Cisco Aironet 17 dBi セクタ アンテナ(AIR-ANT5117S-N)
技術情報、テクニカル サポート、および安全ガイドラインの入手方法
このドキュメントでは、Cisco Aironet 5GHz 17 dBi セクタ アンテナ(AIR-ANT5117S-N)の仕様、概要、取り付け手順、および位置合わせ手順について説明します。このアンテナは、5GHz 周波数範囲で動作し、ポイントツーマルチポイント環境で使用できるように設計されています。また、屋外で使用できるように設計されており、直径 3.8 ~ 8.9cm(1.5 ~ 3.5 インチ)のマストに取り付けることができます。
• 「技術仕様」
• 「システム要件」
|
||
|
|
次の表では、最小の RF 電力設定を使用した場合に、アクセス ポイントの無線とアンテナ間で最低限必要な減衰を示しています。高い RF 電力設定を使用する場合は、減衰がさらに必要になります(該当するアンテナの場合)。
減衰は、減衰器や同軸ケーブルの損失、またはその両方を使用して得ることができます。この減衰は、システムが該当国の規制基準を満たすために必要です。最小の減衰量を得られるように取り付けられない場合は、規制に適合した動作になりません。表 1 に、必要な減衰を示します。
(注) X は、該当のアンテナの使用がその国で認められていないことを示しています。
警告 このアンテナを電力線の近くに取り付けるのは危険です。安全のため、取り付け手順に従ってください。
アンテナを設置しようとして、毎年多くの方が亡くなったり怪我をしたりしています。事故に遭われた方の多くは感電の危険を認識していましたが、事故を避けるための適切な手順を取っていませんでした。
安全を確保し、適切に設置するために、ここに記載する安全に関する注意事項を読み、その指示に従ってください。 これは、事故防止につながります。
1. はじめてアンテナを設置する場合は、自身と周囲の安全のため、専門家の指示を仰いでください。取り付けようとするアンテナのサイズやタイプに応じた取り付け方法は、シスコの営業担当者にご相談ください。
2. 設置場所を選択する際は、パフォーマンスと同様に安全性にも注意してください。電力線と電話線は似ていることを忘れないでください。安全のため、すべての電力線は死傷事故につながるおそれがあることを認識しておいてください。
3. 電力会社に連絡してください。設置計画を通知し、設置案を実際に見て確認するよう依頼してください。これは、危険を防ぐには適切な要請といえます。
4. 慎重に設置計画を立て、計画が完成してから実行に移ってください。マストやタワーを適切に建てられるかどうかは、連携作業の問題である場合がほとんどです。特定のタスクごとにそれぞれの担当者を割り当て、実行する内容とタイミングを認識してもらいます。責任者を 1 人割り当て、指示を出したり、トラブルの兆候がないかを監視してもらいます。
c. ゴム底の靴をはき、ゴム手袋をして、長袖のシャツまたはジャケットを着用する。
6. 組み立て部品が落下しかけたら、その部品を取ろうとせずにそのまま落としてください。アンテナ、マスト、ケーブル、および金属支線ワイヤは、非常に優れた電流導体であることを忘れないでください。これらの部品の一部でも電力線に接触すると、アンテナや設置者に電気が通ります。
7. アンテナ システムの一部が電力線に接触している場合には、 その部分に触ったり自分で取り除こうとしないでください。地域の電力会社に連絡してください。 電力会社の担当者がその部品を安全に取り除きます。
このアンテナは、マストに取り付けるように設計されていますが、非常に平坦な垂直面にも取り付けることができます。付属の取り付け部品を使用してアンテナを垂直面に取り付ける場合は、アンテナの仰角は調整できますが、方位角は調整できません。したがって、アンテナの取り付け面が、ブリッジ リンクの方に向いている必要があります。
このアンテナは、指向性ブロードキャスト パターンを生成するように設計されています。このパターンを生成するには、放射素子の側面に対して障害物がない状態でアンテナを取り付けます。取り付け場所がビルやタワーの側壁である場合は、アンテナ パターンはビルやタワーの側壁で劣化します。
アンテナを取り付ける前に、安全性とパフォーマンスに最適な場所を選択します。
ワイヤ、電力線、木からの安全な距離を決定する手順は、次のとおりです。
ステップ 2 測定した高さをタワーまたはマストの長さに加算し、この合計値を 2 倍にします。これが安全を確保するための推奨最短距離になります。
一般に、アンテナと地面との間の距離が離れるほど、パフォーマンスは向上します。アンテナを適切に取り付けるには、屋根の線の上、約 1.5 ~ 3m(5 ~ 10 フィート)にすべての電力線と妨害物から離して設置します。可能な場合は、ご使用のワイヤレス デバイスのすぐ上に取り付け場所を設定してください。このようにすることで、引き込みケーブルをできるだけ短くできます。
次の項には、マストにアンテナを取り付けるための一般的な手順が記載されています。取り付け条件は、さまざまです。この取り付け方法は、次の手順で構成されています。
• ポールへの取り付けブラケットの取り付け (図 1)
• ポール ブラケットへのアンテナの取り付け (図 2)
• アンテナの位置合わせ (図 3)
• ケーブルの取り付け (図 4)
• アンテナの接地
取り付けブラケットは 2 個用意されています。1 つは調整可能でもう 1 つは調整不可能です。取り付け方法は、どちらのブラケットでもほぼ同じです。この手順に従い、取り付けブラケットをポールに取り付けします。取り付け方法の図解については、図1 を参照してください。
ステップ 1 上部ブラケットを取り付け、1/4-20x5 の六角ネジ(インチ)を使用してポールに固定します。1/4 インチの平ワッシャ、1/4 インチのロック ワッシャ、および 1/4-20 の六角ナット(インチ)を使用して各ボルトを取り付けます。図 1 を参照してください。
ステップ 2 1/4-20x3/4 の六角ボルト(インチ)を使用して、スイングアームを上部ブラケットの各側面に取り付けます。1/4 インチの平ワッシャ、1/4 インチのロック ワッシャ、および 1/4-20 の六角ナット(インチ)を使用してこのボルトを取り付けます。図 1 を参照してください。
ステップ 3 上部ブラケットの場合と同様の方法を使用して、下部ブラケットを取り付けて固定します。詳細は、手順 1 を参照してください。下部ブラケットには、スイングアームは必要ありません。
アンテナには、アンテナ ブラケットを取り付けるための突起があります。上部アンテナ ブラケットは、ポール最上部にある調整可能なポール ブラケット(スイングアーム付き)に取り付けます。
次の手順に従い、アンテナをアンテナ ブラケットおよび組み立て済みのポール ブラケットに取り付けます(図 2 参照)。
ステップ 1 方向ラベルの矢印が上を向くようにアンテナを設置します。アンテナを正しく取り付けられるように、矢印がアンテナの頂点を指すようにします。
ステップ 2 アンテナ ブラケットをアンテナの突起セットの上部と下部に取り付けます。1/4 インチの平ワッシャ、1/4 インチのロック ワッシャ、1/4-20 の六角ナット(インチ)を使用して、ブラケットを取り付けます。7/16 インチのソケットまたはレンチを使用してナットを締めます。締め付けすぎないでください(トルク 5.4 ~ 5.9nm)。
ステップ 3 上部アンテナ ブラケットを、ポール最上部にある調整可能なポール ブラケットに取り付けます。適切なソケットまたはレンチを使用し、1/4-20 x 3/4 の六角ボルト(インチ)、1/4 インチの平ワッシャ、1/4 インチのロック ワッシャ、および 1/4-20 の六角ナット(インチ) で、アンテナ ブラケットをポール ブラケットの各側面に固定します。
a. ナットを締め付ける際は、7/16 インチのソケットまたはレンチを使用して六角ボルトを押さえます。
b. ナットを完全に締めないでください(ボルトに対するトルク 7.6 ~ 8.1nm)。
この手順の図解については、図2 を参照してください。
適切なケーブルをアンテナに取り付けます。N 型コネクタを 0.9+/-0.15nm のトルクで締めます。図4 を参照してください。
(注) このアンテナには、高品質で損失の少ないケーブルを使用することをお勧めします。詳細は、「推奨ケーブル」の項を参照してください。
国内の電気関連法規に基づいてアンテナを接地する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 10 番の AWG 銅線、8 番以上の銅被鋼線、または青銅線を、マストと引き込みの両方のアース線として使用します。アース線をマストの底面にしっかりと固定します。
ステップ 2 アンテナの放電装置に引き込み線を固定し、1.2 ~ 1.8m(4 ~ 8 フィート)離れた場所の絶縁体がある建物にマスト用のアース線を固定します。
ステップ 3 建物への引き込み線の入口にできるだけ近い場所に、アンテナの放電装置を取り付けます。
ステップ 4 建物の壁の、引き込みケーブルを接続する機器にできるだけ近い場所に穴を開けます。
警告 壁にはワイヤが通っていることがあります。穴を開ける場所には、障害物や危険性がないことを確認してください。
ステップ 5 穴からケーブルを引き出して、建物へのケーブルの入口付近にドリップ ループを作ります。
このアンテナには、高品質で損失の少ないケーブルを使用することをお勧めします。
(注) 同軸ケーブルでは、周波数が高くなると効率性が失われ、信号損失が発生します。ケーブルの長さによって信号損失量が決まるため、ケーブルはできる限り短くする必要があります(ケーブルが長いほど、損失は大きくなります)。
アンテナへの対応コネクタは、適切な N 型ジャックです。相手側のコネクタは、使用されている機器のタイプに応じて異なります。
ケーブルをアンテナに接続したら、湿気やその他の天候条件などがパフォーマンスに影響しないように、接続部を覆います(屋外の場合)。屋外の接続部には同軸シール(CoaxSeal など)を使用することをお勧めします。シリコン シールや電気テープを使用して屋外の接続部を覆うことは、お勧めしません。
技術情報、テクニカル サポート、安全ガイドライン、推奨のエイリアスおよび一般的なシスコのドキュメントの詳細は、毎月更新される『 What's New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。これには、新規および改定されたシスコのテクニカル ドキュメントがすべて網羅されており、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html