この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この付録は、AD Agent の使用中に発生する可能性がある問題を特定および解決する際に役立つ情報を収録しています。この付録の構成は、次のとおりです。
• 「設定の問題」
トラブルシューティング情報は、AD Agent により生成される正式なカスタマー ログから取得できます。これらのログは AD Agent マシンのディレクトリ C:¥IBF¥radiusServer¥runtime¥logs¥localStore にあります。
また、AD Agent のカスタマー ログを Syslog サーバに送信することもできます。これらのログを受信するように Syslog サーバを設定する方法については、「AD Agent での Syslog サーバへのログ送信の設定」を参照してください。
adacfg options set -logLevel コマンドを使用して、localStore と Syslog の両方のカスタマー ログでの詳細レベルを制御できます。
関連するカスタマー ログ メッセージのリストについては、 付録 B「カスタマー ログ メッセージ」 を参照してください。
デフォルトでは、ログ レベルは INFO に設定され、情報メッセージのみが報告されます。特定の問題のトラブルシューティングを行う場合は、追加情報を取得するためにこのログ レベルを変更することができます。ログ レベルの有効なオプションを詳細度の高いものから順に示します。
このコマンドの詳細については、「adacfg options set」を参照してください。
トラブルシューティングに役立つ情報源として、カスタマー ログの他に Windows アプリケーション イベント ログがあります。このログは、Windows Event Viewer ツール([Event Viewer (Local)] > [Applications and Services Log] > [Cisco AD Agent])を使用して表示できます。このツールは AD Agent ソフトウェア、内部プロセス「AD Observer」および「RADIUS サーバ」の開始イベントと停止イベントを記録します。詳細については、 付録 C「Windows アプリケーション イベント ログ」 を参照してください。
問題の報告時に、AD Agent マシンで内部デバッグ ログを有効にするかどうか、およびカスタマー ログとともにこれらのログを送信するかどうかが尋ねられます。これらのログは問題を診断および解決する際に役立ちます。これらの内部デバッグ ログを有効にするには、「AD Agent での内部デバッグ ログの有効化」を参照してください。
高度なトラブルシューティングのために、次の 2 種類の内部デバッグ ログを有効化できます。
「C:¥IBF¥adObserver¥logconfig.ini」ファイルに、AD Observer サブコンポーネントの内部デバッグ ログ レベルが指定されています。デフォルトでは LOG_LEVEL は LOG_NONE に設定されています。この設定では、AD Observer サブコンポーネントの内部デバッグ ログは生成されません。
• LOG_DEBUG:トラブルシューティングおよびデバッグ情報が含まれます。
• LOG_FATAL:重大なエラー メッセージのみが含まれます。
ログ レベルは LOG_VERBOSE(最も情報が多い)から LOG_FATAL(最も情報が少ない)までで、この順にレベルが低くなります。トラブルシューティング情報を取得するため、LOG_DEBUG を選択することをお勧めします。
AD Observer 内部デバッグ ログを有効にするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 AD Agent マシンで C:¥IBF ¥ adObserver ディレクトリに移動します。
ステップ 2 [Notepad] などの任意のテキスト エディタで logconfig.ini ファイルを開きます。
ステップ 3 このコンフィギュレーション ファイルの最後のセンテンスを次のように変更します。
ステップ 4 logconfig.ini ファイルを保存します。
ステップ 5 この変更を反映するため、 adactrl restart コマンドを使用して AD Agent を再起動します。
これで、AD Observer 内部デバッグ ログが有効化されました。AD Agent により ADObserverLog.txt ファイルが C:¥IBF¥adObserver ディレクトリに生成されます。
(注) AD Observer サブコンポーネントの内部デバッグ メカニズムの「LOG_LEVEL」設定は、adacfg options set コマンドの -logLevel 設定オプションとは関係ありません。
RADIUS サーバ実行時デバッグ ログ コンフィギュレーション ファイルでは、さまざまな RADIUS サーバ サブコンポーネントの内部デバッグ ロギングを有効または無効にできます。このファイルの場所は C:¥IBF ¥ radiusServer¥runtime¥win32¥config¥RuntimeDebugLog.config です。
デフォルトでは、すべてのサブコンポーネントでデバッグ ロギングが無効です。
このコンフィギュレーション ファイルでは、デバッグ ロギングをオフまたはオンにできる RADIUS サーバ サブコンポーネントが次の形式のセンテンスにリストされます。
#components.[Acs.RT.] variable =off
variable には次のサブコンポーネントのいずれかを指定できます。
• MessageCatalog.CatalogRepository
• EventHandler.EventDispatchTable
RADIUS サーバ サブコンポーネントの内部デバッグ ロギングを有効にするには、次の手順を実行します。
ステップ 2 任意のテキスト エディタ(WordPad など)で RuntimeDebugLog.config ファイルを開きます。
ステップ 3 このコンフィギュレーション ファイルで、デバッグ ログを有効にする RADIUS サーバ サブコンポーネントをリストする行の終わりにある単語 off を on に置き換えます。
デバッグ ログを有効にするすべてのサブコンポーネントについて、単語 off を on に置き換えます。
(注) この値では大文字と小文字が区別されます。単語 off と on には小文字を使用してください。
ステップ 4 RuntimeDebugLog.config ファイルを保存します。
AD Agent により RADIUS サーバ コンフィギュレーション ファイルの変更が自動的に検出され、RADIUS サーバ デバッグ ログが有効になります。これらのログは次の場所にあります。
C:¥IBF ¥ radiusServer¥runtime¥logs¥radiusServer_debug.log
このセクションでは、よく見られる設定の問題について説明します。ここでは、次の項目について説明します。
• 「adacfg client status コマンドによりクライアント デバイスが「Out-of-Sync」であると報告されるが、原因が不明である」
• 「IP-to-user-identity マッピングが短期間で AD Agent キャッシュから消去される」
• 「特定の DC マシンにより認証されたユーザ ログオンが AD Agent により検出(および処理)されない」
• 「adacfg dc list コマンドを実行すると、ドメイン コントローラ マシンが「up」状態に達していないことが示される」
• 「「adacfg dc list」コマンドを実行すると、ドメイン コントローラ マシンが「down(no-retry)」状態に達したことが示される」
• 「AD Agent マシンをリブートするとログオンが失敗する」
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1. AD Agent と通信するようにクライアント デバイスが適切に設定されていない可能性があります。 2. Windows ファイアウォールによって RADIUS トラフィックがブロックされている可能性があります。 3. AD Agent マシンで adacfg client create コマンドを使用してクライアント デバイスを設定したときに入力された RADIUS 共有秘密が誤っています。 |
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1. クライアント デバイスが、AD Agent マシンと通信するように適切に設定されていることを確認します。 2. Windows ファイアウォールまたは類似のファイアウォール ソフトウェアが実行されている場合は、「接続要件」で説明するように必要なファイアウォール例外が設定されていることを確認します。 3. カスタマー ログ(localStore または Syslog)を調べ、無効な [RADIUS Authenticator] フィールドまたは [Message-Authenticator] 属性を示すログ メッセージが記録されているかどうかを確認します。このようなメッセージが検出された場合は、クライアント デバイスと AD Agent の両方が、同じ RADIUS 共有秘密を使用するように正しく設定されていることを確認します。 |
adacfg client status コマンドによりクライアント デバイスが「Out-of-Sync」であると報告されるが、原因が不明である
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AD Agent マシンが RADIUS CoA-Request によって通知更新をクライアント デバイスに送信した後、クライアント デバイスから CoA-ACK を受信しません。 |
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1. クライアント デバイスが現在ダウンしているか、または適切に設定されていないことが原因で RADIUS CoA-ACK を送信しなかった可能性があります。 2. Windows ファイアウォールによって RADIUS トラフィックがブロックされている可能性があります。 3. クライアント デバイスが CoA-ACK を送信するが、RADIUS 共有秘密が誤っているために AD Agent マシンがこの要求をドロップしている可能性があります。 |
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1. クライアント デバイスが現在アップしており、AD Agent マシンと通信するように適切に設定されていることを確認します。 2. Windows ファイアウォールまたは類似のファイアウォール ソフトウェアが実行されている場合は、「接続要件」で説明するように必要なファイアウォール例外が設定されていることを確認します。 3. カスタマー ログ(localStore または Syslog)を調べ、無効な [RADIUS Authenticator] フィールドまたは [Message-Authenticator] 属性を示すログ メッセージが記録されているかどうかを確認します。このようなメッセージが検出された場合は、クライアント デバイスと AD Agent の両方が、同じ RADIUS 共有秘密を使用するように正しく設定されていることを確認します。 |
IP-to-user-identity マッピングが短期間で AD Agent キャッシュから消去される
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adacfg options set コマンドの「userLogonTTL」設定オプションの現行設定に対応する期間が短すぎます。 |
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ユーザ ログオン TTL の期間を長く設定してください。詳細については、「adacfg options set」を参照してください。 |
特定の DC マシンにより認証されたユーザ ログオンが AD Agent により検出(および処理)されない
adacfg dc list コマンドを実行すると、ドメイン コントローラ マシンが「up」状態に達していないことが示される
「adacfg dc list」コマンドを実行すると、ドメイン コントローラ マシンが「down(no-retry)」状態に達したことが示される