システム プロンプトで疑問符(? )を入力すると、各コマンド モードで使用できるコマンドの一覧が表示されます。また、状況依存ヘルプ機能を使用して、任意のコマンドで使用できる引数とキーワードの一覧を参照できます。
コマンド モード、コマンド名、キーワード、または引数についてのヘルプ情報を表示するには、次のいずれかのコマンドを使用します。
コマンド
|
目的
|
|
ヘルプ システムの簡単な説明が表示されます。
|
(prompt
)#
abbreviated-command-entry?
|
現在のモードの、特定の文字ストリングで始まるコマンドの一覧を表示します。
|
(prompt
)# abbreviated-command-entry
<Tab >
|
特定のコマンド名を補完します。
|
|
そのコマンド モードで使用できるすべてのコマンドの一覧を表示します。
|
|
コマンドに使用できる構文オプション(引数およびキーワード)の一覧を表示します。
|
(prompt
)# command
keyword ?
|
コマンドに次に使用できる構文オプションの一覧を表示します。
|
システム プロンプトは、現在のコンフィギュレーション モードによって変わることに注意してください。
状況依存ヘルプが使用される場合は、疑問符(? )の前のスペースが重要です。特定の文字シーケンスで始まるコマンドのリストを表示するには、それらの文字を入力し、その直後に疑問符(? )を入力します。スペースは含めません。この形式のヘルプは、ユーザに代わって 1 つの単語を完成させるため、ワード ヘルプと呼びます。詳細については、この章の「部分的なコマンド名の補完」セクションを参照してください。
キーワードまたは引数のリストを表示するには、キーワードまたは引数の代わりに疑問符(? )を入力します。 ? の前にはスペースを挿入します。この形式のヘルプは、コマンド構文ヘルプと呼びます。これは、すでに入力したコマンド、キーワード、および引数に基づいて、使用できるキーワードや引数が表示されるためです。
コマンドおよびキーワードは、一意の省略形として認識可能な文字数まで省略できます。たとえば、configure terminal コマンドは config t に省略できます。コマンドの省略形が一意であるため、ルータによって省略形が受け付けられ、コマンドが実行されます。
help コマンド(どのコマンド モードでも使用できます)を実行すると、次のようにヘルプ システムの説明が表示されます。
Router#
help
Help may be requested at any point in a command by entering
a question mark '?'. If nothing matches, the help list will
be empty and you must back up until entering a '?' shows the
available options.
Two styles of help are provided:
1. Full help is available when you are ready to enter a
command argument (e.g. 'show ?') and describes each possible
argument.
2. Partial help is provided when an abbreviated argument is entered
and you want to know what arguments match the input
(e.g. 'show pr?'.)
help コマンドの出力が示すように、疑問符(? )を使用して部分的なコマンド名を補完したり(部分ヘルプ)、現在のコマンドを補完する引数またはキーワードの一覧を表示したりできます。
次に、状況依存ヘルプ機能を使用して、コンフィギュレーション モードでアクセス リストを作成する例を示します。
システム プロンプトで、co に続けて疑問符(? )を入力します。最後の文字と 疑問符との間にはスペースを入れません。システムには co で始まるコマンドが表示されます。
Router# co?
configure connect copy
configure コマンドの後にスペースと 疑問符を入力すると、そのコマンドのキーワードと簡単な説明の一覧が表示されます。
Router# configure ?
memory Configure from NV memory
network Configure from a TFTP network host
overwrite-network Overwrite NV memory from TFTP network host
terminal Configure from the terminal
<cr>
一覧内の <cr> 記号(「cr」は復帰を表します)は、Return キーまたは Enter キーを押して、キーワードを追加せずにコマンドを実行することが 1 つの選択肢であることを示します。この例の出力に、configure コマンドのオプションが
configure memory (NVRAM から設定)、configure network (ネットワーク上のファイルから設定)、configure overwrite-network (ネットワーク上のファイルから設定し、NVRAM のファイルを置き換える)、または configure terminal (端末接続から手動で設定)であることが示されます。ほとんどのコマンドで、<cr> 記号は、入力済みの構文でコマンドを実行できることを示すために使用されます。ただし、configure コマンドは特殊であり、CLI によって不足している構文の入力を求められます。
Router# configure
Configuring from terminal, memory, or network [terminal]? terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#
? プロンプトに対するデフォルトの応答は、CLI 出力中の行末にある角カッコで囲まれたオプションによって示されます。前の例では、Enter(または Return)キーを押すことは、「terminal」の単語を入力することと同じです。
configure terminal コマンドを入力して、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#
CLI では、エラー インジケータであるキャレット記号(^)を使用してエラーの位置が示されます。^ 記号は、コマンド構文中の、ユーザが正しくないか認識されないコマンド構文を入力した場所に表示されます。たとえば、次の出力のキャレット記号は、コマンド中の入力ミスした文字を示しています。
Router# configure terminal
^
% Invalid input detected at '^' marker.
Router#
エラー マーカーを警告するため、画面上にエラー メッセージ(% 記号によって示されます)が表示されることに注意してください。
access-list コマンドの後にスペースと疑問符を入力すると、コマンドで使用できるオプションの一覧が表示されます。
Router(config)# access-list ?
<1-99> IP standard access list
<100-199> IP extended access list
<1100-1199> Extended 48-bit MAC address access list
<1300-1999> IP standard access list (expanded range)
<200-299> Protocol type-code access list
<2000-2699> IP extended access list (expanded range)
<700-799> 48-bit MAC address access list
dynamic-extended Extend the dynamic ACL absolute timer
rate-limit Simple rate-limit specific access list
山カッコ内の 2 つの数は包含範囲を表します。アクセス リスト番号 99 を入力し、再度疑問符を入力すると、キーワードに該当する引数と簡単な説明が表示されます。
Router(config)# access-list 99 ?
deny Specify packets to reject
permit Specify packets to forward
deny 引数の後に疑問符(? ) を入力すると、追加のオプションの一覧が表示されます。
Router(config)# access-list 99 deny ?
A.B.C.D Address to match
一般に大文字は変数(引数)を表します。IP アドレスに続けて疑問符(? )を入力すると、追加のオプション一覧が表示されます。
Router(config)# access-list 99 deny 172.31.134.0 ?
A.B.C.D Mask of bits to ignore
<cr>
この出力では、A.B.C.D は、ワイルドカード マスクの使用が可能であることを示します。ワイルドカード マスクは、IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を照合するための方法の 1 つです。たとえば、0.0.0.255 のワイルドカード マスクは、IP
アドレスの 4 番目のオクテットに表示される、0 ~ 255 の範囲の番号に一致します。
ワイルドカード マスクに続けて疑問符(? )を入力すると、その他のオプションの一覧が表示されます。
Router(config)# access-list 99 deny 172.31.134.0 0.0.0.255 ?
<cr>
<cr> 記号は、それ以上キーワードや引数がないことを示します。Enter(または Return)キーを押してコマンドを実行します。
Router(config)# access-list 99 deny 172.31.134.0 0.0.0.255
システムではエントリがアクセス リスト 99 に追加され、サブネット 172.31.134.0 上のすべてのホストへのアクセスが拒否され、0 ~ 255 の範囲で終わる IP アドレスに対するビットが無視されます。