この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco MultiScale™ を搭載した Cisco ASA 5585-X について説明します。次の項で構成されています。
• 「製品概要」
• 「仕様」
• 「メモリ構成」
(注) 取り付け手順を開始する前に、ガイド全体を参照してください。
警告 この装置の設置、交換、保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。ステートメント 49
ASA 5585-XMultiScale を特徴とする適応型セキュリティ アプライアンスは、2RU の 2 スロット シャーシです。市場でパフォーマンス密度が最も高いファイアウォールをサポートしている ASA 5585-X の設計は、スループットだけでなく接続速度の速さと最大接続数の点でも、高いスケーラビリティを提供します。接続速度および最大接続数の必要条件は、ほとんどのカスタマー データセンター ネットワークにおいてスループットよりも急速に伸びています。ASA 5585-X の機能は、データセンターのスループット、接続容量、接続速度の面におけるスケーラビリティの問題に同時に対処するのに役立ちます。
各 ASA 5585-X シャーシには統合ファンを含む AC 電源モジュールが 2 台まで内蔵されます。お客様は、代わりに 2 番めのベイにファン モジュールの取り付けが可能です。Security Services Processor (SSP) はスロット 0(下部スロット)に配置されます。スロット 1(最上位スロット)には、追加の SSP、オプションの侵入防御システム Security Services Processor(IPS SSP)、オプションの Cisco ASA 5585-X CX Security Services Processor(ASA CX SSP)、または 2 台までのネットワーク モジュールを装着できます。ポート番号はすべて、右から左へと 0 から順に付番されます。
(注) ASA 5585-X は、ASA 5585-X SSP-40 モデルおよび ASA 5585-X SSP-60 モデルについてデュアル ファイアウォール モードをサポートします。SSP は一致する必要があります。つまり、1 つのシャーシに SSP-40 を共存させるか SSP-60 を共存させます。
(注) デュアル ファイアウォール モードは ASA ソフトウェアの特定のバージョンにおいてのみサポートされます。詳細については、次の URL にある『Cisco ASA Compatibility』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/security/asa/compatibility/asamatrx.html
ASA 5585-X シリーズには以下の 4 種類のモデルがあります。
• Security Services Processor-10 搭載 ASA 5585-X
• Security Services Processor-20 搭載 ASA 5585-X
• Security Services Processor-40 搭載 ASA 5585-X
• Security Services Processor-60 搭載 ASA 5585-X
世界水準のパフォーマンスに加えて、ASA 5585-X は暗号化トラフィックの検査、ポート密度(モデルによって最大 20 個のインターフェイス)、および機能パフォーマンス マッチング(つまり、ファイアウォール機能と IPS 機能の間のパフォーマンス パリティ)を配備します。すべての ASA 5585-X シリーズの適応型セキュリティ アプライアンスはコア SSP に同梱されます。追加の SSP、IPS SSP、 ASA CX SSP またはネットワーク モジュールはオプションです。他のモジュールを実行するには、コア SSP が必要です。
オプションの冗長なホット スワップ可能電源モジュールに加えて、ファン故障時のホット スワップ可能なファン モジュールも使用可能です。
(注) SSP、IPS SSP、ASA CX SSP およびネットワーク モジュールの活性挿抜(OIR)は、現在サポートされていません。SFP/SFP+、電源モジュールおよびファン モジュールの OIR がサポートされています。
また、適応型セキュリティ アプライアンスのソフトウェアは Cisco Adaptive Security Device Manager (ASDM)をサポートしています。ASDM では、直感的で使用が容易な Web ベースの管理インターフェイスにより、ワールドクラスのセキュリティ管理と監視機能が提供されています。適応型セキュリティ アプライアンスにバンドルされた ASDM により、市場をリードする適応型セキュリティ アプライアンスのソフトウェア スイートで提供される高度な統合型セキュリティ機能とネットワーク機能を補う、インテリジェント ウィザード、堅牢な管理ツール、および多用途モニタリング サービスを備えた適応型セキュリティ アプライアンスの導入が促進されます。安全な Web ベースの設計によって、いつでも、どこからでも、適応型セキュリティ アプライアンスへのアクセスが可能です。
SSP は環境モニタリングを提供し、ファンと電源モジュールの動作ステータスを追跡します。また、CPU の温度およびシステムの周囲温度をトレースします。
IPS SSP は Intrusion Prevention System Device Manager(IDM)7.1 をサポートします。IDM は直感的で使いやすい Web ベースの管理インターフェイスにより、セキュリティ管理と監視機能を提供します。IDM は IPS SSP を設定および管理するための Java Web Start アプリケーションです。IDM は、IPS 7.1 にバンドルされます。この Web サーバには、Internet Explorer や Firefox などの Web ブラウザでアクセスできます。
Intrusion Prevention System Manager Express(IME)7.1 は IPS SSP もサポートしています。IME は、システムのヘルス モニタリング、イベント モニタリング、コラボレーション モニタリング、レポートおよび最大 10 のセンサーの設定を行うことができるネットワーク管理アプリケーションです。IME はカスタマイズ可能なダッシュボードを使用してセンサーの状態を監視し、Cisco Security Intelligence Operations サイトからの RSS フィードの統合により、セキュリティの警告を提供します。グローバル コリレーション データはモニタされ、イベントおよびレポートが表示されます。これはイベントを監視し、フィルタリング、グループ化、色分けによるビューのソートを可能にします。IME は、ping、traceroute、DNS ルックアップおよび選択したイベントに関する whois ルックアップなどのツールもサポートします。また、柔軟なレポート作成ネットワークが含まれます。これは、IPS デバイスの監視と設定のシームレスな統合を可能にするための IDM コンフィギュレーション コンポーネントを埋め込みます。IME ではセンサーのセット アップ、ポリシーの設定、IPS イベントの監視、レポートの作成が可能です。IME はシングル アプリケーション モードで動作します。すべてのアプリケーションは 1 つのシステムにインストールされ、そのシステムから全体を管理できます。
Cisco Prime Security Manager(PRSM)では 1 つの ASA CX SSP(PRSM シングル デバイス モード)または複数の ASA CX SSP(PRSM マルチ デバイス モード)を管理できます。ASA CX SSP を PRSM のインベントリへ追加することにより、デバイス間で一貫したポリシーを適用できます。すべての設定を PRSM により行って管理対象デバイスに展開し、管理対象デバイスによって生成されるすべてのイベントが PRSM に表示されます。
ASA 5585-X SSP-10 は、ファイアウォール、VPN サポート、および 10 本のインターフェイス(SFP/SFP+ 2 本、銅ギガビット イーサネット 8 本)を提供します。SSP-10 には 1 台の電源モジュールと 1 個のファン モジュールがあります。冗長電源装置の構成では、ファン モジュールを別の電源モジュールと交換できます。SSP-10 には 1 個の CPU、3 個の DIMM モジュール、1 個の内蔵暗号化アクセラレータ、および SFP/SFP+ インターフェイス用の 1 個のデュアル ポート 10 GB アップリンクが用意されています。
侵入防止システムの保護機能と、さらに 10 本のインターフェイスを追加する IPS SSP-10、またはコンテキスト連動ファイアウォール保護機能とさらに 10 本のインターフェイスを追加する ASA CX SSP-10 を一緒に注文することもできます。
ASA 5585-X SSP-20 は、ファイアウォール、VPN サポート、および 10 本のインターフェイス(SFP/SFP+ 2 本、銅ギガビット イーサネット 8 本)を提供します。SSP-20 には 1 台の電源モジュールと 1 個のファン モジュールがあります。冗長電源装置の構成では、ファン モジュールを別の電源モジュールと交換できます。SSP-20 には 1 個の CPU、6 個の DIMM モジュール、2 個の内蔵暗号化アクセラレータ、および SFP/SFP+ インターフェイス用の 1 個のデュアル ポート 10 GB アップリンクが用意されています。
侵入防止システムの保護機能と、さらに 10 本のインターフェイスを追加する IPS SSP-20、またはコンテキスト連動ファイアウォール保護機能とさらに 10 本のインターフェイスを追加する ASA CX SSP-20 を一緒に注文することもできます。
ASA 5585-XSSP-40 は、ファイアウォール、VPN サポート、および 10 本のインターフェイス(SFP/SFP+ 4 本、銅ギガビット イーサネット 6 本)を提供します。SSP-40 には 1 台の電源モジュールと 1 個のファン モジュールがあります。冗長電源装置の構成では、ファン モジュールを別の電源モジュールと交換できます。SSP-40 には 2 個の CPU、6 個の DIMM モジュール、3 個の内蔵暗号化アクセラレータ、および SFP/SFP+ インターフェイス用の 2 個のデュアル ポート 10 GB アップリンクが用意されています。
もう 1 つの SSP-40、または侵入防止システムの保護機能とさらに 10 本のインターフェイスを追加する IPS SSP-40 を一緒に注文することもできます。
ASA 5585-XSSP-60 は、ファイアウォール、VPN サポート、および 10 本のインターフェイス(SFP/SFP+ 4 本、銅ギガビット イーサネット 6 本)を提供します。SSP-60 には 2 個の電源モジュールが同梱されます。ただし、 SSP-60 は 1 台の電源モジュールのみでしか機能しません。IPS SSP-60 と連動する SSP-60 も 1 台の電源モジュールでしか動作しませんが、電源モジュールは負荷分散モードで動作するため、信頼性を増大するために 2 台の電源モジュールを取り付けることを推奨します。この構成で失敗しても、故障した電源モジュールが交換されるまで、もう一方の電源モジュールがすべての負荷を処理できます。SSP-60 には 2 個の CPU、12 個の DIMM モジュール、4 個の内蔵暗号化アクセラレータ、および SFP/SFP+ インターフェイス用の 2 個のデュアル ポート 10 GB アップリンクが用意されています。
もう 1 つの SSP-60、または侵入防止システムの保護機能とさらに 10 本のインターフェイスを追加する IPS SSP-60 を一緒に注文することもできます。
ここでは、ASA 5585-X の前面パネルと背面パネルの機能とインジケータについて説明します。
図 1-1は、IPS SSP-10 が最上位スロットにあるASA 5585-X SSP-10 の前面を示します。この図は IPS SSP-10 搭載の ASA 5585-X SSP-10 を表していますが、最上位スロットに ASA CX SSP-10 を搭載した ASA 5585-X SSP-10、および IPS SSP-20 または ASA CX SSP-20 を最上位スロットに搭載した ASA 5585-X SSP-20 にも適合します。
図 1-1 IPS SSP-10 搭載 ASA 5585-X SSP-10 の前面パネル外観
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ハード ディスク ドライブのベイは下部スロットに予約されている |
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TenGigabitEthernet 0/9(スロット 0 に SSP) |
TenGigabitEthernet 0/8(スロット 0 に SSP) |
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GigabitEthernet 0/0~0/7(スロット 0 に SSP) |
管理 0/1(スロット 0 に SSP) |
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管理 0/0(スロット 0 に SSP) |
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AUX ポート(RJ45)2 |
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イジェクト3 |
1.ハード ディスク ドライブは現在、上端のスロットに搭載される ASA CX SSP にのみサポートされる 2.RJ-45 補助ポート(シャーシに AUX とラベル付け)はシスコ内部で使用するために予約されています。ポートはシャーシの出荷バージョンでは機能しません。したがって、お客様はこのポートに接続して適応型セキュリティ アプライアンス CLI を実行することはできません。 |
図 1-2 は IPS SSP-40 搭載の ASA 5585-X SSP-40 の正面図を示しています。この図は、最上位スロットに IPS SSP-40 を搭載した ASA 5585-X SSP-40 を示していますが、最上位スロットに SSP-40 を搭載した ASA 5585-X SSP-40 もしくは最上位スロットに SSP-60 または IPS SSP-60 を搭載した ASA 5585-X SSP-60 にも適合します。
図 1-2 IPS SSP-40 搭載 ASA 5585-X SSP-40 の前面パネル外観
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ハード ディスク ドライブ用に予約されたベイ4 |
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TenGigabitEthernet 0/9(スロット 0 に SSP) |
TenGigabitEthernet 0/8(スロット 0 に SSP) |
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TenGigabitEthernet 0/7(スロット 0 に SSP) |
TenGigabitEthernet 0/6(スロット 0 に SSP) |
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GigabitEthernet 0/0~0/5(スロット 0 に SSP) |
管理 0/1(スロット 0 に SSP) |
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管理 0/0(スロット 0 に SSP) |
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AUX ポート(RJ45)6 |
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イジェクト7 |
図 1-3 に、前面パネルのインジケータを示します。
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表 1-1 に、ASA 5585-X の前面パネルにあるインジケータを示します。
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ハードウェア コンポーネントまたはソフトウェア モジュールの重大な障害、限度を超える温度、許容範囲外の電力、または OIR によるモジュール削除準備が整った状態。8 |
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背面パネルから向かって右側に設置された電源モジュールの状態を示します。 • 消灯:電源モジュールが存在しない、または AC 入力なし。 |
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背面パネルから向かって左側に設置された電源モジュールの状態を示します。 • 消灯:電源モジュールが存在しない、または AC 入力なし。 |
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ハード ディスク ドライブのアクティビティを示します。9 |
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図 1-4 に、背面パネルの機能を示します。
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図 1-5 に、電源モジュールのインジケータを示します。
図 1-5 ASA 5585-X 電源モジュールのインジケータ
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表 1-2 に、電源モジュールおよびファン モジュールのインジケータを示します。
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• 赤:出力電圧の障害10 |
表 1-3 で、イーサネット ポート インジケータについて説明します。
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– 緑の点滅11:ネットワーク アクティビティ |
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表 1-4 に、ASA 5585-X の仕様を示します。
ASA 5585-X には CPU ごとに 6 個の DIMM モジュールがあります。DIMM の入力は、プラットフォームによって異なります。 表 1-5 に、メモリ構成を示します。
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(注) IPS SSP または ASA CX SSP は SSP モデルと同一レベルである必要があります。たとえば、ASA 5585-X SSP-10 がある場合、IPS SSP-10 しか取り付けられません。
表 1-6 に、AC および DC 電源モジュールに関する電源モジュールの要件を示します。
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SFP/SFP+ モジュールは、SFP/SFP+ ポートに差し込まれ、ギガビット イーサネット接続を提供するホット スワップ可能な入出力デバイスです。SFP および SFP+ モジュールはオプションであり、ASA 5585-X には含まれません。それらを別に購入できます。1 GB の場合、SFP が必要です。10Gb の場合、SFP+ が必要です。2 つのポートは同じですが、SSP-10 および IPS-20 のライセンスを購入した場合にのみ 10 GB を使用できます。それ以外の場合、ポートは 1 GB に制限されます。SSP-40 および IPS-60 では、ポートは常に 10 GB イネーブルになっています。インターフェイスは 10 GB イネーブルかどうかに関係なく、 SSP の場合は TenGigabitEthernet 0/ x 、ASA 5585-X IPS SSP の場合は TenGigabitEthernet 1/ x と呼ばれます。
表 1-7 に、ASA 5585-X がサポートする SFP/SFP+ モジュールを示します。
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