Jill はこの新しい取り組みに意欲的ですが、コネクテッドデバイスの急増により、会社はサイバーセキュリティ攻撃に対してより脆弱になっていることも理解しています。このような脆弱性は解消しなければなりません。

まず、産業用オートメーションおよび制御システム（IACS）に対するサイバーリスクを評価する必要があります。そのためには、IP 接続された既存資産のインベントリの作成、IACS へのネットワーク アクセス ポイントの特定、既存のネットワーク セグメンテーション ソリューションの把握、サードパーティによる運用技術（OT）へのアクセス方法の決定、システムの重要度に基づいたセキュリティ要件の定義、Web 対応のオンライン IACS 資産の可視性と制御を維持しながらクラウド接続をどのように実現・保護するかについてのポリシーの作成が必要です。

ソリューションとリソース

取締役会関連：
取締役会の質問 >
サイバーリスクとサイバーレジリエンス >

コンサルティングサポート：組織の現在のセキュリティ成熟度の把握からセグメンテーション戦略の策定まで対応
シスコセキュリティサービス >

ライフサイクル全体でリスクを軽減する方法：
NIST サイバーセキュリティ フレームワーク >
NIST SP800-37 – リスク マネジメント フレームワーク >

デジタル化の取り組みを理解した取締役会は、Energy 社のデジタル資産レジストリとリスク管理計画を更新し、文書化するよう要請します。

一方、Jill がインベントリ作成を進めていると、驚くべきことが判明します。Energy 社の各組織（情報通信技術（ICT）、エンジニアリング、運用）間で、資産がインターネットに接続するさまざまな方法について可視性がかなり限定されていたのです。また、ネットワークを使用している未登録デバイスも多数検出されていますが、誰もこれらのデバイスの目的、製造元、モデル、利用データの種類を把握していません。

この状況を改善するために、Jill とそのチームは、Energy 社のネットワークをバイパスする外部接続の数を減らし、セルラー接続の管理を統合し、NetFlow を導入して、IACS を含むすべての IT/OT ネットワークアクティビティの可視性を実現しました。

その結果、ネットワークの動作をパッシブにベースライン化し、異常なネットワークアクティビティを検出して、Energy 社の全体的なサイバーリスクを最小限にできるようになりました。

Jill はこれらのデータポイントを使用して、取締役会の要請に応じます。

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取締役会関連：

ネットワークモニタリングとセキュリティ：
Netflow >
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接続管理の自動化：
Jasper >

産業オペレーション向けモニタリングとリスク管理：
Cisco Industrial Network Director >

産業オペレーション向けアセットの検出、モニタリング、リスク管理：
Cisco Industrial Network Director >
Sentryo ICS CyberVision >
シスコ、Sentryo 社の買収を完了 >

先ごろ業界の集まりから戻ってきた CTO は、複数の都市にまたがる大規模な送電網を停止させた壊滅的なサイバー攻撃が、別のエネルギー会社のマーケティング部門に送られてきたスピアフィッシングメールから始まったことを知ります。CTO は、このような攻撃に備えて防御機能を構築するように Jill とチームに要請します。

Jill や CISO が防御策と呼んでいるものは、具体的には資産のセグメント化戦略を設計・導入することです。これはインフラストラクチャの状態にもよりますが、複雑な作業です。この戦略では、必要なデータフローがブロックされたり、さらなる中断が引き起こされたりすることは許されません。一方で、エネルギー管理システム（EMS）、スマートメーター（AMI）、物理的なセキュリティ、コラボレーション、リモートワーカーのアクセスに使用されるエンジニアリング、オペレーション、業務無線のネットワークから企業ネットワークを分離させる必要があります。

幸い、セキュリティグループタグ（SGT）を使用したシスコのソフトウェア定義アクセス（SDA）などのネットワーク仮想化テクノロジーを利用すれば、セキュリティポリシーに基づいて資産を柔軟かつ自動的にセグメント化できるのと同時に、コンバージド インフラストラクチャ上ですべての通信を可能にすることで ROI を向上させることができます。このアプローチの強みは、ネットワーク内のラテラルムーブメント（侵入拡大）を制御できる、デバイスごとのマイクロセグメンテーション機能を定義して適用するのに役立つことです。

Jill のセキュリティチームは、企業ネットワークへのマルウェアの侵入と拡散を防止することを目指しています。電子メールや Web のセキュリティツール、DNS セキュリティのほか、侵入防御システム（IPS）、マルウェア防御、仮想プライベートネットワーク機能を備えた次世代ファイアウォールを使用しています。マルウェア対策、DNS セキュリティ、VPN サービスなどのエンドポイント保護により、モバイルデバイスとローミングデバイスを保護します。

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取締役会関連：

コンバージドネットワークでセグメンテーション機能を有効にするには：
Cisco MPLS >
Cisco SD-WAN >

中央管理：
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Cisco IoT Field Network Director >
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ソフトウェア定義型セグメンテーション：
Cisco ISE と IND の統合による IE スイッチでの SXP の設定 >

シスコ セキュリティ ソリューション：
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Cisco Advanced Malware Protection（AMP）>
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Cisco Web セキュリティ >
VPN およびエンドポイント セキュリティ クライアント >
シスコ次世代ファイアウォール >
Cisco Ransomware Defense >

デジタル化を実現するために異種システムを接続する作業が複雑化し、規模が拡大するにつれて、運用コストも増大していますが、COO はこの点に注目し、懸念しています。

以前 Jill が行ったサイバーリスク分析で、ネットワーク アクセス ポリシーと管理システムが整備されておらず、ネットワーク運用チームを悩ませていることが明らかになりました。

解決策として、統一されたネットワーク アクセス ポリシーを Jill のチームは策定しました。エンドポイントデバイスにセキュリティとアクセスのポリシーを適用し、使用を許可された機器だけをユーザーが利用する、というものです。Cisco TrustSec のソフトウェア定義型セグメンテーション テクノロジーと Duo Unified Access Security ソリューションを使用することで、このシンプルなポリシーの管理、運用、拡張が容易になると同時に、時間の節約、全体的なリスク低減が実現しました。

Jill は、Energy 社の情報セキュリティポリシーを新しくして、定期的な見直しと改善を行い、今後のコンプライアンスを確保します。

ソリューションとリソース

シスコのセキュリティアーキテクチャの詳細：
セキュアな IoT ソリューション アーキテクチャ >
Cisco Identity Services Engine >
Duo Unified Access Security >

デジタル化の取り組みが進むにつれて、基幹業務におけるネットワークへの重要性が高まっています。Energy 社の老朽化したネットワーク インフラストラクチャは、第三者機関のサイバーリスク評価によって脆弱であることが判明しました。そして、ネットワークは現在、重要なシステムに分類されています。これは、最近実施した全社的なサイバーリスク ワークショップの成果です。

ネットワークは Energy 社のデジタル化の取り組みの基盤となっており、Jill のチームは、セキュリティと復元力を強化するために、セキュリティが組み込まれたネットワークデバイスを早急に探すことになりました。

Energy 社は、防御の最前線とは、信頼できるテクノロジー（ハードウェアの信頼の基点、ソフトウェアのイメージ署名、セキュアブート、ブート完全性保護など）が組み込まれているネットワーク製品を探すことであると理解しています。これらのテクノロジーにより、デバイスが期待どおりに動作していることが保証され、セキュリティシステムが機能していることが証明されます。

ソリューションとリソース

マルウェアに狙われているネットワーク インフラストラクチャ：
新しい VPNFilter マルウェアは世界中の少なくとも 500,000 のネットワーク デバイスを標的にしている >
Cisco IoS デバイスに対する攻撃の進化 >

セキュリティが組み込まれた Trustworthy ソリューションの詳細：
Cisco Trust Center >
組み込みのセキュリティ >
シスコ セキュア開発ライフサイクル（SDL）>
バリューチェーン セキュリティ >
次世代の暗号化 >

暗号化および暗号化標準規格：
世界の政府による認定 >

Energy 社の経営陣は、計画外の停止を最小限に抑え、資本集約的な産業用オートメーションおよび制御システム（IACS）の耐用期間を延ばすために、予知保全を導入したいと考えています。

安全なネットワーク接続は、予知保全を導入および拡張するための基本的な要件です。予知保全を行うためには、デバイスレベルの動作変動を継続的に測定する必要があり、また、システム全体の測定データを抽出、転送、統合、分析して意思決定できるようにしなければなりません。

オープンで標準ベースのネットワーク、データ、セキュリティのアーキテクチャ（センサーとエンドポイント、フォグコンピューティングに対応したゲートウェイ、ルータ、スイッチ、およびデータセンターとクラウドアプリケーションを含めたもの）を実現することで、Jill のチームは Energy 社の総コストを削減しながら、新しいネットワーク インフラストラクチャに対する投資の ROI を高めることが可能になります。

ソリューションとリソース

お客様特有の予知保全のニーズをシスコがどのようにサポートできるか確認する：
ワイヤレス センサー ネットワーク >

IoT データを最大限に活用してビジネス成果を向上：
Cisco Edge Intelligence >

計画外のサービス中断が顧客に影響を与えた場合、Energy 社は問題の原因を特定し、電力システムを迅速に稼働させる必要があります。従来のプロセスでは、グリッドのコンポーネントを物理的に検査して影響を軽減するために技術者を派遣する必要がありました。

配電自動化により、エネルギー インフラストラクチャ全体で障害のある機器をリモートで検出し、コントロールセンターから変更を行うことで、サービスの中断をすばやく最小限に抑えることができます。この機能には、グリッドをリモートで検知して制御するための安全なネットワーク接続が必要です。

Jill は、ネットワーク インフラストラクチャ（Wide Area Network や Field Area Network など）の役割が拡大することで、サイバー攻撃の対象領域が拡大してサービスの中断が増える、という意図しない結果につながることを懸念しています。また、Energy 社が配電自動化ソリューションを導入する場合には、セキュリティ オペレーション センター（SOC）を拡張し、コントロールセンターと SOC の間でインシデント対応を調整する必要があるとしています。  

ソリューションとリソース

配電自動化：
配電自動化向けユニファイド Field Area Network アーキテクチャ >

サイバー攻撃に迅速かつ確実に対応：
Cisco Threat Response >
Cisco Rapid Threat Containment >

COO は、顧客のエネルギー消費量をより詳細に把握したいと考えています。そうすることで、需要ベースのエネルギー供給モデルを開発し、効率を高めてコストを削減できるようになります。

Jill は配電自動化の経験から、基幹業務の大規模な需要対応を調整するのに必要なデータフローも実現できると考えています。それでも彼女は、顧客データのプライバシーと配電自動化データの保護に対する Energy 社の責任について懸念を抱いています。配電自動化データを使用して、産業用顧客の製造生産スケジュールや最終消費者の日常の行動が特定されてしまう可能性があります。

新しいネットワーク インフラストラクチャを導入したことで、Jill とそのチームは、ビジネスクリティカルな配電自動化トラフィックをエッジからクラウドにセグメント化して優先順位を付け、安全に転送できるようになりました。これは、SD-WAN で中央管理される MPLS と VRF、QoS、IPsec VPN トンネルなどのテクノロジーを使用することで、コンバージドネットワーク全体で他のビジネスデータフローから分離することで実現できました。

ソリューションとリソース

ネットワーク セキュリティ アーキテクチャの詳細：
Cisco SD-WAN >
MPLS アーキテクチャのセキュリティ >
FlexVPN >
DMVPN >
GetVPN >

Cisco Validated Design の導入および導入ガイド：
拡張エンタープライズ 産業用オートメーション、配電自動化、リモート資産およびモバイル資産 >

サービス中断の影響を減らせば、ビジネスに対する不要なコストを大幅に削減することができます。そのため Energy 社はサービス停止に関する調査と修復に必要なリソースを削減する方法を検討しています。

COO と CIO、Jill はサービスの中断や停止に対応するために使用している既存のビジネスプロセスを評価することにしました。そして業務無線の運用とコラボレーション テクノロジーを統合することで、サービス中断の原因を問わず、リモートの専門知識を活用し、プロセスをより効率的かつ効果的にできることに気付きました。これらの新しいテクノロジーは、Jill の新しいネットワークおよびセキュリティアーキテクチャに簡単かつシームレスに統合できます。

ソリューションとリソース

相互運用性とコラボレーション テクノロジー：
シスコ コラボレーション テクノロジー >

CFO の依頼で、Jill と COO は連携して、メンテナンス要員の配備にかかる年間総コストを算出し、さまざまなデジタル トランスフォーメーション プロジェクトによって削減されたコストを明らかにしました。そして、それらのプロジェクトのビジネスケースから、同社の大幅なコスト削減が示唆されました。

結果が良好だったことを受けて、追加のベースライン分析を行うことになりました。このデータは、Energy 社がビジネスにデジタル化を適用する新しい方法を発展させ続けるにつれて、統一されたネットワークとセキュリティアーキテクチャ、および最新化されたテクノロジースタックの ROI が、潜在能力を完全には活用できていなかった以前のバラバラで細分化された ICT システムよりも増加していることを示しています。

たとえば、他のセキュリティツールとコンテキストを共有するソフトウェア定義型ポリシーが適用された直感的なネットワークを展開することで、セキュリティ オペレーション センターの効率を向上させることができます。調査担当者は、重要な情報を得るためにさまざまなソースを照会する時間を短縮し、機械学習ツールを活用してユーザーとエンドポイントのふるまいを分析します。また、ネットワークの異常なふるまいを迅速に検出し、誤検出を減らします。

ソリューションとリソース

IT/OT 運用効率の向上
PxGrid >
Stealthwatch >

Energy 社の取締役会は、デジタル化によるコスト削減の取り組みが成功したことから、競合他社よりも安い価格で市場シェアを拡大する戦略を策定しました。

Energy 社は、最近導入した Cisco Kinetic IoT プラットフォームを活用して、新たな優れたサービス提供能力を構築しました。データブローカ ソリューションであるこのプラットフォームにより、エッジからフォグ、エンタープライズ、クラウドまで、あらゆる測定データを抽出、計算、移行できます。これらの高度なサービス提供能力により、同社は既存の顧客に新しいサービスレベル契約を提案できます。

現在 Energy 社では、顧客が製品やサービスを使用する方法、時間帯、場所、目的についての可視性を大幅に高めています。このデータにより、需要対応力を改善し、需要に合わせてエネルギー生産を増やしたり減らしたりできるようになり、効率が大幅に効率が向上しました。

能力強化によって、同社は個々の顧客のニーズに合わせて特別に調整した新しいサービスレベル契約を提案できるようになっています。

ソリューションとリソース

データインサイトの有効化：
Cisco Edge Intelligence >

ソリューション：
IoT エッジ >
Cisco 産業用 IoT ソリューション >
シスコのソリューション >
クラウド >

サイバー攻撃のリスクを最小限に抑え、運用コストを削減し、新たな効率化を実現した Energy 社は、大量エネルギー貯蔵、再生可能エネルギー、電気自動車の充電などの新市場への参入で好位置につけています。

ユースケース 1：遠隔地や未接続の人にサービスを提供

配電自動化に必要なネットワーク インフラストラクチャを拡張した後、Energy 社は新しい機会を見出しました。遠隔地の人や回線が繋がっていない地域の人にネットワーク接続を提供することです。

同社は、現在ダイヤルアップ接続と衛星接続しか提供できない ISP を利用している地方の顧客にインターネットサービスを提供する場合の費用対効果を分析することを検討しています。

ソリューションとリソース

Cisco Digitial Network Architecture（Cisco DNA）>
シスコサービスプロバイダー向けの製品、ソリューション、サービス >

ユースケース 2：地方自治体向け IoT

Energy 社のネットワークおよびセキュリティアーキテクチャは、堅牢なネットワーク インフラストラクチャを導入したことで、Wireless Personal Area Network（WPAN）モジュールとルータの統合をサポートしています。これにより、Field Area Network アプリケーションや、LoRaWAN IoT テクノロジーなどの低電力の広域ネットワーキングプロトコルをサポートするゲートウェイを実現します。

Energy 社は、自社のネットワーク インフラストラクチャでの IoT サービス（資産追跡、スマートシティ運営など）の構築に関心のある地方自治体を対象にした戦略を推進しています。

ソリューションとリソース

スマートシティ >

Field Area Network 向けのワイヤレス接続：
Cisco Connected Grid WPAN モジュール >
LoRaWAN 仕様に準拠したシスコ ワイヤレス ゲートウェイ >

ユースケース 3：サービスとしてのデータ（DaaS）

Energy 社のデジタル化テックスタックは、広範な新しいデータ分析機能から、顧客とサービスの使用に関するビジネスインサイトを無数に生成します。同社では、これらのインサイトをサービスとしてのデータ（DaaS）として製品化し、関心のあるサードパーティに提供できる可能性があると考えています。

ソリューションとリソース

シスコビッグデータと分析 >