスまたは電気ボックスにアクセス ポイントを取り付けるには、次の手順を実行します。
ステップ 1 既存のネットワークまたは電気ボックスの上にユニバーサル マウント ブラケット(AIR-AP-BRACKET-2)を設置して、ボックス穴にブラケットの取り付け穴の位置を合わせます。
ステップ 2 マウント ブラケットを押さえて、6-32 x 1/4 インチ皿ネジを、取り付け穴のそれぞれに差し込み、締めます。
ステップ 3 穴から約 9 インチ(22.86 cm)出るまでイーサネットおよび電源ケーブルを引き出します。ブラケットを天井に取り付ける前に、ケーブルをブラケットに通します。図 8 のように、ケーブルをメインのケーブル アクセス穴に通してから、小さい方のアクセス穴に通します。
ステップ 4 (任意)アース ネジを使用して、建物のアース線をマウント ブラケットに接続します。一般的な接地手順については、「アクセス ポイントの接地」を参照してください。
ステップ 5 イーサネット ケーブルと電源ケーブルをアクセス ポイントに接続します。
ステップ 6 オプションのマウント ブラケットの鍵穴取り付けスロットに、アクセス ポイントの脚部を合わせます。
ステップ 7 カチッと音がして位置に収まるまで、アクセス ポイントをオプションのマウント ブラケット上でスライドさせます。
サードパーティ製アクセサリ(シスコによる提供ではない)を使用して、吊り天井の上面にアクセス ポイントを取り付けることができます。ユニバーサル マウント ブラケット(AIR-AP-BRACKET-2)では、Erico Caddy 512A または Cooper B-Line BA50a などの T バー ボックス ハンガーがサポートされます。ボックス ハンガーは、天井タイル表面の上部のみに向ける必要があります。天井で特に厚いタイルを使用する場合は、アクセス ポイントのスペースを確保するためにタイルを変更するか、アクセス ポイントの高さを調整できるボックス ハンガー(Cooper B-Line BA50A など)を使用しなければならないことがあります。
(注) 天井の下への取り付けがオプションではない場合のみ、天井タイルの上部にアクセス ポイントを設定します。天井の上にアクセス ポイントを取り付けると、音声や位置など、均一なカバレッジに依存するワイヤレス LAN の拡張機能が妨げられることがあります。
アクセス ポイントを吊り天井の上面に取り付ける手順は、次のとおりです。図 9 に、完了した取り付けを示します。
ステップ 1 取り付け場所に隣接している天井タイルを外します。
ステップ 2 ボックス ハンガー キットに付属のクリップまたはネジを使用して、ボックス ハンガーにアクセス ポイント マウント ブラケットを固定します。
ステップ 3 マウント ブラケットから約 9 インチ(22.86 cm)出るまでイーサネットおよび電源ケーブルを引き出します。図 8 のように、ケーブルをメインのケーブル アクセス穴に通してから、小さい方のアクセス穴に通します。
ステップ 4 イーサネット ケーブルと電源ケーブルをアクセス ポイントに接続します。
ステップ 5 マウント ブラケットの鍵穴取り付けスロットに、アクセス ポイントの脚部を合わせます。
ステップ 6 カチッと音がして位置に収まるまで、アクセス ポイントをマウント ブラケット上でスライドさせます。
ステップ 7 T バー ボックス ハンガーの両端にある T レール クリップを天井レールに取り付けます。クリップが T レールにしっかり取り付けられていることを確認してください。
Cisco Aironet アクセス ポイントは低電圧デバイスに分類され、かつ内部電源を持たないため、屋内設置では常に接地が必要なわけではありません。ただし、国および地域の電気関係規定をチェックして、接地が必要とされるかどうかを確認することをお勧めします。使用する地域で接地が必要とされる場合、またはお客様がアクセス ポイントの接地を望む場合は、次の手順に従ってください。
ステップ 1 建物で、アクセス ポイントにできるだけ近い、適切な接地点を探します。
ステップ 2 ユーザが準備したアース線を建物の接地点に接続します。アース線は、最低でも #14AWG で長さ 25 フィート(7.6 m)である必要があります。詳細については、地域の電気関係規定を確認してください。
ステップ 3 アース線をアクセス ポイントまで取り回します。
ステップ 4 アース線を適切な O リング型アース ラグ端子に合わせます。
ステップ 5 アース線をラグ端子に圧着またははんだ付けします。
ステップ 6 図 10に示すように、アース ポストのネジを O リング型ラグ端子に通し、マウント ブラケットに取り付けます。
図 10 アース ポストへの O リング型ラグ端子の取り付け
アクセス ポイントを固定するには、次の 3 つの方法があります。
• セキュリティ ケーブルを使用して、アクセス ポイントを固定された物体に取り付けます。
• パッドロックを使用して、アクセス ポイントをマウント プレートにロックします。
• パッドロックを使用しない場合は、耐 UV 結束バンドまたはサード パーティ製ワイヤピンを使用できます。ピンは次のサイトで購入できます。
McMaster-Carr web site: http://www.mcmaster.com/
図 11 に示すように、標準のセキュリティ ケーブル(Kensington Notebook MicroSaver、型番 64068 など)をアクセス ポイントのセキュリティ ケーブル スロットに取り付けて、アクセス ポイントを固定することができます。
セキュリティ ケーブルは、このガイドで説明しているどの取り付け方法でも使用することができます。
ステップ 1 セキュリティ ケーブルを付近の固定された物体に巻きつけます。
ステップ 2 キーをセキュリティ ケーブル ロックに挿入します。
ステップ 3 セキュリティ ケーブル ラッチをアクセス ポイントのセキュリティ ケーブル スロットに挿入します。
ステップ 4 キーを右または左回りに回転させてセキュリティ ケーブル ロックをアクセス ポイントに固定します。
アダプタ ケーブル アクセス カバー上のセキュリティ ハスプとパッドロック(非付属品)を使用すると、アクセス ポイントをマウント プレートに固定できます。使用可能なパッドロックは、マスター ロック モジュール 120T または 121T です。マウント ブラケット上のケーブル アクセス カバーは、ケーブル ベイ領域(電源ポート、イーサネット ポート、コンソール ポート、モード ボタンを含みます)を覆い、ケーブルの設置や取り外し、またはモード ボタンの有効化を防止します。
ステップ 1 アクセス ポイントをマウント ブラケットに設置し、パッドロックをセキュリティ ハスプに挿入します。
(注) アクセス ポイントが表面の固い天井に取り付けられている場合は、マウント ブラケットと天井の隙間は狭くなっています。ロックをマウント ブラケットのハスプに配置して固定する際は、両手を使ってゆっくりと作業してください。
ステップ 2 ロックを時計回りに回し、掛け金部分をロック本体に合わせます。
ステップ 3 ロックをつかんで掛け金側に押し、ロックします。図 12を参照してください。
ステップ 4 パッドロックをパッドロック領域へと回転します。図 13を参照してください。
マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、その他の有用な情報について、次の URL で、毎月更新される『 What's New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。シスコの新規および改訂版の技術マニュアルの一覧も示されています。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html
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