vPC の概要
仮想ポート チャネル(vPC)を使用すると、物理的には 2 台の異なる Cisco Nexus デバイスに接続されている複数のリンクを、第 3 のデバイスからは単一のポート チャネルとして認識されるようにすることができます(次の図を参照)。第 3 のデバイスには、スイッチやサーバなどあらゆるネットワーキング デバイスが該当します。vPC では、マルチパス機能を使用することができます。この機能では、ノード間の複数のパラレル パスをイネーブルにし、さらには存在する代替パスでトラフィックのロード バランシングを行うことにより、冗長性が確保されます。
EtherChannel の設定は、次のいずれかを使用して行います。
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プロトコルなし
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リンク集約制御プロトコル(LACP)
vPC ピア リンク チャネルなど、vPC で EtherChannel を設定した場合、それぞれのスイッチでは 1 つの EtherChannel に最大 32 個のアクティブ リンクをまとめることができます。
Note |
vPC の機能を設定したり実行したりするには、まず vPC 機能をイネーブルにする必要があります。 |
vPC 機能をイネーブルにするためには、vPC 機能を実現する 2 つの vPC ピア スイッチの vPC ドメインにピアキープアライブ リンクおよびピアリンクを作成する必要があります。
vPC ピア リンクを作成する場合は、まず一方の Cisco Nexus デバイス 上で、2 つ以上の Ethernet ポートを使用して EtherChannel を設定します。さらに他方のスイッチ上で、2 つ以上の Ethernet ポートを使用して別の EtherChannel を設定します。これら 2 つの EtherChannel を接続することにより、vPC ピア リンクが作成されます。
Note |
vPC ピアリンク EtherChannel はトランクとして設定することが推奨されます。 |
vPC ドメインには、両方の vPC ピア デバイス、vPC ピアキープアライブ リンク、vPC ピア リンク、および vPC ドメイン内にあってダウンストリーム デバイスに接続されているすべての EtherChannel チャネルが含まれます。各 vPC ピア デバイスに設定できる vPC ドメイン ID は 1 つだけです。
Note |
EtherChannel を使用する vPC デバイスはすべて、両方の vPC ピア デバイスに接続する必要があります。 |
vPC には次のような利点があります。
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単独のデバイスが、2 つのアップストリーム デバイスを介して EtherChannel を使用できるようになります。
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スパニングツリー プロトコル(STP)のブロック ポートが不要になります。
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ループフリーなトポロジが実現されます。
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利用可能なすべてのアップリンク帯域幅を使用します。
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リンクまたはスイッチに障害が発生した場合、高速コンバージェンスが実行されます。
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リンクレベルの復元力を提供します。
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ハイ アベイラビリティが保証されます。