MPLS L3VPN ラベル割り当ての概要
MPLS プロバイダー エッジ(PE)ルータには、ローカル ルートとリモート ルートの両方が格納されており、各ルートに対するラベル エントリも含まれています。デフォルトでは、Cisco NX-OS はプレフィックス単位のラベル割り当てを使用します。プレフィックスごとに 1 つのラベルが割り当てられます。分散プラットフォームでは、プレフィックス単位のラベルによりメモリが消費されます。多数の VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスおよびルートが存在する場合、プレフィックス単位のラベルにより消費されるメモリ量が問題となります。
VRF 全体でローカル ルートに単一の VPN ラベルがアドバタイズされるように、VRF 単位のラベル割り当てをイネーブルにすることができます。ルータは、VRF デコードおよび IP ベースのルックアップに新しい VPN ラベルを使用して、PE またはカスタマー エッジ(CE)インターフェイスのパケットの転送先を学習します。
ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)レイヤ 3 VPN ルートごとに異なるラベル割り当てモードをイネーブルにすることが可能です。これにより、異なる要件を満たし、拡張性とパフォーマンスの間のトレードオフを実現することができます。ラベルはすべてグローバル ラベル スペース内で割り当てられます。Cisco NX-OS は、次のラベル割り当てモードをサポートしています。
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プレフィックス単位:各 VPN プレフィックスに 1 つのラベルが割り当てられます。ラベル転送テーブルに基づき、リモート PE から着信する VPN パケットは接続された CE に直接転送できます。CE にはプレフィックスがアドバタイズされます。しかし、このモードでは多くのラベルが使用されます。このモードが利用可能なのは、PE から CE に送信される VPN パケットがラベル スイッチングされる場合のみです。これがデフォルトのラベル割り当てモードになります。
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VRF 単位:VRF のローカル VPN ルートすべてに単一のラベルが割り当てられます。このモードでは、VPN ラベルが出力 PE で削除されると、VRF の転送テーブルで IPv4 ルックアップまたは IPv6 ルックアップが必要になります。このモードは、ラベル スペースと BGP アドバタイズメントに関して最も効率的であり、ルックアップによってパフォーマンスが低下することはありません。Cisco NX-OS では、IPv4 プレフィックスおよび IPv6 プレフィックスの両方で同じ VRF 単位のラベルを使用します。
(注)
EIBGP ロード バランシングでは、VRF 単位のラベル モードを使用する VRF はサポートされません。
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集約ラベル:BGP は、集約プレフィックスのローカル ラベルを割り当てたり、アドバタイズしたりできます。転送時には、VRF 単位の場合と同じように IPv4 ルックアップまたは IPv6 ルックアップが必要になります。単一の VRF 単位のラベルは、ルックアップが必要なすべてのプレフィックスに割り当てられ、使用されます。
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VRF 接続されたルート:直接接続されたルートが再配布およびエクスポートされるときに、各ルートに集約ラベルが割り当られます。コアから送信されるパケットは非カプセル化され、VRF の IPv4 テーブルまたは IPv6 テーブルで、ローカル ルータへのパケットか、別のルータまたは直接接続されたホストへのパケットかを判断するためにルックアップが行われます。単一の VRF 単位のラベルは、これらすべてのルートに割り当てられます。
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ラベルの抑制:ローカル ラベルがこれ以上プレフィックスに関連付けられないときは、他の PE に送信されるアップデートの時間を確保するために、ローカル ラベルがすぐに解放されない場合があります。ラベルごとに 10 分の抑制タイマーが作動します。この間、ラベルをプレフィックスに対して再利用することができます。タイマーが切れると、BGP はラベルを解放します。
IPv6 ラベルの割り当て
IPv6 プレフィックスは、割り当てられたラベルとともに、ラベル付きユニキャスト アドレス ファミリがイネーブルになっている iBGP ピアにアドバタイズされます。着信した eBGP ネクスト ホップはこのピアに伝播されず、代わりにローカル IPv4 セッションのアドレスが IPv4 射影 IPv6 ネクスト ホップとして送信されます。リモート ピアは、コア ネットワーク内の 1 つまたは複数の IPv4 MPLS LSP を介してこのネクスト ホップを解決します。
ルート リフレクタを使用して、PE 間のラベル付き 6PE プレフィックスをアドバタイズできます。このとき、ルート リフレクタとこれらすべてのピアの間で、ラベル付きユニキャスト アドレス ファミリをイネーブルにする必要があります。ルート リフレクタは転送パスにある必要はなく、受信したネクスト ホップをそのまま iBGP ピアおよびルート リフレクタ クライアントに伝播します。
(注) |
6PE は、6VPE と同様に、プレフィックス単位および VRF 単位のラベル割り当てモードの両方をサポートします。 |
VRF 単位のラベル割り当てモード
VRF 単位のラベル割り当てを設定する場合、次の条件が適用されます。
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VRF は、すべてのローカル ルートに対して 1 つのラベルを使用します。
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VRF 単位のラベル割り当てをイネーブルにした場合、すべての既存の VRF 単位の集約ラベルが使用されます。VRF 単位の集約ラベルが存在しない場合は、ソフトウェアによって新規の VRF 単位のラベルが作成されます。
VRF 単位のラベルの割り当てをディセーブルにした場合、デフォルトのプレフィックス単位のラベリング設定に戻るため、CE がデータを失うことはありません。
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VRF 単位ラベルのフォワーディング エントリは、VRF、BGP、またはアドレス ファミリ設定が削除された場合にのみ、削除されます。
ラベル付きユニキャスト パスとラベルなしユニキャスト パスについて
後続アドレス ファミリ識別子(SAFI)は、BGP ルートの指標です。例 1 はラベルなしルート、4 はラベル付きルートです。
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IPv4 のラベルなしユニキャスト(U)は SAFI 1 です。
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IPv4 のラベル付きユニキャスト(LU)は SAFI 4 です。
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IPv6 のラベルなしユニキャスト(U)は、AFI 2 および SAFI 1 です。
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IPv6 のラベル付きユニキャスト(LU)は、AFI 2 および SAFI 4 です。
Cisco NX-OS リリース 9.2(2) は、1 つの BGP セッションで、IPv4 と IPv6 のラベルなしおよびラベル付きユニキャストの両方をサポートします。この動作は、同じセッションで SAFI-1 と SAFI-4 の一方または両方が有効になっているかどうかに関係なく同じです。
この動作は、すべての eBGP、iBGP、および再配布パスと、eBGP および iBGP ネイバーに適用されます。