仮想トンネル インターフェイスについて
ASA は、仮想トンネルインターフェイス(VTI)と呼ばれる論理インターフェイスをサポートします。ポリシーベースの VPN の代わりに、VTI を使用してピア間に VPN トンネルを作成できます。VTI は、各トンネルの終端に IPsec プロファイルが付加されたルートベースの VPN をサポートします。動的ルートまたは静的ルートを使用できます。VTI からの出力トラフィックは暗号化されてピアに送信され、VTI への入力トラフィックは関連付けされた SA によって復号化されます。
VTI を使用することにより、静的暗号マップのアクセス リストを設定してインターフェイスにマッピングすることが不要になります。すべてのリモート サブネットを追跡し、暗号マップのアクセス リストに含める必要がなくなります。展開が簡単になるほか、ダイナミック ルーティング プロトコルのルート ベースの VPN をサポートするステティック VTI があると、仮想プライベートクラウドの多くの要件を満たすこともできます。
スタティック VTI
2 つのサイト間でトンネルが常にオンになっているサイト間接続用に、スタティック VTI 設定を使用できます。スタティック VTI インターフェイスの場合、物理インターフェイスをトンネルソースとして定義する必要があります。デバイスごとに最大 1024 の VTI を関連づけることができます。スタティック VTI インターフェイスを作成するには、VTI インターフェイスの追加を参照してください。
Dynamic VTI
ダイナミック VTI は、サイト間 VPN に高度に安全でスケーラブルな接続を提供します。ダイナミック VTI は、大規模な企業向けハブアンドスポーク展開でのピアの構成を容易にします。ハブの複数のスタティック VTI 構成を単一の ダイナミック VTI に置き換えることができます。ハブの構成を変更せずに、新しいスポークをハブに追加できます。ダイナミック VTI テクノロジーは、ダイナミック クリプト マップとトンネルを確立するためのダイナミック ハブアンドスポーク方式にとって代わるものです。管理センターでは、ダイナミック VTI はハブアンドスポークトポロジのみをサポートします。
ダイナミック VTI では、IPsec インターフェイスの動的なインスタンス化および管理のために、仮想テンプレートが使用されます。仮想テンプレートは、VPN セッションごとに固有の仮想アクセスインターフェイスを動的に生成します。ダイナミック VTI は、複数の IPsec セキュリティアソシエーションをサポートし、スポークによって提案された複数の IPsec セレクターを受け入れます。ダイナミック VTI はダイナミック(DHCP)スポークもサポートします。ダイナミック VTI インターフェイスを作成するには、ダイナミック VTI インターフェイスの追加を参照してください。
ASA で VPN セッションのダイナミック VTI トンネルを作成する方法
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ASA で仮想テンプレートを作成します([設定(Configuration)] > [デバイスの設定(Device Setup)] > [インターフェイス設定(Interface Settings)] > [インターフェイス(Interfaces)] > [追加(Add)] > [DVTIインターフェイス(DVTI Interface)] を選択)。
このテンプレートは、複数の VPN セッションに使用できます。
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このテンプレートをトンネルグループに適用します。1 つの仮想テンプレートを複数のトンネルグループに適用することができます。
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スポークは、ハブとのトンネル要求を開始します。
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ハブはスポークを認証します。
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ASA は、仮想テンプレートを使用して、スポークとの VPN セッション用にハブ上に仮想アクセスインターフェイスを動的に作成します。
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ハブは、仮想アクセスインターフェイスを使用して、スポークとのダイナミック VTI トンネルを確立します。
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IKEv2 交換で VTI インターフェイス IP をアドバタイズするように、IKEv2 route set interface オプションを設定します。このオプションにより、トンネルを介して機能する BGP またはパスモニタリングの VTI インターフェイス間のユニキャスト到達可能性が有効になります。
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VPN セッションが終了すると、トンネルは切断され、ハブは対応する仮想アクセスインターフェイスを削除します。