ルート マップについて
ルート マップは、ルートを OSPF、RIP、EIGRP、または BGP ルーティング プロセスに再配布するときに使用します。また、デフォルト ルートを OSPF ルーティング プロセスに生成するときにも使用します。ルート マップは、指定されたルーティング プロトコルのどのルートを対象ルーティング プロセスに再配布できるのかを定義します。
ルート マップは、広く知られた ACL と共通の機能を数多く持っています。両方に共通する主な特性は次のとおりです。
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いずれも、それぞれが許可または拒否の結果を持つ個々の文を一定の順序で並べたものです。ACL またはルート マップの評価は、事前に定義された順序でのリストのスキャンと、一致する各文の基準の評価で構成されています。リストのスキャンは、文の一致が初めて見つかり、その文に関連付けられたアクションが実行されると中断します。
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これらは一般的なメカニズムです。基準一致と一致解釈は、適用方法とこれらを使用する機能によって決定します。異なる機能に適用される同じルート マップの解釈が異なることがあります。
次のように、ルート マップと ACL には違いがいくつかあります。
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ルート マップは ACL よりも柔軟性が高く、ACL が確認できない基準に基づいてルートを確認できます。たとえば、ルート マップはルートのタイプが内部であるかどうかを確認できます。
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設計規則により、各 ACL は暗黙の deny 文で終了します。一致試行の間にルート マップの終わりに達した場合は、そのルート マップの特定のアプリケーションによって結果が異なります。再配布に適用されるルートマップの動作は ACL と同じです。ルートがルートマップのどの句とも一致しない場合は、ルートマップの最後に deny 文が含まれている場合と同様に、ルートの再配布が拒否されます。
permit 句と deny 句
ルート マップでは permit 句と deny 句を使用できます。deny 句は、ルートの照合の再配布を拒否します。ルートマップでは、一致基準として ACL を使用できます。ACL には permit 句と deny 句もあるので、パケットが ACL と一致した場合に次のルールが適用されます。
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ACL permit + route map permit:ルートは再配布されます。
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ACL permit + route map deny:ルートは再配布されません。
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ACL deny + route map permit or deny:ルート マップの句は一致せず、次のルート マップ句が評価されます。
match 句と set 句の値
各ルート マップ句には、次の 2 種類の値があります。
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match 値は、この句が適用されるルートを選択します。
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set 値は、ターゲット プロトコルに再配布される情報を変更します。
再配布される各ルートについて、ルータは最初にルート マップの句の一致基準を評価します。一致基準が満たされると、そのルートは、permit 句または deny 句に従って再配布または拒否され、そのルートの一部の属性が、set コマンドによって設定された値で変更されます。一致基準が満たされないと、この句はルートに適用されず、ソフトウェアはルートマップの次の句でルートを評価します。ルートマップのスキャンは、ルートと一致する句が見つかるまで、もしくはルートマップの最後に到達するまで続行します。
次のいずれかの条件が満たされる場合は、各句の match 値または set 値を省略したり、何回か繰り返したりできます。
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複数の match エントリが句に含まれる場合に、特定のルートが句に一致するためには、そのルートですべての照合に成功しなければなりません(つまり、複数の match コマンドでは論理 AND アルゴリズムが適用される)。
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match エントリが 1 つのエントリの複数のオブジェクトを指している場合は、そのいずれかが一致していなければなりません(論理 OR アルゴリズムが適用される)。
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match エントリがない場合は、すべてのルートが句に一致します。
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ルート マップの permit 句に set エントリが存在しない場合、ルートは、その現在の属性を変更されずに再配布されます。
(注) |
ルート マップの deny 句では set エントリを設定しないでください。deny 句を指定するとルートの再配布が禁止され、情報が何も変更されないからです。 |
match エントリまたは set エントリがないルート マップ句はアクションを実行します。空の permit 句を使用すると、変更を加えずに残りのルートの再配布が可能になります。空の deny 句では、他のルートの再配布はできません。これは、ルート マップがすべてスキャンされたときに、明示的な一致が見つからなかったときのデフォルト アクションです。