トマルバ / 矢野 陽祐
古民家・京町家の一棟貸し宿に特化した企画・運営・集客を行うプロデュース会社「トマルバ」。
外国人観光客の増加を背景に、急成長を遂げているスタートアップです。
既存の宿泊施設とは異なる特別な体験を提供する裏側には、Meraki Go の導入もひと役買っていました。
彼らが目指す新しい宿の価値とは? プランニングを手掛ける矢野陽祐さんにお話しを聞きました。
オーナーから借り受けた古民家や京町家をリノベーションして、ヴィラのような一棟貸しの宿として提供しているスタートアップ。集客から予約サイトの対応、施設運営まで一気通貫で引き受けている企業です。主なターゲットは外国人観光客。有名な庭師による坪庭や照明デザイナーによるライティング、高品質なアメニティや設備を整えることで、古民家や京町家を高級宿泊施設として付加価値を高め、人気を得ています。
「コンセプトは、“暮らすように泊まる”。現在、オーナーさまからお預かりした一棟貸しの宿を約 50 棟運営しているほか、自社ブランドである宿、“宿ル KYOTO”も 7 棟運営しています」と矢野さん。京都進出から 2 年で約 60 棟を達成。多いときには月に 1 棟ペースで宿が増えていったそうです。運営のこだわりや今後の展開、さらに Meraki Go がどうビジネスを支えているかにせまりました。
“業務上、当たり前ですがネット環境は必須。プランニング部門なら設計士さんやオーナーさまとの打合せが多く、クラウド上にある図面や写真を見ながら話をすることもあります。営業部門はテレカン(テレビ電話会議)も行いますし、IT 部門は言うまでもありません。以前使っていたコンシューマ向け Wi-Fi ルータは、たまに速度低下が発生して、ストレスを感じました”
─ トマルバ/矢野 陽祐 様
勢いのあるスタートアップのオフィスと言えば、先進設備の整った建物に入ったオシャレな空間を想像するのが一般的。しかし、トマルバの本社は築 100 年を超える京町家。懐かしい雰囲気さえ漂います。
矢野さんは「我々のような会社が、京町家を本社にするのは自然なことです。なにより、打合せに足を運んでいただいたオーナーさまがこの本社を見ることで、私たちがどういった宿をつくり上げるのか想像しやすいと思います」と語ります。
トマルバが古民家・京町家を宿にしているのは、古民家再生を促進し、空き家問題の解決や歴史的な景観の維持という使命を持っているから。
本社の佇まいを見て、本社に入るだけで、その理念が伝わります。
本社で働くのは約 30 人。矢野さんが所属するプランニング部門や営業部門、そして宿の予約システムを手掛けたり、ホームページをつくったりするIT部門などがあります。
「外国人観光客の多くは Booking.com や Airbnb などの OTA( Online Travel Agent )サイトを通じて宿泊予約をするのですが、IT 部門がこのサイトに宿の写真を UP するときに大容量データが流れ、通信速度が低下。業務の効率悪化につながっていました」
「Meraki Go はプロユースだけあって、以前よりも速度が安定しています。京町家は奥に長い造りですが、どの場所でもしっかりとつながりますね」と矢野さん。実測値も 150Mbps を超え、大容量データのやりとりもスムーズに。さらに別のメリットもありました。
「打合せにくるオーナーさまや設計士さんからの評判がよかったこと。QR コードでネットにつなげられるのが先進的だし便利だと言われます。また、ゲスト用の SSID を分けられるので、セキュリティ面でも安心です」
設定が簡単でスマホで完結。QR コードによるゲスト Wi−Fi の提供。
スマホでモニタリングでき、トラブルがあったときも遠隔で再起動できる。
これらのメリットと関係者の評価を実際に体感したことで、矢野さんは本社だけでなく、運営する宿でも Meraki Go が活用できるのではないかと考えています。
トマルバが運営する古民家・京町家は、どれもが歴史ある和の趣を残す、それ自体が歴史的なコンテンツ。泊まることそのものが体験価値となります。内外装はひとつとして同じものがなく、それぞれが唯一無二の価値を持つ一方で、リノベーションして床暖房を備えさせるなど現代の快適性もしっかり完備するのが重要だと言います。
「外国人観光客の重視するポイントのひとつが、Wi-Fi の充実度です。彼らにとって Wi-Fi がない環境は考えられません」
実際、観光庁の調査でも外国人観光客の不満にフリー Wi-Fi スポットの少なさが挙げられています。
また、ある OTA サイトではホテルの評価軸に、“Wi-Fi の充実度”が存在しているという事実も。
それほど外国人観光客にとって Wi-Fi 環境は重要なポイントであることがうかがえます。
「私たちの宿は、その建物が持つ歴史やストーリーをコンセプトにして一棟一棟つくり上げています。非日常を味わって欲しいからテレビを置かなかったり、冷暖房も隠すように設置したり。Meraki Go は小さくて薄く周囲の環境に溶け込むデザイン。ちょっとしたことですが重要です」と矢野さん。さらに QR コード接続に関しても、本社以上にメリットが出ると続けます。
「ホテルの Wi-Fi につなぐときパスワードを入力しても上手くいかなかったことはないですか? 単純に打ち間違えていることがほとんどですが、確認するのは面倒。私たちは、お客さまに極力面倒や不便をおかけしたくない。そういった点で QR コードで簡単に接続できるのは魅力です」
トマルバはヴィラタイプの一棟貸しをしているため、宿に Meraki Go を導入した場合のメリットは他にもありそうだと言います。
「一棟貸しをしているため、ヴィラタイプの宿にはスタッフは常駐していません。もし Wi-Fi にトラブルが発生したら、その都度、現地までスタッフが行く必要があります。その手間もありますが、スタッフが着くまでの間、お客さまにご迷惑をおかけしてしまうことが最大のリスク。Meraki Go はスマホにアラートが届いたり、遠隔で再起動ができたりするので、そういったリスクを減らすことができそうです」
福岡県出身。2018 年にトマルバに入社し宿泊施設の内装コーディネート、セットアップなどの業務を主に行う。宿ル KYOTO シリーズの「路地ノ宿」「縁側ノ宿」「洞窟ノ宿」など今までに 12 件をプランニング。
Meraki Go で新たな可能性を創り、ビジネスを加速させよう。
実際に導入した中小企業、店舗、テレワークでの活用方法や働き方をご紹介。